酒寄進一のレビュー一覧

  • 刑罰

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    止むに止まれぬ心情から繰り出された犯罪の瞬間を描いた傑作短編集。
    短い文章で、ことの顛末を描き出す見事な描写に毎回唸るしかない。その犯罪に対して、司法がどのように対峙したのかも描かれる。ドイツの司法制度ではあるが、法の解釈、考え方を学ぶ場にもなっている。
    夢中になって一気に読み切った。今のところ翻訳されているシーラッハ作品は全て読んでいる。どの作品も好きだ。
    次回作も首を長くして待つことにする。

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    2022年11月12日
  • 刑罰

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    フェルディナント・フォン・シーラッハ『刑罰』創元推理文庫。

    読者に媚びを売らず、時に読者を突き放すような乾いた文体で、極めて淡々と描かれる物語は長岡弘樹の一連の短編と似ている。人生の機微と不思議な魅力を感じる捻りの効いた犯罪ミステリー短編12編を収録。

    『参審員』。世の中には時折、皮肉な出来事が起きる。それは必然であり、偶然ではないという人生の機微。冒頭から一人の女性カタリーナの孤独な人生が綴られる。幸せなひと時から、人生に起きる様々な波乱。幾つもの波乱を乗り越え、新たな職を得ても自ら孤独な人生を選ぶカタリーナは参審員に選ばれる。裁判を通じて夫からDVを受けていた証人に自分の人生を重ね合わ

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    2022年10月21日
  • その昔、N市では

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    これは面白かった!というか、実に好み。ホラー寄りの奇妙な味、というのかな。柔らかいのだけれど。

    読んでいて、なんか読んだことあるなーと思い、カシュニッツはいくつか読んでるんだと思うんだけど、もっと読みたくなった。でも家を探したが河出の『ドイツ怪談集』しか見当たらなかった。特に『いいですよ、わたしの天使』は絶対読んだことあるーと思うんだが、なんのアンソロジーに収められいるのか。訳者あとがきでは既役について素っ気なく、なんのアンソロジーに入っているのかわからない。

    特によかったのは『白熊』『ジェニファーの夢』『船の話』『幽霊』『ルピナス』『長距離電話』『四月』『いいですよ、わたしの天使』…あれ

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    2022年10月13日
  • 母の日に死んだ

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    刑事オリヴァー&ピアのシリーズ、9作目。
    ドイツの警察小説です。

    前作でオリヴァーの子供時代からの人間関係に絡む事件が起き、疲れ果てたオリヴァーは制度にある長期休暇を取りました。
    オリヴァーは警察ではリーダーで人柄も見た目もなかなかいい男だが、やや女運が悪く振り回されがち。
    とはいえ、ここへ来て落ち着いたよう(笑)
    ピアは(何年も前になりますが)元夫と別居してこの地で農場を買い、警察の仕事に復帰、今では資格も先輩のオリヴァーと同等の主席警部に。お似合いの相手クリストフと再婚もしています。

    さて、オリヴァーが復帰しての新たな事件。
    とある邸宅の主人が亡くなっているのが見つかった。
    さらに、犬

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    2022年09月16日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    中編ほどのページ数で、わずかな登場人物。それでいて、ちょっと何かを触れるとネタバレになりそうなくらいの緊張感を含んだ良質のミステリー。

    これは素晴らしい!しかもこの本が売れたことで、本国ドイツでは現実が動かされ始めているという。

    こんな本、日本では絶対出ないだろうなぁ。書ける作家は要ると思うが、大手出版社は絶対躊躇する(統一教会がらみですらもあの朝日が汚れるんやで)やろし、まして現実が動くなんて根性座った政治家も法律家もちょっと見当たらへんなぁ。

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    2022年08月25日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    法律論を、マッティンガー vs. ライデンの痛快な法廷劇に仕立てつつ、戦時の罪について現在とつながった話として問い続ける。

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    2022年05月28日
  • 罪悪

    購入済み

    きました

    待ってましたノシーラッハ‼️最後の作品、どーいう意味なんだろう。前作に続いての心に残る感じ。次が楽しみだ

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    2022年04月17日
  • 悪しき狼

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    このシリーズの6冊目。相変わらず面白い。事件が虐待ということで少し陰惨な感じがしたがオリバーとピアのコンビによる事件解決のテンポがいい。まだ少なくとも3冊は翻訳されているので読むぞ。

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    2022年03月05日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    次から次へと事が起こって、ジェットコースターのような話の展開。登場人物も多くなく読みやすかった。楽しめた!

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    2022年02月04日
  • 母の日に死んだ

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    シリーズベスト級。孤児を受け入れていたラインフェラート家の年老いたテオが死んだ。調べると犬のケージからラップフィルムに包まれた遺体が3体。テオが連続殺人鬼なのか?

