佐藤賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
西洋史の登場人物は名前が同じで非常にわかりにくい。また地名に馴染みがないので、誰がどこの領主なのかも 混乱する。家系図と古地図を常に参照しながら読み進めないと理解しづらいね。
日本でいうと室町幕府が成立して、秀吉による天下統一の時期に重なるが、フランスは日本よりも早くに戦国時代に突入した感じか? 日本でも王家が南北朝に分裂したり、親族同士で血を流したり、一向宗の宗教戦争が起こったり、ここでも洋の東西で似たような事件が起こっていたことに驚く。国の進化には必然的な要素があるのかしらん。
ただ日本は国の統治と行政·軍事が早くから分離したので皇室の混乱が少なかったが、普通はフランスのように王族同士で揉 -
Posted by ブクログ
ナポレオンがフランス皇帝に上り詰める過程を描いた本巻。
フランスの拡大を阻止すべく、最大のライバルとなるイギリス。それを牽制するためにナポレオンはエジプトに遠征。ある時は敗戦しながらも要所では勝利を収めるなか、フランス本国が政治的危機に。
エジプトから帰還したナポレオンは、執政を経て皇帝に。その後も戦争を続けるなか、本巻の最後は有名なアウステルリッツの戦いでの勝利で終わる。
イギリスがフランスに戦いを挑み続ける理由が、資本主義の発展をいち早く経験したから、という理由には非常に納得がいった。
古典的名著の戦争と平和やレミゼラブルで語られる時代が展開されていく。フーシェは、彼が組織した警察機構が明 -
Posted by ブクログ
才覚と熱意が両輪になって、時代背景も手伝いみるみる出世。
それでも師と仰ぐ人に裏切られることもままあり。
見かけほど立派なわけじゃない。
これぞ大人物と思いたい輩が勝手に、思い込むだけだ。つまりは甘えだ。と、自らを反省。
イタリア戦戦では引き際が肝心と、真っ先に和平へと。経験を積むたびに冷静な判断を下していく。
フランス革命も、ナポレオンの側から見ると、王党派と議会派の戯れにしか見えない。つまりは、権力を持つたいという人々のたたかい。
ナポレオンを通して、19世紀前半のヨーロッパを深く理解できる気がするが、今も変わらない世界に生きているのか。
それにしても人間味溢れるナポレオン。筆まめかと -
Posted by ブクログ
表紙のデザインから予想するより面白かった。
中世近世?ヨーロッパ の背景に明るくないので、気後れせずに読めるのか少し心配しつつ、面白く思えたら読書をするのに好きな時代背景が増えていいなぁと期待して読んだ。
主人公の人物像は、現代日本男性なのではないかと思うぐらい、現実よりに思えた。不利な裁判をオセロのように、主人公側に有利に持っていく快進撃はテンポ良く痛快。
途中でもっと時代背景を知りたいと思い、wikiで検索したり、舞台になっていたフランスの協会等を画像検索したり、映画「アンブーリンの姉妹」、ドラマ「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」を観たりして、この本を中心に新たな興味に出会えた事も満 -
Posted by ブクログ
事実は小説より奇なり、とよく言うが。所々、事実の羅列が怒濤のように続く箇所もあったけど、途中、事実関係や人物の繋がりを整理したい所や(なにせ同じ名前のヒトだらけ!)、少し立ち止まって考えたい所や派生事項をググって確認したい所やあったんだけど。とにかく続きが気になって気になって、先に先にと読み進めてしまった。ミステリじゃなくてこういうの、あまり経験ないかも…。
特に面白かったのは、ルイ14世の第3章。鉄道も蒸気機関もない、地理的中央集権化の困難だった時代に、ナショナリズムを高揚させることが意識の中央集権化に繋がる…と本当にルイ14世が考えたかどうかは疑問だけど、結果として花開いたヴェルサイユ文 -
購入済み
面白かった
カトリーヌ・ド・メディシスと言えば黒衣、ノストラダムス始め怪しげな予言者や占星術、サン・バルテルミの虐殺、と陰鬱なイメージが浮かぶけれども、こちらの作品では一人の女性としてのカトリーヌ・ド・メディシスが描かれていて面白かった。
中世王室舞台なので、同じ名前の人物が多いのと、時代が過去と(作中の)現在とがない交ぜになるので、ちょっと混乱仕掛けるので、間をおかずに一気に読んでしまった方が面白いと思います