酒寄進一のレビュー一覧

  • テロ

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    9.11なども経て創作された架空裁判劇。二幕終わりに観客に投票を促し、その結果で結末も変わる。二幕の検察、弁護士それぞれの主張がおそらく重要だが、劇として上演するには少し固いかもしれない。それまでの被告、証人の証言の方が自分の身に迫ってくるところはある。被告の行いを受け手にゆだねるやり口は、森鴎外の『高瀬舟』に近しいものもあるなあと。

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    2022年10月09日
  • 弁護士アイゼンベルク

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    読み応えありの、ドイツリーガルミステリ。

    女子大生の猟奇的な死体が発見され、元大学教授のホームレス・ハイコが逮捕されます。
    弁護士のラヘル・アイゼンベルクは、ハイコの友人のホームレスの少女から彼の弁護を依頼されますが、なんとハイコはラヘルの元彼で・・・。

    息もつかせぬ、先の読めない展開で一気に引き込まれます。
    中盤まで女子大生の猟奇殺人事件の件と、コソボから逃亡してきた母娘が大ピンチに陥っている様子が交互に展開されるのですが、これらの要素がどう繋がっていくのか・・・二転三転するプロットに続きが気になりすぎてページを繰る手が止まらん!という感じです。
    いかにも“バリキャリ”なラヘルのキャラも

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    2022年09月28日
  • 禁忌

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    本を閉じてカバーを外してじっくり眺めて、あ゛〜。そして最初のページから読み直して愕然、というか底知れぬ味わい。なんか凄い。これまでのシーラッハの作品らしさを感じながら、より真摯に人間の内面を見つめている。芝居にもなるみたいだけど、上演台本難しそう。芸術ってホントややこしい。読み終わって、あれ?アレ?ってページを前にめくりだす体験って素晴らしいかも。

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    2022年09月27日
  • 終戦日記一九四五

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    "数字が生きたり、死んだりするだろうか。ポーランドの広場でドイツ軍の機関銃の前に並ばされたとき、ユダヤ人の母親たちは泣いている子どもたちを慰めた。母親たちの列は数列と同じだろうか。 その後、精神科病院に入院させられた親衛隊分隊長は数字だろうか。"(p.14)


    "自他ともに理解することが必要だ。といっても、理解することは納得することではない。すべてを理解することとすべてを許すことは、決して同じではないのだ。"(p.241)

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    2022年09月18日
  • 聖週間

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    面白い。一気に読み切った。犯人と被害者との面識に少し違和感はあるが、この作者の登場人物の描き方でひとつの家族のドラマとしても成立する。ヴァルナーやミーケには応援せざるを得ないが、クロイトナーの小狡さもなんだか憎めなくなった。

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    2022年09月16日
  • 咆哮

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    面白いものは面白いんだなぁ~

    ヴァルナ―とクロイトナー
    絶妙の緊張と緩和、あっという間に読み終わってしまった。

    この物語は酔っ払い警官のクロイトナーが偶然死体を見つけるところから始まり、そして最後も……。
    苦労して犯人を絞りこんでいくヴァルナ―、直観で行動するクロイトナー
    で、この2人はチームでもバディでもない。え?なにそれ!

    ドイツの警察小説ということで読み始めたが、いい意味で裏切られた。
    愛と人生とトラウマを帰納法で証明しようとするシュリンク
    犯罪心理を因数分解で明らかにしようとして、結果「わからない」とするシーラッハ
    こんな人ばかりと思っていたら、こんなミステリ小説もあるんだって感

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    2022年09月02日
  • 母の日に死んだ

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    ここ最近のノイハウスの作品は、読み通すのに根性がいりますね。なかなか、全貌が見通せない。いったい何が起こってるんだかよく分からない。最後はそれが全部つながるのが凄い。
    全然作風は違うんだけど、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』とか『絡新婦の理』を思い出した。複雑に入り組んだ人間関係の網の目に絡み取られる感覚。何が起こっているのか分からず眩暈がする感覚。
    そして何より、どんどん分厚くなる。

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    2022年08月28日
  • 咆哮

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    ドイツ南部ミースバッハ郡の小さな湖で、厚く凍りついた湖面の下から16歳の少女ピアの死体が発見された。謝肉祭のプリンセスのようなドレスを着て、口の中には数字の書かれたブリキのバッジが押し込まれていた。
    第一発見者のクロイトナー上級巡査は自身が手柄を立てようと躍起になるが、ミースバッハ刑事警察署に特別捜査班が立ち上がり、ヴァルナー捜査官が指揮を執ることになる。

    捜査が進む中、新たに13歳のゲルトラウトの死体が見つかった。現場はなんとヴァルナーの自宅の屋根の上。
    ピアと同じようなドレスを着て、口の中からは数字の書かれたバッジが見つかった。
    捜査線上にピアの通う学校の教師が容疑者として浮かぶが、70

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    2022年08月15日
  • 終戦日記一九四五

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    戦中日記第四弾。高見順「敗戦日記」、「大佛次郎敗戦日記」、「吉沢久子、27歳の空襲日記」の次にお読みください。1945年5-6月の日記。ここで、初めて田辺聖子の日記が登場して、大阪空襲を語る。更には、ケストナーにとってはヒトラー死亡が確定して、ドイツでの「内的亡命」が終わりを告げるのである。また、高見順たちの鎌倉文庫は予想外の好調を示した。

