脳は世界をどう見ているのか

脳は世界をどう見ているのか

ビジネス・実用
1,540円 (税込)

7pt

4.4

リチャード・ドーキンス、ビル・ゲイツ絶賛!
知能の謎を解く「1000の脳」理論とは? 神経科学者にして起業家が独創的発想で脳の仕組みから人類の未来までを描くベストセラー

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    早川書房
  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワ文庫NF
  • タイトル
    :
    脳は世界をどう見ているのか
  • タイトルID
    :
    1927865
  • ページ数
    :
    416ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年07月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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脳は世界をどう見ているのか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者がもともと携帯端末Palmの開発者であったこともあり、人工知能に関するトピックも扱われているが、興味深いのは、やはり新しい脳理論について述べた第1部である。
    著者の設立したヌメンタ社における研究によれば、脳の新皮質は「皮質コラム」と呼ばれるニューロンの塊を一つの単位として働いている。
    そして、それぞれの皮質コラム(計15万個!)は、構造的には同等のものであって、しかも共通のアルゴリズムに従って働いている。
    もっとも、皮質コラムは場所によって異なる役割(例えば視覚を担当するか触覚を担当するか)を持っており、役割の異なる皮質コラムが組み合わさって認識や思考が形成されている。
    また、著者は、皮質コラムの本質的な機能は、モデル化及び予測であるという。
    「停止しているエスカレータ」を上り下りする際の経験を思い出すと、これが腑に落ちる。
    エスカレータが停止していることは明確に認識しているのに、最初のステップに足を乗せる時の体重移動は、どうしても動いているエスカレータのステップに乗る時と同様になってしまう。
    これは、脳が「エスカレータに乗る時の身体の動き」をモデル化しており、「エスカレータに乗ること」を予測すると、それが停止している時でもそのモデルに従った動きをするよう、脳が身体に指令を出しているからだろう(なお、本書によれば、新皮質は直接的に「指令」を出すのではなく、まずは古い脳に「依頼」を出すのだという。)。

    脳の構造という点からもう一つ重要なのは、主に生命維持や情動を掌る「古い脳」(旧皮質)と、知的機能を担う「新しい脳」(新皮質)の区別である。
    人は「古い脳」なしには生きていけないが、著者は「古い脳」のために人類が滅亡してしまう可能性があるとも主張している。
    本書では、例えば外国人に対する排外的な行動も「古い脳」による本能的なものと説明されており、昨今の国際/国内情勢を見ていると、「古い脳」が世界を滅ぼすこともあり得ない話ではないと思えてくる。

    0
    2026年05月05日

    Posted by ブクログ

    脳に関して現在分かっているしくみを学べた。
    脳は知識や経験を座標で蓄積するんだ!
    ノートや辞書のように並べてるんじゃないんですね…
    そして脳内にモデルを作り、それを基に予測しながら世界を見ているというのも驚いた。脳の予測と違うことが起きると誤りに注意を向けて脳内モデルを更新する。
    日常の慣れきった行動は(脳内予測と同じなので)無意識に行うが、何かちょっとした違和感を感じるとそちらに意識が向く、というのはのその予測モデルから外れるせいなのか!

    また先ほどの座標の話も、たまたまXで「育児疲れで義実家で爆睡後起きた母親が『私は今学生?就活してるんだっけ?あ、子供を産んで育児中だった…』と一瞬自分の時空を見失った話」を読み、ああこれは疲労などで脳内で座標の混乱が起きたせいで脳が時空を含めた現在軸を一瞬見失った話だったのか!と合点がいった。
    記憶喪失とかもそうなんだろうな。
    言葉は理解できるし、身体機能も問題ないし、常識も覚えているのにある記憶だけ抜け落ちたり混乱したりするのは、その記憶に関する座標がうまく機能しなくなっているせいなのだろう。

