大田直子のレビュー一覧

  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    合理的楽観主義。交換と専門化により集団的進化してきた人類は、今後も外的変化に適応して発展し続けるだろう。悲観的予測より楽観的予測がこれまでもこれからも正しいのは、知識の専門化とアイデアの交換で、発見や発明が枯渇することなく生み出され、益々、加速して行くから。

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    2013年12月29日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

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    教科書にない...

    月並みな言い方ですが、まさに教科書にないアメリカ史。
    建国以来の政治的中心(すなわち大統領)がどういう思想傾向を持っていたかがよくわかります。
    1巻は2つの大戦を中心に描いているので、ウィルソン、フーバー、ルーズベルト、トールマンといった人たちの描写が自分には新鮮でした。
    ただ相当リベラルよりの内容なので、当の米国では本書はどんな評価なのか気になります。
    TVシリーズも見たほうが理解という点では補助になりそうですね。

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    2013年11月07日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    未来はよくなる、絶対に。
    恥ずかしげもなく抜かしてしまったが、そう言いたくなるくらい、清々しい読後感だ。

    人類は「分業」と「交換」によって進歩し続けてきた。今後もそれは続くだろう。それどころか、ますますそのスピードは上がり、かつてない繁栄(!)がもたらされるだろう。

    著者の主張は、このことに一貫している。ドキドキするくらい楽観的だ。

    極端な悲観論者を、パオロ・マッツァリーノ氏が「スーペーさん」と呼んで茶化している。悲観論は後ろ向きになるだけで、いいところがないのだ。悲観論を打ち破り、楽観的になれ。実はそれこそが何よりも難しいことかもしれない。

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    2013年11月05日
  • 隠れていた宇宙(下)

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    量子力学、エントロピー、多宇宙論、ホーキング放射などなど宇宙論が多彩に展開。読んでいてワクワクする。脳が沸騰しそうなほど難解な論理だが、読書しながら遥かの宇宙に自分が漂っている気がするほどのリアリティがすごい!

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    2013年10月02日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    人類はなぜ他の動物に見られない繁栄を可能にしたか?”交換と専門化”というシンプルな仮説とともに、アダムスミス、ダーウィンの思想をベースに人類10万年の歴史を紐解く一大ドキュメンタリー作品。 生殖による生物学的進化と、交換による文化的進化の累積が繁栄を解く鍵となる。その発想はネアンデルタール人の絶滅にも言及する。現在は通信速度の発展に伴い、”交換”の加速がイノベーションの進化を促す。膨大な過去データの解析に裏打ちされた強固な信念を持つ筆者の未来予想図は合理的な楽観主義だと。なるほど~。

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    2013年09月21日
  • 隠れていた宇宙(上)

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    ひも理論と多宇宙、宇宙乗数、相対性理論。難解すぎて、笑っちゃうぜ。でも、読んでいて楽しい、夜空を見上げて「無限」な数の宇宙が「有限数」あることを思いワクワクだ。下巻も楽しみ。

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    2013年08月20日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    文字を画像として認識できても読めなくなることがある。aphasia。手話失語症なるものもある。言語って一体何なんだろうか。
    なぜ文字が読めるのだろうか。文字なんて人類の歴史の中でついさっきできたばかりのようなものなのに。

    。。。と、読み終わってから思ったが、そもそも文盲な人の脳ってどうなってるんだろうか。文字が読める人だと識字を担当している脳の場所って、一体全体どうなってるんだろうか。

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    2013年07月16日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

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    ニューディール政策の本質は何なのか、アメリカ国民にとってどういう意味があったのか?
    第二次世界大戦中にナチスドイツに対抗した本当の貢献者は誰だったのか?
    トルーマン大統領が選ばれる過程でいかなる陰謀があったのか?
    原爆開発者はどのような立場であったのか?
    原爆投下は如何に決断されたのか?
    その後の冷戦構造にどう受け継がれていったのか?

