【感想・ネタバレ】夏を殺す少女のレビュー

あらすじ

酔った元小児科医がマンホールにはまって死亡。市会議員が山道を運転中にエアバッグが作動し、運転をあやまり死亡。どちらもつまらない案件のはずだった。事故の現場に、ひとりの娘の姿がなければ。片方の案件を担当していた先輩弁護士が、謎の死をとげていなければ。一見無関係な出来事の奥に潜むただならぬ気配。弁護士エヴェリーンはしだいに事件に深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出合うとき、事件がその恐るべき真の姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃のミステリ登場。

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Posted by ブクログ

事件の共通点や犯人が知りたくてどんどん読んでしまった。
犯行がゴリ押しすぎるだろって思う所もあったけど、それでもハラハラわくわくさせてもらえました。

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2017年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

次々と場面が変わり、時間の流れも前後するので、
話についていけるのか心配なぐらいだったが、
場面の長さが短めで、
主人公の刑事と弁護士の決断と行動の速さが
心地よくそのスピード感を楽しめた。

二人の主人公、リニ―弁護士とヴァルター刑事がそれぞれの事情を抱えながら、
それぞれの事件を二方向からつき進んでいくのは面白かった。
サイドストーリーの恋愛話もよかったし。

贅沢を言わせてもらえば、
もうちょっとくどく長く作り込んでもらいたかったかな。
それと、ヴァルター刑事が救急車で運ばれそうになりながら、
リニ―弁護士に恋愛のアドヴァイスをするシーンはもうちょっとかっこいい台詞にしてあげてほしかった。

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2015年11月04日

Posted by ブクログ

[怨根の行く末]元小児科医がマンホールに落下して死亡。市会議員が運転ミスで死亡。そして、精神を患った少女が自らの体に薬物と酒を投与して死亡。一見無関係に見える事件をそれぞれに追っていた弁護士のエヴァリーンと刑事のヴァルターは、それぞれに事件の裏に隠された更なる闇に気付き始めるのであるが......。完成度の高さからドイツやオーストリアで高い評価を受けたミステリー。著者は、オーストリアミステリーの一翼を担うアンドレアス・グルーバー。訳者は、ドイツ文学の翻訳家である酒寄進一。


純粋に、純粋に面白かった。割と細かい文字で400ページ超を数える作品なんですが、そんなことがまったく気にならないほど本書の世界に没頭させてもらいました。とにかく謎を明かすテンポと視覚的に訴えてくる描写の鋭さにやられっぱなし。オーストリアミステリーも本著者の作品も初めてでしたが、これは棚からぼた餅的にイイ本に巡り会うことができました。


ストーリーを引っ張っていく主人公のエヴァリーンとヴァルターのキャラクター設定もこれまたお見事。特にヴァルター刑事の「足で稼ぐ」刑事っぷりには読者として応援を送りたくなります。登場人物に意識を重ね合わせながら謎解きを楽しみ、それに加えてその流れを視覚的に堪能できる……。ミステリーを読むのは結構好きなんですが、これはその中でも幅広い方にオススメできます。

〜「なにか問題が起こるというんですか?」
「わからない。しかし今回の事件では問題ばかり起こっているからな」〜

映像化希望☆5つ

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2015年01月09日

Posted by ブクログ

ここのところ立て続けてヨーローッパ・ミステリーを読んでいまして、酒寄氏翻訳本の一冊の本作を読みましたが、直前の「白雪姫には死んでもらう」よりもハマリました。
読んでいる最中、本当に主人公と同じように胃液が上がってくるような不快な場面もありましたが、筆致に引っ張られるように一気読み。この作者の次作を欲しいものリストに入れました。

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2014年10月05日

Posted by ブクログ

スピード感があって面白い。特にに後半の展開はまさに手に汗を握るような迫力がある。洋物にしては読みやすいなと思ったら、シーラッハと同様酒寄さんの翻訳だった。
それにしても、ヨーロッパのこの手の犯罪がテーマの作品は読んでいてとてもやるせなくなる。やはり社会が病んでいるのだろうか。

