酒寄進一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主人公ウェルテルが、友人ヴィルヘルムに宛てた書簡形式で構成された作品。ロッテという女性への熱烈な恋心が吐露されています。彼女には婚約者(アルベルト)がいます。にもかかわらず、ウェルテルにも心惹かれている。いわゆる三角関係です。ウェルテルには恋の悩みの他に、職業が定まらないという辛い現実があります。
最初の方の手紙は、ロッテへの好き好きオーラ出まくりですが、後半は悩み深くとても重苦しい内容です。恋は盲目、恋の病という言葉が想起され、ウェルテルの心が、どんどん病んでいくのが読み取れました。
読み進める中で、自分の経験が思い出されてきました。
学生時代、恋愛がうまくいかず、入院するまでになって -
Posted by ブクログ
いつか読もうと思っていたこの本。酒寄進一さんの訳で出版されたと知り、今だな!と手に取る。誰も愛せなくなってしまっていて、腐れている状況で、何かそれを打開するヒントを得られないか、祈るような思いで読んだ。
難しくて読み通せるか心配だったが、読みやすく、面白く読めた。
インド哲学の用語が出てきて、一応解説はついているのだがしっかりと理解できず、その辺をもっと勉強してから再度読まないと、きちんと理解はできていない。
アートマン、ブラフマン、オーム、サマナ、サンサーラ(輪廻)、ニルヴァーナ(涅槃)など。
オウム真理教のオームやサティアンなど、サンスクリット語のこのインド哲学の用語を使っていたのだ -
Posted by ブクログ
一筋縄ではいかない人間の愛と憎悪、ドイツの弁護士でありの小説家シーラッハが描く至極の短編集 #午後
■きっと読みたくなるレビュー
悪に落ちていく人間を描いた短編集『犯罪』『罪悪』で有名なフェルディナント・フォン・シーラッハ。
今回は作家であり弁護士の主人公が、パリ、東京、ウィーンなど世界中の訪れた先で様々な人と出会い、彼らから不思議な話を聞くという筋立て。
また世界各国の文学や出来事についての言及もあり、そもそもこの本に書かれている内容は、フィクションなのかシーラッハ本人のエッセイなのか、よくわからなくなってくる。
出会った人から聞くお話は比較的短めではあるのですが、どれも異様な世界観 -
Posted by ブクログ
シーラッハ2冊目、最新刊の短編集です。200ページ足らずの本書には26編が収められ、長くて20ページ程度、短いものは1ページ、それもわずか3行という掌篇もあります。そして各話にタイトルがなく、通し番号が付されています。
読み始めは1話ごとの脈略やテーマがよく判らず少し困惑しましたが、デビュー作同様、弁護士・作家である著者の〈私〉が登場し、かつて仕事等で訪れた世界各地で誰かと出会い、打ち明け話を聞くというエピソードが淡々と語られます。
過去にあった事実、その人生の断片は、どこまでが創作か境目があやふやで、幻想か現実かが曖昧な印象です。各掌篇の好みの振れ幅が大きいと思いました。トータルで -
Posted by ブクログ
ベルリンで起きた猟奇殺人事件を追う警察官、彼の過去にもある秘密があり事件と関わりが…
過去と現在を行ったり来たりする構成で、殺人事件の謎を追うとまた新たな謎が提示され
おいこの段階で未解決の謎が幾つかあるのに、最後までに回収されるのかい?と思いきや…未解決のまま完結
えー!と思いきやシリーズ物らしく続編があるんですって。そこで色々回収されるらしい。ほっと一息笑。
英米系の人物の名前にはある程度馴染みがあるけど、ゲルマン系の名前って馴染み薄くて頭に入りにくく、しかも女性か男性かがファーストネームだけでは分からなかったりして読んでて苦戦したけど慣れてきました。
続編も読んでみるかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ動物の生態を、五感を、こんなにリアルに描けるなんてすごい。
自分も生き物としての五感をフル活用して、鹿になったような気分で読んだ。
生きることは、常に危険と隣り合わせ。
いつ、誰に食べられるかもわからない。
そんなヒリヒリするスリルと、誰にも邪魔されずに広い草原で思い切り駆け回れる喜びが、同時に感じることができる。それが生きることだ。
この物語の中で、人間は「アイツ」と呼ばれ、森の動物たちから恐れられている。
ゴーボという幼馴染が人間に撃たれたその後のエピソードが印象的だった。
偶然優しい人間に手当てをされて帰還してからは、全能感丸出しお気楽鹿になってしまう。
だけどその油断が仇となり、結 -
Posted by ブクログ
オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。
-----story-------------
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護