橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ世の中を取り巻く汚職や、いじめ、性差別やうつ病、貧困や格差等の社会問題について、科学的、論理的な視点から切り取る良書。大前提にあるのは、人間は不完全な生き物であり、原始時代に形成された思考・行動パターンを踏襲しているということ。それによると、恋人を失うよりも毎日長時間通勤をすることの方が不幸になるし、年金消滅や原発関連の権力闘争などは防ぎようがないのだ。ここで提起されるのは、すべてを市場のままに任せようとするリベラリズムでも、すべてを政府が管理するパターナリズムではなく、人間の認知的バイアスや行動パターンなどを前提とした、「おせっかいな自由主義」である。ユヌスがバングラデシュで実現しようとした
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Posted by ブクログ
おもしろかった~。
現代の人の生き方とかお金のサイクルの実情が知れる。
これを読んだからといって、さあ明日から私は幸せ!となれるわけではないけど、幸せになるってやっぱりそういうところよね、と再確認。
この本を称え奉り言ってることがすべて正しいとは思わないけど、今自分が向かおうとしている方向性で合ってるかもと思わせてくれた。
結構容量大きめで読むの時間かかるけど、これくらいのが読み応えあって好み。また読みたい。
特に印象に残ったテーマ
・介護業界が水商売人の受け皿になっている
・ダイエットが成功しないのは、成功してしまうと成功しなくなってしまうから
・日本人が鬱になりやすいのは遺伝子レベルの原 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・言ってはいけない残酷な真実。人種や進化論に触れ差別としてタブーとされてきた領域にたくさんの統計と根拠をもとに語られていく。
・現実を見ないようにするのではなく、現実を知ってその上で自分に何ができるかを考える方が有意義だと私は思ったので、とても勉強になった。
以下ネタバレ
・アイデンティティとして最適なのは自分は最初から持っていて、相手がそれを手に入れることが絶対に不可能なものだ。黒人は白い肌を持てないし、男であることはミソジニーを生み出した。
変更可能なアイデンティティもあるが、自分たちが本物で奴らは偽物という別の問題を引き出す。ISやキリスト教原理主義はそれの最たるもの。国籍も変えること -
購入済み
非常に興味深かった
天才の考えていることが、少しわかった気がします。そして、民主主義が危機にあることも。
その段階まで行き着いていない日本人はどうなるのだろう? -
Posted by ブクログ
リベラル化の潮流 自分らしく生きられる
社会が複雑に 孤独に 自分らしさが衝突 格差拡大
リベラル化の帰結、その一部としてのポピュリズム
キャンセルカルチャー 反倫理 反道徳
小山田圭吾 東京パラリンピックテーマ曲
ロッキングオンジャパン記事 和光学園 高機能自閉症
地位についた者が攻撃の対処、キャンセルできる地位になければ無視
資格がないと辞退すべきだった・・・
ポリコレ political correctness ~グローバル空間での適切なふるまい方
身分制から生まれた日本語 相手のとの距離を調整 上下/内外
大きな差別がなくなり 小さな差別へ 言葉づかい 過剰な -
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Posted by ブクログ
久しぶりの満点レビュー。
橘さんの本は、いつもインフォーマティブで良いのだが、時に身も蓋もないことがある。この本では、もう少し常識人よりの安藤先生との対談の形をとっているので、いつもながらの的確な情報提供をしつつも、多少常識よりの結論に落ち着くことが多いのがよい。
最先端の研究者との対談でも、ぜんぜん位負けしないところは、さすが橘さんと思わせるが、それに対して実に誠実に議論を進めていく安藤先生も、尊敬に値する。
帯の煽り文句は、煽りすぎ。売れるかもしれないが、品位を落としていると思う。
タイトルの「運は遺伝する」というフレーズは、この本の中心的な話題である「知性が遺伝する」というのとはズレてい -
Posted by ブクログ
大学卒業後の1982-1995までを中心にした、橘玲の自伝。(彼が元編集者だと知らなかった)
当時の出版業界の勢いや破天荒さが面白い。
そして過ぎ去った時代に対するノスタルジーも心地良い。
今のスーパー売れっ子の彼がどうできたかが興味あったが、大学卒業までは適当であり、その後出版業界で多くの経験を積んだことで成長したようだ。
かなり仕事に打ち込んでいたようだ。
でもそれまでの仕事の経験と、彼の処女作『マネーロンダリング』やその後の著作に強い関係性があるわけではなさそうであった。つまり、その後の読書と執筆の生活によって数多くのヒット作を生み出したのである。
長い間の編集生活によるスキルはあるだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ上級国民/下級国民と言うと抵抗を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、これは2019年に池袋で発生したひき逃げ事件をめぐり、ネットに飛び交った言葉だそうです。
本書は社会学系の本で、日本やアメリカに限らず全世界的に等しく起こっている、持つ者と持たざる者の分断について解説しています。
著者曰く、その引き金となったのは「リベラル化、知識社会化、グローバル化」の3つでした。
最後まで読み進めると、なぜ(数々の問題行動や問題発言があってもなお)トランプ氏が人気なのか、反日・嫌韓・反中を謳う人はいったい誰なのか、といったことが感覚的に理解できるようになります。