酒寄進一のレビュー一覧

  • 乗客ナンバー23の消失

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    ネタバレ

    最高!

    と思って他の人の感想を読んだらあまり評価が高くなくてびっくり。その理由に触れるとネタバレになるので、これからこの本を読みたい人はこの先は読まずに回れ右お願いします。






    あまり評価を高くしていない方のご意見は割と、胸糞的なところと主人公にとってのハピエンではない部分にあるように見えた。うーん、なんと優しい人たちなんだ…

    私なんかは主人公がよっぽどいい人で努力しているのにひたすら酷い目にあって耐え抜いていて、さあ!というのでもなければ別に気持ちに寄り添わないので面白ければヨシ。

    そして面白さといったらもう、最高だった!
    目まぐるしく目線が変わり、何がどこで起こってるんだ?と

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    2025年04月12日
  • 刺青の殺人者

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    ネタバレ

    「夏を殺す少女」の続編と知って。

    パトリックを殺すとは!
    しかもかなりあっさり、と。
    前作から登場して、弁護士エヴェリーンを常に助け、
    今回は一緒に暮らし始めたと言うのに。
    とても残念だった。

    前回の犯人を弁護し無実を勝ち取ったエヴェリーンは、
    刑事弁護士として独立していた。
    今回、仕事を依頼してきた外科医の男は、
    婦女暴行の嫌疑をかけられたことがあり、
    その女性が遺体で発見されたことから、疑われていると言う。
    未婚、子供なし、プレイボーイといかにも怪しい。
    なぜ依頼を引き受けたのか全く理解できない。

    一方、プラスキー警部の方は、
    娘を殺された母親が、同時に行方不明になったもう一人の娘を

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    2025年04月12日
  • 17の鍵

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    17の数字は私にとって縁のある数字。
    なので…どおしても17がでてくるのは手にとってしまう。

    さて本書については…ラストまで読んだがモヤモヤするのは仕方がない…次作以降になんらかの伏線なのか…4部作みたいだから全て読まないと評価は難しい。

    事件は魅力あるのだから4部作のラストに期待したい。


    全てそろえてから読んでみよう。


    ぜひ〜

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    2025年04月01日
  • 若きウェルテルの悩み

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    この作品を最初に読んだのは高校1年の夏、何十年も前だ。当時の感想は記憶にほとんど残っていないが、あまり読みやすい訳ではなかったことだけは覚えている。

    ほんらい、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)文学の嚆矢とされるこの作品、煩悶するウェルテルの暑苦しさが伝わってこないと面白くはならないのだ。その点ではこの新訳は大変な成功である。

    しかし、と20世紀を通過した読者の私は思う。
    書簡体という、18世紀末に流行したこのスタイルは、テクストがヴェルターその人からは一歩引いているように読めてしまう。ウェルテルはその胸の内を、友人ヴィルヘルム宛にしたためる。ヴィルヘルムの返信は作中に登場しない(

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    2025年03月25日
  • 罪悪

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    「珈琲と煙草」「犯罪」「テロ」「神」の順に読んでこの本を読んだ。

    どれを読んでもシーラッハワールドに引き込まれる。世の中の不条理を作者の予断なく書かれているところが、深くて重い中で心地よさを感じる。

    罪悪はあっさりとした短編集だけれども、それぞれの話が2-3時間の映画が作れるだろうなと思うくらい濃い。

    この後もまだ読んでないシーラッハを読もう。

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    2025年03月23日
  • 17の鍵

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    ★5 大聖堂の天井で女性牧師の遺体が吊るされていた、首には17と刻まれた鍵が見つかる… #17の鍵

    ■あらすじ
    ドイツのベルリンにある大聖堂で女性牧師が殺害された。遺体は天井から吊るされ、首からは17と刻まれた鍵が見つかる。

    現場に到着したトム・バビロン刑事は、その鍵を見て驚きを隠せなかった。彼の少年時代、川で見つけた死体のそばにあった鍵と同じだったからだ。しかもその鍵は妹ヴィオーラが持ち去っており、そのまま行方不明になっていたのだ…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    ★5 次々と場面が展開するエンタメ警察小説、おもろい! また追いたくなるシリーズものが出てしまいましたね、いやー嬉しいんだけ

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    2025年03月17日
  • ベルリン1945 はじめての春(下)

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    著者は東ドイツ出身。ドイツの戦後を子供の目線で描いたものには、ペーター・ヘルトリングの『僕は松葉杖のおじさんにあった』があるけど、それとはまた違った側面から描かれ大変興味深かった。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1945 はじめての春(上)

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    第3部では、第1部の主人公ヘレの娘が主人公。長い時代をずっと子どもの目線で描くためにこの手法を使ったんだろうな。『ブリキの太鼓』を思い出しました。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1933 壁を背にして(下)

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    ちびのルツが気になります。お調子者だった貧しい少年が、ナチに入ることでよ、うやく自分の居場所を見つけるところ、とても気になります。

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    2025年03月15日
  • ベルリン1933 壁を背にして(上)

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    あの幼かったハンスが主人公に。ハンスの恋人で魅力的なミーツェがユダヤ人というところが心配で心配で…。第1部に登場していた水兵ハイナーが登場したときはほっとしました。

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    2025年03月15日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    ドイツの作家、マルク・ラーべの刑事トム・バビロンシリーズ。本邦初の作品で、2ヶ月連続刊行と出版社激推しの様子。

    大聖堂に吊るされた死体にかけられた17の数字の鍵。この鍵を見たトム・バビロンは戦慄する。それは子供の頃のある冒険に繋がるものであり、行方不明となった妹が持ち去ったものだったからで…

    ドイツ発のジェットコースターミステリ。次から次へと意外な展開が起こる。確かに、出版社が力を入れるのがわかるほど。ミステリや警察小説としては若干弱い気がするが、そんなことを気にできないくらいグイグイと引き込まれる面白さ。おすすめです。

    暴走気味の刑事トムと、その相方のようなポジションの心理士ジータ。こ

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    2025年03月12日
  • 19号室

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    女性の殺害シーンが映画祭で流された。そこには『19号室』の文字が…ベルリンの壁崩壊という大きな歴史をベースに展開するミステリは前作よりさらに重厚感があった。さらに、気になっていたジータの過去までがからむ。今作もまた、気になるラスト。次も絶対翻訳して欲しい!

