大田直子のレビュー一覧
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オリバー・サックスは私が好きな脳神経医であり、医学エッセイニスト。学生時代からサックス先生の本を読んできた。
今年(2025)は「脳機能と音楽」を学習テーマにする決めて数冊本を読もうと目標を立てた。その一冊目はサックス先生の本にした。臨床中、いつも「リズム」の存在に驚く。うまくいかないとき、大体リズムやテンポが合っていないのだ。課題転換のタイミングや歩行・言語・呼吸のリズム…相手とマッチしないのは私のリズムが皆さんと合っていない時。
本書にも「パーキンソン病と音楽」や「失語症と音楽」「記憶障害と音楽」など多くのテーマについて先生が対面・体験した患者さんの様子が愛を持って書かれている。先生のこの -
購入済み
挑戦的な読書体験
内容が非常に密度が高く、歴史に詳しくない読者にとっては理解が難しいと感じられることがあります。また、映画的表現が強調される一方で、歴史的細部や文脈の深い理解が必要な部分も多く、一般読者には挑戦的な読書体験になる可能性があります。
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「欠乏は人の注意を占領し、それが限定的な強みをもたらすが、その他の能力が低下する」
例えば、金銭的に貧しい人は、いつもお金のことに心が奪われていて、お金を得る方法につながることには躍起になるが、心に余裕がないため、良い親になりにくいなど、他の大事なことが疎かになるらしい。
欠乏のせいで、他のもっと重要かもしれないことをトンネルの外に追い出してしまうことをトンネリングというが、私も、時間が足りないという欠乏のせいで、しょっちゅうトンネリングに陥っている。
トンネリングに対処すべく、スラックという余裕をトンネリングに陥っていない時に意識的に作っていく備えが大切だそうだ。
私の場合、トンネリ -
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必要は発明の母、娯楽は発展の父
娯楽→技術向上/新たなニーズ→イノベーション。AIにこれはできるか?
■概要
人類の娯楽の歴史であるオシャレやゲーム、社交場(居酒屋やカフェ)の成り立ちや史実をもとに、人類の発展を考察する。
筆者のいう"ハチドリ効果"、要はあるニーズやソリューション自体が、全く関係なく見える(ニーズをうみ)イノベーションに繋がっているのでは?というケースを6つに分類して紹介していく
■感想
安宅氏推薦の『世界を変えた6つの革命』の方からこちらに飛んだものの、革命に比べて非常に読みづらい。筆者も訳者も同じながら、こちらの方が古いことから、おそらく『〜革命 -
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ふむふむふむ。なかなかグッドでした。
読む人が読んだら大炎上しそうな内容でしたが、根拠を明示しながらの説明は首尾一貫としており、こういうスタンスもありだよね、と私は思えました。
特に最後の結論には納得感があり、非常に勉強になりました。
宗教が良い方向へ働いているうちは神はいてもいいと思いますが、悪い方向へ働いてしまったとしたら、それは神のいない世界を歩き始めるべきではないかと思います。
日本人は無神教的で、海外の宗教問題への意識が希薄であるという話を聞いたことがあり、私もその自覚はあるので、他者が大切にしていることを踏みにじりたくはないなあと思っていましたが、戦争やテロまで繋がって実害が出てい -
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チェルノブイリと福島の事故を含め、原子力が電力一単位あたりで出す死者の数は、石炭の2000分の1、バイオ燃料の50分の1、ガスの40分の1、水力の15分の1、太陽光の5分の1、風力の2分の1。
18世紀の戦争によって軍に穀物の倉庫や家畜小屋が襲われたため、それを免れるジャガイモの栽培がヨーロッパで広まった。
現在、世界のエネルギーの約1%が窒素固定に使われており、人間の食糧に含まれる窒素原子の約半分を供給している。2010年の飢餓による年間死亡率は、1960年の100分の1になった。
1988年、サトウキビ畑から空気中の窒素を固定する能力があるグルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクスが発見 -
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正直なところ、本書を読んでドーキンスの話を理解できたとは言い難い。途中で辞めちゃおうかと思うくらいに。身内の方々の思い出話とか、追悼文のようなものも、別に俺ファンというわけじゃないから、ちょっと距離感あったし。でも、最後まで目を通したのは、読んでみて何か、ここからくみ取るべきものがあると感じたからだ。
社会には合理的じゃない部分、理不尽な部分、時代を変えたり、時代が同じでも別の角度から見たら、愚かとしか思えないことがたくさんある。自分自身の中にも、別角度から見たら、何やってるんだお前、というところがたくさんあるだろう。それはどうしようもないことだよね、と思うと同時になんとかしたい、もっと良 -
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『私たちが今も、これから先もおそらくずっと、行くことも、見ることも、検証することも、支配することもできない一連の並行宇宙(中略)これは科学なのだろうか?』
科学者でなくとも、この世に100%なんてものは存在しないと理解している人は多い。
しかし、そんな人でも日常生活で落とした物をした時に、量子世界の狭間に落ちたかもしれないなんてことは考えもしない。
では、その僅かな可能性であり、検証すらできない0.0000001%以下の世界を想像して仮説を構築することに、なんの意味があるのだろうか?
無限の遠くにある無限遠宇宙、次々と宇宙が誕生するインフレーション多宇宙、高次元に並列的に存在するブレーン多 -
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上質な科学エッセイ。中の一つに、こんな話。
ジェリンオイル。中枢神経系に直接作用する強力な薬物であり、様々な症状を引き起こすが、たいていは反社会的あるいは自傷的なものである。子供の脳を変質させ、治療が難しい危険な妄想や、大人になってからも障害を引き起こす恐れがある。2001年9月11日航空機による自爆テロ。これはジェリンオイルによるトリップだった。セーラムの魔女狩り、コンキスタドールによる南米先住民の大虐殺、中世ヨーロッパで起きた戦争の大部分を煽り、近年ではインド亜大陸とアイルランドの分割に伴う大虐殺に火をつけたのもジェリンオイル。
今まで生きてきて聞いた事がない。よく知られた薬物の別呼称 -
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Posted by ブクログ
ドーキンスの著作のファンで、今回新刊が発売されたので迷わず購入。
進化論の有効性を徹底的に解説した名著「盲目の時計職人」の内容を、「飛行」という切り口のみに絞ってかなり易しく砕いて(イラストまでつけて)説明した本という感じです。
「生物はなぜ飛翔するのか?(または、なぜ飛翔しないのか?)」
この問いに対して全面的に分かりやすく答えてくれる本ですから、内容はおもしろくないというわけではありません。
ただ、以下の点が気になるポイント。
①なんといっても価格の高さ。フルカラーイラスト満載とはいえ、ちょっと手が出にくい価格。テーマはおもしろいだけに、みんなに読んでもらいにくい価格設定はいただけな