酒寄進一のレビュー一覧
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ネタバレオリヴァー(主席警部)とピア(警部)のバディー。事件捜査の中で関係が進展し親密感が増していくのがいい。事件現場に残された「16145」は何を意味しているのだろうか。
1945年から2007年というスパンの壮大な推理小説。
登場人物の名前、関係性、家系、何度も何度も前に戻って確認した。沢山の登場人物の作品、読みこなすのに努力が必要だったが、それを上回るわくわく感があった。満足だ。
小説のキモはこのあたり。
P.443
「聖書に「汝殺すなかれ」と書いてあることは知っています」アウグステがまた口を開いた。
彼女の声は今にも酒え入りそうだった。「でもその聖書には「目には目を、歯には歯を」とも書かれて -
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主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。
子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。
ラストのデミアンの言葉には号泣した。
自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。
この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、
読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。
またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。
(知らなくても十分楽 -
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ネタバレ<(前略)私には参審裁判所で裁判長を勤めたおじがいました。故殺や謀殺などの殺人事件を扱っていました。おじは私たち子どもにもわかる事件の話をしてくれました。でも、いつもこういってはじめたものです。「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」
おじのいうとおりでした。私たちはさまざまな物事を追いかけています。ところが物事の方が速すぎて、どうしても追いつけないものです。私の話に出てくるのは、人殺しや麻薬密売人や銀行強盗や娼婦です。それぞれにそれぞれがたどってきた物語があります。しかしそれは私たちの物語と大した違いはありません。私たちは生涯、薄氷の上で踊っているのです。氷の下は冷た -
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(2013/5/27)
「ドイツの法律を変えた!」という書評に興味を持って読んだ。デイキャッチで豊崎さんが絶賛してた。
結末を読んで思ったのは、この事件、記憶にある、ということだった。
結末のどんでん返しがこの小説のすべてなので、ネタバレは避けたほうがいいのだろうが、、、
どの書評も結末は書いてない。
どう描いていいかわからないから、まずはDBから。
内容(「BOOK」データベースより)
2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。
被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。
だが、コリーニはどうしても殺害動機 -
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自殺を考えたことがある人間としては安楽死が制度化されることは反対という立場で本作を読んでいた。
問題を提起したおじいさんの弁護士の言葉には一理あると思いつつもとてもイライラさせられた。
というのも、私は手段も場所も選んで実行しようとしたことがある。ただし、実行することはできなかった。自殺を考えるまでとそこからでは必要な精神力がまるで違った。死にたいけれども、実際に死んでしまった際に悲しむだろう人たちの顔が浮かんでくるものだ。だからこそ、実際に死ぬ部分のハードルを他人に託すことはとても恐ろしいことに思える。それに、人を殺すという業の深いことを他人にやらせるというのも罪深いことに思える。
解説に -
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ネタバレ・あらすじ
78歳のゲルトナーは3年前に妻を亡くした。
身体的にも精神的にも健康な状況であるが、妻を亡くし人生に意味を見出せなくなったため医師による自死の介助を求めた。
ドイツの倫理委員会主催の公開討論会で様々な専門家が医学、神学、法学的に議論する。
・感想
ここ数年よく考える事柄が題材だったのでとても興味深く読んだ。
自己決定権、自由意志、一般的人権、尊厳とは。
生と死についての定義づけと線引きすることがいかに不可能かということ。
印象に残ったのはドイツの憲法では神について言及されているということ。個人的にはそんな「神」なんて存在するかどうかもわからないものを憲法に挟むなんてあり得ないと -
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弁護士アイゼンベルクシリーズの作者による別シリーズ、クロイトナー上級巡査とヴァルナー警部シリーズ。
シリーズ2作目ですが、シリーズ最高かも。例によって、引っ掻き回すクロイトナーと、私事に悩み事を抱えつつ慎重に事件を解決に導くヴァルナー。ドイツに警察制度では、クロイトナーとヴァルナーは別の警察に属しているのかと思っていましたが、同じ警察に属しているんですね。
いやぁ、それにしても、シリーズ最高というのは、入り組んだ謎もそうなのですが、その真犯人が意外な人物であること。それも、無理やりではなく「あー、そーなんだ」と納得できる描き方。いや、良かったです。