佐藤賢一のレビュー一覧

  • 革命のライオン 小説フランス革命 1

    Posted by ブクログ

    全巻文庫で集めて満を持してのスタート。第1巻はミラボーの活躍を中心に、三部会の召集と、第一身分の合流までの話。まだまだ序盤だが、この先の展開が楽しみ。フランス革命についてよく知っているつもりの自分なので、知らない人が読むとどのように感じるかが分からない。よく知っている側からすれば、第一巻は知っている話ばかりで、小説を読んでいるというよりは、教科書をなぞっている感じがしてします。第2巻以降、ここにそれぞれ個性豊かなフランス革命の主人公たちの感情が入ってくれば盛り上がること間違えなし。期待を込めて読み進めていく。

    0
    2016年03月26日
  • 英仏百年戦争

    Posted by ブクログ

    著者は歴史家ではなく、歴史小説家。

    それがために語り口は全然学者っぽくない。

    あえて言えばべらんめぇ調である。

    ぼく自身、百年戦争は過去に読んだことがある。

    それもとても良い本だったが、殆ど忘れてしまった。

    覚えていることと言えば、登場人物が錯綜してヤヤコシイ。

    イギリスもフランスも沢山の家系が出てきて、それぞれが組んずほぐれつの争いを繰り広げる。

    以前読んだ時はまだ若かったので、家系図を見比べながらかなり真剣に理解に勤めた。

    今はもう歳なのでそんなエネルギーがないことは分かっているし、すぐに忘れることを知っているから、読み飛ばすに限る。

    そして結局はフランス人同士の戦争であ

    0
    2016年02月29日
  • カルチェ・ラタン

    Posted by ブクログ

     1536年のパリ。新米夜警隊長のドニ・クルパンとその元家庭教師ミシェルは、パリで起こる様々な事件に挑む。
     しかし、ある事件でミシェルが犯人として疑われ、ドニはカルチェラタンの神学生たちとともに、パリの裏にうごめく陰謀に挑むことになる。

     主人公のドニは、他の佐藤作品と違い女性にかなり奥手。そんなドニに事件の指南と共に、女性指南もするのがミシェルです。このミシェルの女癖はかなり悪く、それだけにドニとのデコボココンビぷりが際立ちます。この二人のやり取りが面白いです。

     そして、登場人物たちも豪華です。神学生として登場するのは、フランシスコ・ザビエルやイエスズ会の創立者、グナチオ・デ・ロヨラ

    0
    2015年12月18日
  • ジャガーになった男

    Posted by ブクログ

     太平の世が訪れようとしていた江戸を飛び出し、遣欧使節に加わった伊達藩士の寅吉。たどり着いた先イスパニアでの寅吉の冒険と恋を描いた西洋歴史ロマン小説。

     久々にこんな気持ちのよくて、そしてバカな男の話を読んだなあ、という気がしました(笑)。ある意味憧れますが、でも一方で反面教師にしないといけないような、彼の生き方は何とも複雑な気持ちにさせられます。

     戦国時代が終わったものの、戦いと冒険を求める根っからの武士である寅吉。だからこそ、戦国時代が終わり安定した政治が始まろうとする江戸時代の日本を捨てイスパニアに向かいます。

     イスパニアに行ってすぐ冒険があるわけでもなく、寅吉はそこで恋をし、

    0
    2015年10月24日
  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

    Posted by ブクログ

    一番印象に残ってるのは、シャルル6世の項。と言ってもシャルル6世自体は影がうすい。
    ブルゴーニュ公との熾烈な戦いは読み応えあった。

    0
    2015年08月05日
  • カペー朝 フランス王朝史1

    Posted by ブクログ

    カペー朝の各王をこんなに詳しく知れる本は貴重。熟読必須。
    とりあえずカペー朝は尊厳王フィリップ2世、聖王ルイ9世、美男王フィリップ4世を覚えておけばよさそう。

    ユーグ・カペー
    ロベール2世
    アンリ1世
    フィリップ1世
    ルイ6世
    ルイ7世
    フィリップ2世
    ルイ8世
    ルイ9世
    フィリップ3世
    フィリップ4世
    ルイ10世
    (ジャン1世)
    フィリップ5世
    シャルル4世