    日本人にとっても「語られてこなかったアメリカ史」を驚きを持って学ぶことができる。そしてそれは現代につながり、私たちのこれからの生き方につながっていることを強く意識させられる。

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    2013年07月02日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    「レナードの朝」で知られる脳神経外科医の近作。ある一方向のものがわからない、人の顔が見分けられない、ものは見えているのにそれが何なのかがわからないといった知覚喪失の世にも不思議な世界の物語。
    サックス自身も人を見分けるのが困難という相貌失認を抱えていて、これも初めて知って、びっくり。ただただ唖然。

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    2012年06月15日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    レナードの朝を見て作者を知りました。
    偶然友人がこの本を持っており、興味が止まらず購入。難しい内容かと思いきや、わかりやすく、自分に当てはまる内容もあったりしてスラスラと読めました。
    音楽と医療についての内容だけど、音楽を別のモノに当てはめても納得できる事が多くて、色んな嗜好を持った人が共感出来るなと思いました。

    良かったです。

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    2025年11月04日
  • 遺伝子は不滅である

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    ネタバレ

    『利己的な遺伝子』で一世を風靡したドーキンスの最新作。

    6章までは色々な生物を例に自然淘汰の家庭/結果を語ってくれて、ドーキンス自身の比喩も分かりやすく楽しかった。ナショナルジオグラフィックを見てるような、あの感じだ(笑)。
    しかし7章は特に面白いな。遺伝子とは個体の振る舞いだけでなく、個体がどれだけ行動の裕度を持つか(元から鳴き声を決めるか学習するか)まで決めてしまう。それをこそドーキンスは「延長された表現型」と語るのだけど、なるほど奥深い…。

    昔の生物学では「個体発生は系統発生を繰り返す」と語られ、それは後に間違いとなったらしいけれど、「個体発生は系統発生を内包する」くらいだったら意外

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    2025年09月23日
  • いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学

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    お金や時間がない欠乏状態は、無意識のうちに人間の処理能力を奪っていると言う事実に驚かされた。
    この本はまさにこの1つの大きな事実をたくさんの事例と共に詳しく説明しているものであり、少し冗長的であるかもしれない。ただ、この1つの事実が様々なことに繋がっていくところがとても面白い。
    結論に書かれているが、まず欠乏とは豊かさのときに土台が作られる。そして、スラックがなくなると突然現れるショックにより欠乏が訪れる。欠乏状態になってしまうと、人はトンネリングを起こし、大事なこと以外が見えなくなり、かつ処理能力が落ち、ジャグリング状態となって、欠乏の罠に陥る。
    こうならないためには、豊かさのあるうちにスラ

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    2025年09月15日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    「自分」ってあるのかな?っていうのを脳科学者が解説した本。
    なかなか読み進められず、並行読書してたばっかりに読み終えるのに時間がかかったけど、頭がスイッチ入ったらグッと読み進められた。
    自由意志ってあるのかが気になりすぎるので買ったけど、ないのかもしれない気になってくる。筆者が「意識はCEOであって、実は意識下にないところで脳の中で考えたり対立したりしてる部分がある。意識は脳が決定した結果を引き受けて、自分はこれがしたかったんだと言い聞かせたり、たまには辻褄合わせで話を作ったりしてる」みたいなことが書いてあって、なんか妙に納得できた。面白かった。

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    2025年08月30日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    イノベーションはゆるやかな連続プロセスだという(これの具体的な説明に、前半で多くのページが割かれている)。
    また、イノベーションはアイデアの生殖であるとも主張する。雄と雌が生殖の際遺伝子を交換するように、多様な人々が集う場所でアイデアが交換されるとき、イノベーションが起きる。
    更に、著者は人類史の大きなテーマは、「進む生産の専門化と進む消費の多様化の組み合わせ」と主張している。この両者の組み合わせの過程に、イノベーションが関わっているわけだ。
    このように著者はイノベーションの特質を明らかにしつつ、現在におけるイノベーション発展の課題(医療やバイオに関する過度な規制など)を鋭く指摘し、その打破な

