酒寄進一のレビュー一覧

  • 悪しき狼

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    重厚!濃厚!日大三高!

    いやー、なんかもうネレ・ノイハウスが達者になったなーって
    まず、もうそういう偉そうな感想が来ましたよ
    エピソードの繋ぎがうまい
    滑らかになってきた気がすーる

    そしてオリヴァーですよ
    なんか自分を見つめ直して、心の中のモヤモヤが晴れてきたみたいで、ようやっと帰ってきました
    優秀なリーダーがね
    やったぜ

    でもダメダメなオリヴァーもわいは嫌いじゃなかった
    むしろ好きだった
    フォーエバーダメ男オリヴァー

    そしてわいが今回すごいと思ったのは、なにやらシリーズを通しての、敵というか悪い奴らの存在が見えて来たってことなんだが、絶対シリーズの一作目を書いたときはそんな存在想定し

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    2026年08月30日
  • 神

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    非常に考えさせられる議題の戯曲だった。安楽死について、つまり医師が死を介助、幇助する見解についての議論。ある一定の制約なり規定は必要だと思うが、ルールだけで決められる訳では無い。宗教や思想により、そもそも受け入れられない行為でもあると。
    ただ中絶の見解などのように時を経て、この件も一定の答えが出るだろうと思われる。非常に奥深いテーマの戯曲。

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    2026年08月30日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    実に蔦のごとく絡み合う複雑なストーリーが無理なくつながって引きずられる如く読んでしまう。厚手文庫と思えない速さでどんどん読み進みドイツミステリーの暗い森に入ってしまいました。主人公などのプライベートまで組み込めるストーリーテラーに脱帽。

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    2026年08月26日
  • スズメバチ

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    ベルリンの壁崩壊前の1989年から続く、《刑事トム・バビロン》と殺人犯との因縁の深さ。
    4部作完結編に続く今作、衝撃のラスト。
    星5つ、つけるしかない圧倒的私好みのミステリー。
    暗い歴史的背景に、当時の混沌とした社会情勢。主人公が抱える重い過去、心をざわつかせる相棒ジータの存在。たまらん!!面白い!

    邦訳されてない著者の《刑事アルト・マイヤー》シリーズも邦訳刊行を期待したい。

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    2026年08月20日
  • 午後

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    ネタバレ

    タイトルのない26の掌編集。
    講演会やインタビュー、プライベートな旅などで世界各地を転々と訪れる私。
    具体的に「作家」という職業が言及されていたかどうかあやふやだが、なんとなく本人を想起させるようなメタフィクションめいた様相が漂う作品。

    その土地土地で出会ったエピソードがシーラッハならではの研ぎ澄まされた文体で紡がれる。

    読む度に毎回凄いなぁと思う。
    こんなにも端的に、ある意味ぶっきらぼうとも思えるほどに余計な装飾がなく直接的な言葉の集まりなのに、その連なり、間、行間が作り出す文章に心が吸い寄せられる。
    何を意味したいのかはかりかねる物語もあれば、奇妙な味風ミステリめいたオチのあるものもあ

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    2026年08月15日
  • スズメバチ

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    600pもあるのに、またまた全てを放り投げて2日で読んじゃった、、。ロックスターの「氷の微笑」のような事件が出発点、それが実に壮大なお話に、、。ストーリーが緻密で唸らされます。ドイツ分裂時の雰囲気をこれでもかと感じさせるところはさすが、37年前の話とは思えないほど前時代的。ツイストも効いていて読む手が止められませんでした。次作で完結かあ、、。「ヴィオーラの隠れ家」というタイトルらしいから、ほんとに完結しちゃうんだな。早く読みたいけど終わってしまうのが複雑な気分。

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    2026年08月05日
  • 若きウェルテルの悩み

