酒寄進一のレビュー一覧

  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    事件が進むにつれ、一見残忍に見える犯人が、法の僅かな落とし穴によって如何ともし難い苦痛を味わっていることに気づく。重厚な後味を残す一冊でした。

    所々、表現が長ったらしく退屈する文があったので星4にしました。

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    2021年02月24日
  • 森の中に埋めた

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    邦訳が出るたびに手にとっているドイツのミステリシリーズ。毎回書いてるんだけどこのエピソードが好きで...ソーセージ職人と結婚した作者が夫の店を手伝う傍ら趣味で書いて店頭に置いていたものが出版社の目に止まっていまでは大人気シリーズになっているという警察小説。大都市フランクフルトの近郊の街を舞台にもともとその辺りの領主を先祖に持つ貴族階級出身の男性警官とそのパートナーの女性警官を中心としたシリーズ。思えば最初の頃はドイツ人で固められていた警察も気がついたらトルコ系やシリア人の刑事がいるのはどこまで現状を反映しているのだろうか...。さて、本作ではキャンプ場でトレーラーハウスが爆発し男の死体が発見さ

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    2021年02月23日
  • コリーニ事件

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    ドイツの映画を観たいと思い探していたところ、このタイトルに行きつき、原作であるこの小説をまず読んでみることにした。
    理解したことを書いてみると、戦争中の殺人は、命令だから罪にならない。指導者側にいたとしても時効がある。
    そのような現代の法と照らし合わせた矛盾を暴く、重いストーリーだった。
    私のこのような理解があっているのかどうかわからない。
    映画を観てみたい。

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    2021年02月08日
  • 悪女は自殺しない

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    ネタバレ

    「深い疵」「白雪姫には死んでもらう」と、日本での出版順に読んできて、いよいよ出版順では3番目ですがシリーズ最初の本作に。
    さすがにシリーズ最初なので、オリヴァーとピア以外の捜査班の面々は大人しめ。
    フランクは最初から仕事の好き嫌いというか、手抜きをするタイプだったのね。

    しかし、最後の最後まで犯人の見当が使いないのは今と変わらず。
    だって怪しい人が多いんだもの。
    っていうか、怪しくない人がいない。
    みんなが彼女を殺す動機を持っている。

    そんな人にはなりたくないなあ。
    騙されてバカを見るのは嫌だけど、人を騙してバカを見させるのって、張りぼての人生のような気がする。

    正義と法律の限界に引っ掛

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    2021年02月05日
  • 森の中に埋めた

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    まず新人が優秀でよかった。仲間内でいがみ合う展開は必要ないと思うし嫌いなので。
    今回は登場人物が多い。一度見失うと迷子になるので無理しないでゆっくり読むべし。
    女難でヘタレのオリヴァーは、ピアに泣くんじゃないかと心配されつつも頑張っている。
    あと、表紙が…キツネ°・(ノД`)・°・
    動物好きとしては、辛すぎるので動物ネタは勘弁して°・(ノД`)・°・
    カイのイメチェンは最後まで謎。気になる。
    私もヌテラは好きだ!

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    2021年01月21日
  • 森の中に埋めた

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    ネタバレ

    登場人物一覧が5頁!
    翻訳ミステリに慣れてない人にはきついか⁈
    でも時間をかけて読む価値あり。
    読み続けてきたファンは特に。

    オリバーはダメダメな時代もあったけど、なんて過酷な人生をおくってきたことか。
    長年の謎の一部が明らかになる。

    彼と周囲の人々の取り戻せない長い時間を思うと胸が締めつけられる。

    女難の相があるのか?女に弱すぎるのか?
    そんなオリバーに今度こそ幸せが…やっと…ほんとに?