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2014年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの本邦デビュー作。一気読み必至の佳作。
なんでもない事故のために窮地に陥っていた叔父を助けるために、その案件に関わっていたエヴェリーンは、同じようになんでもない事故だと思われていた案件にも同じ少女の姿が映っている映像があることに気づく。
一方、精神病院に入院歴のある子供が自殺している案件で不審な注射の後を見つけ、殺人ではないかと疑いを持ったヴァルターは、その犯人の後を追うように捜査を始める。
一見、なんのつながりもない事故、あるいは自殺にまつわる、二人の視点で物語が展開する。いずれも心に傷を持ち、一方では真実のために脇目も振らない活躍をする。エヴェリーンなどは弁護士のくせに、家宅侵入と窃盗まで行って証拠を集めようとする。褒められたものではないが、その探究心と行動力には脱帽させられる。
複雑に絡み合った物語がやがてひとつの大きな流れに収斂していき、そこから先を予想できない展開に入っていくあたり、ドイツ語圏で数々の賞を取っているという作者の力量が垣間見える。その作者のスピーディ且つ読者を引きつけてやまない物語を、これまた非常に読みやすく、ページを繰る手を止めさせないような臨場感溢れる筆致で訳された訳者の仕事もすばらしい。同じ作者・訳者が手がけた「黒のクイーン」も是非読んでみたいところだ。

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2014年02月25日

Posted by ブクログ

ドイツのミステリで、舞台はヴィーンとドイツ各地です
関係のないところで起こった殺人事件を別々に追う、弁護士と刑事、それが一つの点に繫がります、児童虐待(性犯罪)被害者、加害者を巻き込んだ殺人事件です
テーマはとんでもなく重いものですが、昨日は一気読みをしてしまいました、読後感は意外と爽やかなところは良いですね ミ(`w´彡)

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2013年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

酔っ払ってマンホールに落ちた医師、山道から転落死した市議会議員。現場に現れる謎の少女の存在に気がついた弁護士のエヴェリーン。同僚弁護士でゲイのホロスペックの転落死。事件にぎもを持ったエヴェリーン。精神病院での少女の自殺事件に疑問持ったヴァルター。監視カメラに映った白髪の男。自殺した少女の生い立ち。児童虐待。過去に謎の死をとげた少年、少女。15年前にフリートベルク号のクルーズで起きた事件。エヴェリーンとヴァルターの捜査が繋がり事件の全貌が。

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2013年07月22日

Posted by ブクログ

オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『夏を殺す少女(原題:Rachesommer)』を読みました。
オーストリアの作家の作品は初めて読みましたね… この前まで読んでいたドイツミステリと同じドイツ語圏なのですが、この作品を読んだ限りではオーストリアミステリの方が好みかな。

-----story-------------
酔った元小児科医がマンホールにはまり死亡。
市議会議員がエアバッグの作動で運転をあやまり死亡。
一見無関係な事件の奥に潜むただならぬ気配に、弁護士「エヴェリーン」は次第に深入りしていく。
一方ライプツィヒ警察の刑事「ヴァルター」は、病院での少女の不審死を調べていた。
オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出会うとき、事件がその恐るべき真の姿を現し始める。
ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃作登場。
訳者あとがき=「酒寄進一」

*第9位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門
*第17位(新人賞第4位)『ミステリが読みたい!2014年版』海外編
*第20位『週刊文春 2013年ミステリーベスト10』海外編
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2011年(平成23年)に刊行された作品… 「アンドレアス・グルーバー」は、元々はホラーやSF作品を得意としていた作家のようですが、この作品のちょっと前くらいからミステリ作品も手掛けるようになったみたいです、、、

ふたつの国で起こったふたつの事件、それを追う二人の人物… 二人の視点で目まぐるしく場面が変わり、その変わり目に事件の鍵が巧く埋め込まれていて、どんどん先が読みたくなり、惹きつけられる展開と、魅力的な二人の主人公が印象的な作品、面白かったです。


ウィーンの弁護士「エヴァリーン(リニー)・マイヤース」は、少女時代に妹「ザンドラ」とともに誘拐・監禁され妹が命を失ったというトラウマを抱えていた… 彼女はマンホールに落ちて溺死した元小児科医「ルドルフ・キースリンガー」の事故の調査と、勤務先の弁護士事務所の共同経営者で先輩弁護士「ペーター・ホロベック」がマンションのベランダから墜落死した事故に奇妙な一致点を見出す、、、

