【感想・ネタバレ】テンプル騎士団のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

テンプル騎士団を中心に12世紀〜14世紀の欧州・オリエントの歴史を再確認できる。教皇の最盛期から、教皇のバビロン捕囚まで、これから絶対王政を迎える歴史の転換期。十字軍ぐらいのイメージしかなかったが、教皇直属で様々な特権を持ちグローバルネットワークを活かして金融や経済も刷新させた革新的な超国家集団だっ...続きを読むたとは、印象が大きくかわった。封建制度が根強い時代に組織的な軍事力も備わっており、その後の欧州の歴史に大きな影響を与えた。十字軍自体はイスラム世界から古代ギリシア由来の発達した科学を西方に伝え、中国の航海術が大航海時代のきっかけにも繋がった象徴的な出来事だった。イスラム勢力はセルジューク・トルコ、ファーティマ朝エジプト、アッバース朝シリアから始まってサラディンのアイユーブ朝、ホラズム朝、イベリアでは後ウマイヤ朝、バイバルスのマムルーク朝…世界史で習った懐かしい名前が多く出てくる。テンプル騎士団はフィリップ4世の策略で壊滅させられるが、唯一ポルトガルでキリスト騎士団として存続し、エンリケ航海王子も、ヴァスコ・ダ・ガマも輩出していたとは驚きだ、艦隊の赤十字にも由来があるという。チュートン騎士団はその後マリエンブルクに移ってプロイセンの元になり、チュートンがドイツの訛だとか。聖ヨハネ騎士団はロードス島に落ち着く。諸侯や封土などが国家へとまとまっていく時代の流れはタイミングこそ違えど各国で広まっていった。フリーメイソン云々というのは都市伝説に過ぎないか

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Posted by ブクログ 2023年08月01日

子供に、100万円クイズとしてテンプル騎士団とはなんだと、出した。外れたけど、後日しっかり覚えてた。質問するには、インパクトが大事。

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Posted by ブクログ 2018年11月23日

 長く疑問であったのが、何故テンプル騎士団はフィリップ4世に潰されたのか?わざわざフランスという大国が潰す必要があるものなのか?だった。
 その疑問もこの本で納得した。理由は、テンプル騎士団=中世の銀行という構図。中世において金貸しと言えば、シェイクスピアでお馴染みのユダヤ人。金貸し・金融業はキリス...続きを読むト教では禁じられ、キリスト教徒は大っぴらに関わっていないと思い込んでいた。まさか、騎士団が金融業もしているとは思いもよらず。しかもこの金融業は一種の常備軍・軍事力も備えていたとなれば、フィリップ4世ならずとも潰したくなるのも理解できる。

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Posted by ブクログ 2018年09月13日

今の騎士団のイメージの源流となったテンプル騎士団。封建制度における常備軍としての先駆性や、経済活動、特に銀行として資産の保管と遠隔地間の為替機能を備える一種の銀行であったことなど、大変面白く、勉強になりました。十字軍は信託の母体となったとも聞きます。金融の始まりに果たした役割は大きいですね。

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Posted by ブクログ 2018年08月02日

文句なしの☆5つ評価。
とにかく面白く・読みやすく・ためになる。
新書本の見本のような一冊かと。
この一冊でテンプル騎士団の概要が分かる。

数年前にマルタ島へ旅行した時に、「ヨハネ騎士団は
形式上残ってる。テンプル騎士団は弾圧されて壊滅現在
残っていない」的な説明があったと記憶しているが
その理由...続きを読むが本書を読んで分かった。
青池保子の”アルカサル 王城”に出てくるカラトラバ、
サンティアゴの両騎士団の存在も関連付けて
理解できた気がする。もちろん”サラディンの日”の
「テンプル騎士団はヨーロッパ王室の金庫番だからな」等の
セリフの背景なども。

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Posted by ブクログ 2021年05月28日

様々な伝説が時にオカルティックにすら語られるテンプル騎士団の実態を、細かな事実を積み重ねながら紐解いていく、まさにテンプル騎士団の総合ガイドブックのような本。澁澤龍彦の「秘密結社の手帳」でテンプル騎士団のことを知った身としては、なるほどあの事実の裏にはこういう事情があったのかと、話の辻褄が合う感覚を...続きを読む得られたのはよかった。

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Posted by ブクログ 2019年05月16日

本や映画、果てはゲームに至るまで、折にふれ登場するテンプル騎士団。名前は知れど、よく知らない。で、勉強したくなりました。
わかったのは、騎士にして修道士という二面性にとどまらず、軍隊、警察、地主、農家、商人、運送業者、旅行業者、そして金融業者と東西を股にかけ、Googleも真っ青な超国家的組織だった...続きを読むということ。
まさに空前絶後の存在が、ああもあっさり滅びてしまい、後の世では秘密結社だとか斜めに上の角度から語られるようになるのは歴史の無常を感じる。肥大しすぎて組織としての在り方に問題があったのか、本書からはそこまでは分からなかった。カタカナが多くて読みにくいのはお覚悟を。勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2019年04月07日

 名前は聞いたことがあるけど、その実態はあまりよく知らないテンプル騎士団について解説した本。決して堅苦しい解説書ではなくて、感覚的にわかりやすく解説してくれていた。その歴史もだし、その当時どんな意味を持っていて、どのあたりがすごかったのかが、わかりやすかった。

