酒寄進一のレビュー一覧
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待ちに待ったネレ・ノイハウスの新作。
事件の原因などの陰湿な導入は、作者らしさに磨きがかかり、綿密だった!
冒頭と挿入のエピソードの惑わせ方が良かった。信じてる読み手を本当に惑わせてくれる。
シリーズを読んだ人なら、本作の深い湿度の事件の発端が、映像として今までの作品以上に脳内に表れるのではないでしょうか?
取材力というか、編集者さんの力というか、今のテクニカルな手法も絡めてつつ、問題提起を書く作者のメッセージが作者らしく力強い。これは過去No.1。導入と表現とロジックの妙が生きている。
オリヴァーでは無く、今回の主人公はピア、そして強くならざるを得ない女性達だから、最後はあんなにハリウッド的 -
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オリヴァー&ピアのシリーズも8作目。
重厚な部分と、生き生きと親しみやすい部分を兼ね備えたシリーズです。
前作「生者と死者に告ぐ」はミステリとして枠組みがユニークで、スピーディな展開と感じました。
今作は、オリヴァーの過去に関わる、シリーズ中でも重要な作品です。
こういう展開になることを見据えて書かれていたシリーズだったのだなあと認識を新たにしました。
オリヴァーは、主席警部。
長身で男前の、性格もなかなかいい方の50代。
少し年下のピアは部下で、相方、金髪で明るい性格。恋人というわけではないのですが、夫婦よりも一緒にいる時間が長いほどでもあり、信頼し合う間柄です。
キャンプ場でトレーラーが -
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この本を通して読むのは初めてのことではありません。
大昔にふとしたきっかけで手に取って、私にとって最も大切なもののひとつになった本です。
文章そのものに漠然とした大きな時間が内包されていて、本を読んでいる間に時間が過ぎるという当たり前のようなことの中にそれ以上の時間、人生といっていいようなものを感じ、その荒波にひと息に流されるという貴重な経験をすることのできる一冊です。
私が個人的に尊敬していて、心から好きだと思っている人を彷彿とさせる節があり、最近ちょっと読むのを苦しく思っていましたが、昨日なんとなく手に取れるような気がして、また読み返してしまいました。
面白い本とか、考えさせられる本という -
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私は、自分を壊してまで自らの心を覗き込んで、向き合って、探究する必要はないと思っているけれど、たとえ苦くて辛くても自分と向き合う時間はかけがえのないものだなって、改めて思わせてくれた小説。
ぱっぱと読んじゃうのには勿体なくて、少しずつ少しずつ読んでいくのがいいかなって、個人的には思った。
自分の思想と合うか合わないかは別として、人が普段鍵をかけて奥底に沈めている部分に揺さぶりかけてくる、素晴らしい本だと思う。無視しようとしても、なんとなく無視できない、鮮烈な印象を残す本。ただ書くのが上手いとか、ストーリーが面白いとかっていうんじゃなくて、魂を削って、全部曝け出して、痛みを強さに変えて -
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オリヴァー&ピアのシリーズ、第7作。
ドイツのミステリです。
オリヴァーは主席警部で捜査のリーダー。ピアは恋人ではなく、仕事上のパートナーです。
散歩中の女性がライフルで遠くから射殺される事件が起きた。
ピアは夫と休暇旅行に行くはずだったが、人手不足の時期に難事件が起きたのを案じて取りやめる。
次々に射殺事件が起きるが、被害者は誰も恨まれるような人柄ではなかった。
捜査は難航するが…?
思いがけない事件の描写がシャープで、ミステリとして興味を引く内容。
オリヴァーは離婚後、幼い末娘を可愛がって、ようやくだいぶ落ち着いた暮らしに。ただし、今の交際相手とはどうも仲が深まらないので別れを考えてい