酒寄進一のレビュー一覧

  • カールの降誕祭

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    3つの短編集です。やたらという簡潔で淡々とした文章ですが、内容は衝撃的です。主人公は、秩序とかルールとか常識とかの中では安定して生きているのですが、その枠組みがなくなった途端に壊れてしまいます。なんとなくドイツ人は日本人と似ている気がします。

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    2016年12月22日
  • 死体は笑みを招く

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    ネレ・ノイハウスさんのオリヴァーとピアシリーズ第二作。
    出版の順が作品の出来た順とは異なるため、こちらが現在読める四作中では最後の作品。

    動物園から左腕と左脚の切断された死体が発見される。
    オリヴァーとピアの捜査により、被害者は高校教師で環境保護活動家であるパウリーだと判明する。
    パウリーの評判は、心酔する学生から憎悪されていたというものまで様々だった。

    手足が切断された死体というと、猟奇殺人か何かを意図してのものかと思うところだが、違う。
    犯人が理由を持って切り落としたのではなく、たまたま切断されたものだということ。
    実際の事件に猟奇性は不要だが、読み物としてなら面白いと感じるわたしとし

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    2016年11月28日
  • 月の夜は暗く

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    いつも通り、幼児期に虐待された犯人とトラウマ持ちの主人公たちのはなし。連続殺人の殺し方がエグい。
    最初は展開がまだるっこしいが、途中から出てくる変人分析官のキャラが良かったので最後まで楽しめた。私も彼にハグされたい。

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    2016年11月22日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    空軍基地跡地燃料貯蔵槽の中から古い人骨が発見される。
    検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。
    同じ頃、その事件の犯人として逮捕され服役していた男性が刑期を終え、故郷に帰っていた。彼は、殺害を認めていなかったものの証拠によって罪が確定され、服役した後も村人からは憎悪の対象だった。

    オリヴァーとピアシリーズ四作目。

    殺人事件の犯人と家族、被害者遺族のそれぞれの苦しみと、閉鎖された環境において犯人とその家族に向けられる人々の冷たい視線。
    こういったことは日本独特なものと思い込んでいた。
    いつかテレビでアメリカで、殺人事件の犯人の母親が、マスコミに顔を出してまるで他人事のよう

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    2016年11月01日
  • テロ

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    実際にこんな事件があったら、そして裁判が行われたらこの通りだろうと思わせるリアルさ。語られる言葉一つ一つがすべて正しくて真に迫っています。ずしんと響いて、何度も読み返してしまいます。法律家シーラッハの真骨頂をみたようです。舞台になって、映像化も計画されているようですね。見てみたいです。
    おまけ?のスピーチも、こんなスピーチができるんだな、と深く感銘を受けました。言論の自由のなんたるかを見せつけられた思いです。

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    2016年10月21日
  • 深い疵

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    クリスやヘニング、オリヴァーといった素敵な男たちにちやほやされる(?)ピアがうらやましい・・・
    人物造形が良い。あ、もちろん話もちゃんと面白い。

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    2016年09月30日
  • 悪女は自殺しない

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    白雪姫ではチームはがたがたオリヴァーはボロボロ捜査はグダグダだったが、最初の作品のこちらではまだしゃんとしている(笑)
    最後の方まで犯人がわからず、まあ面白かったと思う。

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    2016年09月11日
  • 夏を殺す少女

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    二つの事件がやがて合流する展開は、もどかしくも先が気になるつくり。
    土地や医療、警察のことを適当に書かずによく調べてある、と思う。
    だが!古今東西この手のミステリにありがちだが、主人公たちは何故に自分の権限や管轄を大きく超えて捜査してしまうのか。そこまでの理由って何?どうしても納得できない。

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    2016年09月05日
  • 白雪姫には死んでもらう

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    主人公も被害者も加害者も、男性が魅力的。イケメンで適度にヘタレなところがセクシー(私好み)。ちなみに女性は元気でカワイイ傾向。
    それほど特異な話運びではないけれど、なんとなく先が気になるのは登場人物たちの行く末が気になるからなのだろう。
    テーマのわりにドロドロしていません。

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    2016年08月26日
  • 幽霊ピアニスト事件

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    突然、現代に甦ったピアニストの青年が出会う冒険。
    戦争中の記憶と、音楽大学での事件が交錯します。

    ポーランド生まれのアルトゥアはピアニストでした。
    ある事情で死んだはずなのに、なぜか幽霊に?
    とはいえ、食べることも喋ることも出来て、洋服に入っていたお金も通用する。
    しかも、カフェで出会った青年ベックはアルトゥアの話をあっさり受け入れ、喜々として自分の住む寮に迎え入れてくれます。

    そこは、学生合唱団のクラブハウスで、ハノーファー音楽大学の学生達が暮らしているのです。
    変人揃いなのが傑作で、しかもこれはかなり作者の実体験が入っているそう。
    アルトゥアは、幼馴染のピアニスト仲間パヴェルとも再会。