    すごく時間がかかった。しかしその甲斐あり。

    登場人物の多さ、被疑者の多さ。それを正当化するどんでん返しアンドどんでん返し。素晴らしい。


    ※自分用ネタバレ

    犯人は、孤児院で育ち、子供を捨てた母親を憎み、テレビで子供を捨てたことを話した母親を連続して殺した。刑事ピアの妹キムも実はレイプされた子を、親友の産婦人科医を通して、不妊のカップルにあげてしまっていた。そのため犯人に狙われた。

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    2021年12月30日
  • 母の日に死んだ

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    始めの翻訳シリーズからの大ファン。読み続けていてオリヴァーもピアも家族の様に感じるし、今回は特に年齢を重ねた二人を思うと、大切な友達と共にここに至ったと感慨深い。今回はピアがびっくりひっくり返るのが主題。

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    2021年12月20日
  • 母の日に死んだ

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第9作。

    新聞配達人が発見した老人の遺体。
    大きなお屋敷は、以前里子を多く引き取っていた。
    死にかけていた犬のゲージの中から白骨が発見され、
    母の日に起こっていた連続殺人へと広がっていく。

    もう一つのお話として、実の母親を捜している女性の話が
    重なってくるが、まさかそれがピアの妹のことだとは思わなかった。
    二人とも無事助かって良かった。

    ショックだったのは、ピアが白樺農場を売ったこと。
    あんなに楽しそうに馬の世話をしていたのに、
    馬も犬も亡くなってしまったのもショックだった。
    五十歳を目前にして、夫が住んでいた家を買い戻し、
    街に戻ってきた。
    新しい生活になじん

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    2021年12月08日
  • 犯罪

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    精神科をやっているからかもしれないけど、こういうことは本当にありうるし、現実でも息を飲むことがある。それをミステリーに変えて商品化した本としてはすごいとおもう。りンゴねぇ。

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    2021年12月03日
  • 母の日に死んだ

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    待ちに待ったネレ・ノイハウスの新作。
    事件の原因などの陰湿な導入は、作者らしさに磨きがかかり、綿密だった!
    冒頭と挿入のエピソードの惑わせ方が良かった。信じてる読み手を本当に惑わせてくれる。
    シリーズを読んだ人なら、本作の深い湿度の事件の発端が、映像として今までの作品以上に脳内に表れるのではないでしょうか?
    取材力というか、編集者さんの力というか、今のテクニカルな手法も絡めてつつ、問題提起を書く作者のメッセージが作者らしく力強い。これは過去No.1。導入と表現とロジックの妙が生きている。
    オリヴァーでは無く、今回の主人公はピア、そして強くならざるを得ない女性達だから、最後はあんなにハリウッド的

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    2021年11月17日
  • 弁護士アイゼンベルク 突破口

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    いやあ、良かった。ドイツものは日本で読むのは難しいけど、これは読みやすいし、楽しい。謎解きも良いです。

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    2021年11月07日
  • 森の中に埋めた

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    オリヴァー&ピアのシリーズも8作目。
    重厚な部分と、生き生きと親しみやすい部分を兼ね備えたシリーズです。
    前作「生者と死者に告ぐ」はミステリとして枠組みがユニークで、スピーディな展開と感じました。
    今作は、オリヴァーの過去に関わる、シリーズ中でも重要な作品です。
    こういう展開になることを見据えて書かれていたシリーズだったのだなあと認識を新たにしました。

    オリヴァーは、主席警部。
    長身で男前の、性格もなかなかいい方の50代。
    少し年下のピアは部下で、相方、金髪で明るい性格。恋人というわけではないのですが、夫婦よりも一緒にいる時間が長いほどでもあり、信頼し合う間柄です。
    キャンプ場でトレーラーが

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    2021年10月13日
  • バンビ 森に生きる

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    バンビ、
    子供の頃、ディズニーの絵本を持っていて、
    その可愛さが大好きだった。

    でもすっかり絵本の内容も忘れてしまい、

    本物のバンビは、ただただ可愛いだけなんかじゃない、森に生まれ落ちたノロジカの、
    とても美しくて、厳しくて、尊い一生の物語だった。

    人間の卑怯さと
    古老のかしこさ。


    ここからネタバレ
    好きなセリフ
    「アイツとわたしたちには差などありはしない。わたしたちとおなじなのだ。なざなら、アイツもおびえ、苦しみ、なやむからだ…。」
    「しっかり生きるのだ。」

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    2021年09月26日
  • 穢れた風

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    新刊「森の中に埋めた」も読んだ後で、本作を読んだ。シリーズの中でずば抜けて面白かった!
    二転三転される伏線や、途中のモノローグが結びつく気持ち良さが格段にあった。ロジックが合わさる様で、でも交錯しない見せ方が面白かった。
    完璧な悪者も完璧な聖人も居ない。
    人間ドラマに溢れたミステリー。
    スッキリ解決するミステリーを好む人には向かないかも知れない。
    オリヴァーしっかりしてなさ過ぎも面白かった。

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    2021年09月09日
  • ベルリン1919 赤い水兵(下)

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    だんだんと不気味さを増していく国内情勢。ヘレの周りでも友達や教師、そして両親の様子が変わっていく様子が描かれこちらまで不安にさせる。幼い妹と弟の世話をしながら翻弄されるヘレが本当に可哀想で、革命にかまける両親には怒りの感情を覚える。次回は主人公が変わるらしいので、楽しみ。

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    2021年08月31日
  • ベルリン1933 壁を背にして(上)

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    1933年のドイツ。15歳のハンスの身の回りで起きる出来事がどれも不穏な空気を帯びている。
    支持する政党により家族や友達との関係に亀裂が入る。貧困。淡い恋心。ヒトラー、ベルリン、ドイツを多面的に理解することができそうな気がする。

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    2021年08月20日