【感想・ネタバレ】あなたの知らない脳 意識は傍観者であるのレビュー

あらすじ

私たちの行動をコントロールしているのは「自分の意識」ではなかった! 例えば衝突の危険をはっきり認識する前に、足は車のブレーキを踏んでいる。脳はたいてい自動操縦で動いており、意識は遠いはずれから脳の活動を傍観しているにすぎないのだ。だが、自覚的に制御することができないのなら、人間の行動の責任はどこにあるのか? 意識と脳の驚くべき働きを明かす最新脳科学読本。『意識は傍観者である』改題文庫化。

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Posted by ブクログ

瀬木先生の本読んで参照されてたから読んだ。意識が働くより先に脳が動いてる。これどう考える?自己決定とかを大切にする私たちは。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

難しい内容を下手にカタカナ言葉を使わずにわかり易く書いている。
幻視、疾病失認なる症状を例から理解出来た。し、全く違うことではあるが自分の思考パターン、物の見方を振り返るきっかけにもなった。
脳の構造、癖を識ることは日本で言えば刑法39条さらに人工知能などを知る上では必要な内容ではないか。
”脳の回路について発見が増えれば増えるほど、答えは甘えや意欲の欠如や自制心の不足に対する非難から遠ざかる”
これ、それでもわからない人にはわからないんだと思う。
てんかんが悪魔の憑依ではなくなったのは良いけど、歴史上の勇敢な行いも病気とされるのは正しい事実なのかもだけど悩ましい。

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2023年05月21日

Posted by ブクログ

脳神経学の本を読んでいたつもりだったのですが、最後は哲学書を読んでいる気がしました。
どちらも、人間とは何か の根源を探るものだからでしょうか。
脳は知れば知るほど、分からない …無限なもの…
宇宙だなと思い知る本でした。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私たちは意識に基づいて、意思決定していると思い込んでいる。しかし、実際には意識というのは、脳が超高速で複雑な処理をして出力された結果に過ぎない。
脳は五感に基づいて経験を豊かにする。しかし、その一つが欠けたとすると、その瞬間に世界は今までより豊かでなくなる。そこで、感覚代行というものがあり、視覚が失われた人が触覚を通じて世界を理解することが可能になる。途方もない腦の学習が必要になるが、言語感覚で理解できるようなるらしい。
私たちの営みにはアクセスできない。理性と本能という二つの背反するグループが私たちの意思決定に大きく関わっている。どちらの意見が取り入れられるかはその時々の状況による。神経脳科学を駆使して私たちの脳を解明していくが、最近では法学にも関係性が出てきた。

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2021年04月29日

Posted by ブクログ

私とは誰なのか、どこまでが私なのか、生まれか育ちか、責任とはなんなのか、さまざまな問いに対して、脳を起点に今までとは違った視点を提供してくれる良著。
この本を読む前と後では物の考え方、見方が変わってしまう。

脳は我々がアクセスできない部分が大半であり、日常生活の様々な活動は、我々が意識しない(したくてもできない)、アクセスできない脳によって行われている。

酔っ払った状況で吐いた暴言はその人の本心なのか?
魅力を感じる仕組みとは?
社会として犯罪とどのように向き合っていくべきなのか?

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2021年02月03日

Posted by ブクログ

この本の素晴らしさは(訳者あとがきでも触れられているとおりなのですが、)「脳って不思議でおもしろいですね~」で、終わらないところにあると思います。
錯覚や認知バイアスを説明するコンテンツは多くありますが、それらは「ある」と知り意識してもなお、逃れることができないから困るし不思議なんですよね。本書はそれこそが『意識は傍観者である』ためだと言います。我々が自分で判断したと思っているもの、いやそれ以前に確かにこの目で見たと思っているものすら、1,300gのプヨプヨした臓器の中で作り出された単なる幻影であり、我々の「意識」は、それが万端にできあがってから、まるで新聞のように受け取っているだけ。なんともショッキングな話ですが、それを裏付ける実験や調査、事故事象が豊富に紹介されています。どれ一つを取っても驚くエピソードで、面白いです。
そして筆者はその見地から、現代の犯罪と法律に切り込みます。これは非常に考えさせられる問題提起であり、ぜひ読んで頂きたいです。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