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    2025年08月04日
  • 脳は世界をどう見ているのか

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    実に刺激的で面白い。物質の塊にすぎない脳になぜ知能が宿るのか。私たちの脳はある単位で「座標系」を持っており、それぞれが異なる評価軸により知覚/行動する=座標系の計算こそ知能の本質、という新説。現行AIの陥穽解決に向けた重要な道標。複製する分子に過ぎない遺伝子からの解放、という人類の「明るい」未来への提言。知的昂奮に脳が喜ぶ一冊。

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    2025年07月10日
  • 眠れる進化 世界は革新【イノベーション】に満ちている

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    進化論では、突然変異が起こって新しい特徴や能力を持つ生物が生まれた後、自然淘汰によって、その生物が繁栄したり絶滅したりする。このとき、突然変異と自然淘汰の時間的間隔は小さいと想定されるのが普通だ。適した変異はすぐに広がるし、そうでないものはすぐ消える。
    ところが、本書はそれに異を唱える。多くの生物の特徴が、進化によって誕生した後も長いこと「眠って」いて、その後に環境の変化によって繁栄を迎えたという。

    その根底にあるものの一つが、有用な変異すなわちイノベーションの容易さだ。イメージに反して、革新的な進化は容易に生じる。眼やカフェイン分子は、生命の歴史上、複数回“発明”されている。そのもとになる

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    2025年05月27日
  • 世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史

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    ガラスや冷房、光など現代になくてはならない発明の起源が書かれていて面白い
    食品の冷凍技術が少子化対策に繋がるなど、どの分野もバタフライエフェクトの如く発展している
    次の100年はどう描かれるのかなぁ

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    2025年05月08日
  • 善と悪の生物学(下) 何がヒトを動かしているのか

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    「若者が無謀である理由」「善と美が結び付けられる理由」「空腹感と優しさの関係」「コピーニューロンの持ち上げられっぷり」などなど、おもしろい話が山盛り。特に「善と美」が脳の同じ個所で処理されている話については心のへぇボタンが鳴りやまなかった。環境と遺伝と行動の相互関係こそが重要で、何か一つの要素だけに原因を求めることはできないというのも大事な話なので覚えておきたい。

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    2025年04月29日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    10年前と少し前の書籍だからか既知の事実もいくつかあったが、内容は面白かった。
    基本的には脳はリソースなどを効率よく、その人間にとって都合の良いように無意識が働いているという話だ。
    本の中で興味をひく話がいくつかあった。
    一つは人間の脳は進化によって賢くなっているのではなく、社会に適した方に進化しているという話だ。本質が同じ問題を出されても、実社会に絡めた文章にするだけで理解度が大きく跳ね上がる、という実験が紹介されている。本書ではこれは人間の心理は社会的問題を解決する方に進化しているとされていたが、社会的問題の方が普段触れる機会が多いため脳にそれを処理するプロセスが焼き付いているのではないか

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    2025年04月19日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    生成AI活用をする際に「意識」の理解は大切。本書はこれをさまざまな事例で分かり易く詳しく解説している。まずは手にとって読んでほしい。

    ## 『意識は傍観者である』読書メモ - 高校生向け要約版

    ### 1. 本の基本情報
    - **タイトル**:『意識は傍観者である』(文庫版『あなたの知らない脳』)
    - **著者**:デイヴィッド・イーグルマン(脳科学者)
    - **テーマ**:脳の95%は無意識で動いている!意識は「後付け説明係」

    (例)スマホの通知→手が勝手に触る→後から「自分が触ろうとした」と錯覚する状態

    ### 2. 脳の驚きの仕組み
    #### (1) 時間差の謎
    - **実験結果

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    2025年03月29日