【感想・ネタバレ】無理ゲー社会(小学館新書)のレビュー

あらすじ

人生の攻略難易度はここまで上がった。

〈きらびやかな世界のなかで、「社会的・経済的に成功し、評判と性愛を獲得する」という困難なゲーム(無理ゲー)をたった一人で攻略しなければならない。これが「自分らしく生きる」リベラルな社会のルールだ〉(本書より)

才能ある者にとってはユートピア、それ以外にとってはディストピア。誰もが「知能と努力」によって成功できるメリトクラシー社会では、知能格差が経済格差に直結する。遺伝ガチャで人生は決まるのか? 絶望の先になにがあるのか? はたして「自由で公正なユートピア」は実現可能なのか──。

ベストセラー『上級国民/下級国民』で現代社会のリアルな分断を描いた著者が、知能格差のタブーに踏み込み、リベラルな社会の「残酷な構造」を解き明かす衝撃作。

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Posted by ブクログ

現代の多くの人にとっての生きづらさの理由について、今までの地球社会の流れをもとに説明している本。今後どう生きていけばいいのかという攻略方法は全く載っていない。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

行き着く先は人類補完計画あるいは『ハーモニー』か。
遺伝と友達関係で人間は出来上がっていて教育は(ほとんど)関係ない。努力できるかどうかも遺伝。
容姿の良い者がとにかく得をするようになっているし、よりなっていく。
一部の才能溢れる、頭の良い人にとってはユートピアの世界になる。

テクノロジーによって洗練されたディストピアになる世界が提示されればされるほど、今のロシアによる侵略が現代の出来事なのかと不思議に思う。

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2022年12月16日

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行動心理学、脳神経科学、経済学、経営学、会計、統計、歴史など幅広い深い知識で分析し、語られており、とても納得させられる。

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2022年10月03日

購入済み

キャッチーな表題

無理ゲーという言葉を使うしかない今の日本やアメリカの現状を観察し分析している今作

何処か漠然とした不安が揺蕩っている今の不安から叫ばれている言葉達を甘えや思い込みと断ぜず根拠があるのはないか

ほとんど顧みられない無差別殺人容疑者の発言を寄り添い推察する形は確かに危険かもしれないが貴重かもしれない

そこから導き出される現代の絶望を見つめる事で今後の対応策を模索するのは良いことだと思う

あの一律給付金の評価について全く同じことを思っていたので溜飲が下がった

完全に個人資産もデジタル化すればここら辺のばら撒きもなくなり寄りきめ細やかのニーズ別に対応出来るって提案はなるほどと思います

今後別作品も読んでいきたいそう感じた一作でした

#深い #タメになる

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2022年07月09日

Posted by ブクログ

読み進めていけばいくほど暗澹たる気持ちになる、鬱の時には読まない本が良い本。
ディープステート(闇の政府)が世の中を動かすという思想や陰謀論が出てくる理由、性愛を獲得できない男性がちゃぶ台返しをする理屈の話は興味深かったが、生身の性愛を獲得できなくても、そのうち男女共にAI搭載したアンドロイドが出てきて自己完結してしまうんじゃないか、世の中は個々に分断するようになるんではないかという気もしました。

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2025年05月19日

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個人的にはユヴァル・ノア・ハラリ著『ホモ・デウス』の副読本のような位置づけをしている。この本単体でも面白いが、『ホモ・デウス』の内容をより具体的にして、薄めて、一部発展させたような内容であるため、併せて読むことでより理解が深まると考える。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

橘玲が新自由主義のリベラル社会について書いた本。

格差が生まれ、確実に生きづらくなることを感じた。
そして、そんな生きづらい世の中でも希望を捨てずに生きていきたいと思った。

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2025年03月15日

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橘さんの本を読むと脱力感が大きい。世の中が思ったよりも汚いもののように思えてくる。おまけに救いも用意されていない。それが現実だよと。

