大田直子のレビュー一覧
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この本の素晴らしさは(訳者あとがきでも触れられているとおりなのですが、)「脳って不思議でおもしろいですね~」で、終わらないところにあると思います。
錯覚や認知バイアスを説明するコンテンツは多くありますが、それらは「ある」と知り意識してもなお、逃れることができないから困るし不思議なんですよね。本書はそれこそが『意識は傍観者である』ためだと言います。我々が自分で判断したと思っているもの、いやそれ以前に確かにこの目で見たと思っているものすら、1,300gのプヨプヨした臓器の中で作り出された単なる幻影であり、我々の「意識」は、それが万端にできあがってから、まるで新聞のように受け取っているだけ。なんともショッキングな話ですが、それを裏付ける実験や調査、事故事象が豊富に紹介されています。どれ一つを取っても驚くエピソードで、面白いです。
そして筆者はその見地から、現代の犯罪と法律に切り込みます。これは非常に考えさせられる問題提起であり、ぜひ読んで頂きたいです。 -
Posted by ブクログ
音楽『嗜好』症というタイトルだけあって、29章すべてで音楽をKEYとして、様々な脳機能上の欠損(事故、病気、先天性、手術)を原因として起きる様々な症例が扱われる。
異常に音楽が好きになった、音楽が嫌いになった、楽しめなくなった…そして音楽に救われた、等の話が様々な症例とともに詳細に紹介される。
どれもこれも人間の脳機能の不可思議さに驚くばかりだが、こうなることが誰にでもありうると思うと怖くなる。
音楽(主にクラシック)の素養があるともっと理解が深まるかもしれないが、さほど素養が無い私の様な読者でもYouTubeなどで動画を見ながら読むとより一層楽しめた。 -
Posted by ブクログ
炭水化物を減らす食事の、効能を様々な研究結果からまとめたものである。
この本では、
・カロリーは等価ではないこと
・同じカロリーでも脂肪になるものとならないものがある
などといった話をまとめている。
参考論文も丁寧に引用しており、大変勉強になった。
●目次
落とし穴1 食事制限によるダイエットはうまくいかない
落とし穴2 カロリー制限は減量を失速させる
落とし穴3 カロリー制限は病気にかかりやすくなる
落とし穴4 低脂肪食は減量に効果なし
落とし穴5 体重はカロリーの数値だけでは決まらない
落とし穴6 炭水化物で満腹感は得られない
落とし穴7 肥満の原因は「頭のなか」にある
落とし穴8 低炭水化物は減量効果が高い
落とし穴9 新入りの栄養素が私たちを不健康にしている
落とし穴10 食事脂肪は健康に不可欠
落とし穴11 コレステロール値が下がると死亡リスクが上がる
落とし穴12 穀物は栄養価がきわめて低い
落とし穴13 人工甘味料は肥満の原因になる
落とし穴14 乳製品は骨の健康に役立たない
落とし穴15 間食はしてもかまわない
落とし穴16 食べていいもの、いけないもの
落とし穴17 飲んでいいもの、いけないもの
落とし穴18 食べすぎは問題にならない
落とし穴19 有酸素運動は減量に効果なし
落とし穴20 定常的運動より間欠的運動がいい -
Posted by ブクログ
理を愛し,理でないもにに立ち向かう姿勢,聡明さを感じる文体
自然の奇跡に覚える畏敬の念.
宗教とかいう人類史上最大の毒.
理屈で説明するすべを持たなかった人が己を慰めるために創り上げた幻想,非現実.
自然淘汰の産物すなわちあらゆる形の生命は美しく豊かですしかしそのプロセスは悪意に満ち残忍で近視眼的です
生存価は何だろうか
遺伝子とミーム
進化は自然淘汰と突然変異がその誘引
遺伝子にとっての生存価と、ミーム?社会的?生存価の競合
エロコンテンツとか
信仰とは証拠に基づかない信念。信仰は脳のウィルス
ジェリンオイル
自然淘汰の産物すなわちあらゆる形の生命は美しく豊かですしかしそのプロセスは悪意に満ち残忍で近視眼的です
生存価は何だろうか
遺伝子とミーム
進化は自然淘汰と突然変異がその誘引
遺伝子にとっての生存価と、ミーム?社会的?生存価の競合
エロコンテンツとか
選挙権に年齢制限(上限 )を設けたらどうか
信仰とは証拠に基づかない信念。信仰は脳のウィルス
魂に息づく科学、買う?