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    2025年03月10日
  • コリーニ事件

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    単なる推理小説かと思ったら、ナチスの影はまだヨーロッパにも残ってるんだと知った。悪法に対して、こうやって変えていく声の出し方もあるんだ。それにしても切ないわ。責任を背負って生きていくのね。全員よ。背負ってない人なんかいない。 90

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    2025年01月07日
  • 深い疵

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    ネタバレ

    オリヴァー(主席警部)とピア(警部)のバディー。事件捜査の中で関係が進展し親密感が増していくのがいい。事件現場に残された「16145」は何を意味しているのだろうか。
    1945年から2007年というスパンの壮大な推理小説。
    登場人物の名前、関係性、家系、何度も何度も前に戻って確認した。沢山の登場人物の作品、読みこなすのに努力が必要だったが、それを上回るわくわく感があった。満足だ。

    小説のキモはこのあたり。
    P.443
    「聖書に「汝殺すなかれ」と書いてあることは知っています」アウグステがまた口を開いた。
    彼女の声は今にも酒え入りそうだった。「でもその聖書には「目には目を、歯には歯を」とも書かれて

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    2025年01月02日
  • ある晴れたXデイに

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    ネタバレ

    ドイツの女性作家、カシュニッツの第二短編集。

    一作目は幻想、不条理がメインの短編が多かったが、今作は主人公たちの異常なほど不安になる気持ち、執着する気持ちが軸となる作品が目立つ。
    死んだ養子が戻ってくるかと不安に怯える「雪解け」、行方不明の男の子を見つけることに執心する「幸せでいっぱい」、滅亡する世界を減少し異常なほど怯える「ある晴れたXデイに」。

    わかりやすいホラーは少ない作家。でも、どの作品も時折、読んでいて息苦しくなる。一気に読むというより、少しずつ、堪能する短編集だと思う。良作。

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    2024年12月30日
  • カールの降誕祭

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     皮肉な結末が三話。こんなクリスマスは、絶対に嫌だけれど、お話としては面白かった。どれも甲乙つけ難いが、やはりタイトルである、『カールの降臨祭』が最もインパクトがあった。カールが子どもの頃に言われた 所詮はクズ という一言が、彼の心にずっと燻っていたところが、たまらなかった。
     ドイツの著者だったが、親日家なのか、随分と日本の話が出てきたことも、印象的だ。

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    2024年12月21日
  • 神

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    だれかの人生はわたしのものではないし国のものでも法制度のためにあるものでもない 一般化できない異なる事情を全員が抱えているし、その事情がどういうものか、その人の状況とまったく同じに再現することも理解することも不可能だし実際の気持ちはその本人にしかわからない 罰は類型化できても罪はできないのと同じように、人生は類型化できても死は個別案件すぎるのにな

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    2024年10月19日
  • その昔、N市では

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    書店で何となくパケ買いした1冊。
    自分好みで大満足だった。

    ドイツ人女性作家のカシュニッツが手がけた本書は15作の不思議で少し背筋の凍る短編からなる。
    どの話も何の説明もなく突然始まり、読者は最初置いてけぼりになる。しかし1,2ページ読み進めると状況が掴めてくる、といった自由奔放な構成にも惹かれた。

    個人的に「船の話」「ロック鳥」「幽霊」「長い影」辺りが特に印象に残っている。10ページにも満たないであろう短編を読んでここまで不思議で不安な気持ちを植え付けられることは中々ない。

    これを機に彼女の他の作品も読んでみたいと思った。

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    2024年10月05日
  • デーミアン

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    主人公の少年がデミアンという不思議な少年との出会いを通じて精神的な成長を遂げるまでを描いた物語。

    子ども時代の両親に守られた『明るい世界』から自分の世界へと繰り出そうともがいたり、理想の自分とのギャップに苛まれる主人公に過去の自分を重ねてしんみりとしてしまった。
    ラストのデミアンの言葉には号泣した。
    自分を見つめ直したいときにまた読みたい本である。

    この本は作者のヘッセがユング系のセラピーを受けた後に書いた話らしく、
    読んでいると登場人物や主人公の心の動きがユングの理論を下敷きにしていることがわかる。
    またキリスト教的価値観をわかっているとなお深い考察ができると思う。
    (知らなくても十分楽

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    2024年09月21日
  • 犯罪

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    ネタバレ

    <(前略)私には参審裁判所で裁判長を勤めたおじがいました。故殺や謀殺などの殺人事件を扱っていました。おじは私たち子どもにもわかる事件の話をしてくれました。でも、いつもこういってはじめたものです。「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」

    おじのいうとおりでした。私たちはさまざまな物事を追いかけています。ところが物事の方が速すぎて、どうしても追いつけないものです。私の話に出てくるのは、人殺しや麻薬密売人や銀行強盗や娼婦です。それぞれにそれぞれがたどってきた物語があります。しかしそれは私たちの物語と大した違いはありません。私たちは生涯、薄氷の上で踊っているのです。氷の下は冷た

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    2024年09月17日