    また古い脳と哺乳類だけにある新しい脳(新皮質)の違いも分かった。
    人間の筋肉などの身体機能は古い脳でしか制御できず、知能を担う新皮質は直接筋肉に作用することはない。
    また、我々の行動を導く「感情」というものは古い脳から生まれる。
    人間の行動は「感情」から生まれ、古い脳が攻撃的なら攻撃行動をうまく行うために新皮質のモデルを使用し、古い脳が情け深い人なら新皮質のモデルを情け深い目標を達成するために使う、とも。
    つまり新皮質や知性それ自体には目標はなく、古い脳が自らの目標を達成させるためにそれらをうまく使っていると。 


    そういえば私は学生の頃人前に出る、発表するというのがとても苦手で、自分の順番が近づいてくると、勝手に心臓がバクバクと激しく動悸し顔には血が上り、声が震えてどうしようもなくて、頭のなかでは大したことないから落ち着きたいとどんなに思っていても体の反応が頭と逆だった。それは古い脳が「ほかの人間」「人前」を評価してくる敵と認定していて、血流と心拍数を上げて戦闘態勢と恐怖の心理作用を起こしてたんだな…新皮質(知能)は古い脳を制御できないし、つまり身体機能も制御出来ないので、だからいくら落ち着けと心で思ってもだめだったんだな、と理解できた。
    (こういう場合はいくら言葉や頭のなかで言い聞かせても身体反応を制御できないので、同じように身体的な行動である深呼吸などが大いに効くらしい。気休めじゃなかったんだ…)

    後半はAIの話。
    機械の知性と意識について。
    AIには人間と同じような自己更新できる知性ある新皮質のような脳が必要だ。AIは意識は持つだろうが人間の古い脳のような死への恐怖や悲しみといった要素は不要なのでそれをわざわざセットすることはないという前提で、感情はないだろうとも。

    後半ではAIの話と並行して、人間は古い脳によって感情を支配されているのでせっかくのテクノロジーを誤った信念を持つ人たちに悪用されやすく、滅亡の可能性を捨てきれないと言った重点を置く。
    ただ著者は古い脳に対する新しい脳(知能)の勝利を希望してやまない、ハッピーエンド志向で終わらせているのが、警告はあるものの恐怖を煽らない良いまとめ方で良かった。

    0
    2026年02月14日

    Posted by ブクログ

    『脳は世界をどう見ているか?』は、脳を単なる情報処理装置ではなく、世界をモデル化するシステムとして描いている。
    人間の脳は、古い部分の上に新しい部分を積み重ねるように進化してきた。古い脳は生存や感情を司り、新しい脳である新皮質は知能や思考を担う。この2つはルームメイトのような関係にあり、たとえば新皮質が「健康のためにケーキを我慢しよう」と考える一方で、古い脳は「美味しそうだから食べたい」と訴える。人間の行動は、そんな2つの声のあいだで揺れながら決まっていく。

    特に印象に残ったのは、新皮質の構造に関する説明。
    新皮質は、くしゃくしゃになった一枚のシートのように見えるが、実際には「皮質コラム」と呼ばれる小さな柱が15万個も並び、それぞれが知能の単位として働いている。新皮質に明確な境界線はないが、コラムの集まりはゾーニングされ、視覚野や聴覚野といった感覚ごとの領域を形成している。
    各コラムは感覚情報をもとに対象を座標系で理解し、世界のモデルを構築する。脳は常に過去の経験を参照しながら複数の予測を立て、それらがコラム同士の「投票」によって統合され、ひとつの知覚としてまとまる。ホーキンスはこの仕組みを「1000の脳理論」と呼ぶ。

    この理論を読みながら、いくつかの問いが浮かんだ。
    まず、人はどうやって「私」を認識しているのか。
    自己という感覚も、外界と同じように脳がモデル化している結果なのだろう。古い脳が身体の状態を監視し、新皮質がその情報を整理しながら「私はいまこうしている」と構築していく。自己意識とは、脳の内側に描かれた自分という世界モデルと言えそう。

    次に、人によって思考力が異なるのはなぜか。
    思考は新皮質が司る機能であり、新皮質はコラムの集合体として、感覚対象を座標系で理解し、世界モデルを構築する。数千のコラムが投票を重ねて一つの知覚を形成することを考えると、思考力の差は、世界モデルをどれだけ柔軟に再編成できるかという力の差として説明できる。
    コラム自体に先天的な差があるのかは本書からは明確ではないが、もし差がないとすれば、投票の精度こそが思考力を分けるのかもしれない。
    暗記法でよく言われる五感を使った記憶にも、この理論に通じる根拠があるように感じる。そうした示唆は本書にも見られた。

