佐藤賢一のレビュー一覧

  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

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    西洋史の登場人物は名前が同じで非常にわかりにくい。また地名に馴染みがないので、誰がどこの領主なのかも 混乱する。家系図と古地図を常に参照しながら読み進めないと理解しづらいね。
    日本でいうと室町幕府が成立して、秀吉による天下統一の時期に重なるが、フランスは日本よりも早くに戦国時代に突入した感じか? 日本でも王家が南北朝に分裂したり、親族同士で血を流したり、一向宗の宗教戦争が起こったり、ここでも洋の東西で似たような事件が起こっていたことに驚く。国の進化には必然的な要素があるのかしらん。
    ただ日本は国の統治と行政·軍事が早くから分離したので皇室の混乱が少なかったが、普通はフランスのように王族同士で揉

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    2023年01月25日
  • ナポレオン 2 野望篇

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    ナポレオンがフランス皇帝に上り詰める過程を描いた本巻。
    フランスの拡大を阻止すべく、最大のライバルとなるイギリス。それを牽制するためにナポレオンはエジプトに遠征。ある時は敗戦しながらも要所では勝利を収めるなか、フランス本国が政治的危機に。
    エジプトから帰還したナポレオンは、執政を経て皇帝に。その後も戦争を続けるなか、本巻の最後は有名なアウステルリッツの戦いでの勝利で終わる。
    イギリスがフランスに戦いを挑み続ける理由が、資本主義の発展をいち早く経験したから、という理由には非常に納得がいった。
    古典的名著の戦争と平和やレミゼラブルで語られる時代が展開されていく。フーシェは、彼が組織した警察機構が明

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    2023年01月08日
  • ナポレオン 2 野望篇

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    この巻は、ナポレオンが権力者に。冒頭、まずはエジプト遠征。せっかく学者を連れていくことを書いているなら、ロゼッタストーンの発見も書いて欲しかった
    。その後はいろいろあってそれなりに面白いのですが、あまりエピソード的なものがなく、上辺をさあっーとなぞっているだけで、メリハリがないような気がしました。もっと戴冠の場面とか、しっかり書いて欲しかったなあと思いました。藤本ひとみさんのナポレオンの方がここまでは上かと思いますが、最後の転落篇でどうなるか、楽しみです。

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    2022年12月22日
  • カペー朝 フランス王朝史1

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    日本で言えば平安中期、藤原家が権勢をほしいままにしていた頃から鎌倉幕府が滅亡するくらいまでの歴史なのだが、洋の東西を問わずちょうど同じくらいの時期に同じような発展段階を辿っているのが興味深い。どちらかと言うと日本は当時先進国だった中国に学んだおかげで、フランスよりも政治や行政機構はむしろやや進んでいたかな。
    王朝の興隆が子孫への確実な権力移譲にかかっているとすると、中国(日本も)が採用した側室システムは社会の安定に大いに寄与してきたと言うべきか。

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    2022年12月19日
  • ナポレオン 2 野望篇

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    フランス革命の違った側面が生き生きと感じられる。生きたナポレオンと、現代に繋がるヨーロッパ諸国。この時期なのか、なぜ戦争でしか解決できないと思うのか。
    思うようにならないながら、目の前を冷静に、時には激しく乗り越えていく。時代も味方したのだろうが、天性の戦略家であり戦術家でもあったのだろう。

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    2022年10月29日
  • ナポレオン 1 台頭篇

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    才覚と熱意が両輪になって、時代背景も手伝いみるみる出世。

    それでも師と仰ぐ人に裏切られることもままあり。
    見かけほど立派なわけじゃない。
    これぞ大人物と思いたい輩が勝手に、思い込むだけだ。つまりは甘えだ。と、自らを反省。
    イタリア戦戦では引き際が肝心と、真っ先に和平へと。経験を積むたびに冷静な判断を下していく。
    フランス革命も、ナポレオンの側から見ると、王党派と議会派の戯れにしか見えない。つまりは、権力を持つたいという人々のたたかい。
    ナポレオンを通して、19世紀前半のヨーロッパを深く理解できる気がするが、今も変わらない世界に生きているのか。

    それにしても人間味溢れるナポレオン。筆まめかと

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    2022年08月14日
  • 英仏百年戦争

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    国民と国家という意識が当たり前では無いという前提から考えると納得がいくことも多く、今は当たり前だけど当時は、と何事も疑ってみることは大切だと感じた。
    また、なぜ英語の中にフランス語由来の単語が多いのか、の理由の一つが分かったような気がする。

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    2022年06月04日
  • 女信長(新潮文庫)

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    内面描写が濃い!

    実は女である信長こと、お長の心情が綴られていく過程が濃厚。
    かなり唯我独尊な女性として描かれており、英雄的側面より女として俗っぽい内面が意外で楽しめる。
    合戦描写なんかはむしろシンプルに流している感だが、そのぶん信長の心理描写に重きを置いている。あと南蛮式軍隊の解説も細かい。
    男女の逢瀬を流す相手は斎藤道三から始まり、柴田勝家、浅井長政、明智光秀とけっこうバラエティに富んでます。まあ直接的なSEX描写はほとんど無いんですが。

    ラストは本作の設定を生かして意外な結末。

    #深い

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    2022年09月29日
  • 世界史のミカタ

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    シリーズの「歴史のミカタ」に続いて読んでみました。世界史のミカタと言ってもユーラシア史で、両端の日本、ヨーロッパと、真ん中の遊牧民族の対比を軸に思索を進めます。
    その施策の幅が読んでいて楽しいのですが、最初に軸を決めてなかったらもっと幅が広がったのではないかとも思うのです(発散しすぎて何もまとまらない可能性もありますけど)