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2025年01月14日

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現在の人類が抱えている大きな問題に切り込んでいて良い!
生きていたら誰しも一度は考えたことのあることを書いているので普遍性が有り面白いです。
中学生や高校生の授業で扱ってもいいと思う。(自分だったら扱ってほしい)

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

よく何を読まされているのか見失うことがあったが、安定的な社会が続けば続くほど、一定の指標に基づいて社会が不公平な方向に進んで固まっていくということがよく分かった。

今は、それがメリトクラシーで拡大再生産されていると。そして、平等な世界をもたらす四騎士は、戦争、革命、統治の崩壊、疫病であり、気候変動による砂漠化も第五の騎士となり得る(戦後の三丁目の夕日的な平等で明るく楽しい社会は、格差社会だった戦前社会が敗戦で崩壊したから)。他にも、色々ポイントはあるだろうが、一番刺さったのはここ。結局、マグマのように溜まった澱をどこかで発散しないとダメということのようだ。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

引用が多くて筆者が本当に伝えたいことが見えてこなかった。
が、日本の行く末や各国の政治、なぜ無理ゲーなのかをマクロ視点から解説していてなるほど?となった。

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2024年03月29日

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倫理観から離れて物事を考えてみることができた。自分らしさや、心理コストによる友だちの消滅など今を生きる人達の悩みへの手がかりとなる1冊だった。

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2024年02月24日

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ネタバレ

いやあ、強く響きました。本当にこんな未来でよいのか。

ほんの一回の通読であり十分咀嚼しきれていませんが、誤解を恐れずに要旨をまとめれば、
・自由でリベラルな社会が(多数にとって)ディストピアを生む。
という事なのだと思います。

・・・
筆者は冒頭で、1970~80年代生まれの所謂就職氷河期の方々(まさに私!)の生きづらさ等を例にあげて、彼らの苦境をどうやってもクリアできないゲーム、いわゆる「無理ゲー」にたとえます。

その「無理ゲー」に放り込まれてしまった現代(日本)人は「競争の条件が公平ではないと感じ」、そして「競争の結果は受け入れるとしても、自分がその競争をさせられているのは理不尽だと考え」(P.227)ているわけです。

・・・
私も子供たちには「自分の好きなことを見つけなさい」「やりたいことが見つかるといいね」などと始終口にしてしまいますが、その実、自分だってそんなの分からなかったし、今だって50代を前にして「自分にピッタリの他の道があるかもしれない」などと(ほんの少しだけだけど)思ったりもするわけです。

何が言いたいかというと、自分らしく生きるなんてことは、世に出ている社会人にすらできていない(ことが多い)。それを棚に上げて若者たちを追い込んでいる大人がいると。

リベラルな日本社会では、まさに「リベラルな社会で「自分らしく生きられない」ひとはいったいどうすればいいのか」(P.21)という疑問を突きつけるわけです。

・・・
まあ、やりたいことなどそのうち決まるよとか、そんなもの分からないって、ていう風に斜に構えるのもありです。

でも社会が(そして親も)「やりたいことは何ですか」とじりじりにじり寄ってくるわけです。こうやって名づける人が出るのも何だかなあと思いますが「ドリーム・ハラスメント」と呼ぶそうです。はあ、息苦しい。

社会を見れば、年功序列も崩れ、能力(やりたいこと)のある専門職(夢を叶えた人?)は高給を手にする。やりたいことがぼんやりとし、自分らしく生きていないと感じながら(自分探しのさなか)、給料も高くない人と、夢を決めて新卒から(その以前から)バリバリと夢を実現させた人の差、これを自己責任とする。そしてそんな競争から逃れる術はない。これぞ「無理ゲー」、というわけです。

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更に、リベラルな社会は性愛獲得(恋人・パートナーの獲得)にも響くとします。

男性は競争し、女性が選択するという構造は変わらないでしょう。でもこうした「需要」と「供給」のマッチングは崩れ、いびつなものになる。所謂モテる男性に人気は集中し、多くの「非モテ」が発生する。モてる男性に一極集中し多くの非モテがあぶれる状態、筆者はこれを「事実上の一夫多妻制」(P.132)とすら表現しています。

