森博嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
うーん何だかとってもフワッとした感覚のお話だった……。
そして最後に明かされるトリックがS&Mシリーズのあの話を少しだけ思い出しましたね。
何だか今回の話、いつもの作品と少し雰囲気違った気がするのは私だけなのだろうか。
過去に事件の舞台となった場所で見つかる新しい謎。荒唐無稽に思える実際に起きたとされる殺人事件の話。そして謎の死体と世界で暗躍する組織の話。
それぞれがまるで関係ない話のようなのに少しずつピースがはまるように繋がっていくのは流石だなぁと思ったのですが、如何せんちょっと回収されなかった部分なんかもあったりして不完全燃焼感を拭いきれないというか……あの、結局あの組織何だったの?
あ、今回の彼は若干「ざまぁ」でしたね。
何やかんや読み進めているうちに遂にVシリーズもあと一冊を残すのみになってしまいましたね……早いなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんでこの人はこんなに悲観的かつ退廃的なのか、と面白くさえなってきた。
結論はフレーズにも取り上げているが、他者に依らず、探求を重ねられ、自己完結するものが夢なのだ。そのためには、いまこの瞬間から、グダグダ言っていないで始めなさい、ということだ。
これには多くの反対意見があるだろうと思うけれど、私は納得したので評価は3にした。なんとも研究者らしい考え方だし、ずっと追いかけられる夢ってそういうものだよなと思うし、楽しそうにしている人の夢の半分はそういう夢だと思う。
一番面白かったのは、寄せられた夢の数々をバッサバッサと切り捨てていく第2章。不快に思う人もいると思うけれど、爽快だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
p142
コントロールが難しいものには、女性名をつける習慣があったように思える。いや、私の個人的な感想だが
p183
正義も悪意も、同じく雑音であり、輝きを演じる装飾の屈折にすぎない。
AIに対する認識は変わらず、仮想世界と現実の世界の境界が曖昧に混ざり合う4作目。
思うにこのシリーズのテーマの一つとして、人と人が作った機械の境界とは、という問いがあげられると思うが、作者のイメージは一貫していて、機械と呼ばれていたものが人と呼ばれるようになる。言葉の意味は変わる。
ブラックミラーのエピソードを想起したりも。人とAI。人のほうが優れている発想が(エッセイとかで散々書いていた気も)今作の核に。
今後もちびちびと次作も読み進めたいと思います。 -
Posted by ブクログ
「百%」や「全面的」ではなく、最初から「九十%」や「大部分は」と述べる事で、その意見の精度が上がるだろう。自分は残りの十%について述べたい、という意思表示にもなって、論点の重心がより明確になる したい事に向かって、出来るような活動をする事は、誰にでも出来るし、大抵の場合、何時でも出来る。考えるだけでも、実現への活動と言える。すると、未だ出来ていない状態であっても、何だか幸せな気分になるだろう。つまり、空を飛べなくても、空を飛ぶ為に何が必要で、どうすれば良いかと具体的に考えるうちに、まるで空を飛んでいるような感覚になる。人間は、結局全てのものを頭脳で認識している。だから、夢へ向かって考える事が、既に夢の実現と同じ位楽しく感じる。そして、其れこそが「自由」なのである。目的をあっさり実現出来るよりも、寧ろ長い時間、自由を楽しめる。 リバウンドで一時的に繁盛を取り戻しても 古い頭はパラダイムシフトを迫られている ニュースで報じられる犯罪者は、「どうしてあんな馬鹿な事をしたのだろう?」と大勢から不思議がられるのだが、全然不思議ではない。欲望の赴くままに行動しただけの事。寧ろ素直で正直で、最も簡単な道を選択しただけなのである。 それでも、人生はせいぜい六十年と予測していた。それまでにやりたい事はやり切った方が良い、と予定を立てた。仕事を早々に離脱し、今のような生活になったのも、ある意味、気が焦っていたからだろう。そして、もう六十年を過ぎた。今はロスタイムだ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレうわー!
前作で「何だかあの2人が懐かしい」なんて感想に書いてたらまさかの再会出来ちゃったよ!
ちょっとびっくりしちゃったよ!
という訳でVシリーズもとっくに折り返しに入っている訳ですが、今回の話は本編というよりはスピンオフ感が満載の一冊でしたね。
現場に出くわしたのは保呂草さんと西之園萌絵!
まさかこの2人が出会う話を読むことが出来るとは!
私が常々思っていたことをこの2人がお互いに対して思ってくれたことに私は大満足ですよ、ねぇ!似てるよやっぱ!
