佐藤賢一のレビュー一覧
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ヨーロッパの歴史を題材にした小説を発表している、佐藤賢一。
長いこと、この作家さんの作品から遠ざかっていたのですが、その間に、魅力的な作品の数々を発表していることを知りました。
「久しぶりに、佐藤賢一の作品世界に触れてみよう」と思い立ち、文庫化されている作品の中から、特に時代が古いと思われるこの作品を、読んでみることにしました。
時は紀元前219年。
名門貴族の家に生まれたスキピオが17歳のシーンから、物語が始まります。
スキピオは同名で共和政ローマの最高職、執政官である父親から、出征を命じられます。
戦争の相手は、地中海を挟んでローマと対峙する、カルタゴ。
20年以上続いた戦争(第 -
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読んだ本 ナポレオン 台頭篇 佐藤賢一 20240113
文庫になるのを楽しみにしていたんですが、全然分割してなくて一冊700頁もある。電車で読んでても小指がつってくるんだよな。京極夏彦以外にこんなことする人がいるなんて。
年末に映画の「ナポレオン」を観ていることもあって、期待度は高まっていたんですが、これは面白い。期待以上。
佐藤賢一は「フランス革命」から読み始めたんですが、あまり読み易い印象はなくて、特に人物に思い入れが起きるような描写がなく、時代だけが進んでいく印象でした。客観的に時代を俯瞰するような狙いだったんですかね。それで出てくる人みんな入れ代わり立ち代わりギロチンにかけら -
Posted by ブクログ
舞台は1500年代のパリ、セーヌ左岸の学生街「カルチェ・ラタン」。新米夜景隊長のドニ・クルパンの奮闘記であり青春群像劇です。
学生街の雰囲気は『グイン・サーガ』のアムブラを思い起こさせます。おそらく、モデルの一つ。そして、青春群像劇ということでは、『四畳半神話大系』のような作品に通じるものがあると思います。『四畳半〜』はアニメ勢なので、齧っただけですが。
正直、モラトリアムの悶々とした日常というものには、あまり馴染めてこなかったのですが「カルチェ・ラタン」はするすると読めてしまいました。歴史ものという点で馴染みがあり、入り口を開いてくれたのかもしれません。
ジュブナイルは好きなのですが、 -
Posted by ブクログ
ナポレオンの生涯の最終盤。
前巻までの飛躍が一転、政治生命に転落が訪れる。
ナポレオンが皇帝の地位を確かなものにするためにジョゼフィーヌと離婚、オーストリアから皇妃を迎え、子にも恵まれる。
しかし、ロシア遠征でモスクワまで攻め登るも、モスクワの大火のため、退却することに。退却途中にロシア軍から攻め立てられ、敗北を喫する。
それを機に皇帝位を奪われるも、その後の王政復古の政権も長く持たず、ナポレオンは再度皇帝位につくことに。
近隣諸国との戦争を戦うが、ワーテルローの戦いで負け、フランス皇帝の地位を退位させられる。その後はイギリス亡命を試みるも、イギリス領セント・ヘレナ島に送られその生涯を終える。