ジェリンオイル
例えば、「◯日ドアが開かなかったら管理会社に警報が鳴る」というシステムを作るのはそう難しくありません。
カールセーガン 惑星へ
私の中に宗教的と呼べるものがあるとしたら、それは科学が開かせる限りの世界の仕組み痛いする果てし無い驚嘆です
宗教という名の人類史上最高のマインドコントロール
昆虫は天体を使ってまっすぐ飛ぶことができる。
自然淘汰と突然変異
カールポパー
悪霊にさいなまれる世界
カールセーガン
子供の選択
である、と、であるべき、の棲み分け
アンチダブスタ
不可能の山に登る
全フィクション中最も不快な登場人物わ
ネオナチの少女 -
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ヒトの繁栄は,その社会全体で分業(専門化)と交換.
繁栄=時間の創出
時間に余剰が生まれることで,さらなる価値創出の機会が生まれる.これを繰り返して人はどんどん幸せになる.
テクノロジーにとっての交換は遺伝子にとっての生殖に値.
確かに,昔の生活を思えば,生活を維持するのに必要なコスト(1日のうち他者に貢ぐ時間)は減っているように見える.
周囲の人間はその余暇を無に使っているような気がするが
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利己的な遺伝子やファクトフルネスとも親和する内容であり自然科学(生物,進化,環境...)と社会科学(経済,政治,経済史,歴史...)を縦横無尽に横断する良作.
これは手元に置いておいて読み返したい一冊.
読書スタミナがなくて後半は読まずに返却.リベンジする -
Posted by ブクログ
ここ数年で一番興味深い本であり、是非一度手に取ってみて欲しい。一見、難しそうな内容であるものの、和訳もわかりやすく、読み進めると非常に衝撃的だ。
合わせて、ハヤカワノンフィクションの『ファスト&スロー』ダニエル・キイス文庫『24人のビリーミリガン』も読みたい。
あらゆる行動は、自分自身で決断していると思いがちであるも、過去人類の遥か祖先から踏襲した遺伝子の型と、生まれて以来蓄積されて来た経験、膨大なデータに対し、そのごく一部にアクセスすることが出来るだけであり、それを無意識のうちに選択した結果と言うこと。
その膨大な遺伝子、経験は通常、意識することなく脳に蓄積されているのだと。
(トラウマの正体であり、夢を見る原因であり、酒を飲むと素面では言わないような事を口走る理由...)
『すべての大人には正しい選択をする同じ能力があると考えたがる人が多い。すてきな考えだが間違っている。
脳は人によってまったくちがうものになりうるー―遺伝だけではなく育った環境にも影響されるのだ。』
『私たちには自分の行動、動機、さらには信念を、選択したり説明したりする能力はほとんどなく、舵を取っているのは、無数の世代にわたる進化的淘汰と生涯の経験によってつくり上げられた無意識の脳である。』
どうやら、遺伝子の型を調べればその人の不倫のしやすさ、凶悪犯罪の可能性等の行動パターンを類推することが可能でもあるようだ。 -
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早川書房公式ツイッターで紹介されていたので購入。
ああ、ありがとう>早川書房公式ツイッター
「人類の未来」について述べている書籍のほとんどが、『悲観論』に満ちあふれている。書店にはありとあらゆる悲観的な未来についての情報で満ちている。でも、本当に未来は悲観的なの?明るい未来は来ないの??ってなんとなーく思っていたのが腑に落ちる本が見つかった感。そう、こんなのが読みたかったね。歴史をたどれば人類が、いかに発展してきたのか。現在の自分の生活を百年前のエリート層と比べて、二百年前の上流階層と比べて、三百年前の王侯貴族と比べていかにすばらしいか。人類は、『交換と専門化』これによっていかに進歩に進歩を繰り返してきたのか、そして、現在の社会はますます『交換と専門化』を推進している。このままいったら大変だーじゃなくて、このままですむわけないでしょと!
