佐藤賢一のレビュー一覧

  • 釣り侍

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    肩の力が抜けている中間管理職なおじさん侍だけど、好きな釣りには真剣な主人公がなんだかとても身近な存在に感じられて(わたしもおじさんだ)、ほのぼの気分で読み切れた。奥方との会話は必殺仕事人の中村主水を思い出し(懐)、藩内のいざこざもなんとも長閑でよろしいし、おじさん侍が活躍するラストできっちりと盛り上げてくれるのも良い。タイトルと作家さんに惹かれただけで内容はそれほど期待してなかっただけに、これは思いがけず得をした感がある。クーラーの効いた部屋で土日にサクッと読むのがおすすめ。

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    2026年06月01日
  • 王妃の離婚

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    人名、土地、学校、役職の名前なのかが頭に入るまではなかなか読み進められなかったものの、燻ってた弁護士フランソワが矜持を取り戻し、戦っていく様が爽快だった。
    それにしても、王の情けなさといったら…

    解説で紹介されていて気になった本
    ・カサエルを撃て
    ・カルチェ・ラタン
    ・二人のガスコン

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    2026年05月12日
  • チャンバラ

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    定評のある作家が描く「チャンバラ」だけあって、これでもか、と繰り出される剣撃シーンは、息を止めて読むしかない。宮本武蔵の時代の兵法者は、こういった「勝負」に臨む際、どういうことを感じ、考えていたのかを、「五輪書」をテキストに子細に再現し、エンターテインメントとして昇華させたように思う。

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    2026年05月04日
  • 釣り侍

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    庄内弁(という言い方で合ってるのかな?)なので多少読みにくいところもあるが、いぶし銀のような内容・展開で良かった
    今までの作品とは少し違うような気がして、佐藤賢一の新境地だと感じた

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    2026年03月28日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の歴史についてざっと学べる一冊。

    最初は歴史の教科書を読んでいるのかと思ったが、宗教は歴史とは切り離せないものだったと分かる。
    一神教の人たちは驚くほどに戦争をしていると感じた。イスラエルの戦争や9.11の経緯などがより理解でき、世界の解像度が上がった感覚を得た。
    宗教に関する勉強をもう少ししてみたいと思った。

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    2026年03月25日
  • 歴史小説のウソ

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    歴史小説家は、人を描く、歴史学者は、サイエンスとして歴史を事実に基づいて分析する。
    誰もが、歴史家になってよい。歴史家は、今の時代をいい時代か悪い時代か、自分の価値観で判断する。
    歴史とは、対話だ。イデオロギーも、歴史なくして強くなることは、できない。という内容でした。
    著者の作品は、とても好きなので、小説を書く際のやり方が分かり面白かった。
    どんな時代でも人は、変わらないものがあると思って小説を書いているが、そうでなくなってきている。戦争がいつまでもある、結婚や子供をもつことを望まないという人たちが増えている。との著者のあとがき。それも大きな流れでいえば、それほどの変化じゃない気がした。面白かったです。

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    2026年02月17日
  • 歴史小説のウソ

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     最初は延々と歴史学者と歴史小説家の違い、歴史との向き合い方、事実と創造の区別など、あまり興味がないテーマだったので、とりあえず読み通すことが目的で読んできたが、『史観』の話題が出てきたところから俄然面白くなり、最後はズシリと重い言葉を投げかけられて、受け止めきれずにいる。
     司馬史観、皇国史観、唯物史観、いろいろな史観が提示されてきたが、歴史小説歴史書を好んで読むならば、自分なりの史観を持つべきであると。そして佐藤氏が30年余にわたり歴史を書き続けてきてたどり着いた真理とは「人間は戦争をしたがる、際限なく戦いたがる生き物なのだ」ということだ。力の強い者が総取りする弱肉強食の世界が人間の本質か?昨今の世界、日本のあり様をみると、否定のしようもない。

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    2026年01月28日
  • 王の綽名

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    有名な王様も、世界史では習わない王様も。王子、皇帝、女王も。一人あたりのページは短いのでさらっと読める。年代順に並んでいるので世界史(ヨーロッパ史)の流れを追いながら楽しく読めた。

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    2025年12月17日
  • 赤目のジャック

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    読んだ本 赤目のジャック 佐藤賢一 20251029

    「小説フランス革命」で読むようになった作家。小説というよりは歴史の紹介って感じだったけど、「傭兵ピエール」なんか読むとしっかりと小説なんだよな。で、歴史の紹介のはずの「ナポレオン」にもその気があるけど、小説の方はエログロ的な描写があって、その極めつけが本作って感じでした。歴史に残る記述をヒントに描いた世界観なんだろうけど、女を侮辱、凌辱することの肯定って。「傭兵ピエール」の中でもジャンヌ・ダルクを貶めてる。これが佐藤賢一の描きたい世界なのかな。マルキド・サドってことでもないんだろうけど、書くことで快楽を得てそうな気がする。
     とは言え、歴史の一幕でこれと同じことが起きてたってことが残ってるってところが恐ろしい。そもそもフランスってろくな国じゃないよな。行きたいけど。
     少し興奮してしまった。