さらに「エヴァリーン」は、勤務先の弁護士事務所の経営者「クラーガー」の息子で私立探偵の「パトリック」の協力を得て、真相を探るうち、山道の運転中にエアバッグの作動で運転を誤り死亡した「ハインツ・ブランゲ」の事故にも関連性を見出す。

ライプツィヒ刑事警察の刑事、喘息持ちでヘビースモーカーの「ヴァルター・プラスキー」は、妻の「カーリン」を病気で亡くし、娘の「ヤスミーン」を男手ひとつで育てている… 彼は入院中に自殺したと思われた少女「ナターシャ・ゾマー」の死に不信を抱き、捜査を進めるうちに同じ病院で入院していた少年「マルティン・ホルナー」が不審死していたことを知る、、、

さらに「ヴァルター」は、同じ境遇の少年「ゼバスティアン・ゼンメルシュレーガー」が別な病院で不審死したことや、同じ病院に入院していた少女「レーシャ・プロコポヴィチ」が命を狙われる場面に遭遇し、彼らにの過去に共通するオックセンツォル精神病院へ向かう… 「エヴェリーン」も豪華クルーズ船フリートベルク号の10年前のツアー客名簿等の手掛かりから、事件に共通して登場する謎の少女が事件の鍵を握ると推理し、少女が入院するオックセンツォル精神病院へ向かっていた。

入院している少女「リザ・グルジエフ」を護ろうとしている「ヴァルター」と、犯人として追う「エヴェリーン」の真逆の見解を持つ二人… オックセンツォル精神病院でふたつの軌跡はひとつとなり、別々と思われた事件が、ひとつの輪となって繋がっていく、、、

二人がお互いの情報を交換し、徐々に恐るべき事件の真相が明らかになってきますが、ここからの展開も一筋縄ではいかず、なかなか愉しめる展開でしたね… ここからエンディングまでは一気読みでした。

「ヴァルター」と「エヴェリーン」は、いずれも正しいと思う方向に向かい猪突猛進型で突き進むキャラで好印象でした、、、

読後に冷静に考えると、年寄りとか細い女性が、この犯行が実行できたのか… という面では、ちょっとご都合主義を感じる部分もありましたが、読んでいるときは全く気になりませんでしたね、面白かったー


以下、主な登場人物です。

「エヴァリーン(リニー)・マイヤース」
 ウィーンの弁護士

「パトリック」
 私立探偵

「クラーガー」
 弁護士。エヴァリーンのボス

「ペーター・ホロベック」
 弁護士。クラーガーの共同経営者

「エドワード・ホキンスン」
 フリートベルク号の船主

「グレータ・ホキンスン」
 エドワードの娘

「ルドルフ・キースリンガー」
 引退した小児科医

「ハインツ・ブランゲ」
 ミュンヘン市会議員

「パウル・シュモレ」
 引退した船長

「アルフォンス・ボルテン」
 元少年裁判官

「リザ・グルジエフ」
 入院している少女

「マヌエル」
 リザの弟。故人

「ジュビル・ヴォスカ」
 リザの友だち

「ヴァルター・プラスキー」
 ライプツィヒ刑事警察の刑事

「ヤスミーン」
 ヴァルターの娘

「ホルスト・フックス」
 ライプツィヒ刑事警察の課長

「ナターシャ・ゾマー」
 病院で死んだ少女

「マルティン・ホルナー」
 病院で死んだ少年

「ゼバスティアン・ゼンメルシュレーガー」
 病院で死んだ少年

「レーシャ・プロコポヴィチ」
 入院している少女

「ゾーニャ・ヴィルハルム」
 ナターシャの心理療法士

「コーラー」
 検察官。ゾーニャの元夫

「クラウス・ヴィンターエッガー」
 ザクセン州刑事局の刑事

「ラース・ゴタイニク」
 ザクセン州刑事局の刑事

「コンラート・フォベルスキー」
 ブレーマーハーフェン病院の内科医長

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2023年03月25日

Posted by ブクログ

事故に見える殺人事件、自殺に見える少年少女の殺人事件、一見無関係な事件を追う女生弁護士と刑事。

二つの事件が徐々に繋がっていくプロットが精緻に練り上げられていてラストまで一気読み。
女性弁護士と刑事のドラマも過不足なく描かれているし、何より交互に描かれるそれぞれの事件が少しずつ真相に近づく過程が丁寧で、あまり読んだことのないオーストリア産のサスペンス小説だが完成度が高く映像化にも向いている。

テイストとしてはセバスチャン・フィジェックに少しスパイスを効かせた感じ?

