酒寄進一のレビュー一覧

  • シッダールタ

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    ヘルマン・ヘッセ、高校時代以来か?
    シッダールタといえば、ゴータマ・シッダールタ、お釈迦様ですが、これとは別人のシッダールタという名の青年が主人公。ただし、本当のブッダも登場します。
    読み終わったあと、訳者あとがきを読んで、そこで紹介されていたBGMを流しながら、訳出のこだわりを踏まえて、もう一度最初から読み始めました。
    ヘッセ自体や原始仏教への深い理解による新訳、きめ細かい注釈、とてもよいです。お話もとても味わい深かったです。おすすめ。

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    2025年11月03日
  • シッダールタ

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    シッダールタという主人公の青年が、ブッダに会い彼の教えを聞いたのち、敢えてその教えに従うことを避け、自分で考え自分で歩いていくことを決意する場面を読んだ。
    それは、決して反発心ではなく、むしろブッダに対する尊敬の念がさせるものであった。そこに至る思索についての表現は美しく、心を清々しくさせる。

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    2025年11月02日
  • 19号室

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    『17の鍵』の続編、トム•バビロンシリーズ2作目。ベルリン国際映画祭の開会式で女性が殺される映像が流され、その女性は市長の娘であった。トム達は操作をはじめるが…
    2019年と過去の2001年の物語が交互に書かれ、何か心に傷を負っているようなであった相棒の臨床心理士ジータの過去も明らかに。
    ドイツが舞台のミステリーってどこかで必ず西と東の分断やナチの話は避けては通れないような。
    ラスト、あっと驚くこの人が?!というのと、そこで終わる?!というのは前作と同じか…
    続きが楽しみです。

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    2025年10月16日
  • シッダールタ

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    自我からの解脱を目標に、苦しみを乗り越えて道を切り開いていくシッダールタの姿に、引き込まれました。

    宗教的内容であることを予想し、読み始めは身構えましたが、その心配は無用でした。

    苦行を3年間一緒に積んだシッダールタと友人ゴーヴィンダは、違う道を進みます。ゴーヴィンダはブッダの弟子となります。

    苦行で身につけたもの(断食、待つ、考える)を遊女のカマラー、商人との出会いの中で手離すことになったシッダールタ。そのかわりに得たものは、官能の喜び、快適な暮らし、富(とみ)でした。しかし、シッダールタの心は満たされず、その後、彼に大きな影響を与える人物との出会いがあり、彼は変わります。

    後半は、

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    2025年10月07日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    ストーリーが面白いといえば面白いんだけど、キングがバックマン名義で出してたときみたいなバックボーンがあるのとか、第一次世界大戦の頃にこういう精神世界を書いて評価されるのとか付随的な要素が面白い
    若さと並走する不全感に対して示唆が得られればというスタンスのキャッチコピーみたいだけど自分の苦悩は唯一無二と思いたいのが若さだからむしろ100年以上前から厨ニ病はあったんだって史料的な着眼点で読んだほうが楽しめると思われ
    この裏でどれほどの貧困があったのかと思うとまあそれはそれこれはこれ

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    2025年09月24日
  • 若きウェルテルの悩み

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    人生観と死生観を考えさせられる。
    ウェルテルの苦悩、喜び、変容に我が身を重ねる。
    時代は変われど、人間の根本的な精神は変わっていないことに気付く。
    恋心の浮き沈みと合わせて、社会の中での人生の葛藤が紡ぎ出され、「人」の心をこうもストレートに魅せることができた著者に感嘆の意を示さざるを得ない。
    スッと入ってくる心情の表現の数々には、翻訳者の腕の良さもあるのだろう。
    悩んだ時に読み返したいが、その時の自分の成長と衰退との具合で感じ方も変わること必至だと思う。
    初版の翻訳本を読めて良かった。でないと、全く違う所感を持ち得る。

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    2025年09月16日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    ドイツのどこにでもある村が、サスペンスの劇場となっている。TVドラマにしても、シリーズ物(『ダーク』など)にしてもよくある舞台設定。ドイツの田舎は身近なため、物語に入り込んで読んでしまった。というか、かつて領邦国家だったドイツは一大都市国家の日本とは異なるので、こちらでは誰もが没入して読めるのではないだろうか。

