大田直子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
飛ぶための条件から進化の過程(可能性)まで分かりやすく解説されていた
イラストもきれいで落ち着く
鳥も飛び方が色々あるらしい
イメージしていたのは雀などの羽ばたく系の飛び方だったが、滑空系の飛び方もあるらしい
地熱の上昇気流や海面近くの風などを使って上昇し、そこから滑空する
羽ばたくよりもエネルギー効率良いらしい
羽も色々ありコウモリのような皮膜の延長の羽から鳥類のような羽根から構成される翼まで
メリットデメリットがありそれぞれの進化戦略により徐々に洗練されてきた
進化は予め設計されたものではなく、都度状況に合わせてゆっくりと進むものと考えられる
進化の方向を誤った場合は絶滅というペナルティがあるが、刻一刻と変わる周りの状況に合わせて生き延びていくためにはチャレンジングな進化的試みが必要となる
進化的な観点からの生き残りを考える場合、個としてのそれとは違いスケールが大きくなるのでクラクラしてくる -
Posted by ブクログ
ネタバレ『「精神病って、正確には何なのでしょう?」
「現実との断絶です」』
(第5章 ファラデーケージ ——統合失調症)
光遺伝学の第一人者、カール・ダイセロスによる理論書…ではなく、彼が今まで見てきた症例紹介と言ったほうがいいだろう。分かりやすく言えばオリヴァー・サックスの「妻と帽子をまちがえた男」みたいな感じだ。
心の病気である「うつ病」や「統合失調症」などを取り上げ、科学的解説も交えるものの文学的な読み物としての側面が強い。いや、全然いいんだけどね。そうして彼が触れ合ってきたからこそ、患者の内面を(おそらく)正確に記述できており、特に第5章の統合失調症は一つの物語としてわりと完成していたんじゃなかろうか。
というか最初に巻末にある加藤氏の「解説」を読んどいたほうが良いかもしれない。
ダイセロス氏は全然光遺伝学の説明をしてくれないので…。
解説にあるけど、まぁ自分なりにまとめておこう。
光遺伝学というのは、つまり光によって反応するタンパク質(チャネルロドプシン)を利用して、好きな神経細胞にそのタンパク質を発現させることで、自由な細胞を興奮状態(つまり反応が起きるってことだ)にすることができる。
これによって、好きな(縦縞なんかの)映像を見せたりすることができる。症例とこの反応から得られるデータを比較することで、なぜこのような症例が起きるのかを明らかにしていく…というわけだな。
うーむ、未来がある。個人的には生体組織の透明化技術(CLARITY)も興味があるので、どっかで誰か解説してください…。 -
Posted by ブクログ
それなりにエンジョイした。上質な大人の絵本。
日本語的な飛翔の全史(学術的な)を期待していると、ガッカリすると思われる。原題のFlight of fancyはよく使う言い回しで、空想の世界に飛び立つような、脳内思考トリップ的なやつとか、想像の産物ていうのか、まあ、脳の中の話みたいな印象を受ける言い回し。今をときめくドーキンス博士が人工的なものから進化で得た能力やら、ありとあらゆる方法での、重力から解き放たれる事について、つらつらと考えているのを、横から見させてもらう感じの書籍。それこそ、実際に飛ぶ/滑空する/跳躍する全ての生き物、主に鳥類、哺乳類、爬虫類から昆虫、空中プランクトン、絶滅済みの生き物、なんらかの外付けのブツをもってなんとか重力の埒外に行こうとする人間。グライダーやパラシュート関係やら、昔オリンピックの開会式でプシューって飛んでたやつとか、飛行機から無重力など、様々な人工的な物やら、昔話や伝説や物語に出てくる架空の飛ぶ生き物、飛べるわけがない架空の飛行機材。まさに、地面から離れるというキーワードでつらつらと考えたことが書かれていて、文字は少ないが挿絵が効果的で美しく、非常にエンジョイできた。ところどころ、変な直訳みたいなのがあって、読みづらいと思ったら、最近読んだダイダロス博士のあの本の訳者と同じだった。となると、これはこういうスタイルの”敢えて直訳”なのかも?まあ、平安時代の和歌なんかは掛け言葉が多いので英語に訳すとくそほど長くなったりするので割愛、というようなのと似たような作用なのか?まあ、どんな素晴らしい書き手でも、合う合わんってあるのだが、あれかもしれない。そう、個人的に合わない訳、ということで、これはオリジナルのほうを入手します(あくまでの個人的な感想です)
FLIGHTS OF FANCY
Defying Gravity by Design & Evolution
by Richard Dawkins ©️2021
illustrated by Jana Lenzová. -
Posted by ブクログ
