佐藤賢一のレビュー一覧

  • カエサルを撃て

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    ネタバレ

    政治的に力の衰えてきた中年男カエサル。
    属国である祖国を解放しようとする美貌の青年ウェルキンゲトリクス。

    2人の攻防が最終的にはどうなるかどうなるかとハラハラしながら読みました。

    目的を達成するため手段を選ばず人を思いやる余地のないウェルキンゲトリクスが、人としての感情に目覚めてから、そして過去の栄光にすがって政治的地位ばかり気にして生きているカエサルが、目の前の戦闘に目覚めた時から話はおもしろくなります。

    私的にはウェルキンゲトリクスよりカエサルが気に入ってしまって、

    「カエサルを撃たないで~」

    と思いながら読んでました。

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    2012年12月30日
  • 二人のガスコン (上)

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    これぞ活劇!
    元銃士・ダルタニャンと鼻の詩人シラノを主人公に、かつての宿敵、現在の上司である宰相マザランの密命を受ける形で物語は始まる。
    頑固とやせ我慢は男の証、24時間戦えますか?

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    2009年10月04日
  • 赤目のジャック

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    読んだ本 赤目のジャック 佐藤賢一 20251029

    「小説フランス革命」で読むようになった作家。小説というよりは歴史の紹介って感じだったけど、「傭兵ピエール」なんか読むとしっかりと小説なんだよな。で、歴史の紹介のはずの「ナポレオン」にもその気があるけど、小説の方はエログロ的な描写があって、その極めつけが本作って感じでした。歴史に残る記述をヒントに描いた世界観なんだろうけど、女を侮辱、凌辱することの肯定って。「傭兵ピエール」の中でもジャンヌ・ダルクを貶めてる。これが佐藤賢一の描きたい世界なのかな。マルキド・サドってことでもないんだろうけど、書くことで快楽を得てそうな気がする。
     とは言え、歴

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    2025年10月29日
  • カペー朝 フランス王朝史1

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    ネタバレ

    この時代のフランスという国家は色々分かりにくいというか不思議な状態の国だったという印象が学生時代からあったな~。王に権力があまりなくいつも内乱が起きていて臣下のノルマンディ公がイギリス王だったり・・・。そんなフランス王が徐々に王国をまとめて過程が分かりやすかった。フィリップ尊厳王やルイ聖王など教科書では名前だけの人物たちの動きやイギリス、十字軍でのリチャード獅子心王との対立、ジョン王と教皇の関係など興味深い話が多かった。2も早く出ないかな~(笑)

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    2025年09月29日
  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

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    ネタバレ

    またキャラクターの濃い目の王様たちが…。人質が逃げたから自分が代わりの人質に志願してイギリスに行くジャン二世とか面白い。デュ・ゲクランの長弓対策とか本人たちは至って真面目だし効果があったりするけど読んでいて笑ってしまう。しかも再戦では同じ間違いを犯してるし…。後半になると王様と同じ名前の地方領主たちがいたり色々ごちゃごちゃしていて大変。アンリ三世の3人のアンリは『アンリ四世』を読んである程度知っていたから良かったけどなかなかごちゃごちゃだった。

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    2025年09月29日
  • ブルボン朝 フランス王朝史3

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    ネタバレ

    カペー朝もヴァロア朝も魅力的だけどブルボン朝もすごい。フランス革命までの5人の王たちが個性的すぎる。
    戦争も女性も、とにかく動き回る大王アンリ4世が特に好き。混乱しまくるフランス革命の話も面白い。佐藤さんの書いた小説も読もうかな。

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    2025年09月29日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    タイトル通り、世界史上あるいは現代社会においても重要度の高い一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教の歴史をまとめた本。
    あるいは、それらの宗教から眺めた世界史とも読める箇所がある。
    そして、基本的には成立・伝播の過程や、これらの宗教を背景にした世界史上の動きを解説した本であって、各宗教の教義については必要な範囲でしか触れられていないということは留意が必要。

    高校世界史でも、これらの宗教は折に触れて登場する。
    成立・伝播の過程も、これらの宗教のお陰で生じた様々な戦争や事件もそれなりに習う。
    でも、あくまでメインストリームの政治史の中に、ところどころ織り込まれてくるかたちで扱われることが多いた

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    2025年09月08日
  • 最終飛行

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    第二次世界大戦のフランスをよく知ることができた。主人公サン・テグジュペリはとにかく我儘で、これをそれでも憎めないキャラだと言う人もいるかもしれないが、まぁ普通にドン引きだし小説作品が優れていて売れているから箔が付いて許されていただけのように思う。最後も我儘を押し通して色んな人に迷惑をかけて散っていった?わけだし、、
    小説としては主人公の濃密な数年間をドラマのように切り取っていて、表現も豊かで面白く読めた。

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    2025年07月27日
  • 英仏百年戦争

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    英仏百年戦争の流れをざっと紹介した内容。元々はフランスとして一体だった集団が、百年の抗争を経て国民意識に目覚め、英仏の二国を成立させていくという考え方は、分かりやすいものであった。地図と系図を手元において読みたい。

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    2025年06月17日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を軸に世界史を俯瞰的に見ることができた。今世界で起こっていることは、突然発生したわけではなく、歴史がずっとつながって引き起こされているものだということがよく理解できた。

