酒寄進一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハイジャックされ、大量殺人を目的にサッカースタジアムに墜落しようしている飛行機をその手前で撃ち落とすことは許されるのか?何万人の命を守るために、何百人を奪うことに正当性はあるのか?法哲学では鉄板のテーマ、功利主義を考える題材に適している。カントのトロッコ問題よりも、現実的で昨今の時世に鑑みても、本当に起こりうる話なので、真剣に考える余地を与えてくれる。
本書はドイツが舞台となっており、「人間の尊厳」を最大限に尊重するドイツ基本法も背景にあることから、繰り広げられる命の価値に関する論争には重みがある。理解を深めていくにつれ、いろんな結論を導けるのがこの本の醍醐味。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の、児童虐待と性暴力の話も胸が悪くなる話だったけれど、今回もまた勝るとも劣らない嫌な話。
本来なら人類のためになる技術であるはずの臓器移植を、私利私欲のために行うという、何と愚劣な話。
殺人を犯した犯人は、もちろん悪い。
何しろ殺された人たちには何の落ち度もないのだから。
では、犯人はなぜそれらの人を殺さねばならなかったのか。
ここが、この作品の肝なのだけど。
怪しい人が何人も出てくるのね。
プロファイルされた犯人像に近い人が何人も。
この人が怪しそうに書いているから、実はあの人が犯人なんじゃないか?と思わせておいての…?
と、脳内で翻弄され、裏切られ、肩透かしを食わされ、ミスリードさ -
Posted by ブクログ
ドイツミステリー。凍った湖で遺体を発見したのは外勤警官のクロイトナー。次に捜査担当のヴァルナー首席警部の自宅の屋根から第二の死体。どちらも口内から数字を示したバッジが発見された。並行して描かれるのは、昔。バックカントリースキーをしていたら、娘が転落し、救出しようと死にものぐるいの父親の姿・・・
途中まではそれほど面白くなく、先が楽しみでもないのでやめようかと思った。しかし山岳遭難の方の関わりが分かると急に面白くなる。
殺人の動機がこれほど読ませる小説はあまりないかも。
下にネタバレ。
※ネタバレ
スキーで転落した娘を救うために、夜半に山を彷徨ったペーターがやっと山小屋に辿り着いた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回の事件は、いつにも増して読み進めるのが辛かった。
児童虐待。性暴力。
何度も辛くて本を置き、続きが気になって再び手に取った。
前作とは違って、オリヴァーは悩みを乗り越えたようだけれど、逆に帰って目立たなくなってしまった。
オリヴァーのチームというより、ピアのチームだ。
そしてこのシリーズは、社会の上辺にいる人たちの自己中心的な行動が犯罪を引き起こし、そして犯罪の影には必ず悪女が…というパターンになっている。
今回はその犯罪の影、必要だったかな?
今回の犯罪は根が深いもので、隠ぺいするためには手段を問わない犯罪グループが出てくる。
が、目を覆いたくなるようなおぞましい暴力をふるう割には -
Posted by ブクログ
ネタバレ風力発電に関する推進派(政府・企業)と反対派(市民)の対立。
しかし、想像を絶するやりあい。
自分達の主張を通すためには手段を取らないそのやり口は、どちらにも嫌悪を抱かせる。
風力発電は、環境に優しい再生可能エネルギーだと思っていたので、環境破壊を理由に反対運動が起こるとはびっくり。
「渡り鳥の渡りのルート上には風車を作らないで」と作家の梨木香歩が言っていたけど、それ以外にもいろいろ問題はあるのだな。
そして、地球温暖化という不安に簡単に踊らされてはいけないと改めて思う。
もちろんエコは大事だし、何事につけ踊らされるのはよくないけれど、「地球温暖化」というのは結構な切り札になるので。
でも -
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Posted by ブクログ
ネタバレ動物園でバラバラ死体が発見される。
被害者は、カリスマ高校教師で環境保護活動家。
熱い正義感と引くことを知らぬ行動力で、学生たちの圧倒的な支持を受けている半面、煙たく思う大人たちも多い。
しかし知れば知るほど彼自身、そして彼をめぐる二人の女性、さらに彼女たちに振り回される男達の、人間の嫌な面が露わになる。
前作の「悪女は自殺しない」でもそうだったけれども、狭い人間関係の中で嫌な面を見せつけながら繋がっていくのは、読んでいて結構しんどい。
被害者に心酔する高校生たちも、恋愛のもつれ、嫉妬、目的の違いなど、一枚岩ではないことがわかってくる。
今作で気になったのは、ピアの恋愛事情。
別居している