酒寄進一のレビュー一覧

  • シッダールタ

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    仏教の原点となる内容に興味が湧いていたタイミングに草薙剛氏主演のシッダールタを観劇し、より深く理解したいと思い本を読んだ。
    生きるとは、死とは、宗教とは、意識とは、身体とは、時間とは、、、様々な疑問に対する考えの一つを提示してくれる稀有な一冊。
    車輪の下が苦手だった為ヘッセの他の作品を読んだ事が無かったが、そんな過去の印象が吹き飛んだ。何度も読み返したい。

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    2026年03月01日
  • 午後

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    シーラッハの新しいチャプター。これまで個別のケースや哲学を書いてきたものが殆どだったけど、今回は事件や犯罪や思想ではなく人生の奥行きが描かれてる。ここにある人生はどれも唯一のもののはずなのに、なんとなく箴言味があるのが不思議。類型化できない個々人の事情からわたしたちの人生の午後へ。行ったことのある都市や実在のカフェやホテルやレストランが多く出てきてとてもたのしかった

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    2026年02月28日
  • 犯罪

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    ネタバレ

    当然罪を犯せば罰も償いもある。形はそれぞれでも。現役刑事弁護士が書いた話題の書。犯罪小説だが軽い読み物。

    作者はドイツの現役、刑事弁護士で扱った事件にヒントを得て書いた短編集。本人が実名で出てくる(^^)

    文章は端正で気持ちよく切れがある。余分なものをマッシュしない、素材を形のままナイフでスパッと切って盛り付けたサラダのようで、読んだ後の感じにはおいしいドレッシングも振りかけてある。

    当然罪を犯せば罰も償いもある。形はそれぞれでも。

    話の締めには、なんだか大岡裁きのような情愛が感じられる部分もあって、評判のよさの一端もこういうところにあるのではないかと感じた。

    題名が硬いしデザインも

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    2026年02月27日
  • 犯罪

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    すごくタイプです。無駄なものや感情までもギリギリまで削ぎ落として読者に自分で考えることを突きつける。犯罪がテーマであるけれど普通のミステリーのようにヒントとか誘導とかがないのでひょっとしたらミステリーではないのかもしれないです。こんなにミニマムで先がわからずに驚愕することばかり。そして人間とはと考えさせられます。他の作品も読んでみます。

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    2026年02月18日
  • 午後

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    2025年の翻訳大賞とってたので、初めてシーラッハ作品を読んだ。確かに不可解なパートもあるし、哲学とか歴史とかの話も入るので教養のない自分には難しく思えたけれど、やはり大賞獲るだけあって訳された日本語の美しさが心地よかった。
    全体をとおしてドラマチックで詩的な文章がとても好き。

    訳者あとがきの「エッセイ未満の創作」は言い得て妙だし、エッセイと思ってもう一度読み返すと感じ方が変わるかも。

    個人的には(エルメスのいない)「キノの旅」感あるなあと思ったけど、異論は認めます。
    どんでん返しほどではないにせよ章末で急にハンドル切ってくるこの感じがクセになる。
    この方のほかの作品も読んでみよう〜。

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    2026年01月23日
  • シッダールタ

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    心の奥底に響くものがある作品、穏やかな気持ちと少しの不安と焦燥感に駆られるような……。
    東洋哲学も西洋哲学も好きだけどそんなに詳しくはないから、この感想は的を得てないのかもしれないけど、ヘッセはドイツ人でありながら、なぜこんなに仏教的な思想を深く理解していたんだろう?