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    2025年10月29日
  • 最終飛行

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    第二次世界大戦のフランスをよく知ることができた。主人公サン・テグジュペリはとにかく我儘で、これをそれでも憎めないキャラだと言う人もいるかもしれないが、まぁ普通にドン引きだし小説作品が優れていて売れているから箔が付いて許されていただけのように思う。最後も我儘を押し通して色んな人に迷惑をかけて散っていった?わけだし、、
    小説としては主人公の濃密な数年間をドラマのように切り取っていて、表現も豊かで面白く読めた。

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    2025年07月27日
  • 英仏百年戦争

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    英仏百年戦争の流れをざっと紹介した内容。元々はフランスとして一体だった集団が、百年の抗争を経て国民意識に目覚め、英仏の二国を成立させていくという考え方は、分かりやすいものであった。地図と系図を手元において読みたい。

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    2025年06月17日
  • よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる

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    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教を軸に世界史を俯瞰的に見ることができた。今世界で起こっていることは、突然発生したわけではなく、歴史がずっとつながって引き起こされているものだということがよく理解できた。

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    2025年04月27日
  • 王妃の離婚

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    法定スリラーの舞台を中世に設定する発想が面白い。実際にあった実在するルイ12世の離婚をベースに、教会法や聖書の詳細な知識がリアルさを高めているが、気になる史実の方はさすがに小説ほどドラマチックな事件ではなかった模様。中世の教会といえば魔女狩りや拷問などのイメージが先行しがちだが、それは稀なケースであって、民事裁判所として法も体制もうまく整備されており、現代の裁判の原型になった経緯も垣間見ることができる。ちょっとストーリーに無理が生じてるケースもあるが、前情報なしだと展開が楽しみでより読み応えが出るはず。

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    2025年02月04日
  • 英仏百年戦争

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    個人的には王様の名前が同じすぎたり、ブルゴーニュとブルターニュがごっちゃになってしまってややこしかったりするが、本書にて11世紀から15世紀の英仏関係がよく分かる。我々は国民国家の概念が当たり前に刷り込まれているため、指摘されなければ想像できないが、英仏百年戦争の結果として両国のナショナリティが確立されたと考えれば腑に落ちる。時系列で見ると百年戦争が終結した頃にはすでに大航海時代が始まりつつあり、中央集権化の流れで議会制が残った英国が海洋覇権国家として台頭していく流れになる。外様の諸侯との折り合いや英仏の抗争が複雑に絡み合ってベネルスク3国の起源になっている点も興味深い。そして英仏百年戦争といえば悲劇のヒロイン=ジャンヌ・ダルクだが、ナポレオンが広報として宣伝して知られるようになったのは有名な話。

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    2025年01月20日
  • 双頭の鷲(下)(新潮文庫)

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    歴史ものの小説を読むと、どこまで本当の出来事なのかと気になるが、意外な点まで史実に沿った内容だった。それだけゲクランが稀有な存在だったということもあるが、歴史好きでも聞いたことない人物。百年戦争の前半で活躍した人物みたいだが、一番有名なジャンヌ・ダルクはナポレオンが大衆操作で担ぎ出した悲劇のヒロインというのが経緯なのだそう。エドワード黒太子も世界史で出てきてクレシーの戦いなど有名だが、ボルドーを拠点にアキテーヌ公として君臨していたとは知らなかった。

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    2024年12月03日
  • 双頭の鷲(上)(新潮文庫)

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    本の雑誌・40年40冊から。ずっと積読状態にあったんだけど、東大弁護士新書に背中を押され、この度やっと読むことに。漫画で読んだりして、個人的に最近興味が増しているフランス革命界隈が題材。主人公のことは全く未知なんだけど、アクの強さでインパクトは強烈。好きとまでは思わんけど、目が離せない。いわゆる大器晩成型ぽいけど、後半でどこまで凄みを発揮するのか、興味津々。

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    2024年10月21日
  • 王妃の離婚

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    男性の観点から描かれる、ちょっとデフォルメされた女性像が若干引っかかるところがなくも無いけど面白かった。
    あとがき読んで佐藤賢一さん作品読破したるでえええって気持ちがわいた。笑

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    2024年10月14日
  • 王妃の離婚

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    海外の歴史小説系でしかも中世の裁判だの宗教だのって、とっつきづらく思って長年積んでいたのだけど、登場人物も話も舞台のように掴みやすくて見所が多く、あっという間に読み終えた。彼の想像もつかない長広舌の弁護と、恋人ベリンダの魅力と当時のインテリ学生の若く熱い勢いが小説全体を覆っている。基本的に痛快なやりとりが多くてイヤミスとか嫌な気分になる場面も少ない。1999年とちょっと古いからしょうがないのかな、王族の裁判の話なのに下品とまではいかないけどエロというか世俗的で官能的な表現やシーンが思ったより多い。それが痛快で魅力なわけだけど。

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    2024年10月10日
  • 英仏百年戦争

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    ヨーロッパ中世史を面白く読めるよう工夫された文章であるが、やはりこの時代のヨーロッパ史は複雑で、難解ではある。
    著者はこの時代を、英仏が国民国家として成立していく過程として重要なものであったと評価している。

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    2024年08月25日
  • 王妃の離婚

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    痛快で良質なエンタメ。
    もっと早く手に取っておけばよかった。

    舞台劇で見てみたいが、最後のところのネタバレがあると台無しなので、やっぱり難しいかな…

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    2024年07月31日