大田直子のレビュー一覧
-
購入済み
やや悲観的に
の著者の以前の作品 例えば「繁栄」等では、楽観主義的な思想 見込みを披露していたが、この著書では、やや悲観的な調子が目立つ。印象に残った箇所として下記が挙げられる。
11% 不安定な自給自足から、より安定した相互依存へ
イノベーション アイデアの発明ではなく、実用化。手頃な価格で現実に使えるようにすること。
原子力は、イノベーションに必須の「試行錯誤」が大変に困難なので、進歩できない。
発明やイノベーションは、理解されるより先に使われることが多い。
理論付は後付。
人びとが長期的な影響を過小評価するというイノベーションに関する重大な真実の好例
家畜化による遺伝子の変化は、犬や牛にみられる以外に、ヒトにも見られる。
基礎研究はそのままでは役に立たない。
イノベーション 工学を経由して初めて役に立つ。先に実用化が成功して、それから原理を研究するという逆転研究も実に多い。
イノベーションの敵は「既得権」。だから大企業や政府はイノベーションできない。
反イノベーションを金儲けのネタにしているグリンピースのような団体がある。この団体はイノベーションから直接利益を得られなくても構わない裕福な人々が運営している。いわゆる世田谷自然左翼。
既得権益を守ろうとしてイノベーションが遅れた代表例として携帯電話がある。
既得権益を守ろうとしてイノベーションが他国(中国)で起こり、たち遅れた代表例としてドローンがある。
西側諸国では、安易で安逸な安定をのぞみ、停滞してゆく。 -
Posted by ブクログ
【感想】
いつも時間がない、時間がないと思いがちだったけれども、
時間がないと言う欠乏性に陥っていることに気づかされた。
特に、身体の疲れにより休息が必要と同じように、精神的にも消耗したときに回復を必要とするというのは心に残った。
育児はまさにこれ。
あと、今まで貧困は金銭面しか考えていなかったけれども、
心理的状況や処理能力まで目を配ると言う事はなかった。これも新発見。
【心に残ったところ】
・ひとつのことに集中するということは、ほかのことをほったらかしにするということ。
・欠乏とは、自分の持っているものが必要と感じるものより少ないこと
・欠乏は人の心を占拠する
・欠乏状態とは、失敗できる余裕がないことだけではく、失敗する場面が多い。
・だから、スラックがあることは、豊かさを感じられ、心のぜいたくにも感じる。
(大きなスーツケースに物を詰める時、トレードオフになっていることにすら気付いていない)
・トンネリングは、トンネルの内側のものが鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺のものは何も見えなくなる視野狭窄の状態。
・トンネリング(差し迫った欠乏時に起こす。
例:借金を重ねることなど)を起こし、ほったらかしにし
・ジャグリング(緊急の課題を曲芸並みに次々とやりくりすること)によって欠乏の罠に陥る
・スラックをもとう(ショックをやわらげるくらい)
・本人の意思の問題ではなく、欠乏マインドセットを知り欠乏の罠を避ける方法、やわらげる方法を
・ダイエット、孤独感、借金なども欠乏マインドセット
・処理能力に負荷がかけられると、衝動抑えるのは難しくなる。
(控えたいケーキを食べることや、言うつもりのない言葉を口走るなど)
・自分が孤独になると思い込んだ人は2倍近くたくさん食べている。
他には脂っこい食べ物の摂取量がかなり多い。
★貧困は物質的は状況に重点が置かれがちだが、心理的状況、処理能力にも目を向ける必要がある
(よく眠れていない?頭をきちんと働かせるのが難しい?気が散りやすい、動揺しやすい?そんなことが毎日起こる?)
