【感想・ネタバレ】いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月02日


【感想】
いつも時間がない、時間がないと思いがちだったけれども、
時間がないと言う欠乏性に陥っていることに気づかされた。
特に、身体の疲れにより休息が必要と同じように、精神的にも消耗したときに回復を必要とするというのは心に残った。
育児はまさにこれ。

あと、今まで貧困は金銭面しか考えていなかった...続きを読むけれども、
心理的状況や処理能力まで目を配ると言う事はなかった。これも新発見。

【心に残ったところ】

・ひとつのことに集中するということは、ほかのことをほったらかしにするということ。

・欠乏とは、自分の持っているものが必要と感じるものより少ないこと

・欠乏は人の心を占拠する

・欠乏状態とは、失敗できる余裕がないことだけではく、失敗する場面が多い。

・だから、スラックがあることは、豊かさを感じられ、心のぜいたくにも感じる。
(大きなスーツケースに物を詰める時、トレードオフになっていることにすら気付いていない)


・トンネリングは、トンネルの内側のものが鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺のものは何も見えなくなる視野狭窄の状態。

・トンネリング(差し迫った欠乏時に起こす。
例:借金を重ねることなど)を起こし、ほったらかしにし

・ジャグリング(緊急の課題を曲芸並みに次々とやりくりすること)によって欠乏の罠に陥る

・スラックをもとう(ショックをやわらげるくらい)

・本人の意思の問題ではなく、欠乏マインドセットを知り欠乏の罠を避ける方法、やわらげる方法を
・ダイエット、孤独感、借金なども欠乏マインドセット


・処理能力に負荷がかけられると、衝動抑えるのは難しくなる。
(控えたいケーキを食べることや、言うつもりのない言葉を口走るなど)

・自分が孤独になると思い込んだ人は2倍近くたくさん食べている。
他には脂っこい食べ物の摂取量がかなり多い。

★貧困は物質的は状況に重点が置かれがちだが、心理的状況、処理能力にも目を向ける必要がある
(よく眠れていない?頭をきちんと働かせるのが難しい?気が散りやすい、動揺しやすい?そんなことが毎日起こる?)



・圧倒的に1番多かった答えは時間。(中略)
もっと自由な時間が欲しいのだ。
人は身体的に疲れきって休息を必要するのと同じように、精神的にも消耗するので回復する必要がある。
ところが欠乏が長引くと処理能力の負荷は蓄積されがち。

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Posted by ブクログ 2023年07月05日

「時間がない」「お金がない」などの欠乏(◯◯が足りない)とその影響を解説した本。貧困の解説が多い。欠乏によって頭の中がいつもその事にとらわれ処理能力が低下し、肝心の欠乏を引き起こしている原因を解決するのが難しくなる負のループに入ることが解説されている。時間がない場合は最悪すべてのスケジュールをドタキ...続きを読むャンして断ってしまうこともできるが、貧困でお金がない場合は何も手放すことができない。そのため貧困の欠乏の負のループは脱出が難しいという。

欠乏とそれによる処理能力の低下は新しい視点でとても参考になった。豊かな内に欠乏状態にならないように対処することと、処理能力は筋肉のように疲れると落ちるものであるという点はこれからの生活ですぐに役立てられるところ。

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Posted by ブクログ 2022年06月30日

経済学者と心理学者が共著した行動経済学の本。
欠乏は心を占拠し、その対象のことをいつも頭のどこかで考えることになる。心の中の一部が占拠されることで処理能力が落ちる。処理能力が落ちるとへまをする。これは著者によるとバックグラウンドで開いているプログラムのせいで処理速度が落ちたパソコンと同じ状態らしい。...続きを読む
そして欠乏は新たな欠乏を生み出し、深みにはまっていく。
その負の連鎖を裁ち切るには「想定外」に対応する時間やお金をあらかじめ「計画内」にいれておくといいらしい。本の中ではこれはスラックという言葉で表現される。

