大田直子のレビュー一覧
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ウッドロー・ウィルソンのまさしくTPP条約ISD条項を彷彿させる発言。
「門戸を閉ざしている国々には、その扉を叩き壊してでも開国させねばならない……。資本家たちによって獲得された利権は、たとえそれに反感を抱く国々の主権がその過程で蹂躙されようとも、我が国の使節によって保護されねばならない」
これが1907年プリンストン大学総長時代の言葉であるとは。
19世紀末の相次ぐ恐慌がアメリカをモンロー主義を放棄させ、太平洋へと向かわせる。様々な紆余曲折を経ながらも、自由主義国は小さな国々の主権やそこに暮らす人々の暮らしよりも、資本家の財産権を優先させてきた。グローバリゼーションの動きは、TWOからFTAへとさらに貿易の自由化を推し進めている。その先に何が待っているのだろうか。あと15年もすればその姿が見えてくるであろう。 -
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「写真を撮るというのはフレームに入れるということで、フレームに入れるということは締め出すということだ」
欠乏が及ぼす効果について書かれている本。時間が足りないという人は、時間を手に入れても結局時間が足りないという。欠乏状態では集中力が高まる。しかし、それ以外のものが見えない。そして、短期的なものしか見えず、将来のコストは無視される。よって、欠乏のスパイラルにはまってしまう。お金がない人は、保険が必要でも入らない。そして、保険がないためにさらなる出費が必要になる。ここで、保険に入る費用はさらに捻出されなくなる。
本書では、足りない状態にいる人々が負の連鎖にはまる姿が多く紹介されている。 -
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「昔は良かった」という人達がいるが、現在の世界は50年前に比べて格段に良くなっている。便利なものはより便利に、より安く入手・使用することができるようになった。平均寿命も延び、乳児死亡率も低下している。
著者は自分が「合理的な楽観主義」だという。資源の枯渇や環境汚染が騒がれているが、新たな資源の可能性はいくらでもある。また環境汚染でも、排気ガスが発する有害物質は減っている。この先の世界もそう悲観するものではない。
ということが具体的なデータを並べて示されている。
著者は原子力発電が主力になっていくとしているが、これは東日本大震災による福島の事故から修正されるべきだろう。著者の今の考えはどうなっているのだろうか。 -
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人類の10万年史を振り返ると、近現代の生活水準の向上は驚くべきものである。現代社会の抱える恐るべき貧困でさえ、個別的な事例の悲惨さはさておき全体的な視点から見れば、過去の歴史における破局的な貧困よりはマシであるのは間違いない。ことによると我々人類がマルサスの罠に捉えられていたころの平均的な生活水準でさえ、現代人の感覚からすれば貧困状態と言っても間違いかもしれない。我々は、ともすれば、この科学技術社会を語る際に、産業革命以前の社会のノスタルジックな側面と対比しがちであるが、ノスタルジックな幻想を抱くことも多いが、「世界は常に良くなってきた」ことを、もっとキチンと認識すべきである。
というのが、本書の主題。そこまでは文句なしに☆5の内容。そこから派生的に、「世界はこれからも良くなるだろう」という主張が繰り広げられるが、その部分は☆3かな。 -
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ネタバレにおいが心を動かす; ヒトは嗅覚の動物である
以前から匂いが記憶を誘因することは知っていましたが、本書では匂いと心の働きに関して最新の研究成果を交えて書かれています。
吐瀉物とパルメザンチーズの匂いを事前にどちらの匂いかを話した後だと70%以上の人がその言葉に引っ張られてしまうほど匂いの感じ方は視覚や聴覚と大きく異なっています。それも人によって匂いの捉え方が異なる。
香水師やソムリエなど匂いのプロフェッショナルは匂いを言語化する訓練によってその技能を習得するとのこと。
また、匂いは一度脳内で記号化された後に神経を通じて伝送されるため、実際の匂いと人が感じる匂いは人により大きく異なるとのこと。
匂いの不思議が最近の研究でやっと明らかになってきており、まだまだこれから研究すべき余地は多いそうです。
惜しむらくは、各章の内容が系統だっていないので、読みづらい点が挙げられます。
興味深い匂いに関しての知識としては○ですが・・・
竹蔵 -
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読むと眠気に襲われて、なかなか読み進められなかった。
自分も幻覚を体験したことがあったので、なんとなく借りた本。
刺激を与えなくなると、脳は知覚異常を起こす。
この事実を知ると、いわゆる「修行」や「悟り」というものの薄っぺらさを感じてしまう。
もちろん、知覚異常を起こすほどの追い込み方はしているのだけれど、その体験を特別視する気持ちはなくなる。
様々な事例が挙げられていて、それが興味をそそる。
しかし、本書の内容は訳者あとがきを読めば簡潔にわかる。
脳の働きとしての幻覚。ということを知識として持っていることは、いわゆる超常現象に何かしらの形で触れたときに、一呼吸おいて対峙できるひとかけらの冷静さにつながるのかもしれない。
【memo】
・ジャンヌ・ダルクは、恍惚前兆を伴う側頭葉癲癇を患っていた可能性がある。