あらすじ
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体の確認にベルリンからやってきた母ミカエラは、自分一人でも娘が殺された理由をつきとめ、姉と一緒に家出したまま行方不明のもうひとりの娘を捜し出そうと堅く心に決めていた。事件を担当する上級警部ヴァルターは、ともすれば暴走しようとするミカエラに手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴェリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師からの弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。ドイツで爆発的な人気を博した話題作登場。
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Posted by ブクログ
「夏を殺す少女」の続編と知って。
パトリックを殺すとは!
しかもかなりあっさり、と。
前作から登場して、弁護士エヴェリーンを常に助け、
今回は一緒に暮らし始めたと言うのに。
とても残念だった。
前回の犯人を弁護し無実を勝ち取ったエヴェリーンは、
刑事弁護士として独立していた。
今回、仕事を依頼してきた外科医の男は、
婦女暴行の嫌疑をかけられたことがあり、
その女性が遺体で発見されたことから、疑われていると言う。
未婚、子供なし、プレイボーイといかにも怪しい。
なぜ依頼を引き受けたのか全く理解できない。
一方、プラスキー警部の方は、
娘を殺された母親が、同時に行方不明になったもう一人の娘を探すのに、
巻き込まれてしまう。
DV夫に薬を盛って隠されていたお金を持って逃げ出し、
手がかりを得るためには大金を渡すし、
タトゥーを入れるし、
娼婦のふりもすると行動力が爆発している母親。
いくら亡き妻に似ているからと言って、
なんどもその母親にだまされてしまうのか。
こちらも謎だ。
自らの体にサソリのタトゥーを入れれば病が治る、というトンデモ信仰で
そのタトゥーのインクとして、
さそり座の娘を殺して血を抜き取るという猟奇的殺人。
その設定自体は面白かったし、
何と言っても母親の暴走列車ぶりが面白かった。
ただ、返す返すもパトリックが殺されてしまったのが残念。
Posted by ブクログ
オーストリアの作家アンドレアス・グルーバーの長篇ミステリ作品『刺青の殺人者(原題:Racheherbst)』を読みました。
アンドレアス・グルーバーの作品は、4年前に読んだ『月の夜は暗く』以来なので久し振りですね。
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全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。
娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。
事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。
一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。
『夏を殺す少女』続編。
ドイツで爆発的な人気を博した話題作。
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2015年(平成27年)に刊行された作品……ライプツィヒ刑事警察の警部、喘息持ちでヘビースモーカーのヴァルター・プラスキーとウィーンの弁護士エヴァリーン(リニー)・マイヤースが活躍するシリーズの第2作、6年前に読んだ『夏を殺す少女』の続篇です。
その若い女性は全身の骨を折られ、血を抜かれていた――『夏を殺す少女』の刑事&女性弁護士が再び猟奇連続殺人に挑む! 全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性ナターリエ・スコバの遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった……娘の遺体の確認にベルリンからやってきた母ミカエラは、自分ひとりでもナターリエが殺された理由をつきとめ、ナターリエと一緒に家出したまま行方不明のもうひとりの娘ダーナを捜し出そうと堅く心に決めていた、、、
事件を担当する上級警部ヴァルター・プラスキーは、ともすれば暴走しようとするミカエラに手を焼きつつ調べを進める……一方ウィーンの弁護士エヴェリーン・マイヤースは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師ローベルト・コンスタンティンからの弁護依頼を受けていた。
『夏を殺す少女』続編……ドイツで爆発的な人気を博した話題作登場。
ドイツ・ライプツィで娘を殺害された母親のミカエラは、警察に任せるだけでなく、自力で犯人を見つけ出し、そして行方不明になっているもう一人の娘を捜そうと決意……事件を担当する上級警部ヴァルターは、猪突猛進で突き進み、ときに暴走するミカエラの行動に手を焼きながらも、ミカエラを見放すことができず、ミカエラに裏切られながらも、個人的に捜査を進る、、、
一方、オーストリア・ウィーンでは敏腕弁護士のエヴェリーンが、女性殺害の容疑をかけられたコンスタンティン医師の弁護依頼を受けるが、コンスタンティンは真実を話さず、信頼できないという印象を受ける……一見、無関係に思えた2つの事件は、やがて意外な共通点、特に「サソリのタトゥー」を介して繋がりを見せていく! 面白かったですねー 被害者や加害者、そして彼らを取り巻く人々の心理を深く掘り下げながら、複雑に絡み合った真相へと向かっていく展開が愉しめました。
サイコスリラーとしての緊迫感と、深く描かれた人間ドラマが融合した、読み応えのあるミステリ作品でした……無鉄砲なんだけど、娘を殺した犯人を突き止めたい! 行方不明の娘を助けたい! という純粋な目的のために突っ走るミカエラに感情移入しながら読めました、、、
本シリーズ、ぜひ、続篇を描いてほしいですね……待ってまーす!
