酒寄進一のレビュー一覧
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フェルディナント・フォン・シーラッハ『刑罰』創元推理文庫。
読者に媚びを売らず、時に読者を突き放すような乾いた文体で、極めて淡々と描かれる物語は長岡弘樹の一連の短編と似ている。人生の機微と不思議な魅力を感じる捻りの効いた犯罪ミステリー短編12編を収録。
『参審員』。世の中には時折、皮肉な出来事が起きる。それは必然であり、偶然ではないという人生の機微。冒頭から一人の女性カタリーナの孤独な人生が綴られる。幸せなひと時から、人生に起きる様々な波乱。幾つもの波乱を乗り越え、新たな職を得ても自ら孤独な人生を選ぶカタリーナは参審員に選ばれる。裁判を通じて夫からDVを受けていた証人に自分の人生を重ね合わ -
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これは面白かった!というか、実に好み。ホラー寄りの奇妙な味、というのかな。柔らかいのだけれど。
読んでいて、なんか読んだことあるなーと思い、カシュニッツはいくつか読んでるんだと思うんだけど、もっと読みたくなった。でも家を探したが河出の『ドイツ怪談集』しか見当たらなかった。特に『いいですよ、わたしの天使』は絶対読んだことあるーと思うんだが、なんのアンソロジーに収められいるのか。訳者あとがきでは既役について素っ気なく、なんのアンソロジーに入っているのかわからない。
特によかったのは『白熊』『ジェニファーの夢』『船の話』『幽霊』『ルピナス』『長距離電話』『四月』『いいですよ、わたしの天使』…あれ -
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刑事オリヴァー&ピアのシリーズ、9作目。
ドイツの警察小説です。
前作でオリヴァーの子供時代からの人間関係に絡む事件が起き、疲れ果てたオリヴァーは制度にある長期休暇を取りました。
オリヴァーは警察ではリーダーで人柄も見た目もなかなかいい男だが、やや女運が悪く振り回されがち。
とはいえ、ここへ来て落ち着いたよう(笑)
ピアは(何年も前になりますが)元夫と別居してこの地で農場を買い、警察の仕事に復帰、今では資格も先輩のオリヴァーと同等の主席警部に。お似合いの相手クリストフと再婚もしています。
さて、オリヴァーが復帰しての新たな事件。
とある邸宅の主人が亡くなっているのが見つかった。
さらに、犬 -
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シリーズベスト級。孤児を受け入れていたラインフェラート家の年老いたテオが死んだ。調べると犬のケージからラップフィルムに包まれた遺体が3体。テオが連続殺人鬼なのか?
すごく時間がかかった。しかしその甲斐あり。
登場人物の多さ、被疑者の多さ。それを正当化するどんでん返しアンドどんでん返し。素晴らしい。
※自分用ネタバレ
犯人は、孤児院で育ち、子供を捨てた母親を憎み、テレビで子供を捨てたことを話した母親を連続して殺した。刑事ピアの妹キムも実はレイプされた子を、親友の産婦人科医を通して、不妊のカップルにあげてしまっていた。そのため犯人に狙われた。 -
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ネタバレオリヴァ―とピアシリーズの第9作。
新聞配達人が発見した老人の遺体。
大きなお屋敷は、以前里子を多く引き取っていた。
死にかけていた犬のゲージの中から白骨が発見され、
母の日に起こっていた連続殺人へと広がっていく。
もう一つのお話として、実の母親を捜している女性の話が
重なってくるが、まさかそれがピアの妹のことだとは思わなかった。
二人とも無事助かって良かった。
ショックだったのは、ピアが白樺農場を売ったこと。
あんなに楽しそうに馬の世話をしていたのに、
馬も犬も亡くなってしまったのもショックだった。
五十歳を目前にして、夫が住んでいた家を買い戻し、
街に戻ってきた。
新しい生活になじん -
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待ちに待ったネレ・ノイハウスの新作。
事件の原因などの陰湿な導入は、作者らしさに磨きがかかり、綿密だった!
冒頭と挿入のエピソードの惑わせ方が良かった。信じてる読み手を本当に惑わせてくれる。
シリーズを読んだ人なら、本作の深い湿度の事件の発端が、映像として今までの作品以上に脳内に表れるのではないでしょうか?
取材力というか、編集者さんの力というか、今のテクニカルな手法も絡めてつつ、問題提起を書く作者のメッセージが作者らしく力強い。これは過去No.1。導入と表現とロジックの妙が生きている。
オリヴァーでは無く、今回の主人公はピア、そして強くならざるを得ない女性達だから、最後はあんなにハリウッド的 -
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オリヴァー&ピアのシリーズも8作目。
重厚な部分と、生き生きと親しみやすい部分を兼ね備えたシリーズです。
前作「生者と死者に告ぐ」はミステリとして枠組みがユニークで、スピーディな展開と感じました。
今作は、オリヴァーの過去に関わる、シリーズ中でも重要な作品です。
こういう展開になることを見据えて書かれていたシリーズだったのだなあと認識を新たにしました。
オリヴァーは、主席警部。
長身で男前の、性格もなかなかいい方の50代。
少し年下のピアは部下で、相方、金髪で明るい性格。恋人というわけではないのですが、夫婦よりも一緒にいる時間が長いほどでもあり、信頼し合う間柄です。
キャンプ場でトレーラーが