酒寄進一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
突然、現代に甦ったピアニストの青年が出会う冒険。
戦争中の記憶と、音楽大学での事件が交錯します。
ポーランド生まれのアルトゥアはピアニストでした。
ある事情で死んだはずなのに、なぜか幽霊に?
とはいえ、食べることも喋ることも出来て、洋服に入っていたお金も通用する。
しかも、カフェで出会った青年ベックはアルトゥアの話をあっさり受け入れ、喜々として自分の住む寮に迎え入れてくれます。
そこは、学生合唱団のクラブハウスで、ハノーファー音楽大学の学生達が暮らしているのです。
変人揃いなのが傑作で、しかもこれはかなり作者の実体験が入っているそう。
アルトゥアは、幼馴染のピアニスト仲間パヴェルとも再会。 -
Posted by ブクログ
ある方のレビューで興味を持ち本屋さんで探して購入した本書。
第二次世界大戦でナチスのユダヤ人迫害を生き残り、アメリカ大統領顧問を務めたユダヤ人男性が射殺される。戦争時の拳銃が凶器で現場には謎の数字が残されていた。
ところが被害者はユダヤ人ではなくナチス親衛隊員だったことが判明する。
そしてまた同じように老人が殺されていく。
こう始まる物語で、ナチスやヒトラーに興味のあるわたしは当然読んでみたくなるわけで、読んだ感想をまず一言で言うと、面白く読めた。
ナチスが物語全体に関わるため、暗く重い内容にはなるのだが、事件を解決するオリヴァーとピアのコンビが魅力的で物語を救っている。
登場人物は多 -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人のレビューを参考に読んでみた。
雰囲気最高、読み応えばっちり、犯人探しもそこに至る臨場感も趣深く書けていて、翻訳も良い感じ。
ただ、ミステリー読者としての俺のレベルには少々手ごわい感じだった。登場人物が多くて彼らの血縁や付き合い関係が整理できない。操作する側される側にも付き合いがあったりするから余計ややこしい。
巻頭の相関図や人物紹介を、その都度見るんだけど、それだけではついていけない。しかも「○○氏は実は××氏」っていうのまで出て来てしまったら…
誰がどんな人やったか分からなくなる度に、読み返したり思いだしたりしてたら、存外時間がかかってしまいリズムに乗り切れなかった。
本の面白さっ -
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ミネット・ウォルターズの中編『養鶏場の殺人』が、とても強く印象に残っている。ウォルターズとしては珍しく、実際に起きた事件を小説化したものであり、やはり実際に起こったことのほうがむしろ小説よりも奇という場合もあるのだな、とじわじわと背筋に迫る人間の怖さを感じたりしたものだ。ついでに言えば、当該作品は、2006年イギリスのワールドブックデイにクイックリード計画の一環として刊行されたものであり、普段本を読まない人に平易な言葉で書かれた読みやすい本として提供されたそうである。
さて、本書『罪悪』は、日本国内でも上位にノミネートされて話題を呼んだ『犯罪』に次ぐ、現役刑事弁護士シーラッハの第二短編集 -
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犯罪、罪悪のような、淡々としてそれでいて怪しさをはらむ数式のような短編集。正直、シーラッハはすごく好きなんだけど前作「禁忌」が個人的にイマイチだったので不安だったが、これはヒット。
これぞシーラッハ節、というような芸術や文化たる整然さと人の業たるカオスさが混ざり合ってなんとも言えず不気味な雰囲気が全編にあふれていた。まさにブラッククリスマス。満足満足。…だけど、やっぱり最初に読んだ「エチオピアの男」を越える傑作短編は、まだない。
あれを越える話をこれからも求め続けるのは、シーラッハにハマった読者の業だろうか。来年再来年と、引き続きそれを期待しながら、また訳者の素晴らしくカオスを落とし込ん -
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ネレ・ノイハウスの悪女は自殺しないを読みました。
オリバー・フォン・ボーデンシュタイン主席警部とピア・キルヒホフ警部が活躍する深い疵シリーズのミステリー(1作目)でした。
獣医ケルストナーの妻で美人のイザベルが自殺に見せかけて殺されます。
それを捜査していくオリバーとピアの前に乗馬クラブで行われている悪事が次々と明らかになっていきます。
イザベルは複数の男性を誘惑し情事をビデオ撮影して相手を脅迫していたのでした。
イザベルを殺害したいという動機を持っている人間は多数いてオリバーとピアは犯人の絞り込みに苦慮する中、次々と新しい事件が起こってしまいます。
オリバーの妻は映画制作会社で世界中を飛 -
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ネタバレ私のお願いは天に通じたようだ。
「深い疵」「白雪姫には死んでもらう」と読んできた、
オリヴァ―とピアシリーズの第1作がようやく翻訳された。
オリヴァ―とピアの最初の出会いや、
コージマが映像制作者としてばりばり働いている様子を見られて、
時を遡った気分で楽しかった。
ピアはもう検視官の夫と別居して農場に住んでいたが。
(話は流れるが、決して田舎生活にも農場生活にも憧れない私でさえ、
ちょっとうらやましくなるような生活だ)
オリヴァ―が昔の恋愛を思い悩んでお風呂で寝込んでしまうところや、
疲労困憊のためか捜査の最後の方で暴走し、
動物病院の医療助手に投げ飛ばされてしまうところが面白かった。
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Posted by ブクログ
ドイツで大人気の警察小説。
同僚の男女二人が主役です。
これがシリーズ1作目とは。
読み出したら、やめられない面白さです☆
ホーフハイムで警察署勤務に復帰したピア・キルヒホフ警部。
小さな農場を手に入れて2頭の馬と住み、夫と別居1年ですっかり落ち着いて、今の生活に幸せを感じています。
上司の主席警部がオリヴァー・フォン・ボーデンシュタイン。
長身で、近くに城を持つ家柄の貴族出身という恵まれた育ち。
大きな子どもがいる中年男ですが、仕事で留守がちな妻コージマを熱愛し、かつ久々の地元の事件で捜査中に再会した女性にも心揺れたりして。
根は真面目なようなんですが~‥?
高名な検事が思いもよらない自