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Posted by ブクログ
太平の世が訪れようとしていた江戸を飛び出し、遣欧使節に加わった伊達藩士の寅吉。たどり着いた先イスパニアでの寅吉の冒険と恋を描いた西洋歴史ロマン小説。
久々にこんな気持ちのよくて、そしてバカな男の話を読んだなあ、という気がしました(笑)。ある意味憧れますが、でも一方で反面教師にしないといけないような、彼の生き方は何とも複雑な気持ちにさせられます。
戦国時代が終わったものの、戦いと冒険を求める根っからの武士である寅吉。だからこそ、戦国時代が終わり安定した政治が始まろうとする江戸時代の日本を捨てイスパニアに向かいます。
イスパニアに行ってすぐ冒険があるわけでもなく、寅吉はそこで恋をし、家庭に治まろうともします。しかし、戦いや冒険が忘れられず傭兵として戦いに向かい、何度も恋人を泣かせます。寅吉も反省し自分に嫌気が差しつつも、それでも冒険に向かわずにいられません。
この小説は徹底して男のロマンが詰め込まれていると思います。惚れた女を泣かせつつも、結局ロマンを求め冒険に向かってしまう男。少しレトロさすらも漂う男のロマンですが、それをこうも真正面から書くからこそ清々しい!
ストーリーが後半に向かうに従い前半に輪をかけてハチャメチャかつ、それはないだろう…、という展開になりますが、どんな展開があっても「これがロマンだから!」の一言でどうにかなってしまいそうなのが、この作品のすごいところ(笑)。ただ女性側からするとこれはあんまりだ、って気もしないでもないですが。
タイトルの『ジャガーになった男』の真の意味が分かるのは最後の独白のシーン。本当にタイトルのまんまの話にちょっと可笑しかったです。なかなか無茶苦茶なこともましてや冒険なんかもできない現代だからこそ、こんな物語はとても貴重な気がします。
第6回すばる小説新人賞
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