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    2026年01月17日
  • 午後

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    シーラッハの作品は淡々とした話から突如えぐるような展開を見せる事があり強く印象に残った。「8」は幸せな結婚生活に重大な影が生じる物語、「12」は横柄なパートナーがある日を境に穏やかになるが…「16」は悲惨な境遇から救ってくれた人が…という物語。この3作が良かった。

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    2026年01月06日
  • 深い疵

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    「性根」というものについて考えてみた

    「性根が腐ってる」とか「性根が座ってる」みたいな使われ方をするよね

    生まれながらに備わっている性格や性質を言い、後天的に変えにくいもの、精神や魂そのものを指す場合もあるようです

    で、ナチよ
    積極的にナチに加担した人たちって一定数いるわけな
    そういう人たちってもともと「性根が腐ってた」んだろうか?
    んで本来そういう人たちは、やっぱりまっとうな世界では日陰者になるところをナチスが支配する世界ではむしろ「素晴らしい人格者」とか言われて、俺たちの時代が来たぜとか思ってたんだろうか

    いやね
    ヨーロッパのミステリーではよくあるのよ
    元ナチの犯人や元ナチの被害者

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    2025年12月26日
  • 犯罪

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     続けてドイツ人作家の小説。本作の著者フェルディナント・フォン・シーラッハは、ナチ青少年最高指導者の孫だと云う。そんなの関係ねー!と思いつつ、不穏感が湧いてくるのが正直なところ…。

     著者は弁護士の傍ら小説を書き始め、デビュー作の本作でドイツのクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞。11篇の連作短編集ですが、それぞれにつながりはありません。

     タイトル通り、罪を犯した人々の物語です。著者が実際に携わった刑事事件から着想を得たそうで、まるで11の刑事事件の実録?というほどリアルな印象です。しかし、ただの事件の羅列ではなく、描かれるのは人間の挫折・罪・素晴らしさです

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    2025年12月20日
  • 若きウェルテルの悩み

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     最近失恋したので再読。今年の9月くらいに買ったのにもう読むのは3度目だ。この本を自分への処方箋にしているところがあるかもしれない。
     最後に主人公が自殺する話を読んで、自分が自殺を考えないかと自分で心配するところがないわけではない。実際、この本が出版された当時、ウェルテルに共感した若者の自殺が相次ぐということもあったそうだ。しかし、本を読むことの良さは自分ではなかなかできない体験を本を通じて理解するということにもあると思う。自分の言語化できない心情を言葉にしてくれる本を通じて、自分の心情をかき分けていくということができる。やっぱり読んでよかった。僕とウェルテルがどれだけ重なっているところがあ

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    2025年12月12日
  • 牡猫ムルの人生観

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    教養ある天才猫が自らの人生を綴った奇書
    いかなる人物がこのようなプロットを組めるものかと調べたところ、著者は裁判官にして作家、画家、作曲家であるドイツの鬼才
    漱石のデビュー作は本作に着想を得たとされるが、2つの物語が錯綜する本作の構成は卓越している
    未完だからこその良さもあると割り切るしかないが、続きが読みたかった

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    2025年11月30日
  • 午後

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    初めましての著者の本!
    犯罪を読もうかなって出た時思ったような思わなかったような。
    今作がかなり良かったからいずれ読みたい。

    短編集ってあるのにタイトルのみで目次なし。
    ありゃなんで?って思いながらスルスル読んで4か5で訳者さんのあとがき読んでやっと理解した。そういうことか!なら番号のみにそんなに困惑しなくても読んでけるわと気を取り直して進めました。

    特に良かったのは8.12.16
    どれもいい映画見たあとくらい満足感があった。オチも切れ味良くて最高でした。
    他にも3.5.20.21もかなり楽しかった。

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    2025年11月29日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    自然への憧憬と畏怖から社会や人間への失望への流れと感情の変化をこんなに荒々しく、その上で詩的に表現した文章があっていいのか
    感情の濁流に飲み込まれて帰って来れないのではないかという新しい読書体験をした
    これはただ失恋で死に魅せられてしまった話ではなく、そもそも自然に憧れた青年が自身の感受性を御しきれなかった話だと感じた。
    情緒のある人に惹かれていくものの、その人もまた無粋な社会には適合してしまっている。自分の理解者を見つけられないまま、ロッテが社会の枠にはまらず自分とともに感性に従って生きてくれることを望んでしまった
    友愛ではなかったのか。と言えるほど、アルベルトがいながらロッテを愛し自然を楽

