佐藤賢一のレビュー一覧

  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2

    Posted by ブクログ

    カペー朝に続くフランス王朝史。本家が神殿騎士団の呪い?で絶えてしまった為、傍流のヴァロワ家が継いだフランス王家。だかイングランドから待ったがかかる。女系ながらより嫡流に近いイングランド王が正統なフランス王を称し攻めて来たのだ。100年戦争の始まりである。賢王シャルル5世、狂王シャルル6世、勝利王シャルル7世、そして神聖ローマ帝国と張り合ったフランソワ1世のド派手な治世。アンリ2世の予言された死。泥沼の宗教戦争。その200年以上に渡る治世で、フランスは王権は他を寄せ付けない巨大な権力を持ち、また国家としての機能を備える。

    0
    2014年10月02日
  • カペー朝 フランス王朝史1

    Posted by ブクログ

    987年にユーグ・カペーが西フランク王に即位してから、1328年にヴァロワ朝にとって替わられるまでのおよそ350年間のフランス史です。フランス王と言うと、すぐに絶対王制を思い浮かべますが、この頃はまさに群雄割拠の時代。フランス王の領土はパリとオルレアン周辺のみという小屋台です。この350年間はフランス国内を統一していく過程で、そこに、フランスに広大な領土を有するイギリス王や聖界を握る教皇がからんできます。
    作者は直木賞作家の佐藤賢一ですから、人間味あふれる諸王の活躍がとても面白く読めますよ。

    フランス王とは誰か
    ユーグ・カペー(九八七年~九九六年)
    名ばかりの王たち
    肥満王ルイ六世(一

    0
    2019年12月17日
  • バスティーユの陥落 小説フランス革命 3

    Posted by ブクログ

    ミラボーという人物がよくわかる3
    革命が迷走してるので、少しだらけてしまうけど、バスティーユの場面は迫力満点

    0
    2014年04月05日
  • 革命のライオン 小説フランス革命 1

    Posted by ブクログ

    名前だけを知ってる人たちがたくさん出てくるけど、一人一人の人間性がものすごくリアル。ロベスピエールとミラボーのやりとりもとても面白い。
    本当に昔のフランスにタイムマシンで乗り込んでる感覚になる。

    0
    2014年04月01日
  • 英仏百年戦争

    Posted by ブクログ

    「王妃の離婚」や「物語フランス革命」などヨーロッパを題材とした小説で有名な佐藤賢一。エンターテイメント小説を手掛けているためか、大変読みやすく100年戦争が描かれている。
    100年戦争が終結する以前のヨーロッパは、地方領主がひしめく中、ローマ教皇や神聖ローマ皇帝が歴史を動かす軸として存在感や影響力を持ってきた。それが100年戦争の終結によりフランス・イギリスという国民国家の萌芽が生まれてくる。
    ここにおいて、それ以降の歴史がイギリスやフランスのイタリアとドイツに対する優位という構図となる。ある意味で歴史の主役が逆転してくる。戦争を継続的に行ってきたためか、それまでより強い王権のもとで現在で言う

    0
    2014年04月18日
  • 英仏百年戦争

    Posted by ブクログ

    古本で購入。
    これは久々の目からウロコ本。

    高校世界史レベルの知識だと、「百年戦争」の図式は
     イギリスVSフランス
    てなところだが、実際は
     フランス人のイングランド王VSフランス人のフランス王
    という、フランス人同士の王座を巡る闘争だった。まず、ここで「おぉ」と思わされる。

    いや、そもそも当時は「イギリス(=グレートブリテン)」も「フランス」もなかったんだよ、という時点で「確かに!」。

    そしてこの戦争を通じて今言うところのイギリスとフランスが形作られる、著者の言葉で言えば「英仏が百年の戦争をしたのではない、百年の戦争が英仏をつくったのだ」。
    事ここに及んで「なるほど!

    0
    2013年07月18日
  • 新徴組(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    波乱の“新徴組”の歩み、戊辰戦争で勇戦した庄内酒井家の闘いを描く本作…他方で一寸考えさせてくれるモノも在る…お奨めだ!!

    0
    2013年05月31日
  • カポネ 上

    Posted by ブクログ

     はいっ!ということでシブがき隊の楽曲を文字ってタイトルとしたわけですが、この『カポネ(上)』という作品、渋い表紙とは裏腹に、どこか滑稽で人情に厚い一人の若者が、禁酒法時代のアメリカはシカゴでギャングスターへの階段を駆け上っていくサクセスストーリーとして読むことができるご機嫌な作品です。

     人を押しのけて生きるより、ひっそり慎ましく生きたいとか、ナンバー1にならなくてもいい、もともと特別なオンリー1だからと、努力するまえにあきらめる癖のついちゃった人に是非読んでもらいたい、とびきりの1冊です。


     この本を読めば、人生は強引にいかないと切り開けないという教訓を得られること請け合いです。

    0
    2017年08月15日
  • かの名はポンパドール 2

    Posted by ブクログ

    読み始める前、ポンパドール侯爵夫人とデュ・バリー伯爵夫人を混同していて、「これは…やばい!」と思ってひるんでいたことをご報告いたします。

    0
    2013年04月25日
  • カポネ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻のレビューで「作者の主義主張がやかましくない」点を評価していたが、この下巻ではそれこそやかましいくらいに作者の声が聞こえてくる。