負の連鎖を人間の意志の力で断ち切るのは難しいので、外的な仕組みを作ることが大切なのだそうだ。

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Posted by ブクログ 2019年01月01日

トンネリング、ジャグリングはとてもイメージしやすく、自分の感覚が定義された気持ちになった。スラックの重要性を再認識した。手術室の話は調整コストの大きさや負荷の偏りの無駄が認識できた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年06月08日

行動分析学に詳しい方推薦図書。時間がないということに対する思考や行動と、お金がないということに対する思考や行動が似ていることがこの本からもよくわかります。欠乏状態によるメリットやデメリットを考えると、多少集中力がアップすることがあっても、欠乏のままいくのではなく、ゆとりへと捉え方を変えていく方法のほ...続きを読むうが、人生や仕事で効果的なことが多いと思います。病院でも、手術室を一部屋あけておくことで、急患の受け入れ、スタッフの余裕、対応の余裕が生まれて業務の効率、売上貢献という成果につながった例など、とても興味深い。

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Posted by ブクログ 2015年07月15日

時間的、金銭的な欠乏状態になると、トンネリング効果で色々なものが見えなくなる。それに陥らないためには、余裕が必要なんだけど、余裕があるときに対策を打っておかないとダメ、と。
また、処理能力は一日の中でも波があるので、スケジュールはそれも考慮に入れて立てていくことが重要である、と。

この本は、適当な...続きを読むタイミングで読み返したりしてみたい。

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Posted by ブクログ 2015年04月06日

おすすめ。「欠乏」という状態について「トンネリング」「ジャグリング」「スラック」などをキーワードを基に、どのようにして起こり、どんな負の影響があるかを解説。スラックの重要性がよく分かる内容。汎用性のある内容で、一度は読む価値は間違いなくある

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Posted by ブクログ 2021年01月05日

久しぶりに行動経済学ものでおもしろいやつ。不足や欠乏は頭を悪くする(部分的には頭よくする)。読んでて気分悪くなった。生活上にも、道徳やら貧困やらを考える上にもとても重要な本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月12日

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いつも「時間がない」あなたに/センディル・ムッライナタン、エルダー・シャフィール

最近、仕事が多忙になってきて、あー、忙しいなぁ、時間が足りないなぁと思っていたところ、この心理状況のプロコンって何だろう?と思い、手に取った本。

この本は様々な実験から、時間のみならず、金銭面でも、人...続きを読むが欠乏を感じた時の心理的影響と生産性の変化を分かりやすく教えてくれる。

この本のキーワードは、"スラック"、"トンネリング"、"ジャグリング"である。
スラックとは、余裕があることを指す。大きな旅行カバンだったら、必需品以外も入れることができ、お土産用のスペースができるかもしれない。これがスラック。
トンネリングとは、トンネルに入ると抜けた出口から入る光が見え、それ以外は真っ暗で見えない。人は予定が詰まっている時、急用に追われている時、目の前のタスクにしか目にいかず、他の要素は見えなくなる。この状況をトンネリングと呼ぶ。
ジャグリングは忙しい人は一つタスクが完了したとしても、すぐ次の急を要するにタスクを処理しなければならず、急用の連鎖を意味する。

どんな人も逼迫する状況では、トンネリングが発生する。重要な要件があっても先延ばししていると、目の前のタスクが終わったら、その重要な案件の締め切りが来る。ジャグリングが発生する。
これを防ぐためにはスラックが重要である。

スラックを作ることで効率的になった事例、研究結果がとても面白かった。

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Posted by ブクログ 2016年06月19日

・欠乏(scarcity)は短期的な集中力を得るが、その他に関する処理能力は下がる。
・(時間・お金・人間関係に)裕福な人間は欠乏による影響を受けないため、貧困な人間個人の能力が低いと錯覚してしまうが、環境が処理能力の低下を引き起こしている。
・本の内容は重複が多いので、4割コンパクトにできてれば★...続きを読む5だった。

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Posted by ブクログ 2016年06月20日

仕事やトレーニング、自分に課したタスクなど、その通り事項できないことが多いだけでなく、いつも「忙しい」のはなぜか。どうしたら余裕を持ってことに当たれるのか。そのものズバリの解決策が示されているわけではないが、そうなる原因について多くの示唆があり、参考になった。やはり全体の20%程度の「空き時間」が重...続きを読む要なようだ。「トンネルの外を見る」「雪と牛乳を示さない」「時間ではなく処理能力と認知能力」「変化を認知するのはいつも30分の1」「豊かな時に時間を貯金する」

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Posted by ブクログ 2016年03月14日

確かに仕事を後回しにして、仕事が回らなくなることがよくある!前倒しでやれば良いのは分かっているが、実際には難しい。何か気掛かりな事があると、色々な事の処理が進まないし、精神的に疲れる。これが、貧困から抜け出せない大きな原因だとは驚きだ!