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    2022年02月24日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    ネタバレ

    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の起源だけではなく、中世や近現代まで世界の紛争がなぜ続いているかがよく理解できる。
    旧約聖書に利子は同胞から取らない様戒律があるのに、ユダヤ人はキリスト教の人から取るので迫害されてきたこと、ローマ教皇が国王よりも権力を持っていたのはカソリック教会が実質地方行政のネットワークをもっていたこと、日常の規範をコーランで持っているイスラム教徒に西欧流の民主化はマッチしないことなど、よく腑に落ちた。

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    2022年02月08日
  • ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ

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    『ラストサムライ』のモデルといわれる実在のフランス軍人ブリュネ。幕末に軍事顧問団の一員として来日するがまもなく幕府は消滅。だが彼は侍たちを見捨てられず、帰国命令に背いて榎本武明や土方歳三らの旧幕府軍と共に戦うことを選ぶ。
    思い立ったらやむにやまれず…という熱血さが実にもうフランス人だなあと(笑)。結局志を果たせず帰国した彼だが、上官の配慮のおかげで皇帝ルイ・ナポレオンからもおとがめなしだったという。ラストに小説ならではのサプライズが用意されているのも嬉しい。

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    2021年12月09日
  • 王妃の離婚

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    表紙のデザインから予想するより面白かった。

    中世近世?ヨーロッパ の背景に明るくないので、気後れせずに読めるのか少し心配しつつ、面白く思えたら読書をするのに好きな時代背景が増えていいなぁと期待して読んだ。

    主人公の人物像は、現代日本男性なのではないかと思うぐらい、現実よりに思えた。不利な裁判をオセロのように、主人公側に有利に持っていく快進撃はテンポ良く痛快。

    途中でもっと時代背景を知りたいと思い、wikiで検索したり、舞台になっていたフランスの協会等を画像検索したり、映画「アンブーリンの姉妹」、ドラマ「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」を観たりして、この本を中心に新たな興味に出会えた事も満

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    2021年10月20日
  • ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ

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    最近上映中の幕末映画にもでていたジュール・ブリュネが主人公のお話。
    エスプリを重んじるブリュネは読んでいて好感が持てる設定で、またフランス人の視点から幕末の政治情勢と日本人の気質を解釈して描いているので、他の幕末を題材にした小説とは異なる読み応えがあるかと思います。

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    2021年10月18日
  • カエサルを撃て

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    その場に身を置いたような読後感。征服される側からの物語に引き込まれてました。
    この本を読んだ後、「ローマ人の物語」を読み、また違ったヴェルチンジェトリクスに会いました。

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    2021年09月22日
  • 傭兵ピエール 上

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    上巻時点では歴史の流れに乗って悲劇に向かう冒険活劇といったところ。現代人の感覚的についていけない部分はやはりあるが、その溝をこそ楽しむべきなのだろうとは思う。

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    2021年09月07日
  • 王妃の離婚

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    ネタバレ

    AA作品から逆流して読んだ原作。そんなわけで展開は知っていたのだが、この作者の情景→短い会話→詳細な説明という文章のパターンが思った以上に好みに合って面白かった。というか歴史的背景とか抜きにすればほぼ現代的リーガルドラマなので読みやすいったらありゃしない。

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    2021年09月03日
  • ブルボン朝 フランス王朝史3

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    事実は小説より奇なり、とよく言うが。所々、事実の羅列が怒濤のように続く箇所もあったけど、途中、事実関係や人物の繋がりを整理したい所や(なにせ同じ名前のヒトだらけ!)、少し立ち止まって考えたい所や派生事項をググって確認したい所やあったんだけど。とにかく続きが気になって気になって、先に先にと読み進めてしまった。ミステリじゃなくてこういうの、あまり経験ないかも…。

    特に面白かったのは、ルイ14世の第3章。鉄道も蒸気機関もない、地理的中央集権化の困難だった時代に、ナショナリズムを高揚させることが意識の中央集権化に繋がる…と本当にルイ14世が考えたかどうかは疑問だけど、結果として花開いたヴェルサイユ文

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    2021年08月13日
  • 遺訓(新潮文庫)

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    沖田総司の甥にして、天然理心流の遣い手たる沖田芳次郎は旧庄内藩の重臣から薩摩藩の西郷隆盛の警護を依頼される。西郷の護衛者となった若き剣豪の運命は・・・?旧敵・西郷隆盛と庄内武士が結んだ、絆。

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    2021年08月02日
  • 黒王妃

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    面白かった

    カトリーヌ・ド・メディシスと言えば黒衣、ノストラダムス始め怪しげな予言者や占星術、サン・バルテルミの虐殺、と陰鬱なイメージが浮かぶけれども、こちらの作品では一人の女性としてのカトリーヌ・ド・メディシスが描かれていて面白かった。
    中世王室舞台なので、同じ名前の人物が多いのと、時代が過去と(作中の)現在とがない交ぜになるので、ちょっと混乱仕掛けるので、間をおかずに一気に読んでしまった方が面白いと思います

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    2021年06月16日
  • テンプル騎士団

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    様々な伝説が時にオカルティックにすら語られるテンプル騎士団の実態を、細かな事実を積み重ねながら紐解いていく、まさにテンプル騎士団の総合ガイドブックのような本。澁澤龍彦の「秘密結社の手帳」でテンプル騎士団のことを知った身としては、なるほどあの事実の裏にはこういう事情があったのかと、話の辻褄が合う感覚を得られたのはよかった。

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    2021年05月28日