【感想・ネタバレ】ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネのレビュー

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Posted by ブクログ

『ラストサムライ』のモデルといわれる実在のフランス軍人ブリュネ。幕末に軍事顧問団の一員として来日するがまもなく幕府は消滅。だが彼は侍たちを見捨てられず、帰国命令に背いて榎本武明や土方歳三らの旧幕府軍と共に戦うことを選ぶ。
思い立ったらやむにやまれず…という熱血さが実にもうフランス人だなあと(笑)。結局志を果たせず帰国した彼だが、上官の配慮のおかげで皇帝ルイ・ナポレオンからもおとがめなしだったという。ラストに小説ならではのサプライズが用意されているのも嬉しい。

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2021年12月09日

Posted by ブクログ

最近上映中の幕末映画にもでていたジュール・ブリュネが主人公のお話。
エスプリを重んじるブリュネは読んでいて好感が持てる設定で、またフランス人の視点から幕末の政治情勢と日本人の気質を解釈して描いているので、他の幕末を題材にした小説とは異なる読み応えがあるかと思います。

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2021年10月18日

Posted by ブクログ

幕末の江戸幕府フランス軍事顧問団の副団長ジュール・ブリュネを主人公とした歴史小説である。ブリュネは幕府の近代的陸軍「伝習隊」創設を指導し、戊辰戦争では五稜郭で戦った。
著者の作品はフランスの歴史小説が代表的である。近年は『女信長』『新徴組』など日本の歴史小説も手掛けている。本書は日本の幕末明治を舞台にフランス人を主人公とした作品であり、日本と西洋が重なる。デビュー作『ジャガーになった男』も日本と西洋が重なる作品であった。ブリュネは自分達を義侠心に厚いダルタニャンになぞらえている。フランス歴史小説を書いてきた著者らしい。
ブリュネは熱い男である。戦友を大事にするという意識がある。長いものに巻かれるズルさとは対照的である。このような熱いキャラクターは、著者の小説の定番である。そして敗者を描きながらも、清々しさを与える点も著者らしい(「佐藤賢一と藤本ひとみ~フランス歴史小説から幕末物へ」日刊サイゾー2011年10月17日)。
本書はフランス人の視点で書かれている。フランス語ではHを発音しないため、横浜はヨコアマ、函館はアコダテと表現される。これによって歴史小説として定番の幕末物ながら、新鮮さを出している。薩摩長州は理不尽である。反攻せずに恭順を唱えた徳川慶喜も無責任であり、理不尽である。外国人の視点で語られると尚更、理不尽さが浮かび上がる。
当時の欧米人にとって日本の政治は理解困難と思われるが、本書のブリュネらは自国の封建時代と重ね合わせることで、かなり正確に理解している。文明人には理解できない野蛮人という傲慢さはない。そこに好感が持てる。

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2021年07月25日

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