酒寄進一のレビュー一覧
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オリヴァー&ピアコンビの二作目。
短い単元ごとに時系と視点が変わる独特の物語進行。
「深い疵」を読まなければ、手に取らなかったかもしれない本。タイトルだけで敬遠しない方がいい。
ところ変われど人が死に物語がはじまり、犯人が判明し帰結するのだが、わかっていながらもこの作者のミステリーに心底ハマってしまうのは、物語に手加減をしないリアリティなのかもしれない。不幸はどこまでいっても不幸なのが現実だし、憎悪は負の連鎖を招き、人間はどこまでも欲深く、恐ろしい。そしてそれを詳らかにする側の警察でさえ、ただ一人の、「人」なのだと気付かされる。そのリアリティは人の繊細で複雑な側面を観察し徹底的に描くからなの -
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ネタバレ「夏を殺す少女」で鮮烈な日本デビューを飾った作者による傑作ミステリ。
行方不明になった保険会社の女性調査員を探す依頼を受けたホガートがプラハで連続殺人事件の調査をしている女性私立探偵と知り合い、その事件にも巻き込まれて行く。
先に挙げた「夏を殺す少女」と比較すると、ジックリと物語が展開するイメージだが、まどろっこしさなどはなく、謎が謎を呼ぶ展開は先を読む手を休ませない。
「夏を〜」と共通する点といえば、主人公が身体的にハンディとなるものを持っている点や主人公とともに活躍する女性にトラウマとなるような過去がある点、二人が謎を解決するためには手段を選ばない行動をとる点が挙げられる。これらの要素は決 -
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ネタバレオーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの本邦デビュー作。一気読み必至の佳作。
なんでもない事故のために窮地に陥っていた叔父を助けるために、その案件に関わっていたエヴェリーンは、同じようになんでもない事故だと思われていた案件にも同じ少女の姿が映っている映像があることに気づく。
一方、精神病院に入院歴のある子供が自殺している案件で不審な注射の後を見つけ、殺人ではないかと疑いを持ったヴァルターは、その犯人の後を追うように捜査を始める。
一見、なんのつながりもない事故、あるいは自殺にまつわる、二人の視点で物語が展開する。いずれも心に傷を持ち、一方では真実のために脇目も振らない活躍をする。エヴェリー -
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ネタバレ前作はトムの過去が明かされていたが、今回はジータの過去が明かされる。登場人物の掘り下げがあったりつながりが判明したり、シリーズとしての面白さは増したと感じた。
映像の中の犯行がそもそも本物なのか?というところから始まり、被害者の父親たちに何かがあるという疑惑が出てくるところ、それがジータの過去と繋がってそうだという展開が面白い。
そして相変わらずトムはフィジカルが強い。
終わり方もまた次作につなげるような終わり方。
ミステリーとして見たらあまり推理や謎解きはないので物足りなさはあるが、警察小説というかサスペンスとして見ると面白い。ミステリーを期待しない方が楽しめると思った。 -
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カスパーハウザー?なんか聞いたことあるな。と思って読み始めた。
幼少期を地下室に閉じこめられて育ち、いきなり社会に放り出される少年。
善意からまたは仕方なくカスパーの面倒を引き受ける人たち。みんな自分の常識にカスパーを当てはめ、失望したり、嫌悪したりする。
全員が自己中心的で本当にカスパーを心配する人はいないようだった
本来の人間の能力とはどんなものだろう。カスパーは、暗闇で聖書を読んだり、遠くのものが見えたり超人的な力を持っていたが、それは一般的な生活をするうちに失われていく。
カスパーはバカがつくほど正直で素直だが、時に嘘をついたりもする。それはもちろん身を守るために。
副題にあるいは怠 -
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ウィーンの若き弁護士エヴェリンは地位も名誉もある男たちの事故について調べていた
彼らの事故には必ず同じ少女の姿が目撃されていた
一方、ライプツィヒの刑事ヴァルターは病院で自殺として処理された少女の不審死について調べていた
物語はこのオーストリアとドイツの2人の視点で進み、やがて繋がっていく
事件の恐るべき真の姿は何となく想像はつくが、ラストまで一気読みだった
また2人の主人公が魅力的に描かれており人間ドラマとしても楽しめる…
ちょっとした主人公のラブロマンスがあるのはこの作家さんの特徴なのかしら…(笑)
また作品のなかで、エヴェリンがズュルト島に渡る際、レンタカーごと列車に乗り込む場面があり、 -
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ようやく。
ようやくたどり着いた。
このシリーズの中で
「白雪姫には死んでもらう」の次に気になっていた今作のタイトル、
「森の中に埋めた」
何をっ⁈
ネレ・ノイハウスの小説のタイトルは
この作品あたりから気になるものが目白押し。
これまででおそらく一番分厚かったけど
一番サクサクと読めた。
今回はオリヴァーの子ども時代にスポットが当てられ、彼の苦悩や後悔の念などが痛いほど伝わってくる、これまでとはちょっと違った展開。
ふだんはオリヴァーに厳しいわたしですが
さすがにこのたびは応援しちゃった。
そしてさらにピアとのなんとも熱い関係(変な意味じゃなく)にもしびれた。
次作の二人がどうな -
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主人公シッダールタ(ブッダとは別人)は、ブッダを「目覚めた人」「完璧な人」と深く敬愛する。しかし、その教えを聞いても門下には入らず、自ら欲に身を委ね、人生を経験する道を選ぶ。
「どんな真理にもその正反対があり、それも真理だ。真理は一面的にしか言葉にできず、言葉で言い繕うことはできない。頭で考え、言葉にすることができるものはすべて一面的だ」
ブッダの教えを聞いても、自分はブッダのようには目覚められない。誰かの真理は、そのまま受け取るだけでは自分の真理にはならず、自分自身で生きて初めて知恵になる。
人の忠告を聞いておくべきだった、とか、もっと若い頃に読んでおけばよかったと思う本も少なくない。