大田直子のレビュー一覧

  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    イノベーションはどのように起こるのか、何が促進し、何が阻害するのか。ハイテクからローテクまで様々なイノベーションを検証して共通する事象を考察する。

    ・イノベーションは段階的で、漸進的で、集積的でどうしても避けられないプロセス
    ・自由と失敗の中で、実用化できるほど安価に利用できるものとなって社会を大きく変革する
     →規制による弊害
     →失敗できない技術のイノベーションの困難さ
    ・トロッコ問題のようなトレードオフを受け入れるエビデンス
    ・世の中の準備が整わないとイノベーションは実現できない
     例)キャスター付きカバン
    ・変化を起こすのは発明ではなく商業化
     例)マクドナルド:簡単な食事は皿やフォ

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    2022年08月14日
  • 神のいない世界の歩き方 「科学的思考」入門

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    とても面白かった。
    神様を持ち出さなくても科学で説明できること、をていねいに説明するだけでなく、なぜ人が神様を信じたくなるのかも説明している。
    さらに、倫理的にというか道徳的にというか、そういう面でも神様は必要ではないこと、つまり信仰が善人を作るわけではないことも説明している。統計的な調査からも、他人に親切にする方向に進化が働いた可能性からも。

    納得するかはまた別の話だけど、説得力はあるし、面白い見方だと思う。
    とりあえず、狂信的な人に攻撃されないように祈る。

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    2022年07月17日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    私たちの行動の元となる欲求、あるいは幸福を求める自分の本質は一体何なのか、何を基準にして人は行動を決めているのか。自分と思っている自分は何なのか、こういったことを解明している本です。
    著者は私たちが知らない無意識に行動する本質は脳にあると言うことを医学的科学的に解明されています。
    非常に示唆に富む内容であって、犯罪者が犯罪を犯すことを一例に、その犯罪行為は犯罪者に責任があると言えるか?本当は犯罪者のコントロールできない脳の無意識の行動にその犯罪行為を行う本質が隠れている可能性があると説明しています。
    そうなると責任が問われるのは犯罪者なのか、脳の無意識化の活動の細胞に責任が問われてもおかしくな

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    2022年07月09日
  • 神のいない世界の歩き方 「科学的思考」入門

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    リチャード・ドーキンス(1941年~)は、英国の進化生物学者・動物行動学者。一般向けの著作を多数発表しており、存命の進化生物学者として、最も知名度の高い一人。
    1991年発表の『The Selfish Gene(利己的な遺伝子)』で、「生物は遺伝子によって利用される"乗り物"に過ぎない」という比喩的表現を使って、「自然選択の実質的な単位が遺伝子である」とする遺伝子中心視点を提唱したダーウィニストであり、科学的合理主義の推進者である。また、科学的合理主義の推進者であることと表裏一体ともいえる、徹底した無神論者・反宗教主義者であり、科学的精神の普遍性と反宗教を説く啓蒙書として2

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    2022年07月05日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    成長とはより少ない資源からより多くの利益を得ること
    少ない資源であれば、地中から掘り起こすことなく
    地上にあるもの(海の中は含まれるか)を利用するようになりそうだ

    原子と電子の再配列
    ここは私自身も抵抗を感じている
    でも何故といわれると明確な理由もない

    自由と失敗で進化する
    最近、失敗していないな

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    2022年05月26日
  • 隠れていた宇宙(下)

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    上巻で息切れして、下巻はしっかり読めなかった。
    若い頃に読めたら良かった。
    今若い人はこれが読める事を思うと「巨人の肩の上」とはこういう事だなぁと思う。

