酒寄進一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ベルリンで起きた猟奇殺人事件を追う警察官、彼の過去にもある秘密があり事件と関わりが…
過去と現在を行ったり来たりする構成で、殺人事件の謎を追うとまた新たな謎が提示され
おいこの段階で未解決の謎が幾つかあるのに、最後までに回収されるのかい?と思いきや…未解決のまま完結
えー!と思いきやシリーズ物らしく続編があるんですって。そこで色々回収されるらしい。ほっと一息笑。
英米系の人物の名前にはある程度馴染みがあるけど、ゲルマン系の名前って馴染み薄くて頭に入りにくく、しかも女性か男性かがファーストネームだけでは分からなかったりして読んでて苦戦したけど慣れてきました。
続編も読んでみるかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ動物の生態を、五感を、こんなにリアルに描けるなんてすごい。
自分も生き物としての五感をフル活用して、鹿になったような気分で読んだ。
生きることは、常に危険と隣り合わせ。
いつ、誰に食べられるかもわからない。
そんなヒリヒリするスリルと、誰にも邪魔されずに広い草原で思い切り駆け回れる喜びが、同時に感じることができる。それが生きることだ。
この物語の中で、人間は「アイツ」と呼ばれ、森の動物たちから恐れられている。
ゴーボという幼馴染が人間に撃たれたその後のエピソードが印象的だった。
偶然優しい人間に手当てをされて帰還してからは、全能感丸出しお気楽鹿になってしまう。
だけどその油断が仇となり、結 -
Posted by ブクログ
オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護 -
Posted by ブクログ
ネタバレ絶対に一作目から読まないと意味が分からないし、
なんなら三作目出てから読んだ方が一気に読めて良いのかも、、、。
良かった点
・程よく謎も残しつつ、読者にある程度の真相も示すことで長編シリーズを読むことへのストレスを減らす
・ジータの過去と現在の登場人物との繋げ方
(特にトムとの関わらせ方はすごい)
・ヨー・モルテンがこちら側に!
ここはどうなんという点
・ユーリ・サルコフの存在
・連続刊行してくれ!
今作において真の黒幕“悪魔”こと、ヴァルターが判明し、所属していた組織・国民教育省“19”の全貌が明らかになったのは普通に熱い。
ただ、どうしてもユーリ・サルコフの存在だけに疑問が残る -
Posted by ブクログ
自殺幇助は許されるのか。
憲法は自己決定権を尊重しているが、自分を殺すことは許されるのか。そして、死にたい人の自己決定を十分に尊重し、その手助けをするべきなのか。そして、その判断は誰がするのだろうか。神やコミュニティがそれを許すのだろうか。
難しい。個人的には、自殺は許容できても、それを手助けすることまでは許容できない。自殺の意思を改めさせようと手を差し伸べるのが社会の役割であることには変わりがないようには思う。そして、コミュニティがそれを許してしまったら、やはり不寛容な社会が到来するようにも思われる。
魂は神ものなのか?幸福こそが生きる意味なのか?難しい議題ではあった。 -
Posted by ブクログ
Theドイツミステリーの刑事オリヴァー&ピアシリーズの第2巻ですよ!
ミスリードの仕方がちょっとぎこちなくて、下手くそか!思いましたよ
でね、ちょっとあらためてドイツミステリーの特徴ってやつを調べてみたんですね
①社会派プラス警察小説
「日常に潜む闇」みたいなのを描く
警察の捜査を軸に環境問題や社会問題、地域社会の問題などを絡ませる
②田園ミステリ
どことなくのどかで静かな風景の中で、陰惨な犯罪が発生する
田舎の濃い人間関係の中で秘密が暴かれていく
③緻密でリアルな捜査描写
鑑識や法医学、心理分析なんかも丁寧で、職業としての刑事がリアルに描かれる
派手なアクションシーンは控え -
Posted by ブクログ
ネタバレ2025年の20冊目は、マルク・ラーベの「19号室」です。17の次は、19になる訳ですね。前作の読後、次作の方が面白くなると予想しましたが、果たしてどうでしょうか?
主人公は、ベルリン州刑事局刑事のトム・バビロン&臨床心理士のジータ・ヨハンスです。トムは、結婚して子供が生まれています。
ベルリン国際映画祭のオープニングで、ベルリン市長の娘が殺害されたと思われる映像が予定外に流され、観客がパニックになるシーンから始まります。前作に続いて印象的なオープニングです。
今作も現在(2019年)と過去(2001年)が交互に描かれる構成です。過去パートは、ジータに起きた出来事が描かれますが、進むに連れてト -
Posted by ブクログ
今回も良い。
トム・バビロンが主人公のドイツミステリー第2弾。
ベルリン国際映画で突如上映されたスナッフ・フィルム。そのフィルムは本物かどうか判断できないが、「17の鍵」の捜査メンバーが招集された。
事件を追うごとに物語は混迷を増していく。
前回は主人公のトムの過去と現代の事件が交わっていく流れだったが、今回はトムの相棒のジータの過去と事件が交わっていく。
過去と現代を行き来する進行のバランスがとてもよく、また場面転換もテンポがよいので、圧倒的なリーダビリティを感じる。
海外テレビドラマにすると映えそうなイメージ。
今回も前作と同様に事件の背景に旧東ドイツ時代の組織が暗躍しており、シリ