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12世紀初頭に誕生した「テンプル騎士団」は、もともとエルサレム巡礼に向かう人々の保護のために設立された。しかしその後、軍事力、政治力、経済力すべてを持ち合わせた超国家組織に変貌を遂げる。彼らは、後世に影響を与えた数々の画期的な制度(管区、支部といった巨大ネットワークを張り巡らせる組織作り、指揮命令系統の明確な自前の常備軍、銀行業の始まりともいわれる財務管理システムなど)を形成した。西洋歴史小説の第一人者が、その成立過程から悲劇的結末までの200年にわたる興亡を鮮やかに描き出す。 【目次】はじめに/第一部 テンプル騎士団事件――前編/第二部 テンプル騎士団とは何か/第三部 テンプル騎士団事件――後編/おわりに/参考文献
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Posted by ブクログ
国際金融資本がアメリカ軍を持っていたもの、という比喩表現で締めくくられた本書は、歴史を趣味として愛好する者にとってはこの上なく楽しい本だった。十字軍によりキリスト教徒が獲得したイスラエルへの巡礼者を盗賊から守るために組織されたテンプル騎士団は、やがて為替(両替)機能や(物理的な)送金機能を有するようになり、一大地主として国家へ相対する強力な存在として台頭していった。1307年10月13日にフィリップ4世が取った強行的な逮捕、処刑は、いかに彼らが国家権力から見て恐ろしく強大な力を持っていたがが伺える。異端審問への反対、宗教国家への反対、超国家的な思想という点でフリーメイソンと共通性があり、その起源として謳われているのは非常に心躍る。
Posted by ブクログ
テンプル騎士団を中心に12世紀〜14世紀の欧州・オリエントの歴史を再確認できる。教皇の最盛期から、教皇のバビロン捕囚まで、これから絶対王政を迎える歴史の転換期。十字軍ぐらいのイメージしかなかったが、教皇直属で様々な特権を持ちグローバルネットワークを活かして金融や経済も刷新させた革新的な超国家集団だったとは、印象が大きくかわった。封建制度が根強い時代に組織的な軍事力も備わっており、その後の欧州の歴史に大きな影響を与えた。十字軍自体はイスラム世界から古代ギリシア由来の発達した科学を西方に伝え、中国の航海術が大航海時代のきっかけにも繋がった象徴的な出来事だった。イスラム勢力はセルジューク・トルコ、ファーティマ朝エジプト、アッバース朝シリアから始まってサラディンのアイユーブ朝、ホラズム朝、イベリアでは後ウマイヤ朝、バイバルスのマムルーク朝…世界史で習った懐かしい名前が多く出てくる。テンプル騎士団はフィリップ4世の策略で壊滅させられるが、唯一ポルトガルでキリスト騎士団として存続し、エンリケ航海王子も、ヴァスコ・ダ・ガマも輩出していたとは驚きだ、艦隊の赤十字にも由来があるという。チュートン騎士団はその後マリエンブルクに移ってプロイセンの元になり、チュートンがドイツの訛だとか。聖ヨハネ騎士団はロードス島に落ち着く。諸侯や封土などが国家へとまとまっていく時代の流れはタイミングこそ違えど各国で広まっていった。フリーメイソン云々というのは都市伝説に過ぎないか
Posted by ブクログ
文句なしの☆5つ評価。
とにかく面白く・読みやすく・ためになる。
新書本の見本のような一冊かと。
この一冊でテンプル騎士団の概要が分かる。
数年前にマルタ島へ旅行した時に、「ヨハネ騎士団は
形式上残ってる。テンプル騎士団は弾圧されて壊滅現在
残っていない」的な説明があったと記憶しているが
その理由が本書を読んで分かった。
青池保子の”アルカサル 王城”に出てくるカラトラバ、
サンティアゴの両騎士団の存在も関連付けて
理解できた気がする。もちろん”サラディンの日”の
「テンプル騎士団はヨーロッパ王室の金庫番だからな」等の
セリフの背景なども。
Posted by ブクログ
本や映画、果てはゲームに至るまで、折にふれ登場するテンプル騎士団。名前は知れど、よく知らない。で、勉強したくなりました。
わかったのは、騎士にして修道士という二面性にとどまらず、軍隊、警察、地主、農家、商人、運送業者、旅行業者、そして金融業者と東西を股にかけ、Googleも真っ青な超国家的組織だったということ。
まさに空前絶後の存在が、ああもあっさり滅びてしまい、後の世では秘密結社だとか斜めに上の角度から語られるようになるのは歴史の無常を感じる。肥大しすぎて組織としての在り方に問題があったのか、本書からはそこまでは分からなかった。カタカナが多くて読みにくいのはお覚悟を。勉強になりました。
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