佐藤賢一のレビュー一覧
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読んだ本 赤目のジャック 佐藤賢一 20251029
「小説フランス革命」で読むようになった作家。小説というよりは歴史の紹介って感じだったけど、「傭兵ピエール」なんか読むとしっかりと小説なんだよな。で、歴史の紹介のはずの「ナポレオン」にもその気があるけど、小説の方はエログロ的な描写があって、その極めつけが本作って感じでした。歴史に残る記述をヒントに描いた世界観なんだろうけど、女を侮辱、凌辱することの肯定って。「傭兵ピエール」の中でもジャンヌ・ダルクを貶めてる。これが佐藤賢一の描きたい世界なのかな。マルキド・サドってことでもないんだろうけど、書くことで快楽を得てそうな気がする。
とは言え、歴 -
Posted by ブクログ
タイトル通り、世界史上あるいは現代社会においても重要度の高い一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教の歴史をまとめた本。
あるいは、それらの宗教から眺めた世界史とも読める箇所がある。
そして、基本的には成立・伝播の過程や、これらの宗教を背景にした世界史上の動きを解説した本であって、各宗教の教義については必要な範囲でしか触れられていないということは留意が必要。
高校世界史でも、これらの宗教は折に触れて登場する。
成立・伝播の過程も、これらの宗教のお陰で生じた様々な戦争や事件もそれなりに習う。
でも、あくまでメインストリームの政治史の中に、ところどころ織り込まれてくるかたちで扱われることが多いた -
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個人的には王様の名前が同じすぎたり、ブルゴーニュとブルターニュがごっちゃになってしまってややこしかったりするが、本書にて11世紀から15世紀の英仏関係がよく分かる。我々は国民国家の概念が当たり前に刷り込まれているため、指摘されなければ想像できないが、英仏百年戦争の結果として両国のナショナリティが確立されたと考えれば腑に落ちる。時系列で見ると百年戦争が終結した頃にはすでに大航海時代が始まりつつあり、中央集権化の流れで議会制が残った英国が海洋覇権国家として台頭していく流れになる。外様の諸侯との折り合いや英仏の抗争が複雑に絡み合ってベネルスク3国の起源になっている点も興味深い。そして英仏百年戦争とい
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Posted by ブクログ
ヨーロッパの王侯貴族56人を綽名と共に年代順に並べ、
その時代と綽名に纏わるエピソードを紐解く。
1話4ページの軽快な、歴史&人物伝エッセイ。
世界史資料のヨーロッパ王侯貴族系図に、名前と共に
付記されている綽名に興味を持っていました。
が、名前や綽名の成り立ちには詳しい本はあれど、
個々の綽名についての本には出合わず。
ある本の巻末リストには整然と200名の綽名が並ぶ。
え~そんなにあるんだ!
で、出会ったのがこの本。56人の綽名が年代順に紹介。
1話4ページと短いながら、綽名の理由がエピソードと共に
語られています。歴史や国、血族関係やお家騒動等の、
その時代の状況も分かるし、綽名と人物