酒寄進一のレビュー一覧

  • 17の鍵

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    四部作だからなのか、一作ですっきり終わらなかったのが少し苦手かもしれない。妹の件を次回作以降に引っ張ること自体は良いんだけど、割と事件そのものに関わってたのは違うだろとは思った。事件に割と妹が関係してたっぽいのに妹がどうなってるかが結局分からずじまいってのがもやもやした。

    あと、最後の最後にようやく犯人の名前がわかるのも微妙だった。既に出てきている人物で、「お前だったのか!」ってなるのが面白いのに、犯人急に出てきて誰やねん!と思ってしまった。

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    2025年03月09日
  • 悪女は自殺しない

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    これが自主出版❗
    驚きです。

    深い疵から読んでまして
    逆行してここに。

    残りの作品も追っかけます!

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    2025年03月03日
  • ケストナーの戦争日記 1941-1945

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    『内なる亡命日記』よりも上級国民ぽさを感じる
    知らなかったとする一般市民が多いが『内なる亡命日記』 同様、ジェノサイド風聞が伝わっている
    破滅に突き進んでいる日々が淡々と描かれる

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    2025年01月26日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    ネタバレ



    巻末の解説の中に「王子は死体愛好家」とあったので、ビックリして他で調べてみたら、伝承民話であるため、話のバージョンはいろいろあるが死体愛好家とハッキリと示唆する話はないようである。ただ、初対面で既に死んでいるものを強引に譲り受け、それを自室に運びこんで眺め、しまいには常に側に置いて眺めていないとごはんも喉を通らなくなり、外出時にまで必ず家来に持ち運ばせたり、と言った件がある話から、そのような解釈がなされることもあるらしい。もっとビックリした事には、ペドフィリアの話だ、という説もあるらしい。最後に姫を助けにいくのは王子ではなく父親で、父娘で幸せに暮らしました、で完結する伝承民話があるそうで、

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    2025年01月02日
  • 罪悪

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    ★3の上

    シーラッハ先生の4冊目。
    ドイツの作家さん。
    やたら名前が長いので(フェルディナント・フォン・シーラッハ)シーラッハ先生呼びで今後もいこう。

    「犯罪」
    「罪悪」
    「刑罰」
    という短編集3部作のうちの1冊。

    まちがって最後の「刑罰」から読み始めて「犯罪」「罪悪」と来たけど何も問題なし。連作でもないからね。

    犯罪系短編集のノンフィクション風味。15の短編。一番短いのは3ページ。一番長いので33ページ。

    凄いな〜。
    唯一無二じゃないだろうかこの人。
    短い話なんだけど重くて。
    読んでる時間よりも読み終わってから目を閉じて考えてこんでしまう時間のほうが長い。
    ズシンと来る。

    正でも

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    2024年12月29日
  • その昔、N市では

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    夫かと思ったら白熊と話していたお話から始まり、第二次世界大戦を生きた作者であるからこそ生まれたであろう、夢と現実の狭間を浮遊するような感覚になる短編集だった。不思議な気持ちになりながらも次はどんな突飛な設定なんだろうという期待からページを捲る手が止まらなかった。

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    2024年12月01日
  • ケストナーの戦争日記 1941-1945

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    ドイツにとどまり続けたケストナーの敗戦へ向かうドイツの日記。膨大な注釈や索引があり、読み込むのになかなかのハードルだったが、ケストナーの反骨精神が垣間見られる。

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    2024年11月27日
  • ベルリン1919 赤い水兵(下)

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    おれたちは明日のことを考えるんだ。この世界はずっと昔からある。そしてゆっくりとしか進歩しない。いまになって、急に進歩が速まるわけがないんだ

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    2024年10月22日
  • 終戦日記一九四五

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    「ケストナーの戦争日記」という邦題で刊行された「青い本」の該当個所との異同や加筆個所が結構あるので「青い本」を元にした日記風の文学作品と見なした方がよさそうだ。「アンネの日記研究版」や「福音書対観表」のように「終戦日記」と「青い本」の該当個所を対照にした本があればいいのに。少なくとも「青い本」との異同個所を注に記したらどうだろうか?
     邦訳者は旧訳の邦訳者の高橋健二を日本文学報国会の幹事や「大政翼賛会文化部長の要職にもついていた」と批判しているが「青い本」に引き摺られたのか?初刷ではグデーリアンの記者会見を記した個所で「そのひとつを朗読した」を落としている。担当編集者はドイツ語が出来なくても高

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    2024年09月07日
  • 犯罪

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    2010年クライスト賞(ドイツ)
    2012年本屋大賞〈翻訳小説部門〉
    『このミステリーがすごい!2012年版』海外編第2位
    週刊文春2011ミステリーベスト10 海外部門第2位
    『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇第2位

    いわゆるミステリー小説ではなく、様々な「犯罪」の話を刑事事件専門の弁護士である著者が語る11編からなる短編集。
    伏線やどんでん返しのようなドキドキする展開はなく、被告人が罪を犯すに至った過程を読み、客観的に罪について考えさせられる。
    被告人は善人だったり、精神を病んでいることが多く、ただ犯罪者とくくれない複雑さがある。
    やるせない気持ちでちょっと重たい気持ちになった。