面白かった。現在ホットなダイゼロス博士のオプトジェネティクス(optogenetics)の本、と思ったらば、そうでもない、が、面白い(どやねん)。しかし、訳がしんどい。臨床例のところはまだ読めるとして、全体的に原文を想像してしまうという、ものすごくしんどい読書がオートパイロットで行われる(自分の問題だが)。定型句ぽい言い回しとか、そのまま直訳されても、、。ともかく、日本語向きではないので、それをここまで翻訳しているのはすごいことだと思う、が、めんどくさくとも、ダイゼロス博士の論文だけ別読みするのがよかろうとは思う。原題はProjectionsという、お洒落な掛け言葉(でもないか)で、気の利いた感じ、脳味噌のエリアとか未来予測的なちゅうか文学的なちゅうか、色々な意味を内包していて良いと思う。でまあ、オプトジェネティクスについては、私もなんや理解度が浅っさいが(笑)バイオエンジニアリングで、光をつかって蛋白質(脳味噌やら神経細胞やら)を制御するちゅう話ですな。後書きに共同研究している日本人研究者が説明されているので、そっちを先に読むのもよかろうかと思う。症例は脳幹がん、大鬱病、躁病、双極性障害、自殺願望、自閉スペクトラム、境界性人格障害、総合失調症、不安障害、摂食障害、認知症。総合失調症の章では、映画”Beautiful mind"を思い出し、あの映画音楽が頭の中をぐるぐる回った。匂いや光もそうだが、音も記憶と連動して再生されるねぇ。未来には、脳味噌のピンポイントに光を当てれば、経験してもない匂いや音を脳内再生できるようになるんだろうか。トータルリコールとか、マトリックスとか、漫画”コブラ”の冒頭のあの脳に信号を与えて夢を見させるトリップ・ムービーみたいなのんとか、、。自分の本当の経験と、外入れの経験の区別は自分の脳につくんだろうか?
色々考えさせられる良著
PROJECTIONS
A STORY OF HUMAN EMOTIONS
BY Karl Deisseroth ©️2021 -
Posted by ブクログ
ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。
そういう意味で興味深い本だと思う。
翻訳本ならではというか、そもそもの歴史的共通理解がないが故の読みにくさがあり、星4つ。
アメリカが、いや、列強諸国が、他国民や平和のために、(ひとりひとりの自国民のためにさえ)政治的決断をすることなど無いことを、改めて思い知らされる。
それは、列強諸国になろうとして列強諸国のまねをした、かつての日本を見ても明らかである。
この本は、アメリカ人のアメリカ観を是正すべく、アメリカ人の手で書かれた本である。
だから、この本を読んで、日本人がアメリカを非難するのは違うだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
神様はいないんだよってことを論理的、科学的に説明した本。
日本ではあまり感じないし、自分自身もキリスト教信者じゃないので、人間含めこの世は神様が作ったんだとか、聖書は事実とかピンときてないんだけど、世界にはそう信じてる人もなかなかの数いて、ドーキンスがこの本含め、神様はいないだろって言いたくなる気持ちはわかる。信じるのはいいんだけど、他の人の生活に干渉するのはまずいと思うから。
んでもってこの本は、解説でも書いてあったけど、どうやらティーンエイジャーが対象で、「神は妄想である」の入門編らしく。言われれば口調とかそんな感じだなと思った。私は科学がめっちゃ苦手で、後半のDNAだのなんだのの話になったところは飛ばし読み気味になってしまったけど、前半は興味深く読みました。
みんなが住みやすくお互いを思いやれる世界になるといいな。 -
Posted by ブクログ
イノベーションはどのように起こるのか、何が促進し、何が阻害するのか。ハイテクからローテクまで様々なイノベーションを検証して共通する事象を考察する。
・イノベーションは段階的で、漸進的で、集積的でどうしても避けられないプロセス
・自由と失敗の中で、実用化できるほど安価に利用できるものとなって社会を大きく変革する
→規制による弊害
→失敗できない技術のイノベーションの困難さ
・トロッコ問題のようなトレードオフを受け入れるエビデンス
・世の中の準備が整わないとイノベーションは実現できない
例)キャスター付きカバン
・変化を起こすのは発明ではなく商業化
例)マクドナルド:簡単な食事は皿やフォークなしで食べられる形式を標準にして用意できる
・集団が小さいと脱イノベーションが起こる。スキルを学習する必要があるので、テクノロジーは小規模集団内の限定された専門化によってサポートできるまでに縮小。
・セレンディピティ:もともとは探していなかったものを、偶然に深い洞察力によって発見する
例)グーグルは検索エンジンを求めて起業したわけではない。インスタグラム創業者はゲームアプリをつくろうとしていた。
・アマラ・ハイプサイクル:初期の失望とのちの過大評価のあいだに、人びとが正しく理解する瞬間がある。15年後?
