酒寄進一のレビュー一覧
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タイトルに惹かれて読んでみた。
近年目にした映画(『犯罪』『コリーニ事件』)の原作者なのね。ご職業は弁護士だとか。
エッセイともルポとも短編とも見分けのつきにくい話が、長短さまざま48篇収められている。ブツブツと寸断されるので、なかなか読みすすむ勢いがつかず時間がかかった。
とはいえ、そんなにサクサクと読む類の文章でもない。
機知に富み、情報量も多い話が、職業柄か、理路整然とドライな筆致で綴られる。
48篇それぞれの長さも(短いものは1ページにも満たない)、著者の独特のリズムなのだろうなと思う。
「物書きであれば、創作した人間と言葉を交わし、その人たちと人生を共にできる。書く合い間に生じる時間はそのうちどうでもよくなる。書くことの方が本質だ。」
長編は読んでない。本書に収められた短編の小説もどきの文章に登場する人物たちと著者がどれほど言葉を交わし、文章を練り上げたのかは分からなかった。あまり心に残る登場人物はいなかった。
その中では、恋人だったボクサーのことを語る老婦人が印象的だったかな。
「ボクシングは暴力と勇気と自己管理がすべて」 -
Posted by ブクログ
やや星新一のようなブラックな読後感の短編集です。
こちらはSFではなく、ミステリですが。
人を殺した、という「罪」を抱く人々が裁判を通して「罰」を受けるというのが法治国家の当たり前の姿ですが、証拠として揃ったものから論理的に判断しているようにみえても、巧妙に真相が隠されていたり、罪を被った人が実は騙されていたりと、複雑な人間模様が濃縮された作品集です。
荒唐無稽な設定はなく、淡々と描かれる登場人物の描写にはリアリティがある一方で、やや「盛り上がり」に賭ける部分があるかもしれません。
イメージでいうと、どの作品も「どんよりした雲り空」のような雰囲気で、不快ではないし雨が降ったようなしんみりとした気持ちにもならないが、かといって楽しいわけでも心地よいわけでもない、というような感じでした。 -
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シリーズ第二弾。
ドイツ南部、リーダーシュタイン山の山頂で、クメーダーという男が射殺される事件が発生。
クメーダーは、死の直前に偶々居合わせたクロイトナー上級巡査に二年前に失踪した恋人の行方を、弁護士・ファルキングが知っていると告げていて・・・。
タイトルになっている「羊の頭」とは、バイエルン州の伝統的なカードゲーム・「Schafkopf(羊の頭)」のことで、本文中にも登場人物達がSchafkopfに興じる場面が出てきます。
さて、前作で凍結した湖で少女の死体を発見し、本作では、目の前で男が射殺されるという、相変わらず“持っている”クロイトナーと、祖父のマンフレート爺さんの“現役っぷり”に心乱されている苦労人・ヴァルナー主席警部の対比が楽しいこのシリーズ。
プロローグは、義父から大金を預かろうとする弁護士・ファルキングの場面と、恋人からのDVに耐えきれなくなって逃げだそうとしている少女の場面という不穏な状況から始まり、これらの過去のパートと現在のパートを交互に織り交ぜながらスリリングに話が進んでいきます。
内容的に、結構入り組んでいるのですが、展開が気になってついついページを捲ってしまいます。
特に終盤は手に汗握るシーンの連続で、DV男・ペーターから逃げようとするズージー。彼女を守ろうとするも、ペーターに連れ去られてしまい、追う羽目になる警察側の脇の甘さにジリジリしながら読みました。
二転三転を経てたどり着いた、ラストのどんでん返し的な真相は、意外ではありましたがちょっと切なかったです。
このように、展開の上手さに引き込まれてしまう本書ですが、今回の事件の背景にあるDVも辛いですし、女性に暴力をふるう男は勿論、彼女達の苦しみに付け込むような輩がクズすぎて不快だったので-★となった次第です。
とはいえ、ミースバッハ刑事警察署の面々のキャラは、割と好きなので次作以降も追っていきたい所存です~。 -
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『弁護士アイゼンベルク』シリーズが面白かったので、同著者のデビュー作だという本書を手に取ってみました。
ドイツ南部の凍てついた湖の氷の下から、少女の死体が発見されます。
殺人事件として捜査が開始されますが、捜査の指揮をとるヴァルナー主席警部の自宅屋根の上から、新たな少女の死体が発見されて・・。
連続殺人事件のパートと雪山で大ピンチになっている父娘のパートが交互に描かれる展開からスタート。
デビュー作という事もあってか、序盤は文章がちょっと読みずらい部分もありましたが、地名やキャラ特性がわかってくるにつれ、プロット自体はよくできていることもあって徐々に引き込まれていきました。
死体に隠されたメッセージや、被害者たちの関係性(ミッシングリンク)といったミステリ要素もワクワクします。