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    2022年03月08日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    イノベーションがいかに人類に豊かさをもたらしたかについてで、蒸気機関や電球などのエネルギー、ワクチンや水道などの公衆衛生、鉄道や飛行機などの輸送、ジャガイモや遺伝子編集などの食料、0やS字パイプなどのローテク、通信とコンピュータ、農業や家畜化なと先史時代といったそれぞれの分野の代表的なイノベーションを紹介。そしてイノベーションの本質、経済学、偽物、抵抗、現代における欠乏について論じている。
    イノベーションには信じられているような瞬間的なものではなく、漸進的で段階的である。誰かがいないとなかったイノベーションはなく、他の誰かが辿り着いただろうというものがほとんど。原子力発電は安全性が求められ、イ

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    2022年01月28日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    よくある錯覚の絵を使い、ほらね、脳が認知できてない部分を補完してるんだよ。という本ではなくその先の話を書いて想像させてくれる本だった。脳が概念的に2.5次元で理解してることから、意識したものが、事が、解像度が上がり脳に情報が入ってくるとはじめて理解できた。目標や言霊を発した瞬間に情報が集まってくることは自然であると思えた。このような気づきがたくさんある本であった。最後の2章では話の展開があり、法が掲げる平等の前提である、『みんなの脳が平等』ということに対して異を唱えており、そこから法律や世界の在り方を説いていた。この部分については他の本におこして欲しい話題だったため、星4とした。実際4.5点位

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    2021年11月09日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    「考えついた」というのは、無意識がすでに考え終わったことを意識が知るだけ。「見る」というのは、脳が予め予想したことに対して視覚がフィードバックして調整するフィードバックループによる。脳の神経系は冗長化していて、同じ事柄に異なる解法を試そうとし、ときには対立している。そんな話だけでも刺激的なのに、神経法学、犯罪者への量刑の話へと発展するのが最高です。考え方の次元が変わった気がする。

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    2021年09月23日
  • においが心を動かす ヒトは嗅覚の動物である

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    献辞で、「やられた」と思ったのは初めてだ。

    はしがきに、「いまこそ、心と脳のいくぶん陳腐な哲学的憶測を、こうした新しい現実に合わせて変えるべきだ。」とある。本書はそんな本。

    訳者は大田直子さん。この方の翻訳は難しい内容でも理解して、我々に理解させるよう書く方だ。
    嗅覚に興味のある方はぜひ手に取っていただきたい。

    内容は難しいので、P325〜P334の第10章「要点」を読みつつ、記された参照ページをめくりながら論理を整理していくのが早いかな。

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    2021年09月16日
  • あなたの知らない脳 意識は傍観者である

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    脳の働き仕組みについて様々な例をあげて丁寧に説明している。自由意志や犯罪者の罰への考察などをはじめ、興味深い発見や意見に感心した。

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    2021年08月31日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    エネルギー、公衆衛生、輸送技術、コンピュータ技術など、これまでに人類が起こしてきたイノベーションの歴史を説明しつつ、それらの共通点やイノベーションの本質に迫る内容。


    一般的に「イノベーション」というと、優れた天才発明家による突然の閃きや革新的アイディアによる技術の進歩というものを思い浮かべてしまうが、
    実際には生物界における「進化」のようなゆるやかなプロセスであることが多いということがわかった。


    アイディアを発見する人だけではなく、それを広める人、コストを下げる人、流通を確保する人が必要で、
    技術的な突破口を開き、それらを大量に製造する方法を考え出し、安価に広く普及させるという一連のプ

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    2021年08月22日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    人類の様々なイノベーションは発明というかたちで特許というかたちで我々の生活を便利にしてきた。エネルギー、公衆衛生、輸送、食料、通信等様々な分野にまたがりこれからも続いていく。どのようにして発明しどう製品に結び付けていくのかはとても参考になる。イノベーションはセレンディピティであることが多い、遊びの要素、CRISPR遺伝子編集、オープンイノベーション、等どれも知的好奇心をくすぐる良書だと思う。

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    2021年08月15日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    今こそイノベーションが大切。
    破壊的イノベーションこそが閉塞した現状を打破する為の云々かんぬん…
    といったフレーズは巷でよく聞かれるが、そもそもイノベーションって何?
    今までイノベーションとされてきたモノはどうやって産まれたのか?
    というのを考察した内容。


