酒寄進一のレビュー一覧

  • 悪しき狼

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    前作は若干残念でしたが
    本作は辛いテーマとはいえ
    複雑な人間関係も理解し易くなっていて
    入り込めました!

    終わり方が
    『羊たちの沈黙』的で
    おしゃれで恐ろしかったです。

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    2025年04月20日
  • テロ

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    トロッコ問題。

    テロにハイジャックされた旅客機が、七万人を収容するスタジアムに突入しようとする。憲法の規定とは異なる判断をし、旅客機を撃ち落とした軍人に下される判決は何が妥当かを問う。

    自分が、軍人パイロットか、裁判官になるかで、答えは変わってくるかもしれない。

    参審員の立場だったら、有罪を判決すると思う。法はあくまで法にあるのに過ぎないが、それでも、モラルの集合体が法である。法を絶対不可侵であると考えるわけではないが、それでも、今までの人間のモラルの積み重ねであることは否定できない。また、人の尊厳を比べることができないのも賛成。

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    2025年04月16日
  • 17の鍵

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    羊たちの沈黙が始まったか、と思うようなオープニング、前半の展開はスリリングで惹きつけられました。後半説明口調になり、わかりやすかったもののテンポ落ちた感があり残念。度々登場するヴィーの妄想もくどくない?とは思いましたが、連続して読まざるを得ない結末には唸らされました。ドイツミステリは何回か読みましたが、旧東ドイツ時代の負の歴史をえぐった作品は初めてで、ミステリの魅力を噛み締めています。

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    2025年04月06日
  • コリーニ事件

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    シーラッハに魅せられて、これで6作品目。
    これまで読んだ短編に比べると、少し物足りなさを感じなくはないが、でも悲惨な出来事であっても登場人物の中にずかずかと踏み入るような事はせずに淡々と書くシーラッハならではの感触が心地よい。



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    2025年04月04日
  • 19号室

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    「17の鍵」と同じトム・バビロンが主人公のドイツを舞台にしたミステリー。今作は臨床心理士のジータに焦点を当てている。ジータの18年前の事件と2001年の事件がそれぞれの時間系列で交互に描かれていく。過去のトラウマに苦しむジータ、妹の亡霊が見えてしまうトムの2人の、足を使った地道な操作に拍手を送りたい。

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    2025年03月31日
  • 19号室

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    ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。予定外の、女性が殺される瞬間を撮った映像が上映されたのだ。女性は市長の娘で女優の卵。映像はあまりにリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士ジータは、映像内の壁に残されていた「19」に、自分との共通点を見つけて戦慄する。

    誰も彼もが叫び続けているような、サスペンス満載のドイツ発警察小説第2弾。しかも肝心の謎は次作以降に残されているとは。

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    2025年03月30日
  • 17の鍵

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    早朝のベルリン大聖堂で殺人事件が発生。丸天井の下に、女性牧師の死体が吊り下げられていた。現場に駆けつけたトム・バビロン刑事は、信じがたいものを目撃する。被害者の首には、カバーに「17」と刻まれた鍵がかけられていた。かつて、トムが少年の頃に川で見つけた死体のそばにあったのと同じ鍵が、なぜ今、ここに現れたのか? 圧倒的スピードで疾走するドイツ・ミステリ!

    次作を読まずにはいられない。

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    2025年03月27日
  • 17の鍵

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    205.03.16
    読み応えあり。
    訳者あとがきをまず読むことをおすすできます。読み進めるにあたり過不足ない前提情報を得られます。
    ネタバレしない範囲でいえば、主人公の警察官はあまりにも無鉄砲すぎる。

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    2025年03月16日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    解説氏も書いておられましたが
    前作とは一転、
    横溝正史のような
    長らくメンバーが変わらない、
    閉鎖的な村の物語。

    登場人物や役割が多くて
    わからなくなるかも?と思いきや
    丁寧に読んでいくとわかる!
    これはさすがですね。

    とっ散らかして
    読む気なくす作品、ありますので。

    引き続き
    オリヴァーとピアのシリーズ、
    読みたいと思います。

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    2025年02月23日
  • ほら吹き男爵の冒険

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    馬鹿っばなし
     大喜びの馬鹿話集。小生は井上ひさし好きなので、この大法螺も大好きなのである。
     読んで感じたこと。
     最初から法螺だとわかってるから気ままに笑へる。おいおい。こんなことほんまに起るんかいな。といふ現実に接続した絶妙さ。これがラテンアメリカ文学みたいに語られたら肩が凝りすぎてたまったもんぢゃないなとなる。

     ただし、海洋冒険物語になると、月人だの海馬だの、ただのデタラメでうんともすんとも面白くない。現実から離れて空想になってしまった。

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    2025年02月24日
  • 深い疵

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    ひゃあ〜
    ノンストップ!