ただ、中盤である程度の謎解きはできてしまうので、後半からは犯人と警察との追いつ追われつのサスペンス的展開を楽しむ感じで、特に終盤の怒涛の展開は手に汗握りながら読みました。
メインキャラのヴァルナー主席警部は、冷え性で真面目。コツコツ地道に捜査を進めるタイプですが、祖父のマンフレート爺さんにペースを乱されるわ、最初の死体の発見者でもある、やんちゃキャラ・クロイトナー巡査に美味しいところを持っていかれるわで、まさに“苦労人”という感じです。
しかも、どうみても本書ではヴァルナーが主役なのに、巻頭の登場人物紹介ではクロイトナーがトップになっているあたりも彼の不憫さを表しているなぁ、と思いました。
因みに、巻末には「レーオンハルト・クロイトナー上級巡査とハイキング」という、クロイトナーによる観光案内コーナーがあって、この遊び心あふれるサービスも嬉しいですね。 -
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ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の短篇集『罪悪(原題:Schuld)』を読みました。
「ハラルト・ギルバース」、「アンドレアス・フェーア」に続き、ドイツ作家の作品です… 「フェルディナント・フォン・シーラッハ」作品は、約2年前に読んだ『犯罪』以来ですね。
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罪人になるのは簡単なのに、世界は何も変わらない。
──ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。
秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。
何不自由ない暮らしを送る主婦が続ける窃盗事件。
弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。
「このミステリーがすごい!」第二位など、年末ベストを総なめにした『犯罪』に比肩する傑作!
解説=「杉江松恋」
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2010年(平成22年)に刊行された短篇集で、以下の15篇が収録されています… たった3ページの短篇というより掌篇というべき作品もあり、前作よりも、一つひとつの作品が短くて読みやすかったですね。
■ふるさと祭り(原題:Volksfest)
■遺伝子(原題:DNA)
■イルミナティ(原題:Die Illuminaten)
■子どもたち(原題:Kinder)
■解剖学(原題:Anatomie)
■間男(原題:Der Andere)
■アタッシュケース(原題:Der Koffer)
■欲求(原題:Verlangen)
■雪(原題:Schnee)
■鍵(原題:Der Schlussel)
■寂しさ(原題:Einsam)
■司法当局(原題:Justiz)
■清算(原題:Ausgleich)
■家族(原題:Famllie)
■秘密(原題:Geheimnisse)
■解説 杉江松恋
後味の悪い嫌な印象を残す物語の展開は、この第二作でさらにパワーアップ… でも、それがリアリティを感じる要因でもあるんですよね、、、
嫌だなぁ… と思いつつも、ページを捲る手が止まらない作品群でした。
そんな後味の悪い作品の中でも特に印象に残ったのは『ふるさと祭り』かな、、、
小さな町の六百年祭、ともかく熱い8月1日に、きちんとした仕事をしている人たちのブラスバンドのサークルでひどい暴行事件が起こる… 17歳の娘が楽団員たちにレイプされ、被疑者は楽団員の8人全員で、そのうちの誰か1人が事件を通報していた。
刑事訴訟では、被疑者は黙秘が許され、証拠を提出しなければならないのは告発側… 弁護士とは因果な商売で、明らかに犯罪者と分かっていても、そして裁かれるべきだと分かっていても、そちら側の利益に尽くすしかないんですよね。
やりきれない気持ちで読み進む物語が続くのですが、『鍵』については、ロシアの女にカミソリで大腿動脈を切られるシーンで、気分が悪くなりそうになりました… 刃物には弱いんですよねぇ、、、
大切な鍵を犬が呑み込んでしまい、糞まみれになって鍵を探すシーン等、ちょっとコメディの入った作品かと思って油断して読んでいたのに… このシーンの影響で、ある意味、忘れられない作品になりました。
珍しく嫌な感じが抑えめでカタルシスを感じれられるた『清算』も印象に残りましたね、、、
「アレクサンドラ」の結婚した相手は酒を飲むと暴力をふるった… それでも、我慢を続けた「アレクサンドラ」だったが、夫から「娘が10歳になったので俺の女にする」と聞き、さすがに許せなくなり、夫が寝ているときに彼を撲殺。
そして裁判では… 明らかに情状酌量の余地がある罪とは言えない罪でも行為としては犯罪になってしまう、、、
というのを大岡裁きで逆転させる展開… 珍しく痛快な筋書きでしたね。
最後に収録された『秘密』は、狂人と私の立場が入れ替わってしまうラストが象徴的… 作品の最終話を飾るに相応しいオチでした。
