酒寄進一のレビュー一覧
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ネタバレ冒頭の方で「自死」というべきです。「自殺」ではありません。自分自身を死に至らしめることは殺人ではありませんから(弁護士ピーグラー)という箇所があるが、日本ではほぼ同義に使っているが漢字を帰るだけで印象が変わると感じた。
「わたしは死にたいのです。」(ゲルトナーの意思)
「生きていたくないからです。」(それは何故か問われたゲルトナーの回答。)ここは死にたいという意思を言い換えているだけの印象をこの時点では持った。
「孫のことは愛しています。しかし、孫がはたして理解してくれるかどうかわかりませんが、エリザベートが死んでから、わたしは半身をもがれたような感じなのです。(ゲルトナー)」他人同士が繋がり -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『月の夜は暗く(原題:Todesfrist)』を読みました。
ここのところドイツミステリが続いていましたが、今回は同じドイツ語圏のオーストリアミステリです、、、
「アンドレアス・グルーバー」の作品は、約2年振りで3作品目ですね。
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「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官「ザビーネ」は、父から知らせを受ける。
母親は見つかった。
大聖堂で、パイプオルガンの脚にくくりつけられて。
遺体の脇にはインクの缶。口にはホース、その先には漏斗が。
処刑か、なにかの見立てか。
「ザビーネ」は -
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ネタバレ2013年日本刊行、シーラッハの初長編作品とのこと。
『禁忌』は読んだことあったけど、あれよりもこちらの方が前だったとは。
やっぱりこの文体は好き。
どこか不穏でぴりっとした緊迫感が終始漂う。
決して奇をてらった表現や独特な言い回しがあるわけではないのだが、何がどうしてこの著者特有の雰囲気が生まれているのだ。
すごく物語世界に没入させられる。
訳者、酒寄さんの力量、推して知るべし。
ある夜ホテルで一人の大物実業家ハンス・マイヤーが元自動車組立工の年老いたイタリア人コリーニに殺される。
そこには強烈なまでの憎しみがあった。
殺害後自ら警察を呼ぶが、その後は黙して何も語らない。
新米弁護士のラ -
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安定のおもしろさとちょうど良さ。すっかりこのシリーズのファンです。
3作読んで思ったことメモ:こういうシリーズものって大抵、事件の内容と主人公の過去のなんやかんやが重なってたりして、新たな謎を呼んだり裏で糸を引く因縁の敵の存在が仄めかされたりしつつ主人公の暗部をチョイ出し&人格を深堀りする仕掛けがあるのがセオリーかと思うんだけど、今のところヴァルナーもクロイトナーも各事件とパーソナルに関わることはなく、自分の人生をただガツガツと生きてる。
だからあんまりおもしろくない(ドラマ性に欠ける)と捉えることもできると思うけど、逆に、物語のための装置として設計されたキャラクターじゃないんだぞっていうラ -
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倫理や法律について論理的且つシニカルな短い逸話が繰り返されるが、多くが伝聞や書物に基づくものでサッチャー元首相の逸話なども事実か物語なのか迷わせる。
人権の話で、ドイツ基本法第1条では、「人間の尊厳は不可侵である」と定められているにも関わらず、2017年にベルリンで前年比60%増の947件の反ユダヤ主義の事件が起きており「私たちは言葉の外へは出られない。私たちの理解できるのは、理性だけだ。説明することを可能にするのは、つねに概念だ。 他に方法がない。しかし自然や生や宇宙にとって、そうした概念はなんの意味も持たない。重力波に善も悪もない。光合成に良心などない。 重力に対して、われわれは無力だ。」 -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『黒のクイーン(原題:Schwarze Dame)』を読みました。
『夏を殺す少女』に続き、「アンドレアス・グルーバー」作品です。
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保険調査専門探偵「ホガート」は顧客からある依頼を受けた。
プラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は行方不明になった。
調査員の安否と保険詐欺のことを調べて欲しいというのだ。
プラハに飛んだ「ホガート」は、そこで猟奇連続殺人事件に巻きこまれる。
首と手を切りおとしビロードにくるんだ死体の謎。
『夏を殺す少女』で衝撃のデビュ -
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オーストリアの作家「アンドレアス・グルーバー」の長篇ミステリ作品『夏を殺す少女(原題:Rachesommer)』を読みました。
オーストリアの作家の作品は初めて読みましたね… この前まで読んでいたドイツミステリと同じドイツ語圏なのですが、この作品を読んだ限りではオーストリアミステリの方が好みかな。
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酔った元小児科医がマンホールにはまり死亡。
市議会議員がエアバッグの作動で運転をあやまり死亡。
一見無関係な事件の奥に潜むただならぬ気配に、弁護士「エヴェリーン」は次第に深入りしていく。
一方ライプツィヒ警察の刑事「ヴァルター」は、病院での少女の不審 -
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ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の長篇ミステリ作品『コリーニ事件(原題:Der Fall Collini)』を読みました。
『罪悪』に続き、「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の作品です。
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新米弁護士の「ライネン」は大金持ちの実業家を殺した男の国選弁護人を買ってでた。
だが、被疑者はどうしても動機を話そうとしない。
さらに「ライネン」は被害者が少年時代の親友の祖父だと知る。
──公職と私情の狭間で苦悩する「ライネン」と、被害者遺族の依頼で裁判に臨む辣腕弁護士が法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。
犯人を凶行に駆り立てた秘めた