橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の資本市場におけるマネーの動きと規制の関係を論じることを通じて、読者の社会倫理的スタンスおよび経済的在り方を激しく揺さぶり、再考を促す、非常に素晴らしい本。
タイトルにはマネーロンダリングとあり、これは一般に犯罪資金の洗浄を指す言葉だが、本書はこの語をもう少し広く捉え『財テク』と似たような意味合いで使い、うまく規制を迂回し収益性をあげる資金の動き全般を扱っている(もちろん違法資金の洗浄手法に関する記述も載ってはいる)。
しかし本書の本質はそうした『マネロン』手法の記述にあるのではなく、以下の3点にまとめられる:
①収益性を求め資本が自由に移動し続けるグローバル資本市場と、国家ごとに閉じ -
Posted by ブクログ
①「終身雇用制」が崩壊。
②「年功序列」の人事システム崩壊。
③「メインバンク資本主義」が崩壊。
④不景気による失業率の上昇。
⑤不動産価格の大幅下落による持ち家をもっていると安心神話の崩壊。
⑥銀行・ゼネコン・商社・流通業等の「大借金企業」救済のためのゼロ金利政策により、個人の金融資産の大半が仮死状態。
⑦一部の生命保険会社の破たんによって、保険金額が減額される。
⑧年金制度の破綻により、年金保険料の増額と給付の減額が明らかになる。
⑨健康保険制度の破綻によって、健康保険料、医療費が大幅上昇。
⑩景気対策のため、国債発行増発により国が巨額の借金を抱える状態になり、返済のため -
Posted by ブクログ
・サラリーマンの人生は定期預金に似ている
・人生にはリセットボタンはない。旅はいつかは終わり、戻るべき家はない。
・人生の選択肢を幾つ持っているか?
・未知の海への航海は、安全だけれども単調な一本道を歩むより、ずっと魅力的ではないだろうか?
・生命保険はギャンブルとしては救いがたいほど魅力がないが、抽選に外れたということは自分がまだ生きているということなので、文句を言う客はいない。
・豊かな社会では、生命保険の必要性は低下していく。
・持ち家と賃貸ではリスクの所在が異なる。不動産を所有することで、そのリスク及び成果を一身に負うこと。
・持ち家から賃貸に戻ることは困難だが、その逆はいつでもできる -
Posted by ブクログ
非合法で稼いだ金がどのように合法的な金に生まれ変わるのか、イメージではわかっているような気がしても、実際にどのような取引が繰り返されるのかを知っている人は少ないだろう。そんな、知っている人だけが知っているマネーロンダリングの実体を、さまざまな経済事件を題材にわかりやすく解説している良書。
アメリカが北朝鮮マネーを封鎖できた理由や、高度なマネーロンダリングを駆使していたと思われたライブドアが、実はただ行き当たりばったりなだけだったことがわかったりして、事例も興味深い。
驚いたのは、どんな悪党が行っているにせよ、マネーロンダリングの手段のすべてが必ずしも違法というわけではない、ということ。
むし -
Posted by ブクログ
さてさて、橘玲さんの本を読みました。
橘玲さんは本名は分からないですが
大好きな経済小説家です。
経済小説だけでなく、資産運用法などに関する本
なども書いています。
この人の意見は突拍子もないものの私は多くの
部分で共感する事ができます。
リバタリアンな方です。
印象的だったのは二つ。
・やっぱり、家を購入する事にはデメリットが多い。
日本の家を購入しようという風土にはいろいろと
問題が多そうです。家も投資といった考え方で
見られるような世の中が来ると良いなと思っています。
・税金
合法的に税金を払わない方法がかなりたくさんあるようです。
特に印象的だったのが、会社員それぞれが自分と -
Posted by ブクログ
友人に薦められて手に取った一冊。
著者・橘玲さんの文章は、学生時代にネットニュースメディアで読んだ記憶があったが、小説を読むのは本作が初めてだった。
結論から言うと、非常に満足度の高い読書体験だった。
Netflixドラマを思わせるテンポの良さと引きの強さがあり、物語を追う中で語られる実在の事件や、比較的新しいテクノロジー・社会問題に関するテクニカルな話が、自然と読者の知見も広げてくれる。エンタメとして面白いだけでなく、「読んだ感」がしっかり残る作品だと感じた。他の橘作品にも手を伸ばしてみたくなった。
直近で読んだ早瀬耕『未必のマクベス』とは、雰囲気・展開・舞台設定が驚くほど似ており、強い -
Posted by ブクログ
話題にするのを憚られるような内容を集めたような本。
キャンセルカルチャー、差別、偏見、頭の悪い人、自尊心、マウントなど、SNSで発言しようものならあちこちから叩かれそうなことについて科学的な実験をもとに見解を述べている。
ちゃんとした実験をエビデンスにしているようなので内容はある程度信頼できるが、人間相手の実験なので、時代や被験者で結果は変わるかもしれない。
ただ、色々な事柄について書かれてはいるが、本書全体を通して筆者が言いたいことはイマイチ伝わってこないかもしれない。
それで結局どうなのか?ということについてもう少し書いて欲しかった。
SNSや企業PRでキレイゴトばかり並べたててるけど