本シリーズ… 読みたくないけど、でも、読んでみたい… 魅力と嫌な感じが同居した、不思議な作品群ですね。 -
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ネタバレ――
少し趣を変えて、フェルナンド・フォン・シーラッハによる戯曲。
よく見たら本屋大賞翻訳部門獲ってたから趣変わってないかも。
2013年、ドイツ。テロリストによってハイジャックされた旅客機が、7万人の観客が集うサッカースタジアムに墜落させられようとしている。緊急発進した空軍少佐は独断でこれを撃墜、乗客164人を殺して7万人を救い、地上に戻ると即刻逮捕される。
舞台はその彼の裁判。参審員制が取られているドイツの法廷を舞台に、被告人、弁護人、検察官、裁判長の4人をメインキャストとし、証人 (弁護人側と検察側とのふたり、かと思ったのだけど実際は両方検察側みたいになっている)が時折そこに加わる6人舞台。廷吏も入れたら7人のキャスティング。
そう、つまり観客は、観客席から参審員として裁判に参加することになる。
そして観客の「判決」に応じて、物語にはふたとおりの結末が用意されている……という仕掛け芝居もの。
いわゆるトロッコ問題 (作中では転轍器係の問題、として言及されている)をテーマとして、観客に分岐を変えるか変えないかを選ばせるというのは面白い試み。
参審員、というのは日本で云う陪審員のようなもので、一般市民による法廷参加なのだけれどドイツの場合は少し特殊で、先ずはその権限が殆ど裁判官と同等であるということ、量刑まで判断が及ぶと云う点、そしてそれだけの権限を持っているからこそ選出方法が日本のように無作為ではなくて、政党等からの推薦であり、任期も5年あるというところから純粋な「一般市民」とは云えないところもある。これは第三者機関みたいな、法律の専門家ではない目線で事件を見ようとする狙いなのかしらね? 直観的には無作為に選ばれた陪審員よりもアテになりそうだな、と思ったけれど「政党等からの推薦」ってところが少し臭い。
さて全体的に、扱っているテーマとしては面白いものがあったのだけれどやはり戯曲として納めなければいけない部分もあろうて、事件の細かな部分が置き去りにされている風もあって、ミステリ読みとしてはそのへんが引っ掛かって少し消化不良なところ。
ところでこのトロッコ問題、最近ツイッタで見かけたポイントの上を車体が通過する瞬間に分岐させて前輪を本線に入れて後輪を支線に逃し、股割きみたいな状態にしてトロッコを止めるという解決方法が目からウロコだったわけだけれど、何年か前にポイントを中立にして脱線させる、みたいな方法も出てたから最近例を引かれる場合はトロッコにひとが乗ってるのかもしれない。脱線させたり急停止させたらそのひとが犠牲になりますよ、って風に。重箱の隅をつつくひとに対応して形を変える、これも民俗学か(違います
元々が「転轍器係」という、トロッコの行き先に責任を持つ職業を対象として提起されているものだから、正直一般的な人間に当て嵌めると本当に、正答なんてなくなってしまうのかもしれないなぁ、とも感じた。多分プロの転轍器係であれば、ひとりでも犠牲を少なくする、という思考に自然と傾くだろうし(それは、そうしなかった場合に非難が集まる、というのも勿論ある)、その立ち位置がこの作品では空軍少佐であり戦闘機パイロットである、という実力行使が可能な立ち位置なのだから、旅客機を撃墜して7万人を救ったという判断は当然じゃないか、と思ってしまった。
撃墜された旅客機の乗員の家族も証人として出てきたけれど、なんだか悪し様にヒステリックだな、とか思ってしまう自分にもどうかと思ったけれど。
それから検察官が被告人に対して、「旅客機に自分の妻と娘が乗っていたら撃墜したか?」という質問をして追い詰める場面も、なんだか設問的にそんなにフェイタルじゃない気もする。なんなら「スタジアムに自分の妻と娘が居たから撃墜したんじゃないか?」って方が設問としては恐ろしいよね。
と、いうわけでこの問題に対して、「手を下す」訓練を受けている軍人という職業を転轍器係としてしまうと、あんまり感情移入は出来ないんだなと感じました。ふぅむ。
☆3.1 -
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ネタバレ大好きな本屋大賞、2012年の翻訳小説部門第1位作品、このミス第2位等々、多くの賞の受賞作ということで手にした一冊です。
著者の作品は初読みでしたが、著者がうまいのか、訳者がうまいのか、やはり両者がうまいんでしょう。
※翻訳がうまいと感じたのは「獣どもの街(ジェイムズ・エルロイ)」の田村義進さん以来です。
11の短編は全てが刑事事件の弁護人として罪と犯罪者に向き合います。
1話あたりざっくり20P程度なんですが、なにせ描写がうまい。
特に印象に残ったのは「棘」、精神が崩壊していく様、そしてそこから立ち直るラスト、なるほど。
これってあり得なくないよなぁ...って思いながら、この時の犯罪者の心理って...なるほど、こんな感じなんだ...
