あらすじ
聖職者民事基本法をめぐり、賛成派と反対派が激しく対立。フランスはシスマ(教会大分裂)の危機に直面し、推進者のタレイランは窮地に追い込まれていた。そんな中、ジャコバン・クラブ代表、国民議会議長と次々に就任し、政界を登りつめつつあったミラボーが、志半ばにして病に倒れる。一度は決別したロベスピエールに、ミラボーが遺した最期の言葉とは――。巨星、墜つ。喪失の第6巻。
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Posted by ブクログ
東にロベスピエールが理想論をぶっていれば、行って現実に戻してやり、西にタレイランが己のプライドで話を台無しにすれば、行って後始末をしてやる。大臣も国王も議会も頼ってきたそんなミラボーが死んだ。そして革命はどこへ向かうのか。
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聖職者民事基本法の批准~ミラボーの死まで。
もうこれまで、というギリギリまで己の信念の為に戦い続けたミラボー。最期に際して、タレイランとロベスピエールという対極の2人にその胸のうちを洗いざらい話したのは、なんとか実現させたかったからだろう。
彼を理解しともに歩む人がいたら、病魔に侵されなければ、革命はどんな道を辿ったのか。
彼の言葉に、政治だけでなく人生とはまで考えさせられた6巻でした。
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ついに英雄ミラボーが世を去る巻。
最後の最後までミラボーらしい在り方に心を打たれた。
そして、死の床にあって、ついに明かされたミラボーの驚愕の策!
また、登場はせぬものの、ひしひしと伝わってくるルイ16世周囲の不穏な動き。
ミラボーの死以降、物語も大転換を向かえることとなるだろう・・・。
ヴァレンヌ事件につながる(であろう)7巻が楽しみ!
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ミラボー死す。享年42歳。
欲得に忠実なミラボーと、理想を追い求めるロベスピエール。革命の物語はこれまで、この対照的な二人を中心に進んできたが、世間を知るミラボーの方が二歩も三歩も先んじていただけに、彼の死は喪失感が大きい。
この喪失感はルイ16世も感じただろうし、ラ・ファイエットごときでは埋まらないだろう、というのが佐藤氏の見方。
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シスマ=教会分裂。議会がますます混乱する中、ミラボーの死が迫る。
死の床でロベスピエールに「もっと自分の欲を持てさもないと独裁者になるぞ」と忠告するシーンに、歴史を知ってる身として唸らされる。自分に厳しい人は他人の弱さをわからない。納得。
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フェルゼン伯登場~!
ベルばらのキャラが出てくると、それだけで嬉しい!
とうとうミラボーが召されてしまった。惜しい。獅子がいなくなってしまったが最後、革命はテロルの谷底へ真っ逆さまに堕ちていくのか?
6巻は最後の力を振り絞るミラボーの奮闘とその死の物語。そしてロベスピエールの台頭を予感させる最終章には戦慄を覚えた。
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とうとうミラボーが死んでしまった。この喪失感はどうでしょう。
さすが佐藤賢一、こういうアクの強い男を描かせると本当に上手いです。
そしてミラボー亡き後、潔癖ロベスピエールがどのように変っていくのか、あるいは変わらないのか、今後が楽しみです。
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1791年、国民議会の主役であったミラボー死す。
議会の暴走の歯止めの役割を国王に求め画策するが、
その考え方はだれにも理解されず、志半ばで病に倒れる。
さてこれから誰がフランス革命を導いていくのか?
この巻の終盤は、今後の波乱を思わせる。
見識も熱い思いもないが立場だけは恵まれている人間が、なにもかもぶち壊してしまう。そして歴史の流れが変わってしまう。
ついつい今の日本を思ってしまう。
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ついにミラボーが亡くなる。ミラボーの臨終の際は感動的である。
ミラボーこそ、革命の陰の立役者だ。また、革命が行きすぎないように抑えてきた常識者でもある。
ミラボーのいなくなったフランスは、暴走し始めるのだ。
Posted by ブクログ
ミラボー死す。これで大きな第一幕が終わりという感じかな。
ミラボーが本当に国王を連れ出して新しい政権を立てようとしていたのかは証拠があるのかわからないけど、立憲君主制(とまで言い切れるか、国王ありきの旧体制の改変)の実現のために奔走していたミラボーならありそう。
ミラボーが消えることで、ロベスピエールの決意が固まり、またタレーランがおいおいどうなっていくのか、これからもわくわくが続くところ。
政治のバランスを保つために尽力したミラボーがいなくなり、国王の亡命もふくめでこれからどう荒れていくのかな。
しかし、ベルばらのフェルゼンを思うといかにしょぼく描かれていることか。