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Posted by ブクログ 2019年02月22日

東方の聖地回復を目指して作られたテンプル騎士団が領地運営や金融の力をつけ、やがて絶対王政の前に潰される過程を描いている。

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Posted by ブクログ 2019年01月25日

名前は知っていたが、実はよく知らないテンプル騎士団に詳しくなった。単なる「騎士団」ではないんだな。読むと「なるほど」と唸る。

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Posted by ブクログ 2018年12月30日

十字軍時代に誕生した多くの騎士修道会の一つ、空前絶後の影響力を持つ騎士団がありました。
それがテンプル騎士団で、国王や教皇だけでなく聖ヨハネ騎士団やチュートン騎士団をも凌駕するものでした。
修道会であり、軍隊であり、農地であり、銀行であり、世界最大の地主だったのです。
彼らは一体何なのか、歴史小説家...続きを読むの筆致によって綴られます。

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Posted by ブクログ 2018年12月06日

12世紀から14世紀のこの時代の西洋の知識は全然自信がなかったが、非常にわかりやすく読めた。
この時代はキリスト教とイスラム教の対立が世界を二分しており、国という物よりもどちらの宗教を信じているかが人々の中心だった。
テンプル騎士団が常備軍であり、領主であり、銀行であったということは驚きだった。
...続きを読む者の小説を読んだことがないけど、『王妃の離婚』とかおすすめらしいから読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2018年11月26日

テンプル騎士団が圧倒的な力を持ちながらもフランス王の前に屈したこと,街道や運輸を整備し守ったこと,銀行のような存在だったこと,常備軍だったことなどその特長が,物語を語るように語られ興味深かった.

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Posted by ブクログ 2018年09月24日

かの十字軍で有名なテンプル騎士団について書かれています。騎士の代表ともいえる彼らの実態について、またそのように見られる理由について、成立過程から解散までを読むことで知ることができるように書かれています。その圧倒的な強さと影響力について知ることができます。
彼らがいたからこそ、十字軍の最中でも聖地巡礼...続きを読むができたし、その安全も担保できたこと。それだけの強い力を持っていたこと。それゆえに邪魔に思われることもあったこと。それゆえに、最後は滅びなければならなかったこと。
領主や宗教が強さを持った時代から、国という単位がそれに代わる時代を迎え、その過渡期に勢力を持ち、消えていったテンプル騎士団は、想像通りにドラマチックな生き方だったのだろうと思いました。

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Posted by ブクログ 2018年09月21日

十字軍とテンプル騎士団。本書はテンプル騎士団が逮捕される13日の金曜日から始まる。
設立当初は困窮するばかりだったテンプル騎士団。地方の権力者の支持を得て軍事力、そして経済力を増していくことになり一国の王たちとも渡り合うことになる。常備軍としての騎士の顔と聖職者としての顔。武士が権力を握った当初の平...続きを読む家の話と似ていると感じる部分もありました。平家の基盤を弱くしたのも公家や白河上皇との対立だった訳だし。

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Posted by ブクログ 2018年09月02日

十字軍で有名なテンプル騎士団が中世において、銀行の役割も果たす超国家的な存在であったとは驚きである。また、その末裔が新大陸を発見したり、フリーメンソンを結成した可能性があるという。まさに歴史のロマンである。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月08日

神殿騎士のたぐいはファンタジーの中でも時々見かける職種(?)だが、十字軍で活躍したことをかろうじて知っているくらいでその起こりや消滅に関しては何も知らなかった。帯の「軍事、経済、政治。すべてを掌握した最強の組織。」の言葉に惹かれて購入した。
読み始める前は帯の文言は過大だろうと思っていたが、特に経済...続きを読む的な影響力に関しては目を見張る物があった。
気候すらも大きく異なる異教徒、異文明の地に拠点を維持し戦い続けるために発展した、後方(ヨーロッパの領土)での支援・輸送体制は中世の枠を超えており、近代的である。この輸送販売網の構築には、これも中世を超えた人材登用が効いているのかもしれない。封建制度とは異なる各支部間の強いつながりも面白い。
ヨーロッパの広い地域でネットワークを張り、旧来の領地とは異なる思想で運営された組織は魅力的だし、それが本当にあっけなく崩壊するところやその財産が大航海時代へと続いていくのも興味深かった。

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Posted by ブクログ 2019年11月10日

かねがねヨーロッパを旅するときに、知っていた方がより楽しめるなと思っていた「テンプル騎士団」。これまでなんとなくしか知らなかったので、その成り立ちや滅亡の経緯、手掛けていた様々な事業などについて初めてちゃんと理解ができて、たいへん面白かった。まさか中世に国をまたいで、銀行業のようなことまでしていたと...続きを読むは!何世紀を経ても名前が残っているだけの団体だったのだと納得できた。(滅亡の経緯はなんだかとても残念な感じではあるけれど…)

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

修道士であり戦士であった組織の栄枯盛衰の物語。
ヨーロッパを舞台にした歴史小説を得意とした著者だけに、分かりやすい。

ヨーロッパからエルサレムへ向かう巡礼者達の旅行ガイドから、ヨーロッパの王族と対等した組織の栄枯盛衰を描く。

軍事、金融、物流、食料面から十字軍を支える、まさに、騎士団の全盛期は、...続きを読むグローバル企業以上の存在感。
文脈の中に、崩壊したイスラム国と重なってしまう。

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Posted by ブクログ 2018年10月14日

ヨーロッパ初の常備軍であり、ヨーロッパ一の大地主であり、ヨーロッパ最大の銀行。城塞を持ち、農場を持ち、銀行窓口でもあった支部をヨーロッパ中に張り巡らせた。超国家的な組織。それでもあっけなく滅びた(13日の金曜日)。ジェダイの騎士の元とも言われる。

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