あらすじ
聖夜の朝、娘は家族に撃ち殺された――。
クリスマスの朝、人気女優カタリーナ・ミルルートの娘レーニが散弾銃で殺害された。
4か月後、復活祭をひかえた聖週間の木曜日、クロイトナー巡査の友人・ラウベルトが運転する配送車の荷室から、女性の死体が発見された。
女性は十数年前、交通事故で大火傷を負い、美しい顔の半分を失った元女優のハナだった。
ハナは古い3階建てのアパートに住んでいた。アパートの壁には百枚近くの写真が貼られていたが、その中にカタリーナ・ミルルートのスナップ写真があった。写真の裏にはレーニが殺された日の日付が書かれていた。
ラウベルトはハナとの関係を否定したが、運送会社の防犯カメラには、前日の晩、二人が会っている姿が映っていた。
やがて捜査の途上に、ハナが2週間前からメールをやり取りして、その後ミースバッハを訪れ、行方不明となったルーマニア人女性が浮かび上がる。
ヴァルナー警部とクロイトナーが辿り着く悲しい事件の真相とは?
ドイツ推理作家協会賞新人賞を受賞して華々しくスタートを切った大ヒット《ヴァルナー&クロイトナー》シリーズ。
今作、第三弾に至ってクロイトナー巡査のキャラクターが炸裂。南ドイツの傑作警察小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヴァルナー&クロイトナーシリーズの第3作。
やっぱり冒頭からクロイトナーは、やらかすんですね。且つ、それがやっぱり事件に結びついていく。このクロイトナーの引きの強さはなんなのでしょうか?
そして、いつの間にはヴァルナーには恋人がいました。2作目を飛ばしているので、2作目を読んでみて、状況を確認したいと思います。
とはいえ、やっぱりヴァルナー(とクロイトナー)は、難事件を解決してく名刑事なのですよね??
Posted by ブクログ
安定のおもしろさとちょうど良さ。すっかりこのシリーズのファンです。
3作読んで思ったことメモ:こういうシリーズものって大抵、事件の内容と主人公の過去のなんやかんやが重なってたりして、新たな謎を呼んだり裏で糸を引く因縁の敵の存在が仄めかされたりしつつ主人公の暗部をチョイ出し&人格を深堀りする仕掛けがあるのがセオリーかと思うんだけど、今のところヴァルナーもクロイトナーも各事件とパーソナルに関わることはなく、自分の人生をただガツガツと生きてる。
だからあんまりおもしろくない(ドラマ性に欠ける)と捉えることもできると思うけど、逆に、物語のための装置として設計されたキャラクターじゃないんだぞっていうランダムな人間味が演出されてる感じがする。この先の作品でヴァルナーの過去にガッツリ立ち入る展開に舵が切られる可能性もあるけど…
今のところこのシリーズ最大の魅力は、真面目なヤツが真面目に/破天荒なヤツが破天荒に、それぞれ情熱を持って仕事する姿、人生をそれぞれやっていってる姿の読み味だと個人的には思う。次作以降でもそこは変わらないでいてほしいな。
Posted by ブクログ
面白い。一気に読み切った。犯人と被害者との面識に少し違和感はあるが、この作者の登場人物の描き方でひとつの家族のドラマとしても成立する。ヴァルナーやミーケには応援せざるを得ないが、クロイトナーの小狡さもなんだか憎めなくなった。
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
クリスマスの朝、女優カタリーナ・ミルルートの娘、レーニが射殺さる事件が発生。
この件はレーニの叔父による過失致死という事で執行猶予判決が下り、解決したかに見えていました。
それから数ヶ月後、復活祭前の聖週間にミースバッハ刑事警察の問題児・クロイトナーの知人の配送車の中から、ミルルート家と因縁のある元女優の死体が発見されます。
死体を発見したクロイトナー巡査(お約束)と偶然居合わせたヴァルナー警部は、これを機にレーニ射殺事件も再調査することに・・。
まさに“ドイツ版・両津勘吉”といった感のある、クロイトナー。
この巻でも今まで以上にやらかしまくっていて、よく警察をクビにならないものだな・・と呆れてしまいます。(勿論、めちゃくちゃ怒られていますが)
とはいえ、彼の“死体遭遇率”の高さは相変わらずで、“持っている”といえば確かにそうなんですよね。謎の引きの強さが彼の持ち味なのかな、と思います。
さらに、困ったちゃんといえば、ヴァルナーの祖父・マンフレート。
お目当ての女性の気を引く為に、勝手な行動をするわ嘘をつくわで、ヴァルナーを無駄に悩ませております。
さて、本筋の方は、クリスマスにミルルート家で起こった事と、現在のパートが交互に展開していく著者お馴染みの構成で、話が進むにつれてミルルート家の抱えていた闇の部分が炙り出されていき、中盤からは、犯人と思われる人物の不審な行動も挟まれていくスリリングな流れです。
特に後半の、証拠隠滅の為“犯人”にターゲットにされた、関係者女性に迫りくる危機の様子には、ドキドキハラハラ手に汗握りながら読みました。
今回は休暇中にも関わらず、“コントロールフリーク”の悪い癖で捜査にしゃしゃり出て、部下のミーケにウザがられていたヴァルナーでしたが、ラストで恋人のヴェーラから驚きの報告を受けていました。
これを機に、ちょっとギクシャクしていた二人の仲が深まると良いですね。
そしてマンフレート祖父さんが少しは大人しくなってくれる事も望みますww。