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    2025年08月31日
  • 罪悪

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    刑事事件の専門弁護士である著者が描き出す、奇妙な事件の話が15話収録されている。ふるさと祭りの最中に、給仕していた少女への集団暴行事件を描く「ふるさと祭り」、寄宿学校で秘密結社にかぶれる男子生徒による事件を描く「イルミナティ」、麻薬売買の現場に自宅を提供していた老人と、自分の運命から逃げられなかった男を描いた「雪」など、弁護士の「私」はさまざまな罪の形を語る。

    ふるさと祭り
    「私たちは大人になったのだ。列車を降りたとき、この先、二度と物事を簡単には済ませられないだろうと自覚した」

    ふるさと祭り、がお気に入りです。
    法で捌けない罪というのはミステリーではよく登場しますが、怒っても、泣いても、

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    2025年08月18日
  • 犯罪

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    以前にも読んだことがある作者のデビュー作。短編でありながら、短編ごとに長編を読んだ時と同じぐらいの満足感を得られるから、気に入っている作者の1人。
    人が罪を犯す瞬間とそこに至る過程を通して、「犯罪とはかくも複雑なものである」と淡々と描いている。その、平坦さが好きだなと思った。

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    2025年08月16日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    個人的には2025上半期一番面白かった!

    ここが良い!
    ・細かいミスリード
    ・先が気になる構成、描写なので飽きがこない
    ・設定はシンプル王道なのに、楽しめる

    ここは好き嫌いありそう
    ・シンプル王道、長い
    ・殺害方法がえぐい
    ・最後の、犯人クリスティアン(ゼバスティアン)との対峙、戦闘描写が急に雑
    ・散りばめた伏線があり過ぎる
    ・ユーリ・サルコフとかいう日本翻訳版が出てない作者デビュー作の登場人物の謎クロスオーバー
    ・登場人物に魅力が、、、キャラクターで読ませる小説ではない

     ミスリードが上手。ヴィーは『アルプスの少女ハイジ』が大好きでぼろぼろ泣いたという過去の章の描写。本当に些細な描写で

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    2025年07月15日
  • コリーニ事件

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    解説の冒頭そのままで、「文庫版で二〇〇ページ弱と決して長くはない小説なのに、濃密な大作を読んだかのような衝撃が残される。」、そう言うお話です。でも、これを皮切りに、この主人公が活躍する連作シリーズが出てくると、もっと楽しめるのですが、そうはならないのでしょうね。ネットでみると、2019年には映画が出ているようです。でもページ数が少ないので、本の方がおすすめです。

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    2025年06月22日
  • 黒のクイーン

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。

    舞台はプラハ、絵画の焼失にウィーンから保険調査員のホガートが向かう。
    前任の調査員が行方不明となってしまったためだ。
    前任者の立ち寄り先の一つ、
    「プラハの王」と呼ばれる密入国を取り仕切る犯罪者の家を訪ねて、
    痛い目に遭うホガートだったが、女探偵に出会い、連続殺人事件にも関わることに。

    古い映画に、チェスの棋譜に、解離性同一性障害とのせてくるなら、
    もうちょっと長くても良かったのでは。
    というのも、もう少し長く楽しみたかったのかも。

    途中で登場した、ユダヤ人市庁舎の時計塔が興味深かったので、
    うっかり調べてしまった。
    素晴らしい。
    プラハ、行ってみ

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    2025年06月07日
  • 若きウェルテルの悩み

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    絶望名言のゲーテを思い出し、新刊?に並んでいたこちらを読んだ。当時流行したとかあらすじは知っていたが、改めて読むと、手紙(しかも一方的)の内容でウェルテルの激化する気持ちが語られる様が面白い。これがもう少し時代が進むとブリジャートン的に不倫などの話になるんだろうが(いや不倫の話は出てこなかったか)、当時定められた婚姻に囚われてこの話に共感した人が多かったということか。

    主人公さておき、大勢の幼い妹弟を残して早逝した母の代わりに母親役を全うしようとするロッテの健気なことよ。国を問わず寿命の短かった時代にはこういう状況が多かったのだろうが、家族を守るという遺言、そこにはアルベルトと結婚することも