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    ネタバレ

    「ウェルテル効果」という言葉を知らず、雑誌でたまたま知ったので。

    これが300年前の話だというから、驚きです!
    エキセントリックで、直情的すぎると思うべからずです。
    近年の、メンヘラノンフィクションや作話に、頻繁に出るシチュエーションな気がします。
    つまり、それだけ普遍的な価値観を描いているということですよね。
    しごとも、こいも、何もかも思い通りにならず、絶望……いやむしろ「死」をある種の希望として命を絶つ刹那的な様が、若者に熱狂的な共感を呼んだのは、正直頷けます。
    これは、受けるだろうなと。

    光文社古典新訳文庫、酒寄進一さんの比較的新しい訳は、読みやすかったです。

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    2026年08月03日
  • 罪悪

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    すごく面白い
    シーラッハはいつも短い文章、行間で人間の本質をついてくる。
    いつもブレない。素晴らしい。この一言に尽きる!

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    2026年07月30日
  • 19号室

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    ネタバレ

    ドイツの作家マルク・ラーべのトム・バビロンシリーズ第二弾。

    ベルリン国際映画祭で女性が刺される映像が流される。どうやら女性は市長の娘で、本物のスナッフビデオなのか、それとも作成された映像なのかがわからない。ただし臨床心理士のジータは、映像の中にあった『19』の数字に嫌な予感を覚え…

    二ヶ月連続で刊行されただけあって、前作「17の鍵」と前後編のような立ち位置。関連しすぎていて、連続して読まないと細かなところまで楽しめないかも(サラッと復習してから読んだ方が良い)。

    前作よりミステリ的には薄くなったが、エンタメ度は段違い。今作の疾走感は前作以上。前作のように現代パートがありつつ、今回はジータ

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    2026年07月26日
  • 午後

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    成熟した大人たちの告白の短編集のように感じた。様々な人が自分の人生について淡々と語っており、それを聞くシーラッハ自身も、相手の話を静かに受け止めているのが、とてもかっこいいなと思った。
    話の中では、検閲の話と人生の恩人への感謝と憎悪の話が良かった。

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    2026年07月05日
  • 刑罰

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    ネタバレ

    いかにもシーラッハらしい短編集、「犯罪」「罪悪」「刑罰」で3部作らしい。とはいえ順番に読まなくても良いようにも思う。本作最後の「友人」は確かに末尾を飾るにふさわしい感じの締め方ではある。

    シーラッハの魅力は言葉数が少ない事。華美や大げさな修飾はなく、必要最低限の文章で淡々と進行する物語構成が良い。和食のような「引き算の美学」なミステリー、そこには断捨離、ミニマリズムにも通じる、潔さと清潔さがある。

    掲載されている「奉仕活動」なんて、凡百の作家なら胸糞描写を満載にしてくるだろし、被害者や家族の怒り憎しみももっともっと書き込みを増やしているだろうが、シーラッハは端的である。だからこそ余韻が強く

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    2026年07月02日
  • スズメバチ

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    ロック歌手の殺人事件と30年前のトムの家族のエピソードが絡み合う。孤独に戦うトムにジータとの絶大な信頼がホッとさせてくれる。残酷な現実の数々を見てもなお立ち向かうトムのタフさと一途さが眩しい。ラストの衝撃の1ページ。はやく続きを!

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    2026年06月27日
  • スズメバチ

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    マルク・ラーベ『スズメバチ』創元推理文庫。

    『17の鍵』『19号室』に続く、ドイツ・ミステリー『刑事トム・バビロン』シリーズの第3弾。

    第2弾の『19号室』がイマイチだったので、この第3弾の購入に躊躇していたのだが、全4作の結末が気になり、購入してしまった。果たして、鬼が出るのか、それとも蛇が出るのか。

    2027年春にはシリーズ完結編となる『ヴィオーラの隠れ家』が刊行されるようだ。

    30年前に何者かに連れ去られ、安否不明状態の妹ヴィオーラの幻影と幻聴を常に身近に感じながらも、刑事としての任務を全うしようするトム・バビロンに襲い掛かる暗い影。誰の思惑なのか、次第にトムは妻のアンネと共に事

