酒寄進一のレビュー一覧

  • 罪悪

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    「珈琲と煙草」「犯罪」「テロ」「神」の順に読んでこの本を読んだ。

    どれを読んでもシーラッハワールドに引き込まれる。世の中の不条理を作者の予断なく書かれているところが、深くて重い中で心地よさを感じる。

    罪悪はあっさりとした短編集だけれども、それぞれの話が2-3時間の映画が作れるだろうなと思うくらい濃い。

    この後もまだ読んでないシーラッハを読もう。

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    2025年03月23日
  • ベルリン1945 はじめての春(下)

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    著者は東ドイツ出身。ドイツの戦後を子供の目線で描いたものには、ペーター・ヘルトリングの『僕は松葉杖のおじさんにあった』があるけど、それとはまた違った側面から描かれ大変興味深かった。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1945 はじめての春(上)

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    第3部では、第1部の主人公ヘレの娘が主人公。長い時代をずっと子どもの目線で描くためにこの手法を使ったんだろうな。『ブリキの太鼓』を思い出しました。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1933 壁を背にして(下)

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    ちびのルツが気になります。お調子者だった貧しい少年が、ナチに入ることでよ、うやく自分の居場所を見つけるところ、とても気になります。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1933 壁を背にして(上)

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    あの幼かったハンスが主人公に。ハンスの恋人で魅力的なミーツェがユダヤ人というところが心配で心配で…。第1部に登場していた水兵ハイナーが登場したときはほっとしました。

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    2025年03月15日
  • 19号室

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    女性の殺害シーンが映画祭で流された。そこには『19号室』の文字が…ベルリンの壁崩壊という大きな歴史をベースに展開するミステリは前作よりさらに重厚感があった。さらに、気になっていたジータの過去までがからむ。今作もまた、気になるラスト。次も絶対翻訳して欲しい!

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    2025年03月10日
  • コリーニ事件

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    単なる推理小説かと思ったら、ナチスの影はまだヨーロッパにも残ってるんだと知った。悪法に対して、こうやって変えていく声の出し方もあるんだ。それにしても切ないわ。責任を背負って生きていくのね。全員よ。背負ってない人なんかいない。 90

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    2025年01月07日
  • 深い疵

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    ネタバレ

    オリヴァー(主席警部)とピア(警部)のバディー。事件捜査の中で関係が進展し親密感が増していくのがいい。事件現場に残された「16145」は何を意味しているのだろうか。
    1945年から2007年というスパンの壮大な推理小説。
    登場人物の名前、関係性、家系、何度も何度も前に戻って確認した。沢山の登場人物の作品、読みこなすのに努力が必要だったが、それを上回るわくわく感があった。満足だ。

    小説のキモはこのあたり。
    P.443
    「聖書に「汝殺すなかれ」と書いてあることは知っています」アウグステがまた口を開いた。
    彼女の声は今にも酒え入りそうだった。「でもその聖書には「目には目を、歯には歯を」とも書かれて

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    2025年01月02日
  • ある晴れたXデイに

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    ネタバレ

    ドイツの女性作家、カシュニッツの第二短編集。

    一作目は幻想、不条理がメインの短編が多かったが、今作は主人公たちの異常なほど不安になる気持ち、執着する気持ちが軸となる作品が目立つ。
    死んだ養子が戻ってくるかと不安に怯える「雪解け」、行方不明の男の子を見つけることに執心する「幸せでいっぱい」、滅亡する世界を減少し異常なほど怯える「ある晴れたXデイに」。

    わかりやすいホラーは少ない作家。でも、どの作品も時折、読んでいて息苦しくなる。一気に読むというより、少しずつ、堪能する短編集だと思う。良作。

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    2024年12月30日
  • カールの降誕祭

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     皮肉な結末が三話。こんなクリスマスは、絶対に嫌だけれど、お話としては面白かった。どれも甲乙つけ難いが、やはりタイトルである、『カールの降臨祭』が最もインパクトがあった。カールが子どもの頃に言われた 所詮はクズ という一言が、彼の心にずっと燻っていたところが、たまらなかった。
     ドイツの著者だったが、親日家なのか、随分と日本の話が出てきたことも、印象的だ。

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    2024年12月21日
  • 神

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    だれかの人生はわたしのものではないし国のものでも法制度のためにあるものでもない 一般化できない異なる事情を全員が抱えているし、その事情がどういうものか、その人の状況とまったく同じに再現することも理解することも不可能だし実際の気持ちはその本人にしかわからない 罰は類型化できても罪はできないのと同じように、人生は類型化できても死は個別案件すぎるのにな

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    2024年10月19日
  • その昔、N市では

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    書店で何となくパケ買いした1冊。
    自分好みで大満足だった。

    ドイツ人女性作家のカシュニッツが手がけた本書は15作の不思議で少し背筋の凍る短編からなる。
    どの話も何の説明もなく突然始まり、読者は最初置いてけぼりになる。しかし1,2ページ読み進めると状況が掴めてくる、といった自由奔放な構成にも惹かれた。

