酒寄進一のレビュー一覧

  • 珈琲と煙草

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    シーラッハの自伝的エッセイ

    エッセイとはいえ、明るい雰囲気はなく、いつものように、淡々とした文章なのに、情景がリアルに思い浮かぶ

    なぜかものすごく、惹かれてしまう
    大好きな作家

    とにかく、哲学的で文学的で、理論的

    本当に好きだなー

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    2025年11月30日
  • 17の鍵

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    ベルリンで起きた猟奇殺人事件を追う警察官、彼の過去にもある秘密があり事件と関わりが…

    過去と現在を行ったり来たりする構成で、殺人事件の謎を追うとまた新たな謎が提示され
    おいこの段階で未解決の謎が幾つかあるのに、最後までに回収されるのかい?と思いきや…未解決のまま完結

    えー!と思いきやシリーズ物らしく続編があるんですって。そこで色々回収されるらしい。ほっと一息笑。

    英米系の人物の名前にはある程度馴染みがあるけど、ゲルマン系の名前って馴染み薄くて頭に入りにくく、しかも女性か男性かがファーストネームだけでは分からなかったりして読んでて苦戦したけど慣れてきました。
    続編も読んでみるかな。

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    2025年11月10日
  • 17の鍵

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    ネタバレ

    ベルリンの壁崩壊からその後の社会を背景としたミステリは初めて読み大変楽しめた。主人公の悔やむべき過去と苦めの現在が交互に語られ、東ドイツの旧体制を下敷きに重めの展開であるが、地道な捜査から真相を追い詰めるスタイルは好きで、正統ミステリとして読み応えがあった。警察内にも非常な確執があり、人間関係がかなり錯綜するなかでのドラマは面白い。行方不明の妹や犯罪の全体像・もう一人の犯人?など謎がそこそこ残され、次作「19号室」もすぐ読みたくなるが、その気持ちを抑え、4部作の残りの2冊が早く出版されるのを期待している。

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    2025年09月25日
  • バンビ 森に生きる

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    ネタバレ

    動物の生態を、五感を、こんなにリアルに描けるなんてすごい。
    自分も生き物としての五感をフル活用して、鹿になったような気分で読んだ。

    生きることは、常に危険と隣り合わせ。
    いつ、誰に食べられるかもわからない。
    そんなヒリヒリするスリルと、誰にも邪魔されずに広い草原で思い切り駆け回れる喜びが、同時に感じることができる。それが生きることだ。

    この物語の中で、人間は「アイツ」と呼ばれ、森の動物たちから恐れられている。
    ゴーボという幼馴染が人間に撃たれたその後のエピソードが印象的だった。
    偶然優しい人間に手当てをされて帰還してからは、全能感丸出しお気楽鹿になってしまう。
    だけどその油断が仇となり、結

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    2025年09月16日
  • 漆黒の森

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    “森”とミステリーはよく似合う
    森はその人の心を映す。
    癒しや出会いを演出し、時には不安や恐怖を煽る
    ミステリーの名人でもこうはいかない。

    主人公はモーリッツ・エルビンシュピールといういかにも“ドイツ”っていう名の刑事、そこにどちらかというとニューヨーカーのようなハンナ・ブロックというジャーナリストの相棒が、反目し合いながら事件を追う。

    まだぎこちない二人の関係がそのままストーリー展開の印象となってしまい、読む方もなんだかぎこちない。
    そこが、ちょっと残念。

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    2025年09月16日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    韓ドラ視聴後、原作と知り読んでみました。
    映像として記憶されてしまいましたが、それでも読む進むうちに情景はドイツの小さな村になりました。
    他の作品も読んでみたいです。

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    2025年09月06日
  • デーミアン

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    正直言って難しく、どういうこと?と思いながら読み進めました。
    最後に解説を読んで、なるほどな〜、と少し腑に落ちたという感じです。
    ユング心理学についても、その頃の文学の流行についても知らないことばかりで、もう少し教養があれば理解できることも多かったのではないかと思いました。
    しかし、これにめげずにヘッセの他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2025年08月30日
  • 刺青の殺人者

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    オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
    アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。

    -----story-------------
    全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
    娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
    事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
    一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護

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    2025年08月23日
  • 19号室

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    ネタバレ

    絶対に一作目から読まないと意味が分からないし、
    なんなら三作目出てから読んだ方が一気に読めて良いのかも、、、。

    良かった点
    ・程よく謎も残しつつ、読者にある程度の真相も示すことで長編シリーズを読むことへのストレスを減らす
    ・ジータの過去と現在の登場人物との繋げ方
     (特にトムとの関わらせ方はすごい)
    ・ヨー・モルテンがこちら側に!

    ここはどうなんという点
    ・ユーリ・サルコフの存在
    ・連続刊行してくれ!