    ピアの有能さが際立ち、新しい部下の活躍も期待できそうでうれしい。
    捜査本部内に足を引っ張る奴がいる設定は好きではないが、今回の署長は許容範囲。

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    2020年12月28日
  • 犯罪

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    「物事は込み入ってることが多い。罪もそういうもののひとつだ」読み始めたら一気読み。犯罪に関わった人たちの人生を語るこの途轍もなく面白い元弁護士による短編集は不思議な気持ちにさせる。弘兼憲史『人間交差点』か安倍夜郎『深夜食堂』みたいな味わいだ。登場人物は様々で極悪人もいれば誠実な人、運が悪いだけの人、精神病の人もいる。実録のようなリアルさだ。気になるのは側から見ると気の毒な人たちの話。極貧の中で育った乞食と立ちんぼの恋と相手を守るための犯罪。愛するがゆえに妻を殺さざるを得なかった老人の気持ち。これはおセンチな話ではない。彼らは刑罰より大事なものを守ろうとした。それを守った時に目的は達成され犯罪は

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    2020年11月22日
  • コリーニ事件

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    このドイツ人著者の作品を読んだのは「犯罪」に続いて2作目。この作品をきっかけにドイツ政府も動いたというから衝撃作ですね。殺人事件の裁判を通して、過去のナチ時代と向き合った今作は、ページ数も少ない分内容も凝縮されている。

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    2020年11月12日
  • ベルリン1919 赤い水兵(上)

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    20世紀前半ドイツの3つの転換期を、激動のベルリンで生きる、貧しい労働者一家の目線からとらえた『ベルリン3部作』。
    「ベルリンは晴れているか」の深緑野分さんも推薦するこの作品に大変興味を持ち、1919上巻を読んでみた。
    前半、取り巻く背景が少しややこしく、ちょっとだるいかなぁ・・・って思ってたのが、終盤あたりから、「ヤバい、これ、めちゃくちゃ面白くなる」と感じてきました。
    そして、ドイツの歴史を頭に入れて読んだ方が更に面白くなると思ったので、ドイツの歴史を勉強してから下巻、そして1933,1945にうつろうと思います!

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    2020年11月05日
  • デーミアン

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    ネタバレ

    少年時代のシンクレアの心中には共感できる部分があったが、青年時代の心の探求の部分では、彼の心中から少し遠ざかってしまった。あまりに深く自分の心の中を考えすぎているように感じたが、人間はその自己を知るということが必要なのだという。私はこの時代を知るものではないので、シンクレアとの乖離を感じるのかもしれない。
    心について深く考えることは自己の反省につながり、延々と自分の嫌な部分を思い出すループに陥る気がしてならない。この反省の先に、シンクレアのように、何か運命を得ることができるのだろうか。

    印象に残っているところは、「人は夢を見て生きている。しかし、多くの人が見ている夢は自分自身の夢ではなく、他

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    2020年10月10日
  • コリーニ事件

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    映画が気になってたのですが劇場に行けず。なので、原作を読んでみました。
    全くと言っていいほど無駄がなく、淡々と物語が進みます。一気読みです。面白かった!著者の他の作品も読んでみたい。

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    2020年09月29日
  • ベルリン1945 はじめての春(下)

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    クラウス・コルドンの「ベルリン」三部作の第三作。
    一作目の1919ではゲープハルト家の長男ヘレ少年の目から第一次大戦の敗戦と王政の崩壊を、二作目の1935ではヘレの弟ハンスの目からナチスの台頭を描いた。そして第三作はヘレの娘である少女エンネの目線でソ連軍の前に崩壊していくナチス、ベルリンの街を描く。
    ヒトラーとナチスの栄光が翳りを見せ、敗戦の色濃いベルリンの街。人々は毎晩空襲を恐れ、一夜明けるごとに街は瓦礫と化していく。
    そんな中、それでもナチスを信じる人々、ナチ党に入党し、その手先となって働いてきたにも関わらずベルリンに押し寄せてきたソ連兵からの迫害を恐れてその過去を隠そうとする人々。そして

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    2020年09月21日
  • 悪しき狼

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     オリヴァー&ピアシリーズ。
     この作品で翻訳されている作品はすべて読み終えた。

     このシリーズのおもしろさは、やはり探偵役であるオリヴァーやピアたちの人間らしさというか、彼らの人生が事件より大きな比重を置いているところだろうか。
     新本格だと90%以上が本筋の事件の謎やトリックに費やされている気がするが、このシリーズだと40%くらいで、他はオリヴァーのままならぬ妻との関係だったり、ピアののろけだったりする。また、探偵役は超人ではなく、しばし誤るが、そこもまた、しょうがないだろうという気もしてしまう。
     この先も楽しみなのだが、もういちど出版刊行順に読み直したくなるシリーズである。