Posted by ブクログ
シリーズ第2作。
ヴァルター警部とエヴァリーン弁護士がそれぞれの立場から殺人事件に関わることとなり、章ごとに視点が変わりながら話が進んでいく。
前作同様、緻密な構成で、東欧そしてドイツと舞台を移動しながら話がテンポよく進み、全てが収斂していくラストまで全く飽きることなく読み進む。
話しの完成度が高く、セバスチャン・フィッツェック、ヘニング・マンケルらと並ぶストーリーテリングの巧さを堪能できるので、他の作品も期待大。
Posted by ブクログ
「夏を殺す少女」の続編。相変わらずドイツの刑事とオーストリアの弁護士の話が交互に書かれ、徐々に収束していく。二人が一緒になるのは前回と同じく終盤、またありがちな恋愛関係に全くなりそうにないのも良い。
ただパトリックは残念。
次作あるかな?期待。
Posted by ブクログ
楽しかったー面白かったー!
前作と同じように、ふたりが別々に事件に絡み出し、どこで交わるのかどう交わるのかとわくわく読んだ。謎が見えてくるたびに手が止められなくなる。
まさか、え、え?というぐるっと回って戻ってきた結末にいい意味で振り回された感じ。キャラもとても魅力的だった。
ただ、なんでー!という思いが1つだけ…。
ほんとなんで…最後まで影武者なのでは、と希望を捨てきれなかった…前作のあの幸せなラストが好きだったから辛い。
またふたりに出会えたらいいなと思う。そして互いに幸せになってほしい。
Posted by ブクログ
これでもかというほど主人公が苦難に見舞われる展開が続きお腹一杯になってしまう。蛍光タトゥーのさそりを全身に彫ろうとするサイケな形成外科医は、脳腫瘍によって人格変化しているのか、もともとサイコパスなのか。計画性に富んでいるように見えて、終盤では破綻の多い犯行となってしまっている。それが残念なところであった。
Posted by ブクログ
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。ドイツで爆発的な人気を博した話題作。
ややホラーの味わいもある、シリーズ第二作。ページターナーとしての腕は確かです。
Posted by ブクログ
「夏を殺す少女」の続編です。
犯人がわかりやすかったので☆x3
相変わらず登場人物が魅力的な作品。
前作と同じく弁護士エヴェリーンの活躍を楽しみにしてたのですが、本作は娘を探すミカエラがヴァルターと活躍するので、エヴェリーンの活躍が薄い印象。
エヴェリーンの彼氏、パトリックが残念。
エヴェリーンボロボロの状態で次回作はあるのだろうかと心配。
ヴァルターは相変わらずの終始親切っぷりがすごい。娘のヤスミーンの性格がああなるのも分かる気がする。
次回作も期待です。
Posted by ブクログ
妻を亡くしたシングルファーザーでぜんそく持ちの刑事と猪突猛進型の女性弁護士が、三年の時を経てふたたび出会う『夏を殺す少女』の続編。
ヴァルターは被害者の母に協力するため警察機構のルールをはずれて捜査を進めるが、警察に全幅の信頼を置いているわけではない彼女に騙され振り回されながら、ドイツ、チェコ、オーストリアと駆け巡ることになる。もう一方の主人公エヴェリーンは、信頼のおけない依頼人の弁護に翻弄されていく。
フランシス・ベーコンの「復讐心に燃える者は自らの傷口をひらく」という言葉がキーワードになっており、プロローグからアクセル踏みっぱなしの展開を見せる。骨を折られ血を抜かれて殺される犠牲者達。それを追う犠牲者の母親の執念がこれまた凄い。ヒロインであるエヴェリーンの存在がかすんでしまうほどのキャラクター。彼女が主役といっても差支えないだろう、決して共感は出来ないが。
謎の解明よりサスペンスと猟奇性に重きが置かれている。作者は本国では「サイコ・サスペンスの鬼才」と呼ばれているそうな。意外な気もしたが、本作品を読んでみるとなるほど納得。面白いんだけど、可もなく不可もなくっていう感じかな。