技術により困難が生じても、技術がもっと進めばその困難は解決できるんじゃないかなあ -
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まさに啓蒙書。蒙を啓くというか目からうろこがボロボロ落ちるというか。あまりの楽観論なので都合の良いところばかり鵜呑みにする危険性はあるが、悲観論に首元までどっぷり浸かった現代日本人にはこれくらいの本が適していると言えるだろう。文明バンザイ、成長バンザイ、都市・交易・イノベーションによる繁栄。現在が最も恵まれた時代であるという主旨は、後発書の「暴力の人類史」にトーンが近いが、「暴力」は膨大な数値データ・グラフで説得力を持たせるが、本書は語り口と参考文献で首肯。
いかにして現生人類は今ここにあるか。
年号はほとんど無いが、ある意味、これが「世界史」と言えると思う。
繁栄に群がる寄生者・略奪者である官僚支配による停滞と衰退。
自由交易による繁栄の果実を国家・政府が刈り取ろうとするのをどうすれば防げるのか。
国家・官僚という存在は、自由な交易・専門化・イノベーションによって生じた繁栄を1か所にとどめないよう寄生・略奪する、生態系を調整する役割を果たしているということか。収穫に群がるカラスの類だ。
テクノロジーが科学を生み出すという逆転の発想。確かに、CERNを見れば、そういうことか。現象が無ければ理論は生み出せない。
交易による繁栄の概念は、自分が持てるものを持ち寄り、お互いが欲しいものを持ち帰る、性善説的なネット集合知の青臭い理想が捨てたものではないと思わせる。 -
Posted by ブクログ
12歳のときの通知表に <やりすぎなければ成功する> と書かれた少年がバイクに、化学に、ウェイト・リフティングに、同性愛に、サーフィンに、ドラッグに‥‥とありとあらゆることに首を突っ込んで、ひたすらやりすぎながら神経生理学の世界を突っ走った脳神経科医の自伝。「レナードの朝」や「音楽嗜好症」等々の世界をうならせた著作は、このようなエネルギーの持ち主でなければ生まれなかったのかもしれない。
それにしても60年代のヒッピーの先頭を走っていたのも若きオリヴァー・サックス先生であったという話は、ヒッピー文化の多様性と深さを知るうえで大いに参考となるエピソードといえるだろう。 -
Posted by ブクログ
「レナードの朝」等の医学エッセイで有名なオリヴァー・サックスの自伝。両親が医者の家庭に育ち、紆余曲折の後、脳神経科の医者として診療を行いながら数々の症例をエッセイで紹介し、作家として才能を発揮する。
彼は仕事の傍ら、オートバイツーリングに熱中したりウェイトリフティングに熱中したり、世界中を旅して廻る等、とにかく一つの事に熱中しやすく、精力的に行動するタイプの人だったようだ。いろいろな経験を紹介しているが、彼自身が人生を通じて最も熱中したことは、「書くこと」であり、日記・論文・手紙・本等で自分の考えや経験を「記録すること」がライフワークだったようだ。付録では、旅行中のベンチやドライブ中の車の屋根で書いている様子が紹介されている。写真も趣味だったというから相当な「記録魔」だったのだろう。人の顔が覚えられない等の持病もあったようだが、それでも交友関係を広く長く続けられたのは、彼の記録癖のお陰かもしれない。病気に冒された人達でも、人間としての可能性を信じて前向きに治療に取り組み、それを紹介してベストセラーとなった本の成立から発売までの裏話、後日談など、いろいろ興味深い話が出ていて大変面白かった。
晩年の記述が少ないのと、性的な遍歴(本人にとっては重要なのかもしれないが)は不要と思うけれど、精神科医師らしくかなり自己分析的な内容で事後の考察も細かく(論文や本の言葉の数まで記録している)、自伝として秀逸な本だと思う。(翻訳も大変判りやすくて素晴らしい)昨年、惜しくも癌で死去してしまい、彼のエッセイが読めないのがとても残念だ。 -
Posted by ブクログ
本著はアメリカ現代史を権力に対して批判的な観点で描いたもの。詰まり歴史を教科書的には触れられていない側面から考察しているところに面白さがある。
特にアメリカという国は自由を標榜する啓蒙主義的な側面と産業資本・金融資本を背景とした実利主義的な側面の両面があり、それを意識しないと国家の在り方を正しく理解できないのだと思う。
本編は主に第一次世界大戦から第二次世界大戦までをテーマにし、特に最後は広島、長崎への原爆投下の深層について明らかにしていく。
原爆投下不要論は既論評として認識していたが、過去の歴史を遡ってみるとその納得感も高まる。
日本人は自国のこととして様々な観点を理解しておく必要があるのだろう。
アメリカが『世界の警察』になったのは然程昔のことではない。次編以降を読むことでその辺りの理解も深まるのではないか。
2016年大統領選に向けて、アメリカの世界への関わり方が大いに議論されているところでもあり、この歴史的な変遷はよく理解しておきたいところ。