かといって女性とて楽ではなく、男性からすると生殖能力の高い若くて美しい女性に価値がおかれる。そのため、年齢とともに年齢とともに恋愛市場から脱落し、また「よい男を射止めるため」の激烈な競争に女性は放り込まれているという。

いまや、親や共同体がお見合い相手を連れてきてくれることもない。またそうしたものを自分らしい、と感じられることもない。一人でも楽しいと人生を歩むことになるかもしれないし。一人で生きることに「自分らしくない」と鬱々と暮らすことになるかもしれない。

いずれにせよ、どの状況も、リベラルな社会では「自己責任」という事になる。

・・・
因みに、「自分らしく」生きたい女性が増えると男性は一層性愛事情では困難になるという。

なぜならば女性にとって結婚はデメリット以外の何物でもなく、キャリアは分断され、子供を産んでも離婚されれば慰謝料の支払いは滞り、貧困に追い込まれる。ならば女性は「金の亡者」なのではなくロジカルにステイタスの高い男を選ぶ場ざるを得ないということになる。

自分探しを続けるなかで金銭的に恵まれない男性は、結局女性にあぶれることになる。

当然人口減少は起きるし、国としての活力は落ちてゆくと思われます。

・・・
では、こうした状況を打破することはできるのか。

自由主義、資本主義の現在の世の中。これを現体制を否定することはあまりにも享受してきたメリットを否定することになるとは思います。

ここからは制度の修正・調整の話になりますが、このあたりはちょっと良く分かりませんでした。

例えば、ベーシックインカムは取り上げられていましたが、働く意欲を削ぐかもとの話。また負の所得税は働くモチベーションをそこまで削がずに基本的な収入を保証するもの。

政府による雇用保障や職業の割り当ても検討されていますがに、個人の納得感(「自分らしさ」「誇り」)を付加することが出来るかは不透明。確かにです。

この後、議論は相当度に膨らみ、資本主義からAIを使った共産主義、みたいな話になります。ロジカルに考えるとそれがよかろう、みたいな話らしいです。このあたりはもっと勉強しないと議論についていません。

・・・
ということで橘氏による刺激的な作品でした。

なんとも暗澹たる気持ちになる作品でした。ただ、部分部分で頷くところが多く、これからの子どもたちにどういう社会を残していくべきか考えねばなあと感じました。
政治家はどう考えているんでしょうか。

今後の社会の在り方に憂いを持つ方には是非読んで欲しい作品です。

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2023年12月18日

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リベラルを追求すると金銭的、性愛的弱者が生まれ、手の施しようのない競争社会になってしまうというジレンマ。かと言ってどこまで管理するか決めるのも困難で行き着くとこまで行くしかなくて後は個人でなんとかしろという結論。

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2023年11月21日

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自分らしく生きるという異様な思想。同性愛が包摂されたマジョリティとなる世界。テストの点で序列が決まる世界か性格を否定される世界か。貨幣分配の不均衡が是正され評判社会が訪れる。オスの競走とメスの選択。全編通して面白かった。

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2023年08月10日

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現代の格差の理由とその解決が模索されているさまを様々な事実やデータとともに論じられている。

一般的に良しとされる「リベラル」の功罪とゆきつく(かもしれない)将来の姿はとても面白く読めた。

格差を解決すべく発達するテクノロジーがもたらすのはユートピアなのかディストピアなのか、そんなことを考えながら読み進めた

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2023年05月27日

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岡田斗司夫さんの動画で紹介されていた事で興味を持ち読みました。
現代社会の有りようを鋭く突いていると思います。ただ、読みながら暗澹たる気持ちにもなります。
最後の方に出てきた「マイナスの所得税」(所得税ゼロの基準所得額を決め、それより低い所得の人には、お金が支給される。生活保護やベーシックインカムに代わる社会保障の方法)の考え方は興味を惹かれます。

