村山由佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
物語のテンポが悪いと感じたのですが、これがおそらく著者の狙いなのでしょう。よく気のまわるタカハシや元気な美里ちゃんに物語の展開を引っ張っていく役割を割り振っていたら、ずっと軽快な物語になっていたのでしょうが、じっさいにこの物語の展開をみちびいているのは瞳子さんです。ときにうっとうしいくらい祐介に弱みをさらし、ときに祐介の心にずかずか踏み込んでくる彼女を見ていると、他人に甘えることと、心の強さ、たくましさとは、別のことではないという気がしてきます。彼女のカウンター・パートに配置されているのが、他人に甘えることも甘えられることもできない、登校拒否になった桜ちゃんのお母さんの智津子さんでしょうか。そ
-
Posted by ブクログ
ライフスタイリストとして活躍する妻と雑誌編集者の夫。裕福で満たされているように見える夫婦だが、夫の浮気をきっかけに自らの仕事や生き方を見直す女性の話。
カメラマンの澤田が後々、自分も元夫のようなことをしてしまうかもしれないし、言ってしまうかもしれない。だから些細なことでも話し合っていきたいってお願いするシーンは妙に刺さった。
夫の言ってることは本の中では違和感のあるメチャクチャな論理だが、自分も言ってしまうかもしれないし、言わなくても思ってしまうかもしれない。それがどんな意味を持つのか改めて自分に問いかけることになった小説だった。
ライフスタイリストって職業も、カメラマン、雑誌編集者、女優、ラ -
Posted by ブクログ
シリーズ6作目。毎回頭に前回までのあらすじが書いてあるから、間を空けて読んでも大丈夫なのがありがたい。
今回は花村のおじさんとおばさんが帰国し帰って来るところから、勝利が一人暮らしを始めるまで。
毎回ページを繰る手が止まらずすぐ読み終わってしまうのは、200頁弱という本編の頁数の少なさだけが理由ではなく、やっぱり先が気になるから!ということに尽きると思う。展開がゆっくりしていてなかなか進まないのもまた一興(笑)
本作は最後にマスターのサイドストーリーが付いていた。マスターとかれんとその両親が遭った事故についても書かれていて、当時から今に至るまでのマスターの気持ちを考えるととても悲しい気持ちに -
Posted by ブクログ
ネタバレ経営がワンマンであればあるほどに、なり得るブラック企業。
そして、そこで働いている人がまっすぐであればあるほど、気づかないうちに精神的に追い詰められていく環境。
知らないだけで、まだそんな会社があるんだろうなと思いました。
新卒で入社するとその会社が基準になり、組合がないことに疑問を感じなかったり、過剰すぎるサービス残業も周りがやっているから当たり前みたいになることを防ぐ手立てがないものかと思う。
この話の中で追い詰められた彼のような人が出ないような社会になって欲しい。
ワンマン企業、同族経営はブラック企業に陥りやすそうだなぁと個人的に思う。 -
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。ショーリの父に何が起きたか分かる回。結構びっくりな展開。
「人は自分よりすべての点で劣る者に恋をし続けることはできない」
ーーーなるほどなー。確かにそうかもしれない。夫婦間では恋とは異なるかもしれないけど、愛情も同じようなものかも。自分も日々成長するように努めなければと思った。
「相手を喜ばせることで自分も喜べて、自分の喜ぶ顔がさらに相手を喜ばせることができるとしたら、それはたぶん理想的な関係だ。だから僕らは贈り物をしあう。物を贈るという行為は、同時に「あなたがいてくれるから孤独じゃない」というメッセージを相手に送ることでもあるのだ」
ーーー贈り物の本質を考えたことはなかっ