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2021年03月13日

Posted by ブクログ

酔った元小児科医がマンホールで溺死。市会議員が運転をあやまり事故死。一見無関係な出来事に潜むただならぬ気配に、弁護士エヴェリーンは深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事の軌跡が出合うとき、事件が恐るべき姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした衝撃作。

例によって陰惨な背景があるのだが、それでもぐいぐいと読ませる力のある作品。

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2018年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーストリアで起こった不可解な、一見関連のない事故を調べる弁護士の事件とドイツで起こった、一見関連のない自殺を調べる刑事の事件が絡まっていき、終盤につながっていく。なかなか展開も早く、面白かった。よくあるパターンの2人が恋愛にならないのも良い。続編があるとのこと。読んでみたい。

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2017年12月08日

Posted by ブクログ

オーストリアのミステリを初めて読みました。
ドイツ語圏で数々の賞を受賞している人気作家のセンセーショナルなヒット作。
アンドレアス・グルーバー日本初紹介です。

オーストリアの若手女性弁護士エヴェリーンは、単なる事故と思われた事件を調べていくうちに、別な事故死現場に同じ少女がいたという不審な事実に気がつく。
一見、何の関係もなさそうな事件だったが、私立探偵のパトリックと共に調べていくと‥?

一方、ドイツでは、ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターが病院での不審死の調査を始めていた。
中年のヴァルターは、5年前に妻をなくして幼い娘を育てるために、定時に帰れる地方警察の仕事に移った男。
ドイツでも警察官の間で格差があるらしく、州刑事局の若造に軽く扱われたりするが、実は殺人事件の捜査経験も豊富で、粘り強く仕事ができるプロなのだ(笑)

二人の捜査が交錯する時、事件の全容がしだいに明らかに。
背景はヨーロッパ的な陰惨さを感じさせますが‥
テンポよく場面が変わる展開で、意外性もあって読ませます。
若々しいエヴェリーンの勇気ある行動と、しぶといヴァルターの地道な捜査が効果をあげていくのが小気味いい。
それぞれに胸に秘めた過去がある二人。
悲痛な思いを乗り越えていくところも、読む者に希望を与えてくれます。

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2017年11月04日

Posted by ブクログ

あぁ面白かった。終盤は読む手が止められず一気読み。少女たちの気持ちに胸が苦しくなる。でも点と点が繋がって行くのはとても興奮した。

ふたりの主人公がなんだかとても好きだな。彼らの最後が未来を感じる明るい結末だったことが、救いのように感じた。

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2017年04月19日

Posted by ブクログ

二つの事件がやがて合流する展開は、もどかしくも先が気になるつくり。
土地や医療、警察のことを適当に書かずによく調べてある、と思う。
だが!古今東西この手のミステリにありがちだが、主人公たちは何故に自分の権限や管轄を大きく超えて捜査してしまうのか。そこまでの理由って何?どうしても納得できない。

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2016年09月05日

Posted by ブクログ

オーストリアミステリーは、初めて読んだが、なかなか面白い。
過去に起こった事件が胸糞が悪いのと、人物のキャラをつかむのに時間がかかった。弁護士がドイツへ向かってからは、読むスピードが上がった。
オーストリアは、旅行したことがあったので、記憶を頼りに風景を思い描いた。
セールじゃなければ出会わなかった本かもしれないが、いいきっかけになったと思う。この著者の別の本も読んでみようという気になった。

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2016年06月10日

Posted by ブクログ

オーストリア人作家によるミステリー。
過去にトラウマを持つ若手女性弁護士と、やはり過去の傷が理由で閑職に甘んじている刑事が、それぞれ別ルートでとある「事故」を調べ出すうちに、点が線になり、おぞましい事件が少しずつ明るみに出ていく・・・というストーリー。

昨今のヨーロッパを舞台にした社会派ミステリーは、かなりの割合で児童虐待をテーマにしていて、この小説も、だいたい半分を過ぎたあたりで、おおよその筋書きは読めてしまった。ただ、人物描写が秀逸で、ストーリー運びもテンポがよく、一気に最後まで読ませる。