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    2016年07月01日
  • 夏を殺す少女

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    オーストリアミステリーは、初めて読んだが、なかなか面白い。
    過去に起こった事件が胸糞が悪いのと、人物のキャラをつかむのに時間がかかった。弁護士がドイツへ向かってからは、読むスピードが上がった。
    オーストリアは、旅行したことがあったので、記憶を頼りに風景を思い描いた。
    セールじゃなければ出会わなかった本かもしれないが、いいきっかけになったと思う。この著者の別の本も読んでみようという気になった。

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    2016年06月10日
  • 深い疵

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    ある方のレビューで興味を持ち本屋さんで探して購入した本書。

    第二次世界大戦でナチスのユダヤ人迫害を生き残り、アメリカ大統領顧問を務めたユダヤ人男性が射殺される。戦争時の拳銃が凶器で現場には謎の数字が残されていた。
    ところが被害者はユダヤ人ではなくナチス親衛隊員だったことが判明する。
    そしてまた同じように老人が殺されていく。

    こう始まる物語で、ナチスやヒトラーに興味のあるわたしは当然読んでみたくなるわけで、読んだ感想をまず一言で言うと、面白く読めた。

    ナチスが物語全体に関わるため、暗く重い内容にはなるのだが、事件を解決するオリヴァーとピアのコンビが魅力的で物語を救っている。

    登場人物は多

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    2016年05月26日
  • 罪悪

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    心が痛む話が増えた気がする…でも、実際にこういった出来事は今、この瞬間にも世界のどこかで起きていることかもしれなかい。
    小説というには、現実的すぎて怖くなる。
    でも、また読みたくなってしまう不思議。

    早く続きが読みたくて、駅のホームと、信号待ちで、歩きスマホならぬ、歩き読書をしてしまったわ(笑)

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    2016年05月22日
  • 罪悪

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    20160423 今度はどう騙されるのか?意外性の有るストーリー展開が読んでしまう理由。短編だからできることというよりもこうしたいから短編なのだと思う。

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    2016年04月23日
  • 深い疵

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    ネタバレ

    友人のレビューを参考に読んでみた。
    雰囲気最高、読み応えばっちり、犯人探しもそこに至る臨場感も趣深く書けていて、翻訳も良い感じ。

    ただ、ミステリー読者としての俺のレベルには少々手ごわい感じだった。登場人物が多くて彼らの血縁や付き合い関係が整理できない。操作する側される側にも付き合いがあったりするから余計ややこしい。
    巻頭の相関図や人物紹介を、その都度見るんだけど、それだけではついていけない。しかも「○○氏は実は××氏」っていうのまで出て来てしまったら…
    誰がどんな人やったか分からなくなる度に、読み返したり思いだしたりしてたら、存外時間がかかってしまいリズムに乗り切れなかった。

    本の面白さっ

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    2016年04月15日
  • 罪悪

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     ミネット・ウォルターズの中編『養鶏場の殺人』が、とても強く印象に残っている。ウォルターズとしては珍しく、実際に起きた事件を小説化したものであり、やはり実際に起こったことのほうがむしろ小説よりも奇という場合もあるのだな、とじわじわと背筋に迫る人間の怖さを感じたりしたものだ。ついでに言えば、当該作品は、2006年イギリスのワールドブックデイにクイックリード計画の一環として刊行されたものであり、普段本を読まない人に平易な言葉で書かれた読みやすい本として提供されたそうである。

     さて、本書『罪悪』は、日本国内でも上位にノミネートされて話題を呼んだ『犯罪』に次ぐ、現役刑事弁護士シーラッハの第二短編集

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    2016年03月21日
  • 月の夜は暗く

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    最近変人キャラ流行ってる?
    面白い(個性出てる)からいいけど、その内飽和するかも。
    まぁでもこの作品は間違いなくハイレベル。

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    2016年03月01日
  • 悪女は自殺しない

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    北欧ミステリー(刑事ヴァランダー)を読んでいるうちに、イギリスやフランスのミステリーではないそのほかのヨーロッパのミステリーを読んでみたくなり、この作家の作品の評判がよかったので、とりあえずシリーズの最初のこの作品を読みました。
    翻訳がうまいのかスラスラ読めました。容疑者がたくさん現れて、容疑者たちに互いに利害関係になり、みんな被害者を殺す可能性があって、面白かったです。ドイツミステリーも
    いいですね。

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    2016年02月18日
  • カールの降誕祭

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    薄氷を踏むような危うさ、一度踏んでしまえば、繰り返される麻薬のような体験。日本にも興味があるらしいシーラッハの仕掛も効果的です。

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    2016年02月13日
  • 深い疵

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    名前やキャラを把握するのに手こずりましたが、頭に入ってしまえば、後は展開も早いしキャラの魅力もあるので、するすると読めました。
    過去の深い因縁が絡みあって、最後に事件が収束したときはすっきりしたとともに切なかった。
    オリヴァー&ピア、男女のバディものでありながら、2人は恋愛関係ではないのがちょっと珍しい。
    初期の頃のドラマ『BONES』のふたりみたい。この作品で少し距離が縮まったようだけど、この先二人の関係も変化していくのかな?

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    2015年12月31日