酒寄進一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010年クライスト賞(ドイツ)
2012年本屋大賞〈翻訳小説部門〉
『このミステリーがすごい!2012年版』海外編第2位
週刊文春2011ミステリーベスト10 海外部門第2位
『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇第2位
いわゆるミステリー小説ではなく、様々な「犯罪」の話を刑事事件専門の弁護士である著者が語る11編からなる短編集。
伏線やどんでん返しのようなドキドキする展開はなく、被告人が罪を犯すに至った過程を読み、客観的に罪について考えさせられる。
被告人は善人だったり、精神を病んでいることが多く、ただ犯罪者とくくれない複雑さがある。
やるせない気持ちでちょっと重たい気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
ケストナーが戦後(1952)に書いた戯曲。独裁者がすでに亡くなり、影武者たちが交代交代で代役を務めるというブラックユーモアあふれる作品。
まず、独裁者が議会の推薦の元、終身職に就くってどこのロシアよ、と勘繰りたくなってしまうが、結局今も昔もやっていることは変わらないということ。またその演説も最近ロシアでよく聞いたなぁという保護の名のもとの侵略正当化と何でもかんでも外国のスパイに仕立てるというこれも最近よく耳にするフレーズ。
その後状況は二転三転するが、結局あまり変わらないのが世の常という落ちもまた現実でもよくある話。同じことを繰り返して人間飽きないのか。
独裁者やって飽きたら交代する/交代させられるシステムという小話があったが、変革しているつもりのマンネリを人は尊ぶということか。 -
Posted by ブクログ
刑事事件弁護士として活躍する著者が、罪と罰の在り方を問う12編。
デビュー作『犯罪』、第二短編集『罪悪』に続く短編集3作目。翻訳者さんによるあとがきによると、作者さんは当初から三部作を構想していたそうです。
作中でどんな犯罪を描こうとも、書き方は常に淡々としていて心情描写も薄い。それなのに、何故か心がざらつく読後感。
犯罪と、罪と向かい合う仕事についている筆者さんにしか書けないものがある気がします。
解説でも似たようなことが書かれていますが、釣り合わない罪と罰、理想をもってなったはずの弁護士という仕事の理想と現実、現実のような虚構と虚構のような現実。そんなすべてをひっくるめた現実のやるせなさや心の傷を、文学として昇華し再構成しているような、そんな印象を受けます。
個人的に好きだった話は、『リュディア』。 -
Posted by ブクログ
今年の11月は濃厚過ぎたw
ってな事でフェルディナント・フォン・シーラッハの『テロ』
ドイツ上空で164人を乗せた旅客機がハイジャックされた。その旅客機は7万人の観客が居るサッカースタジアムへ向けて突っ込もうとしている。
緊急出動したラース・コッホ少佐は極限の状況で164人を乗せた旅客機か7万人居るサッカースタジアムをどちらかを犠牲にしないといけない状況下の中で旅客機を撃墜し164人を殺害し7万人を救った事になるが……。
その事に付いての裁判審議小説。
考えさせられる内容。究極の選択。どちらが正しいとは言えないもどかしさが有るけど、あなたなら有罪、無罪どちらを選択する?
どちらも正解で不正解かな?
人生、倫理、法律の狭間で人間は守られ苦しみながら生きてるのね。
2016年49冊目 -
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
クリスマスの朝、女優カタリーナ・ミルルートの娘、レーニが射殺さる事件が発生。
この件はレーニの叔父による過失致死という事で執行猶予判決が下り、解決したかに見えていました。
それから数ヶ月後、復活祭前の聖週間にミースバッハ刑事警察の問題児・クロイトナーの知人の配送車の中から、ミルルート家と因縁のある元女優の死体が発見されます。
死体を発見したクロイトナー巡査(お約束)と偶然居合わせたヴァルナー警部は、これを機にレーニ射殺事件も再調査することに・・。
まさに“ドイツ版・両津勘吉”といった感のある、クロイトナー。
この巻でも今まで以上にやらかしまくっていて、よく警察をクビにならないものだな・・と呆れてしまいます。(勿論、めちゃくちゃ怒られていますが)
とはいえ、彼の“死体遭遇率”の高さは相変わらずで、“持っている”といえば確かにそうなんですよね。謎の引きの強さが彼の持ち味なのかな、と思います。
さらに、困ったちゃんといえば、ヴァルナーの祖父・マンフレート。
お目当ての女性の気を引く為に、勝手な行動をするわ嘘をつくわで、ヴァルナーを無駄に悩ませております。
さて、本筋の方は、クリスマスにミルルート家で起こった事と、現在のパートが交互に展開していく著者お馴染みの構成で、話が進むにつれてミルルート家の抱えていた闇の部分が炙り出されていき、中盤からは、犯人と思われる人物の不審な行動も挟まれていくスリリングな流れです。
特に後半の、証拠隠滅の為“犯人”にターゲットにされた、関係者女性に迫りくる危機の様子には、ドキドキハラハラ手に汗握りながら読みました。
今回は休暇中にも関わらず、“コントロールフリーク”の悪い癖で捜査にしゃしゃり出て、部下のミーケにウザがられていたヴァルナーでしたが、ラストで恋人のヴェーラから驚きの報告を受けていました。
これを機に、ちょっとギクシャクしていた二人の仲が深まると良いですね。
そしてマンフレート祖父さんが少しは大人しくなってくれる事も望みますww。