『意識はいつ生まれるか』の後に読んだのだが、この本は無意識下の脳の働きの世界に切り込んで、人間の行動、思考を見つめる。むしろ意識はその表面に浮きでたごく僅かな灰汁の様な扱いかただ。
 こうなってくると、今いる自分の存在自体が、自分の意思や鍛錬で出来上がったものだなどという自負は砕け散り、“そんなら好き勝手に生きてやれ!”という気持ちにもさせるが、これもまた、このデイビット・イーグルマンの主張に対する私の無意識の反応が関わっている。ということでもある。
 
 

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2020年06月07日

Posted by ブクログ

ここ数年で一番興味深い本であり、是非一度手に取ってみて欲しい。一見、難しそうな内容であるものの、和訳もわかりやすく、読み進めると非常に衝撃的だ。
合わせて、ハヤカワノンフィクションの『ファスト&スロー』ダニエル・キイス文庫『24人のビリーミリガン』も読みたい。

あらゆる行動は、自分自身で決断していると思いがちであるも、過去人類の遥か祖先から踏襲した遺伝子の型と、生まれて以来蓄積されて来た経験、膨大なデータに対し、そのごく一部にアクセスすることが出来るだけであり、それを無意識のうちに選択した結果と言うこと。

その膨大な遺伝子、経験は通常、意識することなく脳に蓄積されているのだと。
(トラウマの正体であり、夢を見る原因であり、酒を飲むと素面では言わないような事を口走る理由...)

『すべての大人には正しい選択をする同じ能力があると考えたがる人が多い。すてきな考えだが間違っている。
脳は人によってまったくちがうものになりうるー―遺伝だけではなく育った環境にも影響されるのだ。』

『私たちには自分の行動、動機、さらには信念を、選択したり説明したりする能力はほとんどなく、舵を取っているのは、無数の世代にわたる進化的淘汰と生涯の経験によってつくり上げられた無意識の脳である。』

どうやら、遺伝子の型を調べればその人の不倫のしやすさ、凶悪犯罪の可能性等の行動パターンを類推することが可能でもあるようだ。

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2019年02月24日

Posted by ブクログ

「自分」ってあるのかな?っていうのを脳科学者が解説した本。
なかなか読み進められず、並行読書してたばっかりに読み終えるのに時間がかかったけど、頭がスイッチ入ったらグッと読み進められた。
自由意志ってあるのかが気になりすぎるので買ったけど、ないのかもしれない気になってくる。筆者が「意識はCEOであって、実は意識下にないところで脳の中で考えたり対立したりしてる部分がある。意識は脳が決定した結果を引き受けて、自分はこれがしたかったんだと言い聞かせたり、たまには辻褄合わせで話を作ったりしてる」みたいなことが書いてあって、なんか妙に納得できた。面白かった。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10年前と少し前の書籍だからか既知の事実もいくつかあったが、内容は面白かった。
基本的には脳はリソースなどを効率よく、その人間にとって都合の良いように無意識が働いているという話だ。
本の中で興味をひく話がいくつかあった。
一つは人間の脳は進化によって賢くなっているのではなく、社会に適した方に進化しているという話だ。本質が同じ問題を出されても、実社会に絡めた文章にするだけで理解度が大きく跳ね上がる、という実験が紹介されている。本書ではこれは人間の心理は社会的問題を解決する方に進化しているとされていたが、社会的問題の方が普段触れる機会が多いため脳にそれを処理するプロセスが焼き付いているのではないかと思う。実際本書の中でも何回も繰り返すことで脳にプロセスを焼き付かせて無意識に実行できるようになるという話がある。社会的に関心のあるものの方が脳にインプットされやすいように進化している、という意味では筆者の意見にも賛同できるものである。
また、人を決定付けるのはその人の遺伝、環境、神経回路であってその人の意志ではないと本書では主張されている。犯罪を犯したとき、その人は非難に値するのかを問題とする章が存在する。私も同じような考えを持っていて、犯罪を犯した人は周りから非難されるが、自分自身がその犯人と同じような経験、環境で育っても罪を犯さないとなぜ言い切れるのだろう? 人間の心理というのはその人の環境、遺伝で大きく変わってしまう。自身が犯罪者の立場になることができないのに、なぜ人はそう傲慢になれるのか。昨今の社会的制裁や私刑を見ていてそう思わざるを得ない。犯罪を憎しみ報復をしたいという衝動は自分にもあるので気持ちは理解できるが、今後その者をどうやって更生させるかということ、そして同じような犯罪が起きないためにどうすればいいかを考えていきたい。
中にはいくつか眉唾なものもあった。例えば名前がJから始まる人は同じく名前がJから始まる人と結婚する確率が高いというものだ。日本ではそんな話を聞いたことがない。山田さんは山田さんと結婚する確率はJのそれよりはるかに高いということになってしまうがそんな事実はない。これを潜在的自己中心性と述べられているが、これには他の要因が入っているのではないかと想像する。
色々と長く書いてしまったが、内容としては脳の無意識についてまとめられた良い本だったと思う。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生成AI活用をする際に「意識」の理解は大切。本書はこれをさまざまな事例で分かり易く詳しく解説している。まずは手にとって読んでほしい。