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    2024年08月30日
  • ある晴れたXデイに

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    以前読んだ『その昔、N市では』のほうが好みの話が多かったかもしれない。

    好きだったのは、
    「太った子」
    「火中の足」
    「幸せでいっぱい」
    かな。

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    2024年07月15日
  • モナ・リザ・ウイルス 下

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    ネタバレ

    画像を破壊するコンピュータウィルス、美人コンテスト参加者の誘拐、蜂の大量死、美術品蒐集家の失踪、そして過去の物語が、世界中を移動しながら展開する。広げ過ぎた感はあるが、謎を残しつつ上手くまとめられているのは良。佳作なので他の作品もあれば読みたい。
    アート好きとしては、やや許せん扱いもあるが、演出の一環。過去の話は創作だろうか、何か元ネタがあるなら知りたい。

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    2024年06月11日
  • 森の中に埋めた

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    オリヴァー&ピアシリーズ8作目。オリヴァーが住む村で起こった連続殺人事件。幼少期から知る人々に嫌疑がかかる。友人だったソ連移民の少年の死が発端となるが、同時に死んだキツネの死も切ない。ドイツの閉鎖的な村社会と複雑な人間関係を背景に、今回も重厚で読み応えのある作品となった。

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    2024年06月02日
  • 乗客ナンバー23の消失

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    一言でいうとミステリーではあるが、全体の構成がわかるまで少し時間がかかる。いわゆるどんでん返しが2回は用意してあります。
    話自体は楽しめますが、海外のこの類の本を読むとホント虐待、特に子どもに対する性的虐待の話題が多いのは嘆かわしい。でも、もう日本もそうなのか、、、。セックス描写と暴力描写がどうしても海外小説では目立つ気がする。

    そういえば、作中に出てくるこそ泥の兄ちゃんはもう少し活躍すると思ったんだけどな~

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    2024年05月13日
  • その昔、N市では

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    序盤のいくつかの作品がシュールさしか感じられず読み切れるか不安になったけど中盤以降から面白い作品が出てきたので諦めずに読んだほうがいいかもしれない。同時期にシャーリイ・ジャクスンの短編集も読んでいたが個人的にはこちらのほうが好き。

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    2024年05月13日
  • 独裁者の学校

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    ケストナーが戦後(1952)に書いた戯曲。独裁者がすでに亡くなり、影武者たちが交代交代で代役を務めるというブラックユーモアあふれる作品。
     まず、独裁者が議会の推薦の元、終身職に就くってどこのロシアよ、と勘繰りたくなってしまうが、結局今も昔もやっていることは変わらないということ。またその演説も最近ロシアでよく聞いたなぁという保護の名のもとの侵略正当化と何でもかんでも外国のスパイに仕立てるというこれも最近よく耳にするフレーズ。
     その後状況は二転三転するが、結局あまり変わらないのが世の常という落ちもまた現実でもよくある話。同じことを繰り返して人間飽きないのか。
     独裁者やって飽きたら交代する/交

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    2024年04月24日
  • 穢れた風

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    刑事オリヴァー&ピアシリーズ5作目。風力発電施設建設会社で夜警の死体が発見された。風力発電推進派と反対派の対立、国家的なデータの改竄や汚職が露呈され、事件は複雑に慌ただしく展開される。今回は、オリヴァーの情けなくも人間的な面と、ピアの逞しさが際立つ。
    このシリーズは順番通りに読むと、捜査メンバーの人間関係の変化やプライベートも楽しめる。

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    2024年03月22日
  • 刑罰

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    ネタバレ

    ・感想
    シーラッハはコリーニ事件しか読んでないけど淡々とした平易な文章は変わらず。
    様々な事件のその罪の在り処と与えられる罰の話。
    善と悪とかではなく罪と罰の話ではその「罪」は法治国家である以上は法律によって裁かれ、与えられる罰の量も法律によって決まる。

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    2024年03月06日
  • 犯罪

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    刑事事件専門の弁護士である作者が罪を犯した人々を描く短編集。

    ・感想
    シーラッハ3作目なんだけど特徴的な修飾のない平易な文体は読んでると自分が参審員になった気持ちになる。
    罪に問えない、問いたくない…物事は全て複雑。
    特に好きなのは序、フェーナー氏、棘、エチオピアの男。
    最後の「これはリンゴではない」という一文と解説を読んで前編にリンゴが出てるのに気づいた…w

    「緑」で最後に「自分の数字は緑」と言うんだけど…これはどういう事なんだろう?
    さっぱり意味がわからない…。

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    2024年03月02日
  • 死体は笑みを招く

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    刑事オリヴァー&ピアシリーズ2作目。動物園の敷地内で、バラバラ死体が発見される。環境活動家や政治汚職も複雑に絡み、容疑者も多い。煩雑なストーリーだが、ピアの恋人も今回、初登場。紳士的なオリヴァーの人間臭い面も見られ、心が和む。

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    2024年03月02日