・分権・都市・脱物質化
・規制はイノベーションを遅滞させ、特許はイノベーションを促進しない。 -
Posted by ブクログ
私たちの行動の元となる欲求、あるいは幸福を求める自分の本質は一体何なのか、何を基準にして人は行動を決めているのか。自分と思っている自分は何なのか、こういったことを解明している本です。
著者は私たちが知らない無意識に行動する本質は脳にあると言うことを医学的科学的に解明されています。
非常に示唆に富む内容であって、犯罪者が犯罪を犯すことを一例に、その犯罪行為は犯罪者に責任があると言えるか?本当は犯罪者のコントロールできない脳の無意識の行動にその犯罪行為を行う本質が隠れている可能性があると説明しています。
そうなると責任が問われるのは犯罪者なのか、脳の無意識化の活動の細胞に責任が問われてもおかしくない、と言う大変面白い理論です。
脳細胞の働きを医学的に神経学的に説明されていて、
非常に面白い内容で一読に値すると思います -
Posted by ブクログ
リチャード・ドーキンス(1941年~)は、英国の進化生物学者・動物行動学者。一般向けの著作を多数発表しており、存命の進化生物学者として、最も知名度の高い一人。
1991年発表の『The Selfish Gene(利己的な遺伝子)』で、「生物は遺伝子によって利用される"乗り物"に過ぎない」という比喩的表現を使って、「自然選択の実質的な単位が遺伝子である」とする遺伝子中心視点を提唱したダーウィニストであり、科学的合理主義の推進者である。また、科学的合理主義の推進者であることと表裏一体ともいえる、徹底した無神論者・反宗教主義者であり、科学的精神の普遍性と反宗教を説く啓蒙書として2006年に出版された『神は妄想である』は、30を超える言語に翻訳され、最も有名な一冊となっている。
本書は、『Outgrowing God:A Beginner‘s Guide』、即ち、「神を卒業するためのビギナーズガイド」の全訳として2020年に出版された『さらば、神よ』を、改題の上、文庫化したもので、上記の『神は妄想である』のコンセプトを、世界の将来を担う若者向けに書いたものとも言える。
ドーキンスが、無神論者・反宗教主義者の立場からの発信を強め、宗教との対決姿勢を明白にするようになったのは、2001年3月11日の米国同時多発テロがきっかけだというが、それは、人の心を救うはずの宗教が、怒りと憎しみを煽り、多くの人の命を奪うテロや戦争を引き起こすことに気付き、「宗教は有害である」という結論に達したからである。それまでも、科学的合理主義と反宗教は同一線上にあったが、3.11により立ち位置が変わったのだ。
本書では、第1部「さらば、神よ」で、神を信じるべき理由の正当性を徹底的に覆し、第2部「進化とその先」で、生きものの複雑さや美しさをつくり出した自然の仕組みを明かしているが、第2部の進化論に関する研究・解説については、『進化とは何か』(ファラデーが1825年に英国王立研究所で始め、その後も毎年行われている“クリスマス・レクチャー”において、ドーキンスが1991年から5回に亘って行った内容を編集したもので、2016年、日本語版文庫化)に、平易かつ興味深く書かれている。
私も基本的に、この世界(宇宙を含む)のあらゆる事象は科学的に説明し得ると考える(現在は超常現象と言われる現象が仮に実在したとしても、いずれそれは科学的に解明される)科学的合理主義者であり、本書の内容に得心するが、何より重要なのは、科学的合理主義が導く無神論(特に、扇動的な一神教に対する)が、世界の平和に大きく貢献するということであり(世界の争いの全てが宗教に起因するわけではなく、様々な面での格差の是正も大事なことであるが)、その意味において、ドーキンスのスタンス・主張に強く共感を覚えるのである。