    エーリッヒ・ケストナー(1899-1974)。「エミールと探偵たち」「飛ぶ教室」などで、既に著名な児童文学作家であり、詩人で脚本家であった。翻訳者の酒寄氏は、ドイツ文学者は迎合者、亡命者、内的亡命者の3つに分かれたと書いているが、ケストナーは3番目の内的

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    2022年08月15日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    感受性の高いシンクレア少年と大人びたデーミアンとの奇妙な出会いと別れまでのお話。内気で孤独なシンクレアの唯一といってもいい心の支えだったデーミアンが、最期の最期に語りかけた言葉が切なく、優しく、それでいてちょっと残酷だなと思ってしまった。

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    2022年06月04日
  • EXCELLENT 卓越した自分になるための9つの行動

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    ネタバレ

    開放性、内省、やる気、健康、統制、共感、アジャイルマネジメント、共鳴、リーダーシップ
    この行動をエクセレントに操ることで自分が進歩していく。
    各章にまとめがついているのでかいつまんでそれを読めば良い。

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    2022年05月26日
  • デーミアン

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    自分の魂と繋がり生きることが大切、しかしそれにはさまざまな苦難が待ち受ける、それでもそうやって生きていくしかない。
    少年愛っぽいシーンもありますが。

    この訳はとても読みやすかった。

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    2022年05月01日
  • コリーニ事件

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    わずか190ページの長編(?)だが、重い。
     
    舞台はドイツ。
    新人弁護士の主人公が担当してしまったのは、家族同然の友人の祖父を殺害した男の弁護だった。

    ネタバレになるのでこれ以上は慎みますが、付いている帯を読むと予想できてしまう。
    が、分かっていてもおもしろい。
    いや、おもしろいなどという感想は不謹慎かな。
    腹にズシンとくる重みがあります。

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    2022年03月05日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    このドイツ警察小説シリーズは面白い。事件そのものだけではなく警部補とそのチームの人間性がよく描かれている。特に警部補がプライベートで悩む姿を描くところも気に入った。この後まだ未読のシリーズがあるので順番に読んでいく。

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    2022年01月15日
  • 母の日に死んだ

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    死体がゴロゴロ出て、最後は映画向きな派手な展開。
    オリヴァーがまともになった。ちゃんと仕事している。
    エンゲル署長が良い人になった。
    ヘニングの小説はどうだったのか気になる。

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    2022年01月13日
  • 罪悪

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    感情を抑えた文体で、とつとつと語られるように感じるが事件の内容自体は非常に凄惨なものも多くあった。翻訳小説が苦手な私でも読みやすく感じました。

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    2021年12月29日
  • コリーニ事件

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    筆者のフェルディナント・フォン・シーラッハさんのファンで、自分が小説を書くならこういうのが書きたいと思ったのがシーラッハさんの「罪悪」でした。
    著者が勝手に盛り上がらずに、読者の気持ちを盛り上げてくれるのが読んでて落ち着く。

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    2021年12月26日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    書店で見かけ、面白うそうと思い、やっと手に取る。

    久しぶりのミステリー。

    大西洋横断航路の豪華客船「海のスルタン」に「乗客23号」が現れる。

    過去に同じ船で妻と子供を失った囮捜査官、この船で生活している老人女性からの電話を受け、客船に乗り込む。

    密室の豪華客船で起こる不審な事件。
    帯に書いてある通り、ノンストップミステリー。

    残念なのは題名。現代通り「パッセンジャー23」でいいんじゃないかな。

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    2021年12月19日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    豪華客船は、カジノ、シネマ、バー、カフェ、ありとあらゆる娯楽や施設が整った小さな町のようだ。
    ただしそこには警察だけがない。
    23ーそれは毎年客船で消える乗客の数。

    原題はPASSAGIER23(直訳:乗客23)で、やはりこちらのほうがしっくりくる。でもパっと見た時のインパクトは邦題のほうですね、でも中身読むとしっくりこなくなる。
    でまぁそんなことはどうでもいいのであって、面白かったです。
    きなくさいオープニング、囚われているらしい女性の独白と、とてもヴィジュアルに訴える刺激で、あっという間にすいこまれてしまいます。
    妻子を失いイカれてしまった潜入捜査官・マルティン・シュヴァルツが主人公。

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    2021年10月17日
  • 犯罪

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    小説とルポタージュの境目を漂い、不思議な読書感を味わう。

    作者は弁護士という職業から見た、様々な刑事事件を小説にしたという。
    (守秘義務から実際に担当した内容は用いていないとあとがきにあったけど)
    そこには大掛かりな組織犯罪や陰謀もなく、サイコキラーなどの強烈な犯罪もない。
    一歩逸れれば誰にでもありうるところから、「少し」異常な犯罪に至る状況を淡々と描くことで、かえってその人物の心情を読み手に想像させる、または、時には読み切れない状態で謎を残す。

    読者は、そのあやふやさもまた現実であろうことと、感じとることになる。

    日本の裁判判例は、ネットで内容を検索することができる。
    かつて、仕事上の

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    2021年09月30日