## 『意識は傍観者である』読書メモ - 高校生向け要約版

### 1. 本の基本情報
- **タイトル**:『意識は傍観者である』(文庫版『あなたの知らない脳』
- **著者**:デイヴィッド・イーグルマン(脳科学者)
- **テーマ**:脳の95%は無意識で動いている!意識は「後付け説明係」

(例)スマホの通知→手が勝手に触る→後から「自分が触ろうとした」と錯覚する状態

### 2. 脳の驚きの仕組み
#### (1) 時間差の謎
- **実験結果**:指を動かす「意識」より0.3秒早く脳が活動開始
- **現実**:脳が決断→後から意識が「私が決めた!」と勘違い

(例)テストで迷った問題にチェック→後から「直感で選んだ」と記憶が修正される

#### (2) 脳内会議説
- **比喩**:脳を「国会」に例える
- 無意識:各議員(神経細胞集団)の議論
- 意識:首相官邸の広報官(結果だけ報告)

(例)「アイス食べたい」という衝動は、甘味・体温・記憶など複数の脳領域の調整結果

### 3. 赤ちゃんの脳発達
#### 学習のゴールデンタイム
- **0-2歳**:神経回路が毎秒180万個形成
- **「高い高い」の効果**:
- 視覚(上下移動)+体感(重力)+聴覚(笑い声)を統合
- 1回で5,000個の神経接続強化

(例)積み木遊び:形の認識+手指の制御+重力予測が同時学習

#### 危険なケース
- **刺激不足の影響**:
- 言語理解エリアが30%未発達
- 感情制御が困難(キレやすい等)

(具体例)従兄弟のケース:要求しない赤ちゃん→神経の「飢餓状態」→認知機能が育たず

### 4. 意識のトリック
#### (1) 時間編集機能
- **脳のズル**:出来事の順番を後から変更
- 例:野球のバッティング時、実際より0.5秒早く「ボールを見た」と錯覚

#### (2) パターン過剰認識
- **生存戦略**:曖昧な状況ですぐ「敵の策略」と判断
- メリット:危険回避優先
- デメリット:誤解が生じやすい

(例)森で物音→「熊かも」と即判断(実際は風の場合が多い)

### 5. 面白い症例集
#### (1) トゥレット症候群
- **特徴**:意思と無関係な動き(まばたき過多等)が出る
- **脳の原因**:運動制御回路のショート状態

(例)「ドアノブ触りたい」衝動→手が勝手に動く→後から「触ろうと思った」と解釈

#### (2) 盲視現象
- **不思議**:目が見えなくても障害物を避けられる
- **仕組み**:無意識の視覚回路が活動

(例)暗闇で物にぶつかりそう→無意識に体が反応

### 6. 意識の本当の役割
#### 3つの主要機能
1. **社会対応**:他人との協調行動
(例)空気を読んで発言を調整)
2. **物語作成**:バラバラな情報をストーリー化
(例)夢の内容を後から整合性付ける)
3. **学習支援**:重要な経験を選別
(例)テストの失敗を強く記憶)

### 7. 実生活への活用法
#### (1) 学習のコツ
- **無意識活用**:睡眠前の復習→脳が整理しやすい
- **運動連動**:英単語を書きながら発音→複数感覚で記憶強化

#### (2) ストレス対策
- 「悩みの90%は無意識の自動思考」と理解
- 具体例:試験前の不安→「脳の予測機能が暴走中」と客観視

### 8. 考えるべき問題
- 自由意志は存在する?
- ロボットに意識は必要?
- 脳の操作技術が進んだら人間はどう変わる?

(自分の意見を書くスペース)___________

### 9. 重要キーワード
- 無意識処理
- 神経可塑性
- 予測脳
- ミラーニューロン
- 時間的結合窓

※用語解説:神経可塑性=脳が経験で変化する性質(例:ピアノ練習で手指の領域が拡大)

