【感想・ネタバレ】心の視力 脳神経科医と失われた知覚の世界のレビュー

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Posted by ブクログ

譜面が読めなくなったピアニスト、文字が理解できなくなった作家、社交的な人が意思の疎通ができなくなった、、何らかの、それまで大事だった能力をなくしてしまい、その状況と折り合っていく人を描いている。最期の「心の目」は、『ビジュアル・シンカーの脳』とあわせて読むと面白いと思う。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

文字を画像として認識できても読めなくなることがある。aphasia。手話失語症なるものもある。言語って一体何なんだろうか。
なぜ文字が読めるのだろうか。文字なんて人類の歴史の中でついさっきできたばかりのようなものなのに。

。。。と、読み終わってから思ったが、そもそも文盲な人の脳ってどうなってるんだろうか。文字が読める人だと識字を担当している脳の場所って、一体全体どうなってるんだろうか。

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2013年07月16日

Posted by ブクログ

見るということは。
網膜で集めた情報が脳の視覚野に入力され処理されることだ。
脳に異常が発生したら。
網膜に異常が発生したら。

失読症、失語症、相貌失認症。
立体視。補完現象、残像、周辺視野
視覚心像。

著者自身が相貌失認症であり、本書の中で右目が失明する過程を記している。
医師でもあり患者でもある。

脳の働きとはなんと興味深く驚異に満ちているのだろう。

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2012年07月26日

Posted by ブクログ

「レナードの朝」で知られる脳神経外科医の近作。ある一方向のものがわからない、人の顔が見分けられない、ものは見えているのにそれが何なのかがわからないといった知覚喪失の世にも不思議な世界の物語。
サックス自身も人を見分けるのが困難という相貌失認を抱えていて、これも初めて知って、びっくり。ただただ唖然。

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2012年06月15日

Posted by ブクログ

人間って本当によくできてるな。当たり前のことに感謝感謝。サックス先生の本読むと毎回同じ感想。すぐ忘れちゃうからまた読むんです。

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2019年09月22日

Posted by ブクログ

 目にかかわる、脳の障害が、具体的な人を通して記述される。とてもひどい症例であっても、大変な努力と工夫により新しい状況を切り開いてゆく姿は、人間の可能性を伝えてくれる。そして、脳そのものの可塑性やいろいろな機能のネットワークを作り変えてゆくすごさに感動してしまいます。

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2016年07月29日

Posted by ブクログ

視力にまつわる医学エッセイ。
「みる」「読む」ということが、いかに精妙複雑な働きで成立しているかを教えられる。
反射した光を感知するだけでは駄目なのだ。それを「認識」できなければ意味はない。
りんごを見たとき、脳内で抽象化された「りんご」という概念と結びつけられなければ、その人はそれをりんごとして見ることすら出来ない。「紅くて丸いの」だ。
物の特徴を抽象化して分類することができなければ、隣の人の頭をスイカだと勘違いしたっておかしくはない。
むしろ人の顔を見分けるのすら高度なワザに思えてしまう。

立体視の素晴らしさについての体験記はとても心を打つ。
雪の一ひら一ひらのなかに身を置く自分を実感するということ…そういう感動を抱いたことなんて、私は今までなかった。
生まれたときから当たり前のように備わっている事柄だから意識しないけれど、もし失ってしまったら、一体世界はどのように見えるのだろうか。話を聞いて想像することは出来るけど、きっとそれは想像でしかない。

視覚心像についての言及も面白い。
その人の経験からくるものと、創造力からくるもの。
頭の中で見えるものって、一体どういう仕組みになっているのだろう。
触覚や聴覚から風景を「見る」ことが出来る…それは目から入った情報とは違うものでありながら、限りなく近いものだ。

足りないものを補完する力。
新しい環境に順応する力。

人間のからだに秘められた数々の可能性に驚かされる。

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2013年06月15日

Posted by ブクログ

「レナードの朝」で知られる、脳や神経と知覚・認識に関する権威オリヴァー・サックスの近刊。相貌失認症や失読症などの脳の特定部位の損傷が原因となる特異な認識の障害を症例を基に紹介し、いかに脳がこの世界をとらえようと働いているかを探る。
興味深い内容だが、しかし専門用語が頻出し(心像とかオクルージョンなど)、文体が学術的になりすぎているきらいがあるので、ワタクシのような門外漢が所謂怖いもの見たさで読むには、読物的な盛り上がりに欠ける。
そもそもそれを狙った書ではないのだろう。
ともあれ、脳はやはり人類最後の秘境なのかも知れない。

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2012年02月26日

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