    本著で語られている様に、イノベーションは一人の天才・一つのひらめきから産み出されるのではなく、知識の交換、数多の失敗やそこからの小さな改良や改善の積み重ねによって産まれるという話は興味深い。
    つまるところは、『繁栄』でも語られていたようにアイデアの交配こそがイノベーションの産みの親ということかな。

    技術、経験といったものが積み重ねるこ

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    2021年07月27日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    膨大なことをよくコンパクトに1冊にまとめるものだと思う。いまだに「天才」や「自由」を追い求めるような「イノベーション」本が多いけど容赦なしにリドレーは。

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    2021年06月26日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    先史の農業革命から、電球・飛行機・水道といった有名な事例、さらには遺伝子編集といった最新のものまで、人類の歴史におけるイノベーションの数々を丁寧に掘り下げることで浮かび上がるイノベーションの本質的なメカニズムや阻害要因などを明らかにした一冊。

    著者は、過去のイノベーションの分析を通じて、それらの事例に共通するのは”一握りの天才の閃きによる画期的な発明がもたらした成果”などではなく、むしろ「偶然の発見」や「既存のアイディア同士の新たな組み合わせ」、さらにはそれらを「試行錯誤」を繰り返しながら漸進的に進化させることにより、やがて安価で実用的かつ信頼性の高い製品やサービスとして定着していく一連のプ

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    2021年05月30日
  • 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する

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    イノベーションに対する認識を改めることができる本.

    大企業や政府機関で「イノベーションを起こすぞ」なんて呑気に言っている御仁に読んでいただきたい.


    イノベーションは「ある一人の天才が突然のひらめきで完成されたイノベーションを誕生させ一夜にして世界を変える」的なイメージがあるけど,本当は違う.

    歴史で辿ってみると一人の天才,英雄で完結したわけでもなく,一夜にして誕生したわけでもなく集合的・漸進的な活動が後から振り返ってイノベーションと言われているんだということがわかる.

    イノベーションは進化のように「アイデアの生殖」の繰り返し.ゆっくりと進行する,時間が経ってその分岐,差異を認識される

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    2021年04月25日
  • いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学

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    ネタバレ

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    いつも「時間がない」あなたに/センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール
    
    最近、仕事が多忙になってきて、あー、忙しいなぁ、時間が足りないなぁと思っていたところ、この心理状況のプロコンって何だろう?と思い、手に取った本。
    
    この本は様々な実験から、時間のみならず、金銭面でも、人が欠乏を感じた時の心理的影響と生産性の変化を分かりやすく教えてくれる。
    
    この本のキーワードは、"スラック"、"トンネリング"、"ジャグリング"である。
    スラックとは、余裕があることを指す。大きな旅行カバンだったら、必需品以外も入れる

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    2020年12月12日
  • 音楽嗜好症(ミュージコフィリア)

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    文字通り“雷に打たれて”以来、ピアノを弾くことに取り憑かれてしまった医師。隣人の家から大音量で流れるレコードプレーヤーの音楽のような幻聴。聴覚は機能しているのに脳が音楽を構成する要素をうまく感知できず、無感動になってしまう失音楽症。反対に、言語に不自由を抱えている人たちが音楽の力によって、コミュニケーション手段やアイデンティティを取り戻す過程。脳神経科医の著者が出会い、あるいは送られてきた手紙や時に自身の体験談から、音楽とヒトの脳の関係を語ったノンフィクション。


    私が本書で一番興味深かったのは絶対音感にまつわるくだり。ニューヨークと北京の音楽学校で行った調査で、4歳から5歳のあいだに音楽の

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    2020年08月02日
  • あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎

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    分かりやすい。分かっていると思っていたことでも、理解が深まり、何か次のアクションを起こしたいと感じさせてくれる。その意味で良書だと思う。

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    2019年09月29日