・圧倒的に1番多かった答えは時間。(中略)
もっと自由な時間が欲しいのだ。
人は身体的に疲れきって休息を必要するのと同じように、精神的にも消耗するので回復する必要がある。
ところが欠乏が長引くと処理能力の負荷は蓄積されがち。
-
Posted by ブクログ
人類が交換と専門家により繁栄してきて、そしてこれからも繁栄は続いていく。
世界は絶望に向かう悲観論に注目されがちだがこれまで予測されたものは大きく外れている。
むしろ予測に反して世の中は良くなっており貧困や病気、環境問題、エネルギーなど改善されてきている。
少し楽観的な主張は強いと感じたが全体的に世界が良い方向に向かっているのは間違いないと思う。
昔は良かった,というフレーズはここ最近ではなく何千年も前から言われているが、実際全体の数字で見ると世界の問題は確実に解決されてきている。
人間は昔(というか恐らく自分が若い時代)とネガティブ論が好きなだけでそれに現実的で数字や根拠を用いてツッコミを入れている本。 -
Posted by ブクログ
「時間がない」「お金がない」などの欠乏(◯◯が足りない)とその影響を解説した本。貧困の解説が多い。欠乏によって頭の中がいつもその事にとらわれ処理能力が低下し、肝心の欠乏を引き起こしている原因を解決するのが難しくなる負のループに入ることが解説されている。時間がない場合は最悪すべてのスケジュールをドタキャンして断ってしまうこともできるが、貧困でお金がない場合は何も手放すことができない。そのため貧困の欠乏の負のループは脱出が難しいという。
欠乏とそれによる処理能力の低下は新しい視点でとても参考になった。豊かな内に欠乏状態にならないように対処することと、処理能力は筋肉のように疲れると落ちるものであるという点はこれからの生活ですぐに役立てられるところ。 -
Posted by ブクログ
これまでの考え方を変えてくれる良書 私たちが自分だと思っているもの(意識)は、自分の全体の中のごく一部であって、残りの大部分は水面下に隠れていて意識に上がらない、高度に自動化されたプログラム(無意識)で処理されている。
そして意識はそこにアクセスできない。極めて重要なためアクセスするとうまくいかなくなる。
自分の見聞きするもの、やること、考えることすらも預かり知らない脳の活動で決まる!
やろうと考える前から神経伝達が起こっている→意識が動かしているのではなく、自動プログラムの神経伝達によってやろうと言う考えが浮かんでいる!
盲点の試しが印象的! 黒点や穴が見えるのではなく、脳が作った背景が見える→脳のプログラムに見せられているだけ!
脳の中の様々な意見の対立によって、最終的な意見が決まり、自分が変わる。それを調整するのが意識であり、マウスなどはそれができないので意識は無いと考えられる。
それらの異なる意見は全て、本当の自分!→多重人格
還元主義(大きいものは全て小さな要素に分けることによって理解できる。)では、脳と心の関係を説明できない。それは創発特性(たくさんのパーツと要素を組み立てると、新たな特性を持つ)による。
→心はパーツの完全性に左右はされるが、パーツと「同格」ではない。
脳は外部環境や社会と相互影響をうけている→私たちの定義はどこからどこまでなのか? その濃度の最も高い脳は、山頂であって山全体ではない。
脳はラジオのようなもの。よそからの信号を拾っている受信機であって、そうするためには神経回路が整っている必要がある、という可能性がある。
人間は、遺伝と環境の両方によって形成される。自分では選べず、カードが配られるだけ。
脳により人格は形成され、化学物質のやりとりで全て決まる。
-
Posted by ブクログ
難しい内容を下手にカタカナ言葉を使わずにわかり易く書いている。
幻視、疾病失認なる症状を例から理解出来た。し、全く違うことではあるが自分の思考パターン、物の見方を振り返るきっかけにもなった。
脳の構造、癖を識ることは日本で言えば刑法39条さらに人工知能などを知る上では必要な内容ではないか。
