あらすじ
刑事事件専門の女性弁護士アイゼンベルクは、映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。容疑は殺人。ログハウスにプラスチック爆弾を仕掛け、滞在していた恋人の実業家を遠隔操作で爆殺したというのだ。にわかには信じがたい話だが、ユーディットの自宅から爆薬の包装紙と起爆装置が発見される。アイゼンベルクは無実を主張する彼女の弁護を引き受けるが、ユーディットは何かを隠しているようで……。鋭い洞察力と行動力を武器に、依頼人を救うためなら手段は問わない敏腕弁護士の活躍を描いた疾走感溢れるエンターテインメント!
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Posted by ブクログ
ドイツの作家アンドレアス・フェーアの長篇ミステリ作品『突破口 弁護士アイゼンベルク(原題:Eifersucht)』を読みました。
アンドレアス・フェーアの作品は、6年前に読んだ『弁護士アイゼンベルク』以来なので久し振りですね。
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警察+検察の矛盾を暴き、真実へ辿りつけ!
恋人を爆殺した容疑で逮捕された依頼人。
洞察力と行動力を武器に事件に挑む敏腕女性弁護士。
100%読む手が止まらない弁護士ミステリ!
凄腕の女性弁護士アイゼンベルクは、映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。
ログハウスにプラスチック爆弾を仕掛け、滞在していた恋人を遠隔操作で爆殺した容疑で逮捕されたというのだ。
無実を主張するユーディットの弁護を引き受けるが、彼女の自宅からは爆弾と起爆装置が発見され、さらに何かを隠しているようで……。
鋭い洞察力と行動力を武器に奔走する敏腕弁護士の活躍を描く、一気読み必至のエンターテインメント!
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2018年(平成20年)に刊行された作品……紅毛緑眼、デザイナー眼鏡がトレードマークの女性刑事弁護士ラヘル・アイゼンベルクを主人公としたシリーズの第2作です。
刑事弁護士ラヘル・アイゼンベルクは、遠隔操作で恋人を爆殺した容疑で逮捕された映画プロデューサーのユーディット・ケラーマンから弁護を依頼される……容疑は殺人、、、
ログハウスにプラスチック爆弾を仕掛け、滞在していた恋人の実業家アイケ・ザントナーを遠隔操作で爆殺したというのだ……にわかには信じがたい話だが、ユーディットの自宅から爆薬の包装紙と起爆装置が発見される。
アイゼンベルクは無実を主張する彼女の弁護を引き受けるが、ユーディットは何かを隠しているようで……鋭い洞察力と行動力を武器に、依頼人を救うためなら手段は問わない敏腕弁護士の活躍を描いた疾走感溢れるエンターテインメント!
第1作も面白かったですが、第2作はそれ以上に面白かったですねー ラヘルが、とてつもない行動力で警察と検察の矛盾を暴き、真実へ辿り着く展開が心地良いんですよね……爆殺!?という日常とはかけ離れたド派手な事件の幕開け、そしてスピーディで意外性に満ちた展開が愉しめました、、、
本作には、ラヘルの依頼で警察が捜査を終了した爆殺事件を調べ直す役割で私立探偵アクセル・バウムが登場……1980年代に旧東独国家保安省の職員だったという経歴を持ち、ラヘルと協力して依頼人の無実を証明するべく奔走するのですが、地味だけど味があり印象に残るキャラでしたね。
前作のエンディングで仄めかされるラヘルの姉ハナの死にまつわる謎が明らかになる展開も興味深かったですね……この謎に絡んで娘ザーラとの関係がぎくしゃくしますが、本作のエンディングでは、それが良い方向に転がり始めた感じ、、、
ザーラも弁護士を目指すのかな……続篇が読みたいですね!