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2014年12月17日

Posted by ブクログ

初めてオーストリアミステリーを読んだ。酒寄さんの翻訳は読みやすくて好き。小児性愛者は気持ち悪く人間として最低。ヨーロッパの小説でよく題材に出てくるから、問題視されているんやろな。日本も、もっとそうなればよい。暗い重いテーマを扱っているが、主人公たちに救われて読後感は良い。

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2014年07月18日

Posted by ブクログ

児童虐待(性的虐待・人身売買)を題材としたミステリ。喘息持ちの刑事とトラウマを持つ弁護士が事件の解決に臨む。途中までは別々の物語が展開して途中で一つになるっていう、よくある展開だけども、ミステリとしてはとても読み応えがあって面白かった。この著者の別の小説も読んでみたい。

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2014年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公2人がそれぞれ追っている「犯人」が相手にとっては「被害者」で、それぞれがじわじわと真相を追う中で出会い、やがて一つの真実にたどり着く…というプロットが見事。エヴェリーンとヴァルター、2人の主人公はじめキャラたちもとても魅力的。ほかの作品もぜひ読んでみたい。

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2014年02月10日

Posted by ブクログ

面白かった。
ヴァルターが予想以上にいい奴だった。ヤスミーンとのやり取りも微笑ましい。エヴェリーンも過去を断ち切って歩き出したしね。

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2013年12月26日

Posted by ブクログ

 失敗した、北欧物3冊も並行して読み進めたせいで、登場人物グチャグチャ!ラスト50pあたりから加速されたから、なんとか読み終えてやれやれ。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なにかのミステリ関連で本書のタイトルが出たので気になって読んでみた本書。

原文タイトルは「RACHESOMMER」。
うん?英語ではないな。
SOMMERは英語のSUMMERで夏なんだろうけど、RACHEって??
うん? そういえばシャーロックホームズに復讐の意味でこの文字が壁に描かれていた話があったんじゃないっけ??

とかなんとか思いながら表紙をためつすがめつ眺めた。

表紙は夏の夕暮れ時。ぽわっと灯のともった街灯と、そこに浮かびあがる金髪で肌を大きく出した青っぽいワンピを着ている華奢な女性の後ろ姿。そして立派な白い建造物の背景もなんとも雰囲気がある。そうか、これはヨーロッパのミステリなんだ、と納得。

プロローグの掴みはオッケー。
なに? どういうこと? この子、何者?? とじゅうにぶんに引き付ける。
場面も話の展開もスピーディで、読んでいるとただのミステリではなくサイコ系の空気もあって、程よい緊張感を伴って読み進めることができた。

が、最終的な感想は、うーん、緻密さに欠けるというか、なんだか大味だったなあというものだ。

いちいち挙げればきりがないが、いちばん肝心なのは、犯人である彼女がどうしてあそこまでの行動に出たのか、出られたのか、それがどうにも納得できないんだよなあ。

どうやらそこには多重人格がポイントになっているようだと私は理解したんだけれど、それでも本書だけではあの子のあの行動は説明不足なんじゃない? それともヨーロッパの読者さんって多重人格(解離性同一性障害)といわれればここまで基本人格とは隔たった行動をするのが当たり前という前提でもあるのかしら。

とにかく全体的に予定調和すぎるというか、表面をするっと撫でて問題解決な感じが否めなかった。

ミステリで手垢がつきすぎて今や御法度といわれるものに「夢落ち、双子、サイコパス」というのがあるけれど、本書も究極それなんだよなあ。そして追加される保護者のいない児童への性的虐待、それによる解離性同一性障害など、ちょっとおなかいっぱいです。

せっかく冒頭にゲーテの引用があるんだから、もっと緻密に書き込めばハンニバルにも劣らないスリラーになったような気もするんだけれど、みなさんはいかがでしたでしょうか。

怪物と対峙する者は、みずから怪物とならぬよう心せよ。汝が久しく深淵を見入るとき、深淵もまた汝を見入る。

====データベース====
地位も名誉もある男たちの事故死。病院に入院している少女の不審死。オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたつの軌跡がであうとき、事件はそのおそるべき真の姿を現す。
ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃作登場。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれて手に取ったら、タイトルに感じた印象とは正反対の凄惨な現実のミステリだった。期待値とは違ったけどそれはそれで面白かった。