そして紫子と練無がいないとこんなにも現場が静かになるのか……と思われた作品にもなりました、あの2人どんだけ喋るのよ。
それにしても久々に見た西之園萌絵、相変わらず事件が起きるとフルスロットルになったりちゃんと定時連絡を欠かさなかったりで変わってなくて安心しました。
あの頃よりいくらか未来の話……になるのでしょうか、国枝先生も少し柔らかくなった?って感じがしたし。
しかし萌絵、やっぱり肝心のところで詰めが甘い……今回は保呂草さんの勝ちでしたね。
紙一重な感じはあったけれど。
個人的にはもう少しメインストーリーの結末をハッキリしてくれるともっと嬉しかったのだけれど……まぁ保呂草さん途中で帰っちゃったわけだし、そこは仕方ないのかな、と。
それにしても紅子さん何を伝えたのでしょう。
やっぱり元々お嬢様だったわけだし、瀬在丸家と西之園家何らかの繋がりがあったのかなぁ。
そして今更すぎる今更なんだけど、このタイトル「利鈍」と「Riddle」がかかってるんだね……鈍いなぁ私…… -
Posted by ブクログ
「持つものと持たざるもの、悪いのは誰か」という帯のコメントと綺麗な装丁に惹かれて手に取った一冊。
そして、どっと疲れた読後。
小説だけれど、新書を読んだあとのような。きっと好みが分かれる作家さんだと思う。あとから名古屋大学工学部で工学博士として勤務してる作家さんって知ってすごく納得。
理知的で、冷静なホームレスの少年。自分の確固たる信念のようなものを持っていて、社会を俯瞰して見ているのだけど、どこか掴みどころがなくて不気味だった。
なぜか説得力のある彼の言葉は、共感はできないけれど頷けるところもあって、たくさん考えさせられた。
〜*〜〜〜*〜
働いていない人間、金を持っていない人間は、事実上、普通の社会人としては扱ってもらえない。1人でぶらぶら歩いてる自由は、この国にはないようだ。
革命が起きるには、日本の社会は成熟しすぎた、ということだ。
だが、全ての成功には代償が伴う。何かを得ようとすれば、差し出すもの、奪われるものがある。普通に生きるために生き物の摂生が必要なように、築くためには破壊しなくてはならない。
だから、その偉くなった奴らが定めたこの日、この場所だけで、羽目を外して自由になろう、というわけだ。馬鹿じゃないだろうか。そんなものが自由か?
目の前に吊られた餌を、自由だと思って噛み付く連中。馬鹿ばかりだ。馬鹿の社会なのだ。
自由なんて、全部嘘っぽっちなのに。
面白いものは、すべて偽りなのに。 -
Posted by ブクログ
S&Mシリーズ7作目!
奇数章だけという前作に続いて
今作は偶数章だけ
ということよりも何よりも
あくまで前作の奇数章の方で動いてるからか
今作はS&M視点で話が進まない…
大半がM=萌絵の親友であり
今作の事件の渦中の人物でもある
杜萌視点!
S&Mの会話や空気感が好きな身としては
物足りない…
もちろん2人のちっとも進まない関係は
出てこないのだから
尚更進まない…
杜萌視点だと昔の萌絵と今の萌絵が
友達目線で同じレベルで描かれるから
そこは楽しめた。
今までも萌絵の友達ポジションはいたけど
今作の杜萌は親友というだけあって
萌絵の過去を知っていて
萌絵としっかり繋がっているというか
それでいて
同種というか同等というか…
そして今作は萌絵の代わりではないだろうけど
萌絵の叔母の睦子さんが
ちらほら出てきてくれるのが救い。
「あんなにお優しくてはね、ちょっと大物にはなれません。これ、嫌味じゃなくてよ」
なんて、叔母さまが言うからこそ素敵。
乗馬とゴルフの小話も良き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ筆者も本の中で伝えているが、
本書は子供向けの本ではないし,子供に勉強させたい親が読んでも,ほぼ意味がない。
これは確かにその通り。
本書では大人がする勉強について論じている。
子ども時代にやっていたのは本当の勉強ではないんだよ。
子供が学校で習っているのは,大人になってから本当に楽しい勉強ができるための基礎体力をつけているようなものなんだよ。
本来の勉強はもっと楽しくてワクワクするものなんだよ。
と主張している。
そういう意味では、
学校で教わる勉強への筆者の立場は明快で、キレイゴトではなく本質を突いている点はとても同意できる。以下がその抜粋です。
「その学習は全然楽しいものではない。だが,のちのちの自分の可能性を狭めることつながるので,騙されたと思ってやっておくしかない。「楽しくないけれど,我慢しなさい」と説得することが正しい。」 -
Posted by ブクログ
なんだっけこれ、と思って手に取る。
このシリーズては第八弾とのこと。そんなにあるのか。
森博嗣のエッセイをきちんと最後まで読んだのははじめてかも。
パラパラとは見知っているけど。
さすがに私ももう若くないので、昔ほど感銘をうけない。(笑)
森博嗣は、小説を読むような人間にきびしめで、毎回自分が小説をかくのはビジネスなだけ、小説を読むようなひとは思い上がりのある人間で自分たちが奇特な少数派だとわかってない、小説界隈の世界は一般社会に比べればあらゆる点でオワコンである大意ときたもんだ。
まあ多分毎回これ。
一種の様式美で、読者も作者もわかったうえで毎回やってるやつです。
今回読んで面白かったのは、ここだけ熱量がちがう犬の話と工作のこと。
(そういえば、子供の科学の連載も、すこしまえに終了するまで読んでたよ。たまたまだけど。
森博嗣先生のですます文体が読めるのは、子供の科学だけ!ってかー。)
あと面白かったのは、作者本人の自作お気に入りは、まどろみ消去だったらしい!すごい、私と一緒じゃん(笑)!
そしてあのカタカナ表記も健在。カレンダ、ミステリィ、計算機センタ、センサ、そしてこの表記ではオスプレィになるのね。笑いました。