ドーキンスの著作のファンで、今回新刊が発売されたので迷わず購入。
進化論の有効性を徹底的に解説した名著「盲目の時計職人」の内容を、「飛行」という切り口のみに絞ってかなり易しく砕いて(イラストまでつけて)説明した本という感じです。
「生物はなぜ飛翔するのか?(または、なぜ飛翔しないのか?)」
この
...続きを読む問いに対して全面的に分かりやすく答えてくれる本ですから、内容はおもしろくないというわけではありません。
ただ、以下の点が気になるポイント。
①なんといっても価格の高さ。フルカラーイラスト満載とはいえ、ちょっと手が出にくい価格。テーマはおもしろいだけに、みんなに読んでもらいにくい価格設定はいただけない。
②そのフルカラーイラスト、美麗で精巧なのは間違いないが、解説や理解に全てが役立ってるかというと、ちょっと疑問。「これはイラスト要らないんじゃない?」っていう印象のページもあります。
③なんだか広すぎる余白。もちろん、本文テキストとイラストの整合性をとるためにレイアウトの制約はかなりあったとは思いますが、ページ数の割りにあっさり読み終えてしまいます。なんだかさびしい。
イラスト付き、余白も充分、内容平易ではありますが、中高生にはちょっと難しい内容もあるし、知識のある方や従来のドーキンスファンには物足りない感じだし…という印象ですね。
ごりごりのテキストでこれだけのページ数で読みたかったけれど、それでもドーキンスの語り口、考え方、イラストの遊び心が楽しい一冊でした。