    ナチ親衛隊とか
    なりすましとか
    いまだに名前に“フォン”が入る貴族とか
    女性警部が馬を飼ってるとか
    日本人には遠めのお話ばかりですが
    (唯一彼女の愛車がニッサンらしい)
    手に汗握る展開。

    初めて読む作家ですが
    このオリヴァーさんシリーズが
    続いているようなので
    他の作品も楽しみに読みたいと思います。

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    2025年02月16日
  • テロ

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    文中でも哲学者の言葉が多用されているが、裁判と哲学を組み合わせて考えた事がなかったので面白かった。

    当たり前ながらドイツの裁判は日本の裁判とは違うという事も興味深い。

    シーラッハの作品は感情に走らず、かといって押しつけがましい事もなく、淡々と深いところを抉ってくるところがとても良い。

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    2025年02月14日
  • 犯罪

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    弁護士である「私」が携わった事件、その背景を追いかけながら、被告人たちの真実を描く11篇の連作短編集。
    現代ドイツを舞台にしているのだが、難解で共感も困難な事例が多く出てくる。それを一番感じたのは、移民や難民などの他民族他国籍の人々との絡みだった。「この民族は〜な性質」「この国籍は〜レベル」といったような暗黙の既成観念があるように感じ、それを覆せなかった人々による犯罪は、日本にいるとあまりピンとこないように思った。読み進めると、痛々しくて生々しい人々の叫びが文中から聞こえてくるようで、淡々とした「私」視点も相まって、一篇一篇にキツイ読後感を味わうこととなった。
    後書きを読んでもう一度本文を読み

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    2025年02月03日
  • 若きウェルテルの悩み

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    書簡の形を取り、読み易さを保ちつつも詩的なワードセンスを崩さない文体が魅力的です。若者ならではの、感受性が暴走したような、抑圧や障害への力強い反発が表れたような、危なっかしさと勢いのある表現が多く、悩める若い読者の心には、色々な意味で、刺さる言葉がきっと見つかると思います。
    個人的には、冗談のつもりでピストルを自分の頭につきつけたウェルテルと、アルベルトとの口論のシーンが印象的です。

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    2025年01月29日
  • デーミアン

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    この本についての書評については、松岡正剛翁のISISにあるのでそれを参考にいただければ十分である。自分としては、久々に魂を揺さぶられるような作品に会え、じつに楽しかった。

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    2024年11月23日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ある人物の自死をきっかけに後追い自殺が増えることをウェルテル効果というそうですね。それはこの小説が発刊されたときの社会現象になぞらえてのネーミングらしい。私はこんなウェルテルみたいなのは気持ち悪くていやだなぁ。即、離れる。彼女は人妻なのに彼女を好きで好きでたまらない。彼女の夫は申し分のない男。そりゃ悩むな。しかし同情も共感も、ないわ。もう少し生きてみれば程よく絶望して幸福が見つかったかも知れないのに。ウェルテルのモデルも実在したし、ゲーテの実体験も入ってるそうです。

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    2024年10月30日
  • 友情よここで終われ

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    オリヴァー&ピアシリーズ。今回は出版社が舞台の殺人事件。複雑な人間関係を紐解き、過去の事故や自殺の真相も明かされる。最後まで気が抜けない展開のため、特に後半は一気読みしてしまう。
    ピアの元夫ヘニングがミステリー作家となり、過去の事件を作品にしているのは面白い。最後はほっこりするシーンで、事件の残虐さを忘れさせてくれる。

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    2024年10月08日
  • 犯罪

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    「さあ、櫂を漕いで流れに逆らおう。だけどそれでもじわじわ押し流される。過去の方へと」

    「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」

    ・様々な原因があって人は罪を犯してしまう。自分が今犯罪者にならずにいるのは、幸せなのだと気づいた。作者の言っていた通り、幸運に恵まれさえすれば何も起こらない。幸運に恵まれさえすれば。

    ・特に3つ目のチェロの話が好きだった。
    幸せになろうとしても、押し流されてしまう。彼女が罪を犯さずに幸せになれる方法が思いつかない。

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    2024年09月08日
  • ケストナーの戦争日記 1941-1945

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    「終戦日記」と読み比べると元々書かれていない事をケストナーが加筆している個所が多々ある。グデーリアンの邦題「電撃戦」で書かれている宣伝省次官ヴェルナー・ナウマンから依頼された談話は「戦争日記」では単に彼の発言を引用しているだけだが「終戦日記」ではポーランド人の地主からダイペンホーフを略奪したグデーリアンに代表される当時の国防軍の軍人批判を書き加えているので「終戦日記」は「青い本」こと「戦争日記」を元にした日記体の実録と見た方がいい。「終戦日記」は1961年に刊行されているので1951年に刊行されたグデーリアンの回想録をケストナーが読んで書き加えた可能性はありそうだ。
    邦訳者のあとがきには第三帝

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    2024年09月08日
  • デーミアン

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    「自分を解き明かすことができるのは、他人ではなくあくまで自分だけだ。」

    ヘルマン・ヘッセの代表作のひとつ『デーミアン』です

    うーん、これまた「聖書の壁」
    しかも完全に四方を囲んでいて、蟻の這い出る隙間もない

    当然のことながら、全く意味もわからん 
    けど面白かった
    たまにあるのよ
    全く意味分からんけど面白い
    全く意味分からんときって大抵は面白くないのよ
    だってそうでしょ、意味分からんのだから

    でも、本作は面白かった
    ぜんぜん分からんのに、全部分かったような気もする

    独断的で独りよがりな心中が延々と語られるのに、普遍的で共感できるような気にもなる

    なんだこれは!

    こういう時、いつも実

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    2024年08月30日