    下巻では司法省禁酒局の特別捜査官、エリオット・ネスの視点で物語が進んでいく。上巻とは対照的な視点ということになる。そしてそこで取り上げられるのは、「正義とはなにか」「悪とはなにか」「アメリカン・ドリームとはなにか」である。

    それらの問いには答えを示しているのだけど、ここでは伏せておく。

    0
    2013年02月25日
  • ジャガーになった男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    切ない!あまりにも切ない!
    戦好きな男が戦いを求め、スペインへ。
    しかし、そこでも居場所を見つけられず、親友とともに新大陸へ!
    が、やはりそこも・・・と書くとなんだか悲惨な話。

    でも読後感が案外悪くないのは、たぶん寅吉自身が結構満足してるのと、ジャガーになって案外幸せそうだからだろうな

    0
    2013年02月11日
  • 二人のガスコン (上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『世の裏と表を知り尽くした風情で宰相のスパイをしているダルタニャンと、いつまでも夢を忘れず作家を志しているシラノがマザランの陰謀を解き明かしていく』話。
    最初はいがみあってた二人が意気投合しながら謎を解き明かしていくのが面白かったです。
    反目・友情・信頼・裏切・恋物語となんでもつまったエンターテイメント。

    0
    2012年12月30日
  • カペー朝 フランス王朝史1

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カペー朝の始祖ユーグ・カペーは凡庸な男でした。周りを強力にして華麗な敵たちに囲まれながら、どのように王家はローマ教皇や神聖ローマ皇帝と並ぶ存在に成り上がっていったのか? フランス王朝の礎を築いたカペー家300年の軌跡を、当代一の西洋歴史小説家が鮮やかに描きます。

    0
    2012年10月03日
  • 傭兵ピエール 上

    Posted by ブクログ

    ジャンヌダルクと傭兵の話。
    心の強い女性が力の強い男に絶対的な信頼を寄せ、男も全力でそれに応える。こういう話に惹かれるのは、こういう人を望んでるからなんだろう。

    0
    2012年08月22日
  • 戦争の足音 小説フランス革命9

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フイヤン派への反撃もままならぬまま任期を終えた、ロベスピエールとペティオンに向けられた市民の言葉に涙が出た。パリの人々はきちんと理解していたのだ。

    しかし両者はそれぞれ別の道を歩む。かたや戦争推進派、かたや戦争反対派として。信念とは、政治とはなんなのか。

    敵と憎んだ男のまさかの戦線離脱により、第1部は終了した。文庫化まで待てるかしら…。

    0
    2012年08月11日
  • シスマの危機 小説フランス革命 6

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    聖職者民事基本法の批准~ミラボーの死まで。

    もうこれまで、というギリギリまで己の信念の為に戦い続けたミラボー。最期に際して、タレイランとロベスピエールという対極の2人にその胸のうちを洗いざらい話したのは、なんとか実現させたかったからだろう。

    彼を理解しともに歩む人がいたら、病魔に侵されなければ、革命はどんな道を辿ったのか。

    彼の言葉に、政治だけでなく人生とはまで考えさせられた6巻でした。

    0
    2012年06月11日
  • 聖者の戦い 小説フランス革命 4

    Posted by ブクログ

    もっぱら教会改革について。ここにきてタレイランが頭角をあらわす。

    自由・平等といいながら、平民の大半は政治から閉め出される仕組みが作られていたとは驚き。

    0
    2012年06月01日
  • 戦争の足音 小説フランス革命9

    Posted by ブクログ

    ついに第一部完結!
    といっても、完結した感じがしない!
    第二部に続く・・・といった感じ。

    ついに革命は国内の問題から外国への戦争へと向かっていく不穏な過程が描かれている。

    9巻はほとんどがロベスピエールの視点。
    純朴・潔癖なサン・ジュストとロベスピエールの関係が、革命当初のロベスピエールとミラボーの関係のようで興味深かった。
    まだミラボーの存在が色濃く後を引いていて、死してなお様々に影響を与えている・・・。やはり偉大なるかな、ミラボー。

    あ、そうそう、ルイ16世が、逃亡時のお間抜けキャラから少し落ち着いてきたところも見逃せない。

    文庫版第二部も毎月刊行予定になるんだろうから、楽しみだ!

    0
    2012年05月22日
  • バスティーユの陥落 小説フランス革命 3

    Posted by ブクログ

    バスティーユ襲撃~ヴェルサイユ行進まで。

    人権宣言は当時の封建社会からすれば画期的なことではあるが、だからといって実生活に直結するわけもなく、それがヴェルサイユ行進へと繋がった。

    実態を捉えることなく制度を決めたり、言葉選びに終始したり、政治というものは今も昔も変わらないのだろうか。

    0
    2012年05月17日
  • フイヤン派の野望 小説フランス革命 8

    Posted by ブクログ

    小説フランス革命も8巻。

    フランス国王ルイ16世とマリー・アントワネットのパリからの逃亡と失敗の「ヴァレンヌ事件」と、その後のジャコバンクラブの分裂が描かれていて、ルイ16世、デムーラン、ロベスピエールの視点から物語が語られている。

    フランス革命の気味悪い部分がどんどん溢れ出てきた状態となっていて、次巻が楽しみ。
    次回は第一部最終巻になるのだろうか?

    ところで、巻末の解説は文芸評論家永江朗氏によるもので、この一冊の物語と魅力がうまくまとめられていたので、頭の整理にもってこいだと感じた。

    0
    2012年04月26日