ってな感じでサクッと読み終えました。
特に改行の使い方は計算されているなぁと感じた作品。
機会があれば他の作品も手にしてみたいと思います。
説明
内容紹介
【本屋大賞翻訳小説部門第1位】一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。──魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの真実を鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作! 解説=松山巖
内容(「BOOK」データベースより)
一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。―魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの真実を鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
シーラッハ,フェルディナント・フォン
1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。デビュー作である『犯罪』が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した
酒寄/進一
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
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ドイツの警察小説・オリヴァー&ピアシリーズ第八作。
一年間の長期休暇(サバティカルというらしい)を年明けに取ることにしたオリヴァー。今回は休暇前の最後の事件となる。しかし事件の被害者や関係者はオリヴァーの知人ばかり。更にはオリヴァーにとってはとても苦い、少年時代に起きた不幸な事件を甦らせることにもなる。
これまで様々な国内国外様々な警察小説を読んできたが、警察官のキャラクターも様々。悪徳警官もいれば正義感の塊のような警官もいる。どんな悪意や憎悪も跳ね返す強いメンタルの持ち主もいれば、いつまでも引き摺ってしまう警官もいる。
オリヴァー自身は事件と上手く距離を取って来た、などと評価しているが、これまでシリーズを読んできた人間からは引き摺られまくりのごく普通な人間だ。そして今回、彼の少年時代が明らかになったことでその印象は更に強まった。
貴族階級の生まれでスマートで優しくて、でもどこか気弱で鬱屈を抱えている。少年時代の彼は正にそのままだった。いわゆるリーダー格の不良少年たちに逆らえず、何とか距離を保って付き合っていた図が目に浮かぶ。
改めて、舞台のルッペルツハインという地域もコミュニティも狭くて、人間関係が濃いなと思う。オリヴァー自身、町の人たちは子どもの頃からの付き合いが多いし、あるいは親の代、さらにその上の代からの付き合いもある。
なのにオリヴァーは友人や知人同士が結婚したり別れたりしたことを知らなかったりもするのだが。
それにしてもこういう場所で警察官の仕事をするのはやりにくくないだろうかと改めて思う。特に今回はピアが心配して捜査から外れるように助言するほど事件はオリヴァーの周囲で起こる。
相変わらずのページ数と長い人名と登場人物の多さでなかなか読み進まなかったが、結末としては謎が解けてスッキリした部分とあまりの身勝手さ残酷さに腹立たしい気持ちとが織り混ざる、シリーズお約束の読後感だった。
そして思うこと。オリヴァーは女性を見る目がない!元妻といい、元彼女といい。今回の彼女カロリーネはどうだろうか。上手くいくと良いのだが。
そして娘のゾフィアはこれまた元妻に似て厄介な感じ。これからも苦労しそうだ。
一方のピア。オリヴァーに代わり今回の事件の指揮を取っているがすっかり慣れたもの。たまにヒステリックになることはあっても上手くチームを率いている。そしてオリヴァー休暇中は後任として課長になることが決まった。
既に次作は本国で発売されているようだが、オリヴァーは不在で物語が進むのか、ピアはどんな活躍をするのか。訳者さんの予告によるとピアの家族にまつわる秘密が明かされるらしい。
※シリーズ作品一覧
本国での出版順なので日本語翻訳版の出版順とは違います。
(★はレビュー登録あり)
①「悪女は自殺しない」
②「死体は笑みを招く」
③「深い疵」★
④「白雪姫には死んでもらう」
⑤「穢れた風」★
⑥「悪しき狼」★
⑦「生者と死者に告ぐ」★
⑧ 本作 ★