大田直子のレビュー一覧

  • いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学

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    時間の欠乏と貧困は、それを生じる環境、仕組み仕掛けに囚われているから起こる。単純にマインドセットを変えれば済むという話ではない。
    これはの人は、視野狭窄であるトンネリング、次から次の問題には翻弄されるジャグリングに見舞われる。それを回避するには、スラック、つまり「余裕」を持たせることである。
    その「余裕がない」が当人の言い訳であるが、トンネリングの人は置かれた状況を是としているので改善方法に気付かない。深夜までフルに使っても手術をこなせない病院での例では緊急用の手術室を一つ開けるという手法をとったが、関係者は全員反対したという。
    結局のところ、本書は万能薬ではない。しかしながら問題を解くための

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    2015年08月01日
  • 見てしまう人びと 幻覚の脳科学

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    見てしまう人びと、やばい人の話っぽいタイトルであるが、医学的にはよく知られた幻覚について、書いた本です。患者の体験をいきいきと描くのが、オリバーサックスさんのスタイルで、この本でもそれが生きていると思います。著者自身が見てしまう人びとだからか、自身の体験が多く出てきますが、僕自身は、熱が出ても何も見えないし、寝たり起きたりしても何も感じないし、宗教も信じない人なので、脳疾患の人々以外の部分に関して、これほどあるのかな~と疑問を感じました。脳のメカニズムに関して、一部記載がありますが、手紙などからの体験が多く、もう少し脳について語ってほしい気はしました。

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    2014年11月18日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    以前からこの本のハードカバー単行本を書店で見かけ、気にはしていたのだが、突然文庫化されたので早速買ってみた。
    著者は「レナードの朝」で有名な脳神経科の臨床医で、ここでは音楽にまつわる様々な脳現象(音楽が頭から離れない神経症的状況とか、脳の損傷の結果音楽が意味あるものとして把捉できなくなるといった症例とか)を豊富に列挙しており、音楽現象の一面として、興味深い。
    ただし、著者は臨床医としての誠実さから、「わからない」ことはわかったように書かないため、諸事象の根本的な理由、その解釈が、読者には呈示されない。
    その辺は興味本位で読んでいる我々にとってはちょっと不満である。解釈のほどこされない諸現象が列

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    2014年10月19日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    オリヴァー・サックスは、ぼくが脳神経学に興味を持つきっかけになった「妻を帽子とまちがえた男」の著者。
    一般的には、「レナードの朝」で有名。

    本書では、脳に障害を抱えた人たちを音楽の視点からみている。

    脳の障害が様々な困難を引き起こすにもかかわらず、音楽的な能力は損なわれず、むしろ、向上するケースがあることを具体的な患者との関わりを挙げながら、説明していく。

    いつものかんじではあるけれど、ぼくに音楽の知識がないせいか、するすると読み進めることができなかった。

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    2014年10月17日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

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    ネタバレ

    オリバーストーン監督による輝かしいアメリカ史の裏側。冷静な目でそのときアメリカはどうだったのかについて書かれています。この1巻では2つの世界大戦と原爆について。冷静なアメリカ人の目線の内容があり、今までの日本人としての目線で見ていたものに新しい気づきを与えていただけました。とはいえ、おおよそ想像のついた刺激のある話ではありません。今まで言われていたことに確信が付け足されたような形です。敢えて言うなれば、これをアメリカ人が書いたということは驚きでした。

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    2013年11月29日
  • 繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史

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    過去は現在よりも良き時代だったのか。

    昔は・・・から始まる千年前から言われている定型句。

    昔は電話やメールもなく、人と人との結びつきが強くて、料理は下手な化学調味料がなく素材の味を楽しめた。
    山に行けば、手つかずの自然。
    海に行けば、ごみひとつ無いエメラルドグリーンの美しい海。。。

    ちょっとまってほしい。
    病気にかかれば、薬はなく、黒死病にかかればほぼ間違いなく死ぬし、農耕は辛いし、重い納税が毎年課せられる(今もか・・・)。

    どうも人間は過去を美しみ、将来を悲観する傾向にあるようだ。
    悲観論書は、将来は石油がなくなり、人口が飽和し食物を争い、水は汚染され気温が上昇し海水面が上昇し人間の

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    2013年09月19日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    視力にまつわる医学エッセイ。
    「みる」「読む」ということが、いかに精妙複雑な働きで成立しているかを教えられる。
    反射した光を感知するだけでは駄目なのだ。それを「認識」できなければ意味はない。
    りんごを見たとき、脳内で抽象化された「りんご」という概念と結びつけられなければ、その人はそれをりんごとして見ることすら出来ない。「紅くて丸いの」だ。
    物の特徴を抽象化して分類することができなければ、隣の人の頭をスイカだと勘違いしたっておかしくはない。
    むしろ人の顔を見分けるのすら高度なワザに思えてしまう。

    立体視の素晴らしさについての体験記はとても心を打つ。
    雪の一ひら一ひらのなかに身を置く自分を実感す

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    2013年06月15日
  • 心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界

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    「レナードの朝」で知られる、脳や神経と知覚・認識に関する権威オリヴァー・サックスの近刊。相貌失認症や失読症などの脳の特定部位の損傷が原因となる特異な認識の障害を症例を基に紹介し、いかに脳がこの世界をとらえようと働いているかを探る。
    興味深い内容だが、しかし専門用語が頻出し(心像とかオクルージョンなど)、文体が学術的になりすぎているきらいがあるので、ワタクシのような門外漢が所謂怖いもの見たさで読むには、読物的な盛り上がりに欠ける。
    そもそもそれを狙った書ではないのだろう。
    ともあれ、脳はやはり人類最後の秘境なのかも知れない。

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    2012年02月26日