    0
    2019年10月23日
  • 双頭の鷲(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    古本で購入。上下巻。

    舞台は14世紀、後に「百年戦争」と呼ばれる戦争真っ只中のフランス。
    劣勢にある国を救ったブルターニュの貧乏貴族、容貌魁偉の戦の天才にして救国の英雄、ベルトラン・デュ・ゲクランの天衣無縫の一代記。

    イギリスとフランスの泥沼の戦争が繰り広げられる世界で、ひとりの喧嘩上手の男が成り上がっていく様は痛快で、単純におもしろい。
    日本の歴史小説としては割と(かなり?)ニッチな百年戦争、しかもジャンヌ・ダルクが活躍する末期ではなく初期を扱っているというだけで、歴史好きにはたまらない。
    こういう、天から遣わされた(司馬遼太郎風)ような男が閃光のように駆け抜ける歴史物語は、やはりいい。

    0
    2015年08月01日
  • 英仏百年戦争

    Posted by ブクログ

    フランスはいつからフランスか、イギリス人はいつイギリス人になったのか。
    うーむ、刮目の一書。

    百年戦争のはじまりの頃、それは「フランス人」同士の戦いであった。

    ノルマンコンクウェストがフランス人によるイングランドの征服であったこと、イングランド王室の宮廷ではフランス語が話されていたこと、一つ一つの知識はあったはずなのに、それがどういうことなのか理解してなかった。
    失地王ジョンは何をなぜ失ったのかも、全然わかってなかった。

    非常に勉強になった。

    0
    2015年07月27日
  • 革命の終焉 小説フランス革命18

    Posted by ブクログ

    ロベスピエールが断頭台におくられ、革命は終わりを告げる。歴史的にはこのあとナポレオンの時代に。
    しかし、フランス革命が、近代国家で初めて共和政を実現した国民に残したものは大きい。

    風刺画が引き起こしたその後の状況は、自分たちが、自分たちの生活を守る主役であることを意識している様に感じた。

    翻って、日本では、一般の国民には、自分たちで自分たちの生活を守るという意識は薄いのかもしれない。

    0
    2015年06月27日
  • ダントン派の処刑 小説フランス革命17

    Posted by ブクログ

    恐怖政治は苛烈さを増す。
    革命の仲間も断頭台の露と消えてゆく。

    閉鎖的な環境で理想を純粋培養したロベスピエールが、人間味(曖昧さに寛容で、清濁を併せ持つ)を取り戻す機会を失う。
    歴史に「もし」はないが、もしこの時ロベスピエールが人間味を取り戻していたら、もっと歴史が早く進んでいなかったか?現代社会はどうなっていたのだろう?

    次巻は最終巻 フランス革命が終わる。

    0
    2015年06月13日
  • 徳の政治 小説フランス革命16

    Posted by ブクログ

    「共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠である」とするロベスピエール。

    「恐怖」で人は自分を律することができるか?社会のために行動することができるのか?

    たしかに法で縛り、法を犯したものを処罰する。それも「恐怖」には違いない。しかし、それでも犯罪はなくならない。
    ましてや社会のために行動することなんて。。。
    「恐怖」は一時的な効果しかもたらさない。

    0
    2015年06月13日
  • ジャコバン派の独裁 小説フランス革命14

    Posted by ブクログ

    革命を警戒した周辺諸国による包囲網、パリと地方との隔壁、議会の政権抗争による政治の停滞など国内外の危機が高まる中、パリ市民の不満が、フランスを一党独裁への道に走らせる。

    近代国家で初めての共和制、初めての道を行くがための困難。
    理想を追求し、理想に向かって政治を動かすため、他を認めず排斥するロベスピエールと一党独裁を危ぶみ、暴走の歯止めのため左右の両方が必要と考えるダントン。

