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1792年。憲法が制定され立法議会も開かれたフランスだったが、さらなる凶作と物価の高騰に民衆はいまだ飢え、苦しんでいた。そんな中、失墜した王家の威信を取り戻したいルイ16世は、国民の不満を国外に向けるため他国との戦争を望むジロンド派の面々を起用し、開戦内閣を組織する。反戦を主張するロベスピエールの抵抗もむなしく、フランスはついに戦争を開始し――。歴史巨編、新章突入!
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Posted by ブクログ
ジロンド派の興亡というか、マノン・ロランの栄光と挫折って感じか。一人分の権利よりも、利用できる物は利用して権力を!ってのは素直で良いなw そして、ルイ16世の深謀遠慮と、ロベスピエールの開眼!
1792年のフランス革命情勢はわかりづらい。テニスコートの誓い、バスティーユ陥落と続いた1789年はまだ諸勢力の旗幟が鮮明だったが、1792年には諸勢力の思惑はそれぞれに分裂し、保守合同で基盤を固めたはずのフイヤン派はシャンドマルスの虐殺がたたり不人気にあえぐ。国王は内閣を短期間で入れ替えて主導権を...続きを読む保とうとし、各勢力のいがみ合いと疑心暗鬼が深まる中で、諸外国が介入姿勢を強めていく。 しかし、オーストリアの老獪なレオポルド二世は、娘の嫁ぎ先を案じつつも戦争は考えていない。では誰が戦争を望んだのか。国王ルイ16世とマリー・アントワネットが外国王軍を呼び込んで自らの救出を図ったのだ、とすればわかりやすいが、佐藤さんの観察はもう少し深い。 この巻からジロンド派の語り手としてロラン夫人が登場する。彼女の虚栄心と国王の小細工が掛け合い漫才を繰り返す中で、フランスはオーストリアに宣戦布告し、危機は深まっていく。誰がこの事態を打開するのか。夫人のサロンでおしゃべりを繰り返すジロンド派か、頭でっかちのロベスピエールか、それとも行動力で鳴らすダントンか。答えは次巻に出る。
次々と個性的な人物が登場して、物語は佳境に向かって進んで行く。わくわくどきどきしながら、読んでいる。
ブリソたち主戦論が政権を握る。そこにはルイ16世のフランスを敗戦に持ち込むことで王権を回復しようとする策略があった。国内の矛盾を外国との戦争によって目を逸らし、また勝利することで強権を手に入れ一気に改革を進めようとするが、敗戦が続く。王はブリソたちを罷免する。ロベスピエールはブリソたちと袂を分かつ。...続きを読むそしてただの自由や平等では人々は救われないと気がつく。フランス国内は食料難で不満は爆発寸前。再びデモが起こる。しかし、王に説得される。時代はまだアンシャンレジームか革命か、混迷の中にある。
第二部の開始 この巻のフランスの状況は、現代の国際的な政治状況をそのまま写しているのではないかと思うくらい。 経済的困窮の打開を外国との戦争に求める国の指導者 国際的な政治状況を利用して、金儲けに走る投資家 富める者と貧しく困窮する者の格差が拡大し続ける社会 「フランス」を「国際社会」に置き換え...続きを読むて、過去に学ぶ時がきているのではないかと思う。
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