酒寄進一のレビュー一覧

  • スズメバチ

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    600pもあるのに、またまた全てを放り投げて2日で読んじゃった、、。ロックスターの「氷の微笑」のような事件が出発点、それが実に壮大なお話に、、。ストーリーが緻密で唸らされます。ドイツ分裂時の雰囲気をこれでもかと感じさせるところはさすが、37年前の話とは思えないほど前時代的。ツイストも効いていて読む手が止められませんでした。次作で完結かあ、、。「ヴィオーラの隠れ家」というタイトルらしいから、ほんとに完結しちゃうんだな。早く読みたいけど終わってしまうのが複雑な気分。

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    2026年08月05日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    「ウェルテル効果」という言葉を知らず、雑誌でたまたま知ったので。

    これが300年前の話だというから、驚きです!
    エキセントリックで、直情的すぎると思うべからずです。
    近年の、メンヘラノンフィクションや作話に、頻繁に出るシチュエーションな気がします。
    つまり、それだけ普遍的な価値観を描いているということですよね。
    しごとも、こいも、何もかも思い通りにならず、絶望……いやむしろ「死」をある種の希望として命を絶つ刹那的な様が、若者に熱狂的な共感を呼んだのは、正直頷けます。
    これは、受けるだろうなと。

    光文社古典新訳文庫、酒寄進一さんの比較的新しい訳は、読みやすかったです。

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    2026年08月03日
  • 罪悪

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    すごく面白い
    シーラッハはいつも短い文章、行間で人間の本質をついてくる。
    いつもブレない。素晴らしい。この一言に尽きる!

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    2026年07月30日
  • 19号室

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    ネタバレ

    ドイツの作家マルク・ラーべのトム・バビロンシリーズ第二弾。

    ベルリン国際映画祭で女性が刺される映像が流される。どうやら女性は市長の娘で、本物のスナッフビデオなのか、それとも作成された映像なのかがわからない。ただし臨床心理士のジータは、映像の中にあった『19』の数字に嫌な予感を覚え…

    二ヶ月連続で刊行されただけあって、前作「17の鍵」と前後編のような立ち位置。関連しすぎていて、連続して読まないと細かなところまで楽しめないかも(サラッと復習してから読んだ方が良い)。

    前作よりミステリ的には薄くなったが、エンタメ度は段違い。今作の疾走感は前作以上。前作のように現代パートがありつつ、今回はジータ

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    2026年07月26日
  • 午後

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    成熟した大人たちの告白の短編集のように感じた。様々な人が自分の人生について淡々と語っており、それを聞くシーラッハ自身も、相手の話を静かに受け止めているのが、とてもかっこいいなと思った。
    話の中では、検閲の話と人生の恩人への感謝と憎悪の話が良かった。

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    2026年07月05日
  • 刑罰

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    ネタバレ

    いかにもシーラッハらしい短編集、「犯罪」「罪悪」「刑罰」で3部作らしい。とはいえ順番に読まなくても良いようにも思う。本作最後の「友人」は確かに末尾を飾るにふさわしい感じの締め方ではある。

    シーラッハの魅力は言葉数が少ない事。華美や大げさな修飾はなく、必要最低限の文章で淡々と進行する物語構成が良い。和食のような「引き算の美学」なミステリー、そこには断捨離、ミニマリズムにも通じる、潔さと清潔さがある。

    掲載されている「奉仕活動」なんて、凡百の作家なら胸糞描写を満載にしてくるだろし、被害者や家族の怒り憎しみももっともっと書き込みを増やしているだろうが、シーラッハは端的である。だからこそ余韻が強く

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    2026年07月02日
  • スズメバチ

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    ロック歌手の殺人事件と30年前のトムの家族のエピソードが絡み合う。孤独に戦うトムにジータとの絶大な信頼がホッとさせてくれる。残酷な現実の数々を見てもなお立ち向かうトムのタフさと一途さが眩しい。ラストの衝撃の1ページ。はやく続きを!

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    2026年06月27日
  • スズメバチ

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    マルク・ラーベ『スズメバチ』創元推理文庫。

    『17の鍵』『19号室』に続く、ドイツ・ミステリー『刑事トム・バビロン』シリーズの第3弾。

    第2弾の『19号室』がイマイチだったので、この第3弾の購入に躊躇していたのだが、全4作の結末が気になり、購入してしまった。果たして、鬼が出るのか、それとも蛇が出るのか。

    2027年春にはシリーズ完結編となる『ヴィオーラの隠れ家』が刊行されるようだ。

    30年前に何者かに連れ去られ、安否不明状態の妹ヴィオーラの幻影と幻聴を常に身近に感じながらも、刑事としての任務を全うしようするトム・バビロンに襲い掛かる暗い影。誰の思惑なのか、次第にトムは妻のアンネと共に事

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    2026年06月20日
  • 犯罪

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    簡潔で事実を元にしたようなドキュメンタリーっぽい文体。国際色豊かで人物の階級も多岐にわたる。難民がよく登場する。
    犯罪というタイトルの通り犯罪が扱われている。複雑な人間の行動を犯罪という一面から切り取っているような小説。
    本屋大賞1位も納得。ただミステリーらしさは全然ない。
    『棘』『ターナー氏』『エチオピアの男』がいいが、どれも甲乙つけがたいくらい面白い。

    本書はネット上で誤訳があるという指摘があるが、それはハードカバー版が加筆前のものを題材にしているのに誤訳を指摘している側が参照しているのは加筆されたバージョンのものだから、だという。私が読んだ文庫版は加筆版を元に翻訳されている。

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    2026年06月18日
  • デーミアン

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    タイトル:7.0
    語彙文体: 7.0
    展開:7.0
    構成:6.0
    結末:8.0
    没入:8.0
    影響:9.0
    感情:7.0
    合計:59.0
    平均:7.375
    エヴァ夫人多すぎ