     今作において真の黒幕“悪魔”こと、ヴァルターが判明し、所属していた組織・国民教育省“19”の全貌が明らかになったのは普通に熱い。
     ただ、どうしてもユーリ・サルコフの存在だけに疑問が残る

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    2025年08月18日
  • 17の鍵

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    登場人物の皆がなんかワケありな過去を持っていて、なんだか複雑で混乱する。かと思いきや、読み進めるうちに絡まった糸が解けていくように段々と状況がクリアになっていきました。
    そして、それに比例して面白さも後半になるにつれて増したように感じます。
    これはまた早く続きが読みたくなりますね。

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    2025年08月12日
  • 神

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    自殺幇助は許されるのか。
    憲法は自己決定権を尊重しているが、自分を殺すことは許されるのか。そして、死にたい人の自己決定を十分に尊重し、その手助けをするべきなのか。そして、その判断は誰がするのだろうか。神やコミュニティがそれを許すのだろうか。

    難しい。個人的には、自殺は許容できても、それを手助けすることまでは許容できない。自殺の意思を改めさせようと手を差し伸べるのが社会の役割であることには変わりがないようには思う。そして、コミュニティがそれを許してしまったら、やはり不寛容な社会が到来するようにも思われる。

    魂は神ものなのか?幸福こそが生きる意味なのか?難しい議題ではあった。

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    2025年07月31日
  • 森の中に埋めた

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    相関図を書きながら読みましたが今回は特に込み入ってて途中で、これ誰とどんな繋がりあった!?みたいになりながら読みました。

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    2025年07月07日
  • 死体は笑みを招く

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    Theドイツミステリーの刑事オリヴァー&ピアシリーズの第2巻ですよ!

    ミスリードの仕方がちょっとぎこちなくて、下手くそか!思いましたよ

    でね、ちょっとあらためてドイツミステリーの特徴ってやつを調べてみたんですね

    ①社会派プラス警察小説
    「日常に潜む闇」みたいなのを描く
    警察の捜査を軸に環境問題や社会問題、地域社会の問題などを絡ませる

    ②田園ミステリ
    どことなくのどかで静かな風景の中で、陰惨な犯罪が発生する
    田舎の濃い人間関係の中で秘密が暴かれていく

    ③緻密でリアルな捜査描写
    鑑識や法医学、心理分析なんかも丁寧で、職業としての刑事がリアルに描かれる
    派手なアクションシーンは控え

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    2025年06月29日
  • 19号室

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    前回の話、ここにも繋がるの?!
    幼くしていなくなった妹のことは、少しずつ受け入れて生きてくしかない…という風に話は進み、それとは別の新たな事件が…かと思いきや。
    今回の手がかりは「19」、とある人物の古傷をえぐる文字でもある。それを振り返るのでなかなか辛い描写が続く。
    ドイツ人だから書ける話かな。

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    2025年06月27日
  • 独裁者の学校

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    『飛ぶ教室』も『エーミールと探偵たち』も読んだことないのに(たぶん)先にこれから読んじゃった。

    独裁者が死んでも替え玉が立てられて、決まった人たちが裏で実権を握り続ける。クーデターが起こって独裁政権が倒れてもまた別の独裁者が立つ。
    ドイツというからヒトラーを皮肉った話かと予想していたが、もっと普遍的な風刺劇であった。「つねに存在する時事問題というのもあるのだ」、なるほど。
    総理大臣がコロコロ変わるだけの日本もたいして変わらない気もするね。

    原題:DIE SCHULE DER DIKTATOREN

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    2025年06月28日
  • 17の鍵

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    ストーリー展開が早く、あっという間に読み終わりました。まだ、解明されてない謎が残っているので、次巻を読みたいです。

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    2025年06月01日
  • 17の鍵

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    「17」の鍵を首にかけられ ベルリン大聖堂に吊り下げられた死体...
    ここから謎が解けていくまでのスピード感がたまらない!
    500ページ越えにもかかわらず ページを捲る手が止まらなかった。
    またまた楽しみなシリーズに出会ってしまったなぁ♡

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    2025年05月29日
  • 19号室

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    ネタバレ

    2025年の20冊目は、マルク・ラーベの「19号室」です。17の次は、19になる訳ですね。前作の読後、次作の方が面白くなると予想しましたが、果たしてどうでしょうか?
    主人公は、ベルリン州刑事局刑事のトム・バビロン&臨床心理士のジータ・ヨハンスです。トムは、結婚して子供が生まれています。
    ベルリン国際映画祭のオープニングで、ベルリン市長の娘が殺害されたと思われる映像が予定外に流され、観客がパニックになるシーンから始まります。前作に続いて印象的なオープニングです。
    今作も現在(2019年)と過去(2001年)が交互に描かれる構成です。過去パートは、ジータに起きた出来事が描かれますが、進むに連れてト

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    2025年06月01日
  • 19号室

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    今回もスピード感ある展開で面白かった。ひとつひとつの章のページ数が多くないからなのかもしれない。バビロン刑事だけではなく相棒のジータの過去も語られ、旧東ドイツの暗黒が深まる。
    私は『17の鍵』よりも『19号室』の方が楽しめたので、次に期待したい。

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    2025年05月25日
  • 19号室

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    今回も良い。

    トム・バビロンが主人公のドイツミステリー第2弾。
    ベルリン国際映画で突如上映されたスナッフ・フィルム。そのフィルムは本物かどうか判断できないが、「17の鍵」の捜査メンバーが招集された。
    事件を追うごとに物語は混迷を増していく。


    前回は主人公のトムの過去と現代の事件が交わっていく流れだったが、今回はトムの相棒のジータの過去と事件が交わっていく。
    過去と現代を行き来する進行のバランスがとてもよく、また場面転換もテンポがよいので、圧倒的なリーダビリティを感じる。
    海外テレビドラマにすると映えそうなイメージ。

    今回も前作と同様に事件の背景に旧東ドイツ時代の組織が暗躍しており、シリ

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    2025年05月20日