酒寄進一のレビュー一覧
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試し読み
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ネタバレ
巻末の解説の中に「王子は死体愛好家」とあったので、ビックリして他で調べてみたら、伝承民話であるため、話のバージョンはいろいろあるが死体愛好家とハッキリと示唆する話はないようである。ただ、初対面で既に死んでいるものを強引に譲り受け、それを自室に運びこんで眺め、しまいには常に側に置いて眺めていないとごはんも喉を通らなくなり、外出時にまで必ず家来に持ち運ばせたり、と言った件がある話から、そのような解釈がなされることもあるらしい。もっとビックリした事には、ペドフィリアの話だ、という説もあるらしい。最後に姫を助けにいくのは王子ではなく父親で、父娘で幸せに暮らしました、で完結する伝承民話があるそうで、 -
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★3の上
シーラッハ先生の4冊目。
ドイツの作家さん。
やたら名前が長いので(フェルディナント・フォン・シーラッハ)シーラッハ先生呼びで今後もいこう。
「犯罪」
「罪悪」
「刑罰」
という短編集3部作のうちの1冊。
まちがって最後の「刑罰」から読み始めて「犯罪」「罪悪」と来たけど何も問題なし。連作でもないからね。
犯罪系短編集のノンフィクション風味。15の短編。一番短いのは3ページ。一番長いので33ページ。
凄いな〜。
唯一無二じゃないだろうかこの人。
短い話なんだけど重くて。
読んでる時間よりも読み終わってから目を閉じて考えてこんでしまう時間のほうが長い。
ズシンと来る。
正でも -
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試し読み
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「ケストナーの戦争日記」という邦題で刊行された「青い本」の該当個所との異同や加筆個所が結構あるので「青い本」を元にした日記風の文学作品と見なした方がよさそうだ。「アンネの日記研究版」や「福音書対観表」のように「終戦日記」と「青い本」の該当個所を対照にした本があればいいのに。少なくとも「青い本」との異同個所を注に記したらどうだろうか?
邦訳者は旧訳の邦訳者の高橋健二を日本文学報国会の幹事や「大政翼賛会文化部長の要職にもついていた」と批判しているが「青い本」に引き摺られたのか?初刷ではグデーリアンの記者会見を記した個所で「そのひとつを朗読した」を落としている。担当編集者はドイツ語が出来なくても高 -
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2010年クライスト賞(ドイツ)
2012年本屋大賞〈翻訳小説部門〉
『このミステリーがすごい!2012年版』海外編第2位
週刊文春2011ミステリーベスト10 海外部門第2位
『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇第2位
いわゆるミステリー小説ではなく、様々な「犯罪」の話を刑事事件専門の弁護士である著者が語る11編からなる短編集。
伏線やどんでん返しのようなドキドキする展開はなく、被告人が罪を犯すに至った過程を読み、客観的に罪について考えさせられる。
被告人は善人だったり、精神を病んでいることが多く、ただ犯罪者とくくれない複雑さがある。
やるせない気持ちでちょっと重たい気持ちになった。 -
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ケストナーが戦後(1952)に書いた戯曲。独裁者がすでに亡くなり、影武者たちが交代交代で代役を務めるというブラックユーモアあふれる作品。
まず、独裁者が議会の推薦の元、終身職に就くってどこのロシアよ、と勘繰りたくなってしまうが、結局今も昔もやっていることは変わらないということ。またその演説も最近ロシアでよく聞いたなぁという保護の名のもとの侵略正当化と何でもかんでも外国のスパイに仕立てるというこれも最近よく耳にするフレーズ。
その後状況は二転三転するが、結局あまり変わらないのが世の常という落ちもまた現実でもよくある話。同じことを繰り返して人間飽きないのか。
独裁者やって飽きたら交代する/交