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    2026年06月15日
  • デーミアン

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    私は孤独で良いのだ、と思わせてくれる作品

    社会問題として孤立化が取り上げられ、一般人の素養として人脈や恋人が求められる、そんな「つながり」を求められる現代へ、「自己の幸福は、孤独に、真摯に、たゆまず自己を探す中にしかない」という登場人物たちの声は、ひとつの答えではないか。
    それは手本も理想もない苦しい道だけど、その道中にはきっとこの本が寄り添ってくれると感じる。

    > 気の利いたおしゃべりなんて、なんの価値もない。自分自身からどんどん遠ざかってしまうだけだ。自分から遠ざかるのは罪だ。亀みたいに自分の内面に入り込むことが肝要なんだ

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    2026年05月31日
  • 怪物を捕らえる者は

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    16歳少女殺害。容疑者の移民青年行方不明/噛まれた別の青年の遺体が路上に。別の事件の関連は

    めちゃくちゃ面白かったし、設定が好み。ショッキングな話が多いシリーズの中でもぶっちぎり。登場人物欄に49人、673頁もあるのに読みやすいのはストーリーが真っ直ぐだからだろう。

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    2026年05月13日
  • 友情よここで終われ

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    刑事オリヴァー&ピア・シリーズ10作目。
    ドイツの警察小説、ベストセラーです。

    出版社の有名な毒舌編集者が失踪。
    ピア・ザンダーは、元夫のヘニングに頼まれ、連絡がつかないという女性の家を訪ねた。ヘニングは昨年、自分とピアをモデルにした小説を書いて、それが大ヒット。ピアは迷惑しているのだったが…

    2018年9月、オリヴァーの末の娘ゾフィアは12歳。
    オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインは、6年前の事件(「生者と死者に告ぐ」)で知り合ったカロリーネと再婚して5年になる。50代半ば?
    継娘のグレータは18歳、オリヴァーへの反発を募らせて荒れ、家庭は破綻しつつあった。
    オリヴァーの元妻コ

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    2026年04月13日
  • 怪物を捕らえる者は

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    前作の感想にも書いたけど、オリヴァーもピアも既に私の親類。チームのみんなもそのまた親類。今作も670超える大作を親類達が一生懸命捜査してる。人ごととは思えない事件の結末?ドイツは早くから難民を受け入れてたからこその作品。登場人物のキャラクターも描き分けられていて、6百ページ超えの長すぎるかと思えるがいっさい無駄がなく素晴らしかった。

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    2026年04月13日
  • 怪物を捕らえる者は

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    ネタバレ

    大好きなシリーズ。
    最近どうもパッとしない読書体験が続いていたところ、まさに至福の時を与えてもらえました。
    翻訳ミステリの楽しみってこの感じだよな、と。
    スケールの大きな国を揺るがす地獄のような大犯罪と、それを解くきっかけになったのはあまりに個人的ないさかいだった。うまいですねぇ。
    登場人物表は3ページに及ぶもう少しで700ページに届く分厚さなのに、ぐんぐん読ませてくれます。

    やっぱ仕事のできるオリヴァーがかっこいいんだ!

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    2026年04月11日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    気持ちはわかる。私も大学生くらいのころはギンギラギンで自分の幸せを他人に委ねていたし、恋愛に依存していたので。関係の終わりはこの世の終わりだったし死のうとしたこともある。とにかく、自分、自分、自分!自分が苦しいから不安だから嬉しいから楽しいから満たされたいからなんとかしてください!という感じで。
    そこを抜けられたら、どうなっていたんだろう?「若き」ウェルテル。

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    2026年04月10日
  • 罪悪

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    面白いのは大前提として、前作に比べて、ミステリ要素や後味の悪い話が増えた印象。
    印象に残っているのは、「ふるさと祭り」、「寂しさ」、「清算」、「家族」ですね。

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    2026年04月04日
  • 怪物を捕らえる者は

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第11作。

    雪の中で女子高生の死体が発見され、他殺と判明する。
    親友の家に泊まると両親には嘘をついて恋人と過ごす予定のようだったが、
    その秘密の恋人が犯人なのか。
    遺体の体や服から移民の青年のDNAがみつかるが、
    その青年は行方がわからない。
    そして、被害者の母親のところには見知らぬ女が現れ、
    「犯人を捕まえた、娘の復讐がしたくないか」と告げる。

    一方、警察の捜査は行き詰まる中、
    裁判官が裁判所で人質をとって立てこもりオリヴァーを呼び出す。
    部下の一人、カトリーンが自分は裁判官の恋人だと言って
    無理やりオリヴァーに同行するが、
    裁判官はカトリーンを射殺したうえで爆

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    2026年04月04日
  • 怪物を捕らえる者は

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    ネタバレ

    序盤はシリーズにしては、シンプルな話かと思ったら全然違って、吃驚しました。 
    事件としては犯人グループが捕まって大団円ですが、本当に大変なのは、ここからの組織としての後始末でしょう。普通に考えれば、署長もオリバーも「御咎めなし」では済まないし、課のその存続も危うい。

    それはともかく、悪しき狼事件の「犯人」の影がチラッと出てきたけど、結局彼は、どうなったんでしょうか?
    助け出されたかと思ってたけど、実はそう見せかけて、殺されてたのか?それともやっぱりまだ逃げてて、全然別の顔で今後再登場するのか?

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    2026年03月29日
  • 犯罪

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    語り手の私は弁護士で、オムニバス形式で「犯罪」をえがく。犯罪者の背景も様々で、どの話も面白く、スラスラ読めた。

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    2026年03月28日