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    2020年09月19日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ネタバレ

    オリヴァ―とピアシリーズの第7作。

    犬と散歩中の老女がいきなり射殺される。
    かなりの長距離から。
    翌日には、祖母が孫の目の前で同じく射殺された。
    「仕置き人」を名乗る者から死亡通知が届くが、
    被害者の共通点は、犯人の狙いは。

    ピアは恋人とバカンスに行くところだったのをあきらめて、
    連続殺人を追うことにする。
    オリヴァーは署長に事件分析官を押しつけられ、
    チームはいらつくことになる。

    三人目の被害者が心臓移植を受けたと分かった時点で、
    移植関係の動機だと見当はついたが、
    そこからが意外と長かった。

    義母からの遺産管理の申し出を受けることにしたオリヴァーの生活が
    今後どうなるのかも気になる

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    2020年09月15日
  • デーミアン

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    浪人中の夏休みに読んだ。全て理解できた訳では無いが所々で自分の思いと重なり、心に残った。大学に行って時間ができたらじっくりと再読しよう、次は高橋健二訳でも良いかもしれない、あとニーチェについても学びたい。この文庫の訳は非常に読みやすかった。

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    2020年08月25日
  • 弁護士アイゼンベルク 突破口

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    過去と今の二つの物語が同時進行するのが、このシリーズの特徴なのですね。前作に続き、この作品でも、その様な物語が展開されます。それと、最後にどんでん返しが起きる展開も、このシリーズの特徴です。

    さて今回は、事件もさることながら、アイゼンベルク本人にまつわる驚く話も明らかにされます。ちょっとビックリ。

    それと、相棒?の探偵も出てきて、今後の作品でも、その探偵が出てくることを期待です。そうすれば、話が広がるしね。

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    2020年07月28日
  • 罪悪

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    ふるさと祭りで突発した、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社にかぶれる男子寄宿学校生らによる、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こした悲劇。猟奇殺人をもくろむ男を襲う突然の不運。麻薬密売容疑で逮捕された老人が隠した真犯人。弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。

    第二短篇集。飛ばし読みには向いていません。じっくり味わった。

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    2020年07月04日
  • 生者と死者に告ぐ

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    ネタバレ

    オリバー&ピア、シリーズ、深い疵いらい2冊目を読んでみた(刊行順としても翻訳順としても無茶苦茶だが)

    脳死と臓器移植の問題に切り込んでいくのが主題。金と名誉のために人の死の尊厳をおろそかにしていいのか?そういう結構重くて深いテーマを前面に出しつつ、無差別(と思われる)狙撃殺人事件を追うドイツ警察の捜査ミステリーを描く。

    ちょっと長くて飽きてくるところと、登場人物の名前を覚えきれず誰が誰だか分からなくなりそうになる、という瑕疵もあるが、それ以外は非常に楽しめるし読みごたえもある小説。

    ドイツ人っていい意味にも悪い意味にも真面目だなぁ。日本人の几帳面とはまた違う頑固な真面目さ。警察の側にも犯

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    2020年07月02日
  • ベルリン1933 壁を背にして(下)

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    コルドンのベルリン三部作の第二作目。
    前作は1919年、第一次大戦末期のドイツ革命が起き、帝政が崩壊し、共産主義による貧困からの脱出を夢見るベルリンの人々の姿を10代の少年ヘレの目線で描いた。
    第二作は一作目でまだ赤子だったヘレの弟、ハンスが主人公。
    世界恐慌と、ベルサイユ条約の賠償金によって貧困に喘ぐドイツ。ドイツ共産党とドイツ社会民主党は反目し合い、ヒトラー率いるナチスの台頭を許しつつあり、町にはナチスに入党し突撃隊の隊員となって、職場の仲間に対して脅迫行為に及ぶ者たちが増えていく。
    そして、予想を裏切ってヒトラーがヒンデンブルク大統領によって首相の座につき、独裁政権への着実な一歩を踏み出

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    2020年07月01日
  • 犯罪

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    一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの真実を鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。

    「コリーニ事件」に続いて、翻訳一作目を読む。うまい。

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    2020年06月28日