    個人的に「船の話」「ロック鳥」「幽霊」「長い影」辺りが特に印象に残っている。10ページにも満たないであろう短編を読んでここまで不思議で不安な気持ちを植え付けられることは中々ない。

    これを機に彼女の他の作品も読んでみたいと思った。

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    2024年10月05日
  • デーミアン

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    主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。

    子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。
    ラストのデミアンの言葉には号泣した。
    自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。

    この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、
    読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。
    またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。
    (知らなくても十分楽

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    2024年09月21日
  • 犯罪

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    ネタバレ

    <(前略)私には参審裁判所で裁判長を勤めたおじがいました。故殺や謀殺などの殺人事件を扱っていました。おじは私たち子どもにもわかる事件の話をしてくれました。でも、いつもこういってはじめたものです。「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」

    おじのいうとおりでした。私たちはさまざまな物事を追いかけています。ところが物事の方が速すぎて、どうしても追いつけないものです。私の話に出てくるのは、人殺しや麻薬密売人や銀行強盗や娼婦です。それぞれにそれぞれがたどってきた物語があります。しかしそれは私たちの物語と大した違いはありません。私たちは生涯、薄氷の上で踊っているのです。氷の下は冷た

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    2024年09月17日
  • コリーニ事件

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    (2013/5/27)
    「ドイツの法律を変えた!」という書評に興味を持って読んだ。デイキャッチで豊崎さんが絶賛してた。
    結末を読んで思ったのは、この事件、記憶にある、ということだった。
    結末のどんでん返しがこの小説のすべてなので、ネタバレは避けたほうがいいのだろうが、、、
    どの書評も結末は書いてない。

    どう描いていいかわからないから、まずはDBから。

    内容(「BOOK」データベースより)

    2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。
    被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。
    だが、コリーニはどうしても殺害動機

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    2024年09月04日
  • 神

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    自殺を考えたことがある人間としては安楽死が制度化されることは反対という立場で本作を読んでいた。
    問題を提起したおじいさんの弁護士の言葉には一理あると思いつつもとてもイライラさせられた。
    というのも、私は手段も場所も選んで実行しようとしたことがある。ただし、実行することはできなかった。自殺を考えるまでとそこからでは必要な精神力がまるで違った。死にたいけれども、実際に死んでしまった際に悲しむだろう人たちの顔が浮かんでくるものだ。だからこそ、実際に死ぬ部分のハードルを他人に託すことはとても恐ろしいことに思える。それに、人を殺すという業の深いことを他人にやらせるというのも罪深いことに思える。

    解説に

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    2024年07月27日
  • 友情よここで終われ

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    ネレノイハウス禁断症が出かかっていたので読めて良かった!
    過去No.1の圧巻感と丁寧な伏線回収がダイナミックだった。筆者とヘニングの世界が現実と虚構のラインでつながって、ピアとオリバーと読者で物語に参加している感覚になった。
    著者もキャラクターたちも、1番油が乗っている作品ではないだろうか。
    ネレノイハウスは毎回500ページまでが本当に読んでいて楽しい。500ページを超えた先がもっと楽しいことをファンなら知っている。今回も大満足の1冊だった!
    禁断症状が出るまでに、早く自作を読みたい。

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    2024年07月19日
  • 神

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    78歳のゲルトナーは3年前に妻を亡くした。
    身体的にも精神的にも健康な状況であるが、妻を亡くし人生に意味を見出せなくなったため医師による自死の介助を求めた。
    ドイツの倫理委員会主催の公開討論会で様々な専門家が医学、神学、法学的に議論する。

    ・感想
    ここ数年よく考える事柄が題材だったのでとても興味深く読んだ。
    自己決定権、自由意志、一般的人権、尊厳とは。
    生と死についての定義づけと線引きすることがいかに不可能かということ。

    印象に残ったのはドイツの憲法では神について言及されているということ。個人的にはそんな「神」なんて存在するかどうかもわからないものを憲法に挟むなんてあり得ないと

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    2024年07月19日
  • 若きウェルテルの悩み

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    現代人には理解し難いほど、ウェルテルは感受性が豊かで心労が絶えない。自分の正義を貫き、抱えきれないストレスを抱えてしまっている。どうしてこんなに結論に至るのが早いのか。劇なら可哀想で美しい悲劇だが小説だとちょっと美しくない結末かな。でも文章は好き。

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    2024年07月03日
  • 羊の頭

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    弁護士アイゼンベルクシリーズの作者による別シリーズ、クロイトナー上級巡査とヴァルナー警部シリーズ。

    シリーズ2作目ですが、シリーズ最高かも。例によって、引っ掻き回すクロイトナーと、私事に悩み事を抱えつつ慎重に事件を解決に導くヴァルナー。ドイツに警察制度では、クロイトナーとヴァルナーは別の警察に属しているのかと思っていましたが、同じ警察に属しているんですね。

    いやぁ、それにしても、シリーズ最高というのは、入り組んだ謎もそうなのですが、その真犯人が意外な人物であること。それも、無理やりではなく「あー、そーなんだ」と納得できる描き方。いや、良かったです。

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    2024年06月08日