どうしよう。本気で感想書いてたら指もげる。
短く不恰好でここでは書けないようなものしか触らない指ですが、私にとっては大事なかわいい指ちゃんなのでそこそこに書いていきます。
言いたいことは表題のまま。てかドーキンスの時点で表題すら要らないかも知れない。が、私も含めて今回はどんな表現方法で彼の主張を筆圧高くなぞってくれるのかニヤニヤしながら読んでいきます。正直1割、いや2割くらいは日本語で書いてあっても理解不能ではありますが、残り8割も理解してるつもりであって正しく理解してるわけでも記憶してるわけでもないので気にしません。
1動物を読みとる
いきなり「あなたは遺伝子版死者の書」ですよ。また「パリンプセスト」であるとして赤と青のインクで美しく書かれた葉書を挿絵としている。
外人プレゼンの基本形を感じさせますね。まず冒頭に結論、そっから色々展開していって最後にまた結論。ダイヤモンド型。薄い本ではないですが、ここから始まる話は全てこれが言いたいのだと心の準備が出来ますし、13章ではここに(もしくは同意の別比喩に)戻ってくるのねと期待させてくれます。親切なのよ。
2絵画と彫像
死者の書の分かりやすい例として擬態を紹介。
楽しいけれど正直ここはなくても本筋通るのでは?とか思ったけど遺伝子が死者の書であることを一瞬で体感させる(擬態生物は環境変わったら目立ってしゃーない。喰われて絶滅。)ためにはこれが1番分かりやすいか。
3パリンプセストの深層で
進化の途中で海陸海陸と行き来した生き物たち。こういうのも創造論の人達は無視するのかねぇ。
「人のパリンプセストは太字で四足歩行と書かれ、その後二足歩行、成り上がりで新参者の二足歩行とうっすら上書きされている。」腰痛のたびに思い出すとあるけれどまさに。原罪があるとするならこっちじゃない?
パリンプセスト論では盲点、反回神経、骨を紹介。(巻末では精巣と陰茎をつなぐ管も紹介)
4リバースエンジニアリング
これとこれをするために設計されたものは、おそらく似たように見えるだろうってなことを言いたいようで。心臓とポンプ、食事が同じながら種が全く異なる生き物の骨の比較など。私としては「犬歯というけれど原生肉食ではネコ科の方が長い犬歯に頼っている。なぜならイヌ科は追跡ハンターで獲物は疲れ切っている。ネコ科は不意打ちだから犬歯必要。」ってのが1番おもろかった。にしても犬歯という名称を使ってること自体現代には(というか1万年前からでも)そぐわないのでは?猫歯でいいじゃん?
5共通の問題、共通の解決策
コウモリは色を聞くと推論する。そもそも我々が見ているものは脳独自の着色であり異なる波長の光のコード化されたラベルとしての脳による内部調合物である。恣意的なラベルであるという同じ考え。なるほどね。てか本当そうですよね。我々が見ているものが世界なわけない。紫外線すら見えてないとかそういうレベルじゃなくて、赤とか青とか勝手にほざいてるだけなのよな。
何度も進化をし収斂していったホンソメワケベラや掃除エビと床屋が同じ縞模様であるという小話も好き。
6主題の変形
一見あまりにも違って見えるカニの甲羅も数学的法則の変形だったりする。ここでは甲殻類が取り上げられてますがあいつら確かに無茶してますよね。特に石川秀美(幼生時代)。フジツボ、君には別室で話がある。
7生きているあいだの記憶
「何が報酬、罰になるか。脳による選択は確定していない。遺伝子の自然淘汰によって決まる。」
8不滅の遺伝子
物理的なDNA分子自体は一時的でもヌクレオチド配列に記された情報は潜在的に永遠だ。
「わたしは体をたくさん見てきた
あなたは自分が賢いと思っているが
わたしは永遠に生きながらえる
あはたは生存機器にすぎない」
まず乗り込み、育て、そして捨てる。
そうなのよ。
9体壁の向こうへ
延長された表現?てのかしら。ミノムシ、トビケラ、トックリバチアナバチ、カマドムシクイ、ニワシドリなど。
10振り返る遺伝子の視点
ここのカッコウ、おもろかったわー。
てかホトトギスってウグイスに托卵するのね。
あとジュウイチの動画がYouTubeであった。最初本当に口に見えた(羽の内側が)。ありゃすごい。
てか繰り返すけどこの辺の生き物も神が作ったと思ってる人達がいるんだよね?創造論って一部の犯罪者にとって都合いいんだろうなぁ。(ごく一部のね。ほとんどの信者は真面目だとは思いますが)
てか全然話変わるんですけど喜多嶋ま(以下略
11バックミラーをもう少し見る
あんましピンとこなかった。
12良い時間、悪い仲間
「種の遺伝子プールはほかの全ての区画と隔離された独自の密閉された区画のなかでバシャバシャと水飛沫をあげる」
それよね。種ってのは。もういい加減「人種」って言うのやめようよ。あと「白人」も。ピンク人でいいじゃん。有色ってなんだよ。てめぇら内蔵透けてんのかよ。ねぇ。
「遺伝子は他の遺伝子と協力しあっていかなければならない。それは現在の体の中の仲間とだけではなく、次世代で共通プールから排出される異なる仲間のサンプルとも協力しなくてはならない」
なーるーほーどー。私達は遺伝子レベルでも個人レベルでも同じなのね。
「種にアイデンティティを与えるのは有性生殖なのだ」
蛾の顕性遺伝子が消えた話もおもろかった。
そんな程度って言ったら乱暴だけど、それくらい偶然というか、たまたまなんだよなぁ。人間はバラエティが少なすぎてこういうことも起きないんだろうけど。
13未来への共通の出口
我々自身の細胞が40兆として、腸内には40-100兆の細菌がいて、更に数千兆のミトコンドリアがいますと。細胞ベースだと私は私のマイノリティなのね。こないだ読んだ本でも「自分自身をもっと広義に捉える」というのがありましたが、そもそもこれが私の体!と思ってるものが細胞ベースでは全然少数派なわけですから狭義も広義もへったくれもないですよね。そうなると手入れして長く使うよりは70年で乗り捨てた方が手軽なただの乗り物としての自覚も生まれやすくなります。
指ってか首が痛いからもう書くのやめるわ。
解説にも「本書はドーキンスの集大成」とありましたがほんとそんな感じ。脇に逸れるおかげでどのトピックも内容は分厚く、写真や挿絵もたくさんでカラフル。楽しい。ジャレドダイヤモンドもそうですが元気で長生きして欲しいなぁ。でも年齢的にそろそろ執筆は難しくなるでしょうね。これが最後の本とかなのかなぁ。
私がパッパラパーなりにこざっぱりと生きてこれたのはドーキンスの本によるところもあると思う。いや、ある。こんな偏食のパーにも食べやすいように知識を飴でくるんで与えてくれたドーキンスにまた感謝。利己的な遺伝子はいつもベッド横にありますよ先生。