橘玲のレビュー一覧
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「性格」や「私」と言った曖昧な概念を最新の脳科学の観点から解き明かしてくれる良書。橘玲さんは、日常社会の曖昧な概念を合理的な観点から説明する本を執筆する印象があるが、今回の本もまさにその手のものであった。近年のビッグファイブの研究から導き出されることには、性格にはかなり遺伝的な要素が強く、そう簡単にパーソナリティは変わらないということである。無理して自分が自分らしさを発揮できない環境にいるよりは、スパっと適した環境に行き、自分らしくストレスを溜めずにいるのが1番なのかもしれない。現代の知識社会で成功するパーソナリティとして求められているのは、高い知能、高い現実性、低い神経症傾向であり、これにさ
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著者は冷酷なリアリスト的なイメージがあったが、本省勤務からは所々優しさを感じた。
自由な人生と幸福には社会資本、人的資本、金融資本があるというのは前にも言ってて、投入した資源に対して多くの利益を得るという合理性のために何が必要かというのが主題。
短期的な最適化は進化的合理性、長期的な最適化は論理的合理性で、幸福は進化的合理性からしか得られない。原理的に解決することができない問題を重力問題という。解決できない問題に悩むのは無駄で、現実を受け入れるしかない。選択には処理コストと機会費用が生じるので選択の必要が少ないほど人生は豊かになる。お金がないのも時間がないのも脳は食べ物が欠乏しているのと同じと -
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幸せの定義を「人的資本、社会資本、金融資本」の3要素で説明し、それらを達成するための方法を説明している。
個人的に著者は好きなものの、著者の本はエッセイのまとめ的な構成が多くて読みにくい印象なのだが。
この本は比較的読みやすく構成されていた。
著者の過去の本を読んだことがある人なら、さらに理解しやすいかもしれない。
金融資本の構築に対する考え方など、随所に過去の主張が出てくる。
読み手が3要素の何が足りないか考え、人生で補完していけるように計画・行動する参考になると思う。
私自身はfireを達成し、会社を辞めてしまったため、社会資本・金融資本はあるが、人的資本が皆無な状態。
何をやっていこ -
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ネタバレリベラルが格差を広げ、ポリコレが自由を奪う。
前半はキャンセルカルチャーの台頭(小山田圭吾)やポリコレ(会田誠)の実例。またLGBTQなどがいかに少数派の権利から多数派の多大な責務になったかが詳説されている。
インターネットの台頭により、人間は常に世界中の不特定多数との競争を強いられるようになった。その中で成功ゲーム、支配ゲームに勝てない人達が美徳ゲームで報酬を得るために不道徳を攻撃することがSNSを通じて過激化される。他方で推しとはアイデンティティ融合により集団としてゲームに参加しステイタスを上げることである。そのような過程で人々はSNS上で集団を形成し時に互いを攻撃するが、心の痛みは体の痛 -
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サラリーマンとして安定と集団帰属意識を享受する生き方を選ぶ人が、国民の大多数を占めている。しかし、日本国の制度を深く理解すれば、個人に加えて法人というもう一つの人格を設立するだけで、税制上の優遇を大量に受けることができる、年収1000万のサラリーマンでも実質的な手取りを300万円程度増やすことも可能になる。本書は、日本の税制の抜け道や、投資キャッシュフローの構築方法等の入門的説明を踏まえて、雇用に捉われないマイクロ法人としての生き方を案内している。これを受けて、日本人のファイナンシャルリテラシーが向上し、国に搾取されて来たサラリーマン達が自由に生きていく方法を模索していくことを祈っているようだ
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結構衝撃的な本です。しかし書いていることには一理あって、目からうろこが落ちました。世界は、残酷です。どうしようもなく、残酷です。でも、そこで生きるときにここに書かれていることが役に立つと思っています。
『伽藍を捨ててバザールに向かえ』
『恐竜の尻尾の中に頭を探せ』
このキーワードのもと「やればできる」から「やってもできない」という現実をうけいれて、それでも幸福を手に入れる、そのやり方がつづられています。
この本の中では勝間和代的な『努力をすれば成功する』的な生き方を香山リカさんとの対談を引き合いにして批判したり、俗に『マックジョブ』と呼ばれるような低賃金で誰がやっても同じことがで -
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ネタバレ世の中を取り巻く汚職や、いじめ、性差別やうつ病、貧困や格差等の社会問題について、科学的、論理的な視点から切り取る良書。大前提にあるのは、人間は不完全な生き物であり、原始時代に形成された思考・行動パターンを踏襲しているということ。それによると、恋人を失うよりも毎日長時間通勤をすることの方が不幸になるし、年金消滅や原発関連の権力闘争などは防ぎようがないのだ。ここで提起されるのは、すべてを市場のままに任せようとするリベラリズムでも、すべてを政府が管理するパターナリズムではなく、人間の認知的バイアスや行動パターンなどを前提とした、「おせっかいな自由主義」である。ユヌスがバングラデシュで実現しようとした
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おもしろかった~。
現代の人の生き方とかお金のサイクルの実情が知れる。
これを読んだからといって、さあ明日から私は幸せ!となれるわけではないけど、幸せになるってやっぱりそういうところよね、と再確認。
この本を称え奉り言ってることがすべて正しいとは思わないけど、今自分が向かおうとしている方向性で合ってるかもと思わせてくれた。
結構容量大きめで読むの時間かかるけど、これくらいのが読み応えあって好み。また読みたい。
特に印象に残ったテーマ
・介護業界が水商売人の受け皿になっている
・ダイエットが成功しないのは、成功してしまうと成功しなくなってしまうから
・日本人が鬱になりやすいのは遺伝子レベルの原 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・言ってはいけない残酷な真実。人種や進化論に触れ差別としてタブーとされてきた領域にたくさんの統計と根拠をもとに語られていく。
・現実を見ないようにするのではなく、現実を知ってその上で自分に何ができるかを考える方が有意義だと私は思ったので、とても勉強になった。
以下ネタバレ
・アイデンティティとして最適なのは自分は最初から持っていて、相手がそれを手に入れることが絶対に不可能なものだ。黒人は白い肌を持てないし、男であることはミソジニーを生み出した。
変更可能なアイデンティティもあるが、自分たちが本物で奴らは偽物という別の問題を引き出す。ISやキリスト教原理主義はそれの最たるもの。国籍も変えること -
購入済み
非常に興味深かった
天才の考えていることが、少しわかった気がします。そして、民主主義が危機にあることも。
その段階まで行き着いていない日本人はどうなるのだろう? -
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リベラル化の潮流 自分らしく生きられる
社会が複雑に 孤独に 自分らしさが衝突 格差拡大
リベラル化の帰結、その一部としてのポピュリズム
キャンセルカルチャー 反倫理 反道徳
小山田圭吾 東京パラリンピックテーマ曲
ロッキングオンジャパン記事 和光学園 高機能自閉症
地位についた者が攻撃の対処、キャンセルできる地位になければ無視
資格がないと辞退すべきだった・・・
ポリコレ political correctness ~グローバル空間での適切なふるまい方
身分制から生まれた日本語 相手のとの距離を調整 上下/内外
大きな差別がなくなり 小さな差別へ 言葉づかい 過剰な