酒寄進一のレビュー一覧

  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    冒頭、当番弁護士の感じが日本と同じだー、と面白かった。ドイツから学ばせてもらったんだったか。
    話自体も面白かった。孫との関係は正直要らんかなと思ったけど(映像化が意識されていそうなのは苦手)。ざ・ドイツ、というお話と思う。そんな法改正がなされるのも凄いと思うけど、その後に検討委員会が作られるのも凄いと思った。日本では前者だけで終わりそう。

    0
    2021年05月05日
  • 犯罪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。フィクションということだけど、実体験に基づいている話も多いのでは、特に「エチオピアの男」が実話に近かったら良いな、と思う。
    文章もすごく読みやすかった。原文もこんな感じなのかな。見倣いたい。

    0
    2021年05月05日
  • 刺青の殺人者

    Posted by ブクログ

    これでもかというほど主人公が苦難に見舞われる展開が続きお腹一杯になってしまう。蛍光タトゥーのさそりを全身に彫ろうとするサイケな形成外科医は、脳腫瘍によって人格変化しているのか、もともとサイコパスなのか。計画性に富んでいるように見えて、終盤では破綻の多い犯行となってしまっている。それが残念なところであった。

    0
    2021年05月04日
  • 咆哮

    Posted by ブクログ

    <弁護士アイゼンベルク>シリーズはタイトルしか存じ上げないが、その著者によるドイツ発の警察小説<ヴァルナー&クロイトナー>シリーズの第一作目。クロイトナーは傲岸不遜で独断専行型の不良警官だが、異様な強運の持ち主で、丹念な地取りを続けるヴァルナー警部を尻目に、常に美味しい場面を掻っ攫うという何とも独特の存在感を放つ。今作がデビュー作とあってか、荒削りで煩雑な印象は否めないが、巻を重ねる毎に洗練されていくのだろうな。脇役ではあるが、ヴァルナーの祖父の一癖も二癖もあるキャラクターも中々エキセントリックで面白い。

    0
    2021年04月04日
  • 悪しき狼

    Posted by ブクログ

    かなりダークだったわ。小児犯罪を扱ってるんだけど、結構食い込んでるわ。誰もが子供の時代を経験していて、弱い物に対する虐待、性的な興奮など、きちんと病気と受け止めて治療が可能なら治療するか、檻に入れてくれよ。被害に合ってる子供の年齢はかなり幼く、里親協会みたいな事業が仕入れ先という、かなりえげつない内容であった。このシリーズは人の心の闇を描くことが多いが、自覚のない悪事を利用した金儲けという、なんとも、死後は絶対に地獄行きという内容だった。オリバーがちょっとしっかりしてきた。主役なのになあ。

    0
    2021年03月29日
  • 夏を殺す少女

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて手に取ったら、タイトルに感じた印象とは正反対の凄惨な現実のミステリだった。期待値とは違ったけどそれはそれで面白かった。

    0
    2021年03月06日
  • 穢れた風

    Posted by ブクログ

    ページ数も多いけど、内容が濃かった。テーマは風力発電テーマパークにまつわる話。環境問題から、建設反対みたいな勢力はやっぱ沸いてくる。人物の1人の活動家は、以前いた会社で馘になり、恨みを晴らしたいだけ。パートナーの恋人は嘘で塗り固まれた人生にリセットしたく、表面上の敵のスパイをする。人間の欲望の渦が5周位ぐるぐる渦巻いてるが、あんまり最近こういう小説ってなくて、久々に面白かった。清い人間なんていないんだぜ。

    0
    2021年02月11日
  • デーミアン

    Posted by ブクログ

    はしがき
    第1章 ふたつの世界
    第2章 カイン
    第3章 悪人
    第4章 ベアトリーチェ
    第5章 鳥は卵から出ようともがく
    第6章 ヤコブの戦い
    第7章 エヴァ夫人
    第8章終わりの始まり

    孤独の克服、自己の探求
    ニーチェ、ユング心理学

    0
    2021年02月07日
  • コリーニ事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前情報なしで読み始めたので、そんな話だったのか!と驚き、あとがきで作者の出自を知ってさらに驚いた。
    知らないまま読めてよかった。
    知ったうえで読み返すと、最後のヨハナとライネンのやり取りがますます胸に迫る。
    淡々とした語り口なのだが、続きが気になってスルスル読めてしまう不思議な魅力を感じた。他の作品も読んでみたい。

    0
    2021年02月06日
  • 深い疵

    Posted by ブクログ

    独警察小説。オリヴァー&ピアシリーズ第三作。
    ユダヤ人殺害事件の捜査を進めるうちに、ナチス時代の殺戮事件に遡っていく。複雑で残酷な事件を追うことになるが、最後はほっとさせられる。