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    2025年04月27日
  • 王妃の離婚

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    法定スリラーの舞台を中世に設定する発想が面白い。実際にあった実在するルイ12世の離婚をベースに、教会法や聖書の詳細な知識がリアルさを高めているが、気になる史実の方はさすがに小説ほどドラマチックな事件ではなかった模様。中世の教会といえば魔女狩りや拷問などのイメージが先行しがちだが、それは稀なケースであって、民事裁判所として法も体制もうまく整備されており、現代の裁判の原型になった経緯も垣間見ることができる。ちょっとストーリーに無理が生じてるケースもあるが、前情報なしだと展開が楽しみでより読み応えが出るはず。

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    2025年02月04日
  • 英仏百年戦争

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    個人的には王様の名前が同じすぎたり、ブルゴーニュとブルターニュがごっちゃになってしまってややこしかったりするが、本書にて11世紀から15世紀の英仏関係がよく分かる。我々は国民国家の概念が当たり前に刷り込まれているため、指摘されなければ想像できないが、英仏百年戦争の結果として両国のナショナリティが確立されたと考えれば腑に落ちる。時系列で見ると百年戦争が終結した頃にはすでに大航海時代が始まりつつあり、中央集権化の流れで議会制が残った英国が海洋覇権国家として台頭していく流れになる。外様の諸侯との折り合いや英仏の抗争が複雑に絡み合ってベネルスク3国の起源になっている点も興味深い。そして英仏百年戦争とい

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    2025年01月20日
  • 双頭の鷲(下)(新潮文庫)

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    歴史ものの小説を読むと、どこまで本当の出来事なのかと気になるが、意外な点まで史実に沿った内容だった。それだけゲクランが稀有な存在だったということもあるが、歴史好きでも聞いたことない人物。百年戦争の前半で活躍した人物みたいだが、一番有名なジャンヌ・ダルクはナポレオンが大衆操作で担ぎ出した悲劇のヒロインというのが経緯なのだそう。エドワード黒太子も世界史で出てきてクレシーの戦いなど有名だが、ボルドーを拠点にアキテーヌ公として君臨していたとは知らなかった。

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    2024年12月03日
  • 双頭の鷲(上)(新潮文庫)

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    本の雑誌・40年40冊から。ずっと積読状態にあったんだけど、東大弁護士新書に背中を押され、この度やっと読むことに。漫画で読んだりして、個人的に最近興味が増しているフランス革命界隈が題材。主人公のことは全く未知なんだけど、アクの強さでインパクトは強烈。好きとまでは思わんけど、目が離せない。いわゆる大器晩成型ぽいけど、後半でどこまで凄みを発揮するのか、興味津々。

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    2024年10月21日
  • 王妃の離婚

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    男性の観点から描かれる、ちょっとデフォルメされた女性像が若干引っかかるところがなくも無いけど面白かった。
    あとがき読んで佐藤賢一さん作品読破したるでえええって気持ちがわいた。笑

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    2024年10月14日
  • 王妃の離婚

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    海外の歴史小説系でしかも中世の裁判だの宗教だのって、とっつきづらく思って長年積んでいたのだけど、登場人物も話も舞台のように掴みやすくて見所が多く、あっという間に読み終えた。彼の想像もつかない長広舌の弁護と、恋人ベリンダの魅力と当時のインテリ学生の若く熱い勢いが小説全体を覆っている。基本的に痛快なやりとりが多くてイヤミスとか嫌な気分になる場面も少ない。1999年とちょっと古いからしょうがないのかな、王族の裁判の話なのに下品とまではいかないけどエロというか世俗的で官能的な表現やシーンが思ったより多い。それが痛快で魅力なわけだけど。

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    2024年10月10日
  • カペー朝 フランス王朝史1

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    講談社現代新書のフランス王朝3部作の1巻目。これ発売された当初は非常に気になっていたのに、結局読んだのは発売後15年たってからになってしまいました。
    10世紀に王位に就いたもののカロリングと親戚だからで王に祭り上げられただけで権力基盤は弱かったのが、長寿と長子相続で300年かけて少しずつ基盤を強化していくという、あまり聞いたことのない権力の握り方が面白い。
    中世の天皇なんかもそうですが、権威付けのための一段高い存在って、必要とされた時期があったんですね。

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    2024年10月01日
  • 英仏百年戦争

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    ヨーロッパ中世史を面白く読めるよう工夫された文章であるが、やはりこの時代のヨーロッパ史は複雑で、難解ではある。
    著者はこの時代を、英仏が国民国家として成立していく過程として重要なものであったと評価している。

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    2024年08月25日
  • 王妃の離婚

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    痛快で良質なエンタメ。
    もっと早く手に取っておけばよかった。

    舞台劇で見てみたいが、最後のところのネタバレがあると台無しなので、やっぱり難しいかな…

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    2024年07月31日
  • 王の綽名

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    ヨーロッパの王侯貴族56人を綽名と共に年代順に並べ、
    その時代と綽名に纏わるエピソードを紐解く。
    1話4ページの軽快な、歴史&人物伝エッセイ。

    世界史資料のヨーロッパ王侯貴族系図に、名前と共に
    付記されている綽名に興味を持っていました。
    が、名前や綽名の成り立ちには詳しい本はあれど、
    個々の綽名についての本には出合わず。
    ある本の巻末リストには整然と200名の綽名が並ぶ。
    え~そんなにあるんだ!
    で、出会ったのがこの本。56人の綽名が年代順に紹介。
    1話4ページと短いながら、綽名の理由がエピソードと共に
    語られています。歴史や国、血族関係やお家騒動等の、
    その時代の状況も分かるし、綽名と人物

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    2024年05月06日