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2021年03月06日

Posted by ブクログ

沢山賞を受賞してるすごい人のよう。2つの都市にて同時進行に話が始まる。ドイツにて事件を追う刑事。ウィーンで働く美人女弁護士は、違う事件に共通点を見つけてしまい、有給を取り、その事件を個人的に調べる。沢山人が出てきて、ちょっとドイツ語圏の人名が覚えにくく、必死についていく。次第に真相が見えてきて、主人公同士が絡み合う。非常に手慣れた書き手のうまい文章と構成。話題にしやすいかもしれない。そうだな、そういう、いわゆる正統派ミステリーって、わかってるだろう、個人的には全然惹かれないんだ。

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2019年09月25日

Posted by ブクログ

児童虐待、その後の解離性障害を素材に使うミステリ。一気に読めるがとても苦しい読後感が残る。児童虐待があまりに日常に近くなった今に物語として読めるものではない。

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2019年02月24日

Posted by ブクログ

オーストリアの作家が主にドイツを舞台にして描いたミステリで、児童虐待という重い主題を扱いながらもスピーディーな展開で読ませる秀作。謎解きの要素は薄く、サスペンスを主軸とした捜査小説で、飾らない文章は実直な著者の人格を表しているようだ。
主人公は、やさぐれてはいるが経験豊かな中年男と、才気煥発だがまだまだ未熟な女性という二人。定石の設定ではあるが、中盤辺りまで別々に物語が進行するため、余分なやりとりが発生せず、くどさがないのが良い。真相が明らかとなる要所で二人の追跡行が交差するさまも自然だ。

オーストリア在住で経験の浅い弁護士ヴェリーンは、元小児科医や市会議員らが連続して不可解な状況下で事故死した案件を調査していた。一方、ドイツ/ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、精神病院入院中の少女らが相次いで不審死を遂げている事件を捜査していた。二人は、丹念な観察力と鋭い直感力によって、隠された事実への足掛かりをつかんでいく。だが、いまだに双方での殺人は続いていた。やがて、過去に小児性愛好の金満家らに拉致され、集団で虐待/性的暴行を受けた孤児らの存在が浮かび上がる。或る一点で結びついた謎解明の手掛かり。宿命的に二人は出会い、志を共有し、行動を共にする。

立ち位置が入れ替わる加害者と被害者。卑劣な犯罪者と哀しい復讐者の実像。果たして、狂っているのはどちらか。ヴェリーンとヴァルター、それぞれの視点で見つめる深層は、悲劇的で残酷性に満ちたものだ。

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2018年06月25日

Posted by ブクログ

タイトル&レビュー買い。

レビューどおりテンポは良いけど、
そんな都合良く
事故死装え続けるかなーとか、
日本語訳意味不明なとこあったり。

…ぬいぐるみの脚の乳首とは。笑

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2016年02月08日

Posted by ブクログ

2人の主人公の『猪突猛進』ぶりにハラハラさせられたミステリー。
強引すぎる捜査は、一歩間違えば犯罪のボーダーラインを簡単に超えてしまうので、読んでいて不安になる。『正義感』と言えば聞こえはいいけれど、行き過ぎた『猪突猛進』はあまり好きではない。

話のテンポは良く、飽きずに読めたが、事件自体は少し疑問が残るし、ご都合主義的な部分も否めない。
船長は本当に塗り潰された名前の正体を知らなかったのか(冒頭に「本当に知らないんだ」っていう独白があるけれど…)とか、あれだけの人数をすべて事故死に見せかけるのは運があっても不可能なのでは?とか、私立探偵の能力が出来過ぎとか。
ミステリーとしては詰めがちょっと中途半端だけれど、トータル的にはありかな。今後に期待。

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2014年08月03日

Posted by ブクログ

読んでいて、気になって仕方がなかったのは、登場人物が携帯電話で長話をすること
電話なんだから通話して当たり前なのだけれど
バッテリーの持ちとかを考えると、メールがほとんどだから
しかも、地続きとは言え国際電話
いったい、いくらかかるのか?

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2013年12月16日

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