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2022年12月17日

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ネタバレ

少し取っつきにくさは感じましたが、読んでみて欲しい本の一冊です。
「今私たちは無理ゲー社会に生きているんですよ」が伝わってくる内容でした。

「自分らしく生きる」という呪いから始まって、
才能ある者にとってはユートピア、それ以外にとってはディストピアのあとがきで終わる内容は、
普段息苦しさを感じている人にぴったりのコトバで語ってます。

読後はややディストピアの住人感が満載でした。

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2022年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

進化心理学

●知能の遺伝率 p81
・行動遺伝学が半世紀にわたって積み上げた頑健な知見では、知能の遺伝率は年齢と共に上がり、思春期を終える頃には70%超にまで達する。
〔安藤寿康「「心は遺伝する」とどうして言えるのか ふたご研究のロジックとその先へ」創元社

●子育ての努力には意味がない p103

行動遺伝学 
2000年に行動遺伝学者エリック・タークハイマーが「3原則を発表

1 ヒト行動特性はすべて遺伝的である
2 同じ家族で育てられた影響は遺伝子の影響より小さい
3 複雑なヒトの行動特性のばらつきのかなりの部分が遺伝子や家族では説明できない

この3は、「個性(私らしさ)には遺伝と子育て以外のなにかが強く影響している」というもので、その”なにか”が「非共有環境」

● 発達心理学者ジュディス・ハリス
・子どもの人格形成に決定的なのは「友だち集団内の地位争い(キャラづくり)」

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

1960年代、平和で豊かな時代が続いた中、アメリカ西海岸で「自分らしく生きる」というリベラルな社会の新たなルールが生まれ、世界中に浸透する。そのなかで社会的・経済的に成功したものが評判と性愛を獲得するという困難なゲーム(無理ゲー)を一人で攻略しなければならない。誰もが知能と努力で成功できるという建前ではあるが、上下の格差が大きくなった社会が生まれている。

[無理ゲー社会とは超格差社会のこと]

この本で描かれている無理ゲー社会とは大きく広がった格差社会のこと。昔から格差は存在しているけれども、現在はその格差が上下で大きく開いている。ここでは格差として知能格差社会、経済格差、性愛格差としてそれぞれ取り上げられている。

まず知能格差社会では、「能力主義」と訳すメリトクラシーを中心に、その背景として「教育によって学力はいくらでも向上する」「努力すればどんな夢でも叶う」という信念がある。これらの考えは「リベラルな社会」を成り立たせる最大の神話となっているけれども、不平等の原因として是正措置が検討されている。最近話題となった遺伝ガチャという言葉だが、昔から遺伝ガチャだとは思うものの、ここでは多くの日本人は日本語読解力が低いことを指摘されている。

次に、経済格差ではアメリカの白人の大卒と非大卒とを比較して、非大卒の自殺の多さを取り上げ、特にアメリカでは学歴によっては経済的な苦境に陥ることが分かる。日本における非大卒の経済的苦境と、非大卒が教育に期待しなくなってしまったことを挙げられている。

最後に、性愛格差として、男が競争し、女が選択する、という状況の中アルファと呼ばれる社会的・経済的地位の高い男に圧倒的に優位な恋愛市場となっていること、貧乏な男はモテないという現実が描かれている。

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2024年02月23日

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ベーシックインカムでも負の所得税でもいいが、何らかの政策で経済格差の縮小に成功したとする。しかしその次に来るのは性愛のパートナーを奪い合う評判格差社会だろうと著者は言う。

エピローグの数ページは中々恐ろしい未来予測が書かれている。恐ろしい、と言うのは、グローバル資本主義の歪みにかなり敏感なアンテナを張っている著者が、AIを中心とするテクノロジーには妙に楽観的に考えているフシがあるからだ。詳しいことは本書を読んでほしいが、自分にはデジタル・ディストピアの描写のように思われた。