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    2025年11月18日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    ドイツ人作家にしか描けないミステリだった。ミステリの核となる法律は、ナチスの命令に従うしかなかった当時のドイツ人を救うという目的もあったのではないかと思うが、そんなことは被害者にしてみればどうでもいいことである。被害者にとって重要なのは、害を与えた人がきちんと裁かれたかどうかなのだから。そういう難しさ、やるせなさをきちんと描いてくれるこの作者の作品は、やっぱり好きだと実感した。

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    2025年11月09日
  • シッダールタ

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    ヘルマン・ヘッセ、高校時代以来か?
    シッダールタといえば、ゴータマ・シッダールタ、お釈迦様ですが、これとは別人のシッダールタという名の青年が主人公。ただし、本当のブッダも登場します。
    読み終わったあと、訳者あとがきを読んで、そこで紹介されていたBGMを流しながら、訳出のこだわりを踏まえて、もう一度最初から読み始めました。
    ヘッセ自体や原始仏教への深い理解による新訳、きめ細かい注釈、とてもよいです。お話もとても味わい深かったです。おすすめ。

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    2025年11月03日
  • シッダールタ

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    シッダールタという主人公の青年が、ブッダに会い彼の教えを聞いたのち、敢えてその教えに従うことを避け、自分で考え自分で歩いていくことを決意する場面を読んだ。
    それは、決して反発心ではなく、むしろブッダに対する尊敬の念がさせるものであった。そこに至る思索についての表現は美しく、心を清々しくさせる。

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    2025年11月02日
  • 19号室

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    『17の鍵』の続編、トム•バビロンシリーズ2作目。ベルリン国際映画祭の開会式で女性が殺される映像が流され、その女性は市長の娘であった。トム達は操作をはじめるが…
    2019年と過去の2001年の物語が交互に書かれ、何か心に傷を負っているようなであった相棒の臨床心理士ジータの過去も明らかに。
    ドイツが舞台のミステリーってどこかで必ず西と東の分断やナチの話は避けては通れないような。
    ラスト、あっと驚くこの人が?!というのと、そこで終わる?!というのは前作と同じか…
    続きが楽しみです。

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    2025年10月16日
  • シッダールタ

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    自我からの解脱を目標に、苦しみを乗り越えて道を切り開いていくシッダールタの姿に、引き込まれました。

    宗教的内容であることを予想し、読み始めは身構えましたが、その心配は無用でした。

    苦行を3年間一緒に積んだシッダールタと友人ゴーヴィンダは、違う道を進みます。ゴーヴィンダはブッダの弟子となります。

    苦行で身につけたもの(断食、待つ、考える)を遊女のカマラー、商人との出会いの中で手離すことになったシッダールタ。そのかわりに得たものは、官能の喜び、快適な暮らし、富(とみ)でした。しかし、シッダールタの心は満たされず、その後、彼に大きな影響を与える人物との出会いがあり、彼は変わります。

    後半は、

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    2025年10月07日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    ストーリーが面白いといえば面白いんだけど、キングがバックマン名義で出してたときみたいなバックボーンがあるのとか、第一次世界大戦の頃にこういう精神世界を書いて評価されるのとか付随的な要素が面白い
    若さと並走する不全感に対して示唆が得られればというスタンスのキャッチコピーみたいだけど自分の苦悩は唯一無二と思いたいのが若さだからむしろ100年以上前から厨ニ病はあったんだって史料的な着眼点で読んだほうが楽しめると思われ
    この裏でどれほどの貧困があったのかと思うとまあそれはそれこれはこれ

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    2025年09月24日
  • 若きウェルテルの悩み

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    人生観と死生観を考えさせられる。
    ウェルテルの苦悩、喜び、変容に我が身を重ねる。
    時代は変われど、人間の根本的な精神は変わっていないことに気付く。
    恋心の浮き沈みと合わせて、社会の中での人生の葛藤が紡ぎ出され、「人」の心をこうもストレートに魅せることができた著者に感嘆の意を示さざるを得ない。
    スッと入ってくる心情の表現の数々には、翻訳者の腕の良さもあるのだろう。
    悩んだ時に読み返したいが、その時の自分の成長と衰退との具合で感じ方も変わること必至だと思う。
    初版の翻訳本を読めて良かった。でないと、全く違う所感を持ち得る。

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    2025年09月16日