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Posted by ブクログ 2015年08月07日

欠乏は、お金であろうと時間であろうと食糧であろうと欠乏したものへの集中力の向上を生みだすとともにそれ以外のことの処理能力の低下を生みだす。トンねリング効果。
欠乏への対処、欠乏を起こさないように豊かなときに取り分けておく仕組みを作る。
欠乏とともに処理能力の低下を計画の際に考慮する。メールチェックを...続きを読む先にしない。処理能力の高い状態を割り振るべきタスクを選択する。

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Posted by ブクログ 2015年04月20日

「写真を撮るというのはフレームに入れるということで、フレームに入れるということは締め出すということだ」

欠乏が及ぼす効果について書かれている本。時間が足りないという人は、時間を手に入れても結局時間が足りないという。欠乏状態では集中力が高まる。しかし、それ以外のものが見えない。そして、短期的なものし...続きを読むか見えず、将来のコストは無視される。よって、欠乏のスパイラルにはまってしまう。お金がない人は、保険が必要でも入らない。そして、保険がないためにさらなる出費が必要になる。ここで、保険に入る費用はさらに捻出されなくなる。

本書では、足りない状態にいる人々が負の連鎖にはまる姿が多く紹介されている。

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Posted by ブクログ 2015年04月10日

人は、足りないと感じているものに心を奪われてしまう。他のものが目に入らなくなる。処理能力が低くなる。

人間関係の失敗は、そこに起因するように思える。

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Posted by ブクログ 2022年09月28日

橘玲の推薦本。
読んで改めて、余裕(ゆとり)が大事だと思った。

常に忙しく、コップの水がいっぱいの場合は新しい水を入れることが出来ず、入っている水を捨ててから入れるしかない。
切羽詰まった状況だと目先のことしか見えず、大切なことを見落としてしまう可能性がある。

心に余裕をもつ生活が大切だと思った

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Posted by ブクログ 2018年10月24日

トンネリングすると集中できるメカニズムは確かに納得。家で捗らないレポート作成が、スタバでは不思議に捗るのも、こういうことかと。あとはスラックの大事さ。時間的・空間的な遊びが無いと、却って非効率になる。

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Posted by ブクログ 2019年04月27日

行動経済学
欠乏は心を占拠する。トンネル効果。ニュールック心理学。
研究の種となる話題が多かった。購入しよう。

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Posted by ブクログ 2016年09月22日

時間欠乏の影響は、まったく異なる多くの分野で観察されている。大規模なマーケティング実験で、一部の顧客には有効期限つきのクーポンを送り、ほかの顧客には同じような期限なしのクーポンを送った(8)。すると、期限のないクーポンのほうが使える期間は長かったにもかかわらず、使われる確率は低かった。時間があまりな...続きを読むいと思われないと、クーポンは注目を引かず、忘れられることさえありえる。
締め切りが有効なのは、まさに欠乏をつくり出し、注意を集中させる

なぜ欠乏がトレードオフ思考を生むのか、その理由が明らかになる。スーツケースが大きければ、人はいいかげんに荷づくりする。隅から隅までぎっしり詰めることはしない。あちこちに使われていないスペースが残る。私たちはこのスペースを、本来はゆるみやたるみを意味する「スラック」と呼ぶ。詰め方がゆるいので何も入らずに残る部分だ。

トンネリングと借金  なぜ人は何かが欠乏した状況に直面すると借金をするのだろう? トンネリングを起こすからだ。そして借金をすると、将来的にはさらに深みにはまる。今日の欠乏が明日の欠乏を生む。

重要だが緊急でない活動を後回しにするのは、借金に似ている。それをしないことで、今日は時間が浮く。しかし将来につけが回る。

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Posted by ブクログ 2016年04月28日

タスク管理の本のようなタイトルだが、内容的には時間に限らず金銭も含めた「欠乏」の対処法。正論ではあるが凡庸な内容。経済的な欠乏が認知能力の欠乏にも繋がるという箇所以外は読む価値がどの程度あるのかやや疑問?