★POINT★
・意識は「脳の広報部長」
・赤ちゃんの遊びは最高の脳トレ
・「自分らしさ」は無意識の産物
・誤解が生存に役立つという逆説

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

私たちの行動の元となる欲求、あるいは幸福を求める自分の本質は一体何なのか、何を基準にして人は行動を決めているのか。自分と思っている自分は何なのか、こういったことを解明している本です。
著者は私たちが知らない無意識に行動する本質は脳にあると言うことを医学的科学的に解明されています。
非常に示唆に富む内容であって、犯罪者が犯罪を犯すことを一例に、その犯罪行為は犯罪者に責任があると言えるか?本当は犯罪者のコントロールできない脳の無意識の行動にその犯罪行為を行う本質が隠れている可能性があると説明しています。
そうなると責任が問われるのは犯罪者なのか、脳の無意識化の活動の細胞に責任が問われてもおかしくない、と言う大変面白い理論です。
脳細胞の働きを医学的に神経学的に説明されていて、
非常に面白い内容で一読に値すると思います

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2022年07月09日

Posted by ブクログ

よくある錯覚の絵を使い、ほらね、脳が認知できてない部分を補完してるんだよ。という本ではなくその先の話を書いて想像させてくれる本だった。脳が概念的に2.5次元で理解してることから、意識したものが、事が、解像度が上がり脳に情報が入ってくるとはじめて理解できた。目標や言霊を発した瞬間に情報が集まってくることは自然であると思えた。このような気づきがたくさんある本であった。最後の2章では話の展開があり、法が掲げる平等の前提である、『みんなの脳が平等』ということに対して異を唱えており、そこから法律や世界の在り方を説いていた。この部分については他の本におこして欲しい話題だったため、星4とした。実際4.5点位だった。

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2021年11月09日

Posted by ブクログ

「考えついた」というのは、無意識がすでに考え終わったことを意識が知るだけ。「見る」というのは、脳が予め予想したことに対して視覚がフィードバックして調整するフィードバックループによる。脳の神経系は冗長化していて、同じ事柄に異なる解法を試そうとし、ときには対立している。そんな話だけでも刺激的なのに、神経法学、犯罪者への量刑の話へと発展するのが最高です。考え方の次元が変わった気がする。

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

脳の働き仕組みについて様々な例をあげて丁寧に説明している。自由意志や犯罪者の罰への考察などをはじめ、興味深い発見や意見に感心した。

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

脳が第一に考えていることは自らの生命維持と種を残すこと。意識とか自我と思っているものは生命維持と種を残すために副次的に見え隠れしているだけで、自由意志と思っている1秒前に脳が既に決断していて、その結論に従っているだけ。平均4年でパートナーへの関心を失うようにプログラムされているとか、不倫にRS3 334遺伝子が関係しているとか、我々はただ物理的に運命に従って生かされているだけ。努力によって人は変わることができるというのは気のせいなのか?

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2018年07月24日

Posted by ブクログ

読み漁っている脳科学に関する書籍のうちの一冊

とくに「理性と感情」についての説明が目を引く
2006年に起きたメル・ギブソンのユダヤ人への差別的な発言を例にとって、
直観的にわかりやすく説明されている

誤った二分法(白黒思考)によってひとや物事を認知しがちな自分にとって、
なぜ誤って二分してしまうのか、どのように考えればいいのか、
意外なところで初めて理解できた

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2017年02月18日

Posted by ブクログ

自分が何かをしていると感じる意識は、実は何もしていない、脳が無意識のレベルで全て勝手にやっており、それを最後に「意識」が自分がやったと感じるのだという、考えを、様々な脳科学的知見から展開している本です。取り上げられる脳科学の知見は、脳科学本でよく取り上げられるものなので、目新しい物はあまりありませんが、新しい視点から、研究を取り上げており、興味深かった。おそらく第6章の、実際にやったことが、無意識のレベルで勝手にやったことを、「意識」が自分がやったと感じているのならば、犯罪の責任はどう問えるのか?脳科学の時代にどう対応していくべきなのか?が1番主張したかったことのように思います。どうなんでしょうね??
脳と意識の関係の理解が進まないことに関して、「光学を理解してもいないのに虹の理論を構築しようとすることを想像してほしい」と述べ、まだまだ道が遠いことを示唆しているのが印象的でした。

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2016年09月30日

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