    最後に、「美しい」という様な価値判断はどのように生まれるのか。
    ここでも、古い脳と新皮質の関係が鍵になりそう。脳が予測した世界のモデルと実際の感覚が一致したとき、古い脳が快感として応答する。美とは、予測と現実が重なった瞬間の喜びなのだと思う。
    そう考えると、既知の感覚や世界モデルとまったく無関係なものが美とされることは、脳の仕組み上あまり起こらないのかもしれない。ただ、既知との完全一致は、新皮質が行う予測が意識化されないため、快感には繋がりにくそう。美しさとは、未知の中に既知を見出す瞬間に生まれるとは言えそうだが、それ以上は分からない。

    脳科学の本としての興味から本書を読み始めたが、AIとの関係や人類滅亡に対する提言など、想像以上に刺激的な本だった。

    0
    2025年10月25日

    Posted by ブクログ

    人間の思考は言ってしまえば原始時代から受け継がれている古い脳と新皮質と呼ばれる新しい脳のせめぎ合いであり、その構造が人類の歴史を形作ってきたこと、そしてその構造が私たちの発展や課題に深く関わっていることに気付かされました。

    0
    2025年10月17日

    Posted by ブクログ

    階層でだんだん理解している訳ではなく、1000の脳理論
    新皮質は座標系で知識を会得している
    AIは自身で目標を策定しない
    AGIができたら火星を住める場所にするなどをさせられる(AIには専門性はあるが柔軟性がないため、推定の難しい様々な問題が起きうるタスクを行うことは難しい)

    0
    2026年01月23日

    Posted by ブクログ

    実に刺激的で面白い。物質の塊にすぎない脳になぜ知能が宿るのか。私たちの脳はある単位で「座標系」を持っており、それぞれが異なる評価軸により知覚/行動する=座標系の計算こそ知能の本質、という新説。現行AIの陥穽解決に向けた重要な道標。複製する分子に過ぎない遺伝子からの解放、という人類の「明るい」未来への提言。知的昂奮に脳が喜ぶ一冊。

    0
    2025年07月10日

    Posted by ブクログ

    1,2,3章で結構書いているテーマが違う。
    1章は、脳科学の新しい発見の話。帯や裏表紙にもある、座標系の話。
    2章はAIの話。
    3章は人類の今後の話。
    2,3章は機械と人の知能に焦点を当てている点で共通項がある。

    ずっと脳科学の事かと思っていると肩透かしな部分はあるが、AIは人類に反乱を起こしうるのかとか、人の脳を機械にアップロードしたり、接続したりする事が出来たとして、どうなるのか、といった考察を噛み砕いてしているのでこれはこれで面白い。
    ただ、座標系の話からもう少し広がって欲しかった。

    0
    2025年10月13日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半は「脳は座標系でものごとを認識する」というお話。自分の周囲に置き換えると確かに座標で紐付けて考えてる。ただ座標系でパッと浮かぶxyz次元じゃなくてもっと複雑な次元。よくわからんイメージできない。
    後半は人間の古い脳(本能)と新しい脳(理性)という視点を基にした今後のAIの発達についてというお話。

    世界との物理的相互作用が無ければ学習はできないという性質上、学習スピードが早くても新しい知識とスキルの獲得には時間がかかるので知能爆発は不可能(どれだけシミュレーションが優れてても再現は必要)。AIによる人類滅亡も人類が手引きしないと起こり得ないという話。冷静な考え方だな。人類の脳と人工知能を結びつけて展開される議論になるほどなと。

    0
    2026年09月27日

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  • ジャンル
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  • 掲載誌・レーベル
    :
    ハヤカワ文庫NF
  • タイトル
    :
    脳は世界をどう見ているのか
  • タイトルID
    :
    1927865
  • ページ数
    :
    416ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年07月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    3MB

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