    現代の日本でも同じ状況ではないか?歴史に学ぶ時なのかもしれない。

    0
    2015年06月13日
  • 革命の終焉 小説フランス革命18

    Posted by ブクログ

    そして、誰もいなくなった。ロベスピエールの処刑でこの小説の幕は閉じる。革命の立役者はすべていなくなって、そして、誰もいなくなった。それでも、歴史は続く。終わりはないのである。

    0
    2015年05月31日
  • 傭兵ピエール 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「双頭の鷲」から続けて読んだ。

    上巻はいい感じに引っ張って終わって、下巻は「え、こんな感じになっちゃうの?」と一回残念な感じになりつつも、盛り返してきて、でもやっぱりなんか終わりの方は期待感に欠けたというか…。

    おもしろいけど、僕は最後の方がちょっと残念だった。

    0
    2015年05月24日
  • 日本の1/2革命

    Posted by ブクログ

    フランス革命と日本の革命(主に明治維新)とを比較しながら、現代の日本のあるべき姿を考えるという主旨の元に池上氏と佐藤氏が対談します。最初はなぜフランス!?と思っていましたが、世界の革命の多くがフランス革命の影響を受けているという指摘辺りからなるほどと思いました。言葉(マニフェスト)に政治が振り回されてはいけないという所は2015年の現在から見ても的を得てると思いました。

    0
    2015年05月22日
  • 徳の政治 小説フランス革命16

    Posted by ブクログ

    いよいよ派閥抗争から殺し合いに。如何にして、崇高な革命が、血で血を洗う抗争になっていったか、歴史を見る上で興味深い点である。

    0
    2015年04月19日
  • 粛清の嵐 小説フランス革命15

    Posted by ブクログ

    マラの死を契機に、一層、先鋭化する革命。暴走する民意はいよいよ制御困難に陥り、昨日までの革命の功労者が今日には人民の敵として断頭台の露に消えるという狂騒へとフランスは突き進んでいくことになる……。
    あれほどにしたたかだったジロンド派やロラン夫人があっさりと死に、初めは独特なキャラクターと語り口調で笑わせてくれたエベールも不気味さすら漂わせるようになってしまいました。また軽躁さばかりが目立つ人民ですが、でも閉塞した社会状況に置かれて「あそこに敵がいるぞ」と指示されたらそうもなるわなぁと納得しつつ反省……。

    0
    2015年04月11日
  • 徳の政治 小説フランス革命16

    Posted by ブクログ

    前作の粛清だらけの物語から呼吸を置くことなく、次は、ついにあの方のギロチンへ至る物語。
    最期の最期まで、まったくくそったれな男の・・・

    残すところあと2巻。

    解説で知ったのだけども、この小説フランス革命が終わっても、ナポレオンの物語が始まっているらしい。
    単行本化、文庫化にはまだまだ時間がかかるだろうけども、そちらも楽しみだ。

    そろそろまた一巻から読み直してみてもいいかな・・・

    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより)
    公安委員会に加入したロベスピエールは、共和国フランスを幸福に導くには徳が必要であり、徳を実行するためには恐怖が不可欠であるとして、いっそ

    0
    2015年04月05日
  • 徳の政治 小説フランス革命16

    Posted by ブクログ

    対立するエベール派とダントン派、中立を保とうとするロベスピエール。だが、サン・ジュストらはロベスピエールを動かし徳の政治を恐怖政治で実現しようとする。手始めにエベール派を追い詰め、蜂起に失敗したエベールらは断頭台に消える。エベールは死の間際、共和国の滅びを予感し、清廉の士ロベスピエールから腐臭を嗅ぎ取る。

    0
    2015年03月25日
  • 英仏百年戦争

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    石川雅之『純潔のマリア』から「英仏百年戦争」へ。
    イングランドを治めていたのは、フランス人。と言うことは、英仏と言いながら、実はフランス人とフランス人の戦いであった訳だ。まだまだ知らないことは、多い。
    また、「〇〇史」(←〇〇には国名が入る)とカテゴライズしてしまっているが故に見えなくなってしまっているものがあるという指摘も納得。文学も又然りである。
    このまま「百年戦争」に関する小説を読んでみたいと思う。

    0
    2015年02月15日