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    2026年06月20日
  • 犯罪

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    簡潔で事実を元にしたようなドキュメンタリーっぽい文体。国際色豊かで人物の階級も多岐にわたる。難民がよく登場する。
    犯罪というタイトルの通り犯罪が扱われている。複雑な人間の行動を犯罪という一面から切り取っているような小説。
    本屋大賞1位も納得。ただミステリーらしさは全然ない。
    『棘』『ターナー氏』『エチオピアの男』がいいが、どれも甲乙つけがたいくらい面白い。

    本書はネット上で誤訳があるという指摘があるが、それはハードカバー版が加筆前のものを題材にしているのに誤訳を指摘している側が参照しているのは加筆されたバージョンのものだから、だという。私が読んだ文庫版は加筆版を元に翻訳されている。

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    2026年06月18日
  • デーミアン

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    タイトル:7.0
    語彙文体: 7.0
    展開:7.0
    構成:6.0
    結末:8.0
    没入:8.0
    影響:9.0
    感情:7.0
    合計:59.0
    平均:7.375
    エヴァ夫人多すぎ

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    2026年06月15日
  • デーミアン

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    私は孤独で良いのだ、と思わせてくれる作品

    社会問題として孤立化が取り上げられ、一般人の素養として人脈や恋人が求められる、そんな「つながり」を求められる現代へ、「自己の幸福は、孤独に、真摯に、たゆまず自己を探す中にしかない」という登場人物たちの声は、ひとつの答えではないか。
    それは手本も理想もない苦しい道だけど、その道中にはきっとこの本が寄り添ってくれると感じる。

    > 気の利いたおしゃべりなんて、なんの価値もない。自分自身からどんどん遠ざかってしまうだけだ。自分から遠ざかるのは罪だ。亀みたいに自分の内面に入り込むことが肝要なんだ

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    2026年05月31日
  • 怪物を捕らえる者は

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    16歳少女殺害。容疑者の移民青年行方不明/噛まれた別の青年の遺体が路上に。別の事件の関連は

    めちゃくちゃ面白かったし、設定が好み。ショッキングな話が多いシリーズの中でもぶっちぎり。登場人物欄に49人、673頁もあるのに読みやすいのはストーリーが真っ直ぐだからだろう。

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    2026年05月13日
  • 友情よここで終われ

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    刑事オリヴァー&ピア・シリーズ10作目。
    ドイツの警察小説、ベストセラーです。

    出版社の有名な毒舌編集者が失踪。
    ピア・ザンダーは、元夫のヘニングに頼まれ、連絡がつかないという女性の家を訪ねた。ヘニングは昨年、自分とピアをモデルにした小説を書いて、それが大ヒット。ピアは迷惑しているのだったが…

    2018年9月、オリヴァーの末の娘ゾフィアは12歳。
    オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインは、6年前の事件(「生者と死者に告ぐ」)で知り合ったカロリーネと再婚して5年になる。50代半ば?
    継娘のグレータは18歳、オリヴァーへの反発を募らせて荒れ、家庭は破綻しつつあった。
    オリヴァーの元妻コ

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    2026年04月13日
  • 怪物を捕らえる者は

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    前作の感想にも書いたけど、オリヴァーもピアも既に私の親類。チームのみんなもそのまた親類。今作も670超える大作を親類達が一生懸命捜査してる。人ごととは思えない事件の結末?ドイツは早くから難民を受け入れてたからこその作品。登場人物のキャラクターも描き分けられていて、6百ページ超えの長すぎるかと思えるがいっさい無駄がなく素晴らしかった。

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    2026年04月13日
  • 怪物を捕らえる者は

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    ネタバレ

    大好きなシリーズ。
    最近どうもパッとしない読書体験が続いていたところ、まさに至福の時を与えてもらえました。
    翻訳ミステリの楽しみってこの感じだよな、と。
    スケールの大きな国を揺るがす地獄のような大犯罪と、それを解くきっかけになったのはあまりに個人的ないさかいだった。うまいですねぇ。
    登場人物表は3ページに及ぶもう少しで700ページに届く分厚さなのに、ぐんぐん読ませてくれます。

    やっぱ仕事のできるオリヴァーがかっこいいんだ!

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    2026年04月11日