”脳の回路について発見が増えれば増えるほど、答えは甘えや意欲の欠如や自制心の不足に対する非難から遠ざかる”
これ、それでもわからない人にはわからないんだと思う。
てんかんが悪魔の憑依ではなくなったのは良いけど、歴史上の勇敢な行いも病気とされるのは正しい事実なのかもだけど悩ましい。 -
Posted by ブクログ
合理的楽観主義者の本は読んでいて明るい気持ちになれる
そして、分業と専門化、それを支える信用は最近考えていたことが言語化された感じがして面白かった。
発展した場所は必ず規制と保護主義の温床になるので次の自由、資本、知識が流動化している場所に飛び込むことが大事だと思わされる本
ーーーーーーーーーーー
- 人類は分業と専門化によって発展してきた。
- 分業と専門化には信用が必要で、利己主義になりすぎると継続的に分業ができなくなるため、継続的に取引が行われる場合に人間は礼儀正しく振る舞う。
- 知らない相手との分業に役に立つのが、貨幣と国家による法律の設計。法律によって、完全に見知らぬ他者を信用して分業が可能になる。
- この信用が発達した結果、銀行業というシステムが生まれ、貨幣領域において信用が信用を生むサイクルができた
- イギリスは工業の勃興期に自由貿易を推進する人間が首相になった、これにより分業が爆発的に広まり急激な経済発展が起きた
- 逆に保護主義は分業を止め、貧困に陥る
- 自由、資本、知識が十分に流動化する場所には機会が溢れており、才能が集まる
- 具体例は以下
- ここ30年のシリコンバレー
- 戦後の日本
- 産業革命期のイギリスで
- 発展した後は、そこで蓄えられた資本を守ろうとするインセンティブが働き、大企業優位な規制が蔓延し保護主義になる
- それが発展を止める
- 一方で、知識も分業が起きている。特に、テクノロジーは既存のテクノロジーを組み合わせるが、部分の総和より大きい全体となる。
- 車を社会実装したヘンリーフォードは自分は何も目新しいものを発明していないと認めたことがある
- イギリス人はモーターと発電機を発明したマイケル・ファラデーを褒め称えるが、そのアイデアの半分はデンマーク人のハンス・クリスチャン・エルステッドに負っている
- アメリカ人はエジソンが白熱電球を開発したと学ぶが、実際はイギリスのジョセフ・スワンやロシアのアレクサンド・ロディ人などの商業的に成功しなかった先人の功績である
- 分業の規模は市場の規模に応じる
- 世界の貧困が減少しているのは世界規模での分業が発展してきているからである
-
Posted by ブクログ
経済学者と心理学者が共著した行動経済学の本。
欠乏は心を占拠し、その対象のことをいつも頭のどこかで考えることになる。心の中の一部が占拠されることで処理能力が落ちる。処理能力が落ちるとへまをする。これは著者によるとバックグラウンドで開いているプログラムのせいで処理速度が落ちたパソコンと同じ状態らしい。
そして欠乏は新たな欠乏を生み出し、深みにはまっていく。
その負の連鎖を裁ち切るには「想定外」に対応する時間やお金をあらかじめ「計画内」にいれておくといいらしい。本の中ではこれはスラックという言葉で表現される。
負の連鎖を人間の意志の力で断ち切るのは難しいので、外的な仕組みを作ることが大切なのだそうだ。 -
Posted by ブクログ
「HALLUCINATIONS」不思議の国のアリス症候群は知識として持っていたけれど、脳の機能として(脳を誤情報が通過する際の間違えとして)要塞スペクトルというのが走ってしまうという事が脳に予めインストールされているというのは驚いた。私は予期発作の前兆として輪郭の極端なまでの強調が「嫌悪」と同調して起きる。この本には様々なHallucinationsの事例として独立した「幻覚」と感情を伴う「共感覚付き幻覚」(通常、人が見る夢は大半が感情と接続されている)が大量に事例が上がっており、私のこの輪郭強調と嫌悪の共感性は「そういうものなのだ」とやっと納得出来た。