・欠乏は心を占拠し、満たされないニーズに心を向ける。空腹の場合は食物だし、多忙の場合はやらな...続きを読むければならないプロジェクトだ。

・欠乏にもよいところはあり、注意を他から奪い去ってひきつける。締め切りがあると集中できるのはそういうことなのだが、締め切りがあるふりをして、自分をごまかして一生懸命やるのは難しい。

・欠乏状態になると、トンネル効果がおこる。
例えば、「白いものをできるだけたくさん挙げてください」と言われるのと、「白いものとして雪や牛乳があります。他にどんな白いものを挙げられるか考えてみよう」と言われたのでは後者の方が難しくなる。これは白いものを考え始めた時に、その代表的な例である雪や牛乳に考えが戻ってくるからで、心理学的には「抑制」とよばれるものの理教である。一つのものに集中すると競合する概念が抑制される。
トンネルの中にはいると重要だが緊急でないことなどをトンネルの外に追いやって先送りしてしまうので、トンネルを抜けると次のトンネルに入るという悪循環(ジャグリング)に陥る。

・様々な種類の欠乏は共通した基盤があり、例えば貧しい人たちに金銭にまつわる心配が生じると、ひどい睡眠不足と同等かそれ以上の認知力が損なわれる。(金銭的に余裕のある人にはこういう効果はみられない)

・これを避けるためにはスラック(スーツケースの中の空き部分のような余裕)を作る。最初から意図的にスラックを作っておく。これという理由もなく、スケジュールに余分な空きを野押しておく

・長い期限はトラブルの元になる。初めのうちの豊かさが無駄を促し、期日が近づくころにはトンネリングとほったらかしが生じている。長い期限を段階的にいくつかに区切ると悪循環になる前に断ち切ることができる。

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Posted by ブクログ 2015年11月21日

私にとっては、難しい本でした。
時間だけでなく、いろんなことが欠乏してしまう。ではどうするか?私にはよくわかりませんでした。

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Posted by ブクログ 2015年09月23日

時間が無いなら本書は読まないほうが良い。
大半が「なぜ時間がないのか?」という調査研究の類で、タイトルから想起される「どうしたら解決できるか?」という部分はほぼ書かれていない。
また、「結論」の章に至るまでとりとめなく書いていて、有益な情報はあるものの、整理されていない。序章に書かれている通り、「と...続きを読むにかく時間がなかった」んだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2015年08月01日

時間の欠乏と貧困は、それを生じる環境、仕組み仕掛けに囚われているから起こる。単純にマインドセットを変えれば済むという話ではない。
これはの人は、視野狭窄であるトンネリング、次から次の問題には翻弄されるジャグリングに見舞われる。それを回避するには、スラック、つまり「余裕」を持たせることである。
その「...続きを読む余裕がない」が当人の言い訳であるが、トンネリングの人は置かれた状況を是としているので改善方法に気付かない。深夜までフルに使っても手術をこなせない病院での例では緊急用の手術室を一つ開けるという手法をとったが、関係者は全員反対したという。
結局のところ、本書は万能薬ではない。しかしながら問題を解くためのヒントは十分である。改善を為すには問題の本質を見極め、関係者の反対にあっても断行しなければならない。そして一番重要なのは大局的な視点である。
私も昔テンパった時に助けて貰ったのだが、細かく分類して、余っているリソースにディスパッチしていくのがやはり効率が良かった。一つの業務にはスキルレスのものや、他の人の方が圧倒的に早いという場合は多いからである。
現在仕事で絶賛ジャグリング中であるが、良いタイミングでこの本に出会えた。感謝である。

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