    0
    2021年02月05日
  • 漆黒の森

    Posted by ブクログ

    はあ長かった。ちょっと変わった感じのミステリ。ドイツっぽい、感じもしない。タイトルもあんま関係ない。都会で敏腕編集者として活躍していた女性が仕事と私生活でポシャリ、やっと見つけた裏山道企画のために田舎にやってくる。死体見つける。この人ごっそりいらなかった。話をわかりずらく、読みにくくしただけ。元々の田舎の閉鎖的な環境で起こった殺人事件を、内輪でやれば良かったのに。まあそれだと普通なのか?いや、人物などを掘り下げれば充分だと思うよ。デビュー作らしく、色々惜しい作品で、もう一回じっくり書き直せば素晴らしそう。

    0
    2020年09月18日
  • 犯罪

    Posted by ブクログ

    11編からなる短編集で、著者は屈指の現役弁護士であるドイツ人。本屋大賞を始めとした複数の文学賞を受賞した今作品は、自身の事務所で扱った事件を元に描かれているそう。いくつか心に残る話があったが最後の「エチオピアの男」に感動した。

    0
    2020年08月26日
  • 禁忌

    Posted by ブクログ

    文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として大成功をおさめたゼバスティアン。だがある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で逮捕されてしまう。捜査官に強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。緊迫感に満ち満ちた裁判で暴き区出される驚愕の真相とは。『犯罪』の著者が「罪とは何か」を問いかけた恐るべき問題作!

    被疑者の生い立ちをかなりのページを割いて書いているのはなぜなのだろうか。

    0
    2020年07月05日
  • 弁護士アイゼンベルク 突破口

    Posted by ブクログ

    ノイハウス等の名訳者、酒寄氏が訳しているので期待して読み始めた。なるほど、映像化され易いスピーディな展開だったし、嘘でしょ、と突っ込みたくなる程、調子良く進んで行った。軽く読めるエンターテインメント的ミステリー。

    0
    2020年05月27日
  • 犯罪

    Posted by ブクログ

    2012年本屋大賞(翻訳小説部門) 1位。全11編からなる短めの短編ミステリー集。全て同じ弁護士が主役。ミステリーといっても謎解き要素は少なく犯罪の裏側の人間模様や背景が焦点。淡々と無駄を省いて選び抜かれた言葉で語られる文体は魅力的。全編にただよう真実に関する曖昧さ妙に心地よいが結末の意味がわからんのも半分ぐらいあってちょっともやっとしすぎってのもある。最後のやつはなんか泣けた。良い話。

    0
    2020年05月24日
  • 犯罪

    Posted by ブクログ

    本屋大賞一位ということで、初めて読んだ。
    面白かった。

    刑事事件専門の弁護士の著者が語る「犯罪」。
    罪は、ときに救いようがなく、とんでもなく不可解で、あるいは何がいけなかったのかと、どこで間違えてしまったのかと思うような危うさの上に、淡々と揺るがずにのっかっているというか…
    大袈裟な表現もなく、ただ淡々と、嫌悪感も同情もすこし離れたところにおいたまま。
    不思議な読後感だった。
    味わったことのない、辛いとか甘いとかもはっきりしないような、うま味?のような満足。

    「序」にある、著者のおじがいう「物事は込み入っていることが多い。罪もそういうもののひとつだ」という言葉がストンと落ちてくる。


    1

    0
    2020年05月17日
  • 穢れた風

    Posted by ブクログ

     オリヴァー&ピアシリーズ。
     事件の謎解き以前に、探偵役の警察の皆さんがが大変なことになってる。むしろそっちの謎のほうが気になってしょうがない。
     オリヴァー……ほんとにお前どうしたんだよ。そして次巻への引きがすごい。どうなるんだオリヴァー。

    0
    2020年05月10日
  • カールの降誕祭

    Posted by ブクログ

    初シーラッハです。殺人犯たちの殺人にたどり着くまでのエピソードやその背景が淡々と描かれています。まるで、モノクロの短編映画を見るように、自然と映像が浮かび上がってきました。挿絵もすばらしい。物語を盛り上げる重要な要素になっています。

    0
    2020年05月06日
  • 犯罪

    Posted by ブクログ

    弁護士の著作。
    犯罪者の心理を、作家視線の感受性で捉えてる、っていう印象。
    こういう弁護士に出会えた犯罪者は救われる。
    カニバリズムの犯罪者は自ら機会を逃して殺人を犯してしまったけど。

    棘、の犯罪者の心理を繊細に描写していて、すごい弁護士!兼、作家さん!って感心した部分がある。

    エチオピアの男も救われて、読後感が良かった。

    0
    2020年04月07日
  • 死体は笑みを招く

    Posted by ブクログ

     オリヴァー&ピアシリーズの第二作。
     自然保護活動家が殺されるが、活動家は皆から憎まれていて、どうにもやはり殺される理由が多すぎる。

     シリーズを時系列で読まずに楽しんできたけど、
    事件ではなく彼らの人生において、この人がここで出てくるのか!という巻。面白いのはもちろんなんだけど、やはり時系列でよみたかったなぁ……と初めて思った。

    0
    2020年03月05日