また、私は長年の睡眠障害(昨年、非24時間睡眠覚醒症候群だとついに解明しほぼ全ての睡眠の苦しみから開放された)から文中にあるマイクロスリープが余りにも多く、数こそ少なかれどこれも文中にあるとおり「あまりの強烈さに一度経験しただけで忘れる事が出来ぬ」激烈さを持って体験した事が出眠時幻覚(激烈なる恐怖と嫌悪の共感覚付き)であったことが分かってこれも良かった。また、幼少時に限った際に数度起きた数字が指数的に積み上がっていて宇宙の秩序を破壊してしまう恐怖を伴う譫妄(私の場合は宇宙ではなく子供なのに「借金」のようなものとして解釈した)が「算数譫妄」という用語としてズバリそのまま出てきたことに大変に驚いた。こんなマニアックで説明し難い体験が世界中で起きてるとは言わなくても、ままある譫妄の一つ、少なくとも類型化可能な程度にはよくある、ということが判明するこの驚き。私が頭を二度打っている事は私の人生には何か影響があったのか、これはもはや分かりそうにないけれど若干に興味が湧いた。一つは7針の大怪我で、特にもう一つ気になる方は外傷こそないが私はただ普通に立ったままで、走り込むように近寄ってくる母、救急隊に促されるままに横になる自分を非常に冷静に感じており、何一つ問題が起きていないのに、家族の中では「大事故」、私の中では「遊び」という食い違いが起きた頭部への衝撃だ。私は間違いなく「自分の意思で喋られない・応答しないことを選んだ」確信があったが、母曰く、私が頭部CTやらMRIやらの画像を指差して「それは誰の頭?」と私が言い出すまでの時間は地獄のような恐怖だったらしい、私は今でも頑なに「自分で喋らないことを選んだ確信がある」が、本文中にはこのような客観的に誤った状況についてどれだけ理性的に説明し場合によっては状況を本人が理解しても本人が頑なにそれを認めない状況が繰り返し登場する。私の場合はどちらだったのだろう?これだけは本書を読んでも最後まで謎が解けなかった。不思議の国のアリス症候群についてはもう慣れたので別に良い、害は無い。本文中のシャルル・ボネ症候群と同じなのでこれも実に体感としてよく分かる。本書はある意味「幻覚=精神異常者」との偏見修正との戦いの一冊でもあると言える。人間には四肢が予めプリインストールされており、人間の脳にはどれだけ理性的に思考しようとも贖い難い確信(決定的肯定)・恐怖(回避不能な嫌悪)の決定機構が備わっており、その他ありとあらゆる脳の生理学的な現象が、芸術・一般的に受け入れられやすい模様・更には幽霊・天使・悪魔・ドッペルゲンガー・臨死体験・神そして宗教を形作っていることが読みとれ、実に面白かった。そしてそれは前述の贖い難い確信・恐怖の決定機構から、一度こうだと自分で「分かって」しまえばそれは容易には覆られず、これが人間の数千年に渡る宗教制度を形作り、ジャレド・ダイアモンドやユヴァル・ノア・ハラリの云う「共同幻想」という人間の大反映を決定的にした機構なのかもしれない(それは偶然獲得したものなのか、何か必要に迫られたのか、これは進化論や進化心理学更には考古学が関わってくる為更に解明は困難であろう)。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ私たちは意識に基づいて、意思決定していると思い込んでいる。しかし、実際には意識というのは、脳が超高速で複雑な処理をして出力された結果に過ぎない。
脳は五感に基づいて経験を豊かにする。しかし、その一つが欠けたとすると、その瞬間に世界は今までより豊かでなくなる。そこで、感覚代行というものがあり、視覚が失われた人が触覚を通じて世界を理解することが可能になる。途方もない腦の学習が必要になるが、言語感覚で理解できるようなるらしい。
私たちの営みにはアクセスできない。理性と本能という二つの背反するグループが私たちの意思決定に大きく関わっている。どちらの意見が取り入れられるかはその時々の状況による。神経脳科学を駆使して私たちの脳を解明していくが、最近では法学にも関係性が出てきた。