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    2025年06月07日
  • 月の夜は暗く

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」と同じ作者だったので。

    冒頭から女性が次々と残虐な殺され方をして、
    かなり読み進めるのが辛い。
    その中の一人は女性刑事ザビーネの母親で、
    誘拐され、インクで溺死させられ、大聖堂で発見された。
    誘拐犯は離婚した父親に電話をし、
    なぜ誘拐されたのかという謎を解けば解放すると言っていた。
    その説明を信じない警察は、父親を殺人の容疑者として拘束する。

    捜査に現われた連邦刑事局の誘拐捜査官スナイデルは、
    全てを三言で説明しろと言い、マリファナを吸い、
    群発頭痛持ちで、緩和のために鍼を打ち、
    特定の本屋から本を万引きせずにはいられない強迫症の持ち主。
    誰とも協力せずに捜査を行うが、

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    2025年05月14日
  • 19号室

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    やや展開が冗長に感じる部分も否めないが、じっくりねっちり描いてくれるミステリは好みなので良かった。
    今回は前作よりもはっきりしたところがあったし、ここまできたら絶対にあと二作読みたいので翻訳なにとぞ。
    あんな引きをされて読めなかったら生殺し!!(笑)

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    2025年04月30日
  • 17の鍵

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    ドイツミステリの新シリーズ、めっちゃ面白かった。
    大聖堂で殺された牧師、「17」の鍵、主人公の刑事の行方不明の妹、かつての仲間、臨床心理士のバディ、精神病院の謎の患者……
    主人公のトム(刑事)の過去のできごとと現在起きている事件の章が交互に描かれ、謎が謎のままだいぶ引っ張られるしなんと完結しない(事件自体は一応終わるけど)。

    訳者あとがきによるとこのシリーズは四部作なので、連ドラでいう「ひとつの大きな謎」がずっと物語の底に通奏低音として流れているタイプのシリーズのようだ。たぶん。

    正直、発売直後にこの『17の鍵』をすぐに読まなくてよかったと思った。1ヶ月後に続編の『19号室』が出て、わたし

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    2025年04月21日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    ネタバレ

    最高!

    と思って他の人の感想を読んだらあまり評価が高くなくてびっくり。その理由に触れるとネタバレになるので、これからこの本を読みたい人はこの先は読まずに回れ右お願いします。






    あまり評価を高くしていない方のご意見は割と、胸糞的なところと主人公にとってのハピエンではない部分にあるように見えた。うーん、なんと優しい人たちなんだ…

    私なんかは主人公がよっぽどいい人で努力しているのにひたすら酷い目にあって耐え抜いていて、さあ!というのでもなければ別に気持ちに寄り添わないので面白ければヨシ。

    そして面白さといったらもう、最高だった!
    目まぐるしく目線が変わり、何がどこで起こってるんだ?と

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    2025年04月12日
  • 刺青の殺人者

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」の続編と知って。

    パトリックを殺すとは!
    しかもかなりあっさり、と。
    前作から登場して、弁護士エヴェリーンを常に助け、
    今回は一緒に暮らし始めたと言うのに。
    とても残念だった。

    前回の犯人を弁護し無実を勝ち取ったエヴェリーンは、
    刑事弁護士として独立していた。
    今回、仕事を依頼してきた外科医の男は、
    婦女暴行の嫌疑をかけられたことがあり、
    その女性が遺体で発見されたことから、疑われていると言う。
    未婚、子供なし、プレイボーイといかにも怪しい。
    なぜ依頼を引き受けたのか全く理解できない。

    一方、プラスキー警部の方は、
    娘を殺された母親が、同時に行方不明になったもう一人の娘を

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    2025年04月12日
  • 17の鍵

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    17の数字は私にとって縁のある数字。
    なので…どおしても17がでてくるのは手にとってしまう。

    さて本書については…ラストまで読んだがモヤモヤするのは仕方がない…次作以降になんらかの伏線なのか…4部作みたいだから全て読まないと評価は難しい。

    事件は魅力あるのだから4部作のラストに期待したい。


    全てそろえてから読んでみよう。


    ぜひ〜

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    2025年04月01日
  • 若きウェルテルの悩み

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    この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。

    ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。

    しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
    書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない(

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    2025年03月25日