Posted by ブクログ
弁護士アイゼンベルク第2弾。
恋人を遠隔操作で爆殺した容疑で、映画プロデューサーのユーディットが逮捕されてしまいます。
偶々目の前でその逮捕劇に居合わせたラヘルは、ユーディットから弁護を依頼されて渋々引き受けますが・・。
ユーディットが容疑者になった件の事件の経過と、5年前の女性惨殺事件とが交互に展開されるという構成は、前作同様ですが、2つの事件がどう繋がり合うのかも含めてグイグイ読ませるものがあります。
そして、前巻で示唆されていた“ラヘルの過去”もこの巻で明かされます。
前巻でのラヘルの元カレのハイコの匂わせ具合から、かなり深い闇なのかな、と思っていたのですが(しかもこの巻ではラヘルの娘のザーラにチクるという陰湿っぷり)、実際は確かに重いといえば重いですが“でも、これは事故の範疇だよね?”という印象でした。
それはさておき、本筋の方は勾留審査での検察側とのスリリングなやりとりや、話が進むにつれて明かされる意外な背景や繋がりへの持って行きかたもお上手で、特に終盤の手に汗握る展開は目が離せませんでした。
因みに今回、ラヘルとタッグを組んで真相を追うのは、地味だけど敏腕な探偵のバウムで、彼の“危ないから止めておけ”という警告をほぼ無視して危険に飛び込むラヘル。という感じで、何だかんだでラヘルにイニシアティブを握られていましたが、なかなかええキャラだと思うので、今後もレギュラーで登場してほしいと思った次第です。
Posted by ブクログ
過去と今の二つの物語が同時進行するのが、このシリーズの特徴なのですね。前作に続き、この作品でも、その様な物語が展開されます。それと、最後にどんでん返しが起きる展開も、このシリーズの特徴です。
さて今回は、事件もさることながら、アイゼンベルク本人にまつわる驚く話も明らかにされます。ちょっとビックリ。
それと、相棒?の探偵も出てきて、今後の作品でも、その探偵が出てくることを期待です。そうすれば、話が広がるしね。
Posted by ブクログ
女性弁護士ラヘルは知り合いとは言え仲が良いとは言えない映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。恋人を爆弾で殺したという容疑。状況証拠は沢山ある。調べてみると、誰か別人が殺したと思えなくもないが、ユーディットも怪しい。彼女が5年前に参考人となった殺人事件も交互に描かれると・・・
面白いと言えば面白いし、事件がちっちゃいと言えばちっちゃい。
動機や方法などかなり読ませる。ただ背後に巨悪が潜んでいる感じがしながら読んでいたのでその辺は肩すかし。しかし、悪いわけじゃない。そんな期待をしていた方が悪い。巨悪じゃなく個人的な話だということを前提に読めば、相当面白いミステリーだった。
「論理的根拠はあるの?」
「ないさ。宗教の問題だからね。宗教は、おまえがなにをしてよくて、なにをしてはいけないか規定しているだけだ。カトリックは離婚を禁じ、ユダヤ人はエビが食べられない。そこに意味があるかどうかなんて関係ない。そもそも意味がないから宗教なのさ。意味のあることに宗教は必要ない。わかっていることじゃないか」
宗教に意味がない。確かに。昨今言われるマインドフルネスに近い、瞑想を提唱する仏教には意味があるので、宗教ではない、って言えるのだろうか。
Posted by ブクログ
フェーア、2作目。前作と同じく、過去案件と原罪がクロスして行く・・見出しについている日付はかなりのキーになって行く。
更に弁護士の姉が30年前に眼前で事故死した心の傷も伏線に入ってくる。
弁護士のキャラは今回も好きになれず。
知的、やり手だけに男性と同じく「色を好む」の家、かつての恋人、夫、部下とも恋愛関係で股がけ。
独逸の刑事裁判の進行は日本と大きく異なり、法廷サスペンスとしての取引が作品の大きな魅力?面白さに繋がっている。
日本ではありえない「弁護士が探偵を雇い、独自に調査を進め、裁判中にも情報がどんどん入ってくる」のは驚かされる。でもこの探偵、地味に面白い存在。
公判前の拘留審査に大きく絡む証人尋問、そして被疑者の身柄拘束云々を巡る駆け引き、シーラッハものを思わせる流石独逸サスペンス。
Posted by ブクログ
ノイハウス等の名訳者、酒寄氏が訳しているので期待して読み始めた。なるほど、映像化され易いスピーディな展開だったし、嘘でしょ、と突っ込みたくなる程、調子良く進んで行った。軽く読めるエンターテインメント的ミステリー。