佐藤賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。
歴史じゃないんだ。
生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。
英仏百年戦争。
フランス人のイングランド領主と、フランス人のフランス領主との戦いであったのが驚きでした。
そもそも、フランス人という認識もこの時点ではないはずなので、この表現も間違ってますが。。。笑
大きい意味では内紛 (領地の争い)
中くらいの意味で一族の争い (家の争い)
小さい意味で隣村との小競り合い (利権の争い)
この100年程の期間に、その時々に起こった事実(領土 -
Posted by ブクログ
文句なしの☆5つ評価。
とにかく面白く・読みやすく・ためになる。
新書本の見本のような一冊かと。
この一冊でテンプル騎士団の概要が分かる。
数年前にマルタ島へ旅行した時に、「ヨハネ騎士団は
形式上残ってる。テンプル騎士団は弾圧されて壊滅現在
残っていない」的な説明があったと記憶しているが
その理由が本書を読んで分かった。
青池保子の”アルカサル 王城”に出てくるカラトラバ、
サンティアゴの両騎士団の存在も関連付けて
理解できた気がする。もちろん”サラディンの日”の
「テンプル騎士団はヨーロッパ王室の金庫番だからな」等の
セリフの背景なども。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何度も何度も挑戦しては挫折するのが、西洋史。
百年戦争も薔薇戦争も、何冊も本を読んでいても全く頭に入ってこない。
だって、イギリス人はヘンリーとエドワードとジョンばっかりだし、フランス人はルイとシャルルとフィリップばっかりなんだもの。
誰が誰やら、ちんぷんかんぷん。
それはこの本を読んでももちろん変わらず、ヘンリーとかアンリとかがたくさん出てきますが、でも、この本は一味違う。
まず最初に書いているのが、イギリス人のシェイクスピア症候群。
西洋史にあまり詳しくない日本人でも、劣勢だったフランスがジャンヌ・ダルクの登場で戦況を覆し勝利した、ことぐらいは知っていると思うけど、イギリス人にとっての -
Posted by ブクログ
歴史は勝者がつくると言われるように、『ガリア戦記』も勝者カエサルが記したもの。敗れたガリア側の視点で描かれるのは珍しい。
ローマ総督ユリウス・カエサルvsガリア王ヴェルチンジェトリクス。
ローマの英雄カエサルは、部下たちに「チビで女好きの禿げ親父」と陰口を叩かれ、ポンペイウスへの劣等感に悩む中年男。朗らかで人好きのする性格の裏で、周囲に細心の気を配り、空気を読むことでのし上がってきた。
一方の若きガリア王は、光の神ルーゴスにも喩えられる美丈夫。若さゆえの不遜さで傍若無人に振舞いながらも、不思議な魅力で人心を掌握していく。
英雄も初めから英雄だった訳ではない。年齢も性格も立場もまったく違う二