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2025年09月13日

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人生は配られたカードで決まる。リベラルな社会は、努力すれば報われる自由を志向してきましたが、現実はより格差が強化する世の中になってきています。生まれた家庭環境や遺伝情報といった先天的な資質を、教育投資や人間関係の後天的な獲得環境が強化していく「親ガチャ」から始まり、「学校ガチャ」「教師ガチャ」「会社ガチャ」「上司ガチャ」という流れ。持つ者は富み、持たざる者は窮するのが機会均等を目指した社会の現実です。

明確な人生プランが描きづらくなった世の中だからこそ、夢や目標を持つのが大事だと教えられて教育課程では他人よりも高い評価を得ることを是とする偏差値競争が繰り広げられます。それが生み出すのは膨大な敗者であり、親の資本力や人間関係を駆使した情報ネットワークによってその優劣が決まります。近年の研究ではIQですら遺伝によってある程度決定づけられるという不都合な真実も明らかになってきています。

この無理ゲー(攻略の難しい)社会において、ベーシックインカムや資本主義を見直すといった声も多く聞かれるようになりました。しかし、そこに呪いのように横たわるのが「自分らしく生きる」というリベラル社会が目指した理想であり、教育課程において刷り込まれてきた夢を持って努力するのが正しいという価値観です。そして、努力しても一向に幸せになれない敗者たちは病んでいきます。これでどうやって100歳まで生きろというのでしょうか。

もしかしたら、AIや遺伝情報による人生プランの設計が広まることによって、人間はより安らかに幸せに生きられるのかもしれません。自分の程度をわきまえて、ベーシックインカムをもらいながらそこそこでのんびりと暮らしていければ、余計なことに精神を苛まれることもありません。でも人間の自己責任な人生の決定権をAIに委ねることはディストピアでもあります。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

自分らしく生きながら、評判と性愛を獲得するというゲームは苦しそうに感じた。このゲームから逸脱する道はないのだろうか。ステータスゲームから逃れられないのだろうか。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

「格差社会」をさらに絶望的に(?)今どきの表現を使って表現したタイトル。個人の責任で片付けられない、「どう頑張っても上にいけない」人達が出てしまう社会の構造を分析した本。

資本主義、あるいは社会主義でも独裁体制の中で広がる格差を経済面とともに、人が持つ本能や欲求の面からも掘り下げている。時折偏った見方が見えなくもないが、本能に切り込んでいるところは興味深い。しかし、実際にあった事件や、「生きる意味がないから自死したい」人の話題など、全体的に明るい話はない。

最後は動物の繁殖方法も例に出し、人間社会での格差縮小の解決策のひとつを提示しているが、なんだか現実味はなくそれで解消できる感はない。それだけ社会に根付いてしまった格差は解消しようがないということか。それでも弱肉強食の自然界に比べれば、生存のための秩序ができている方だと思うべきか。

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

"難易度が高すぎてクリアをするのが不可能なゲーム"のことを「無理ゲー」と言うそうです。

本書では、キーワードである「自分らしさ化」のルーツと変遷から始まり、「能力主義(メリトクラシー)」がもたらす格差とその解消策について、「ベーシックインカム」などの実例を交えて論じられています

しかし、いくら有効な施策を打ち出して経済的な格差を解消しても、また次の格差にシフトするのではないか...というような展開になっていきます。

富の再分配で、誰もが「自分らしく生きる」権利を得ても、結局次から次へと格差が生まれるというのは身も蓋もない、まさに「無理ゲー」と言えますね。

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2023年12月19日

Posted by ブクログ

『残酷な世界で生き延びるたった一つの方法』をより現在の状況に即して更新したアップグレード版という形かな。この無理ゲー社会をなんとか生き抜くには、レッドオーシャンではなく、自分なりのブルーオーシャンを見つけて、そこで勝負せよ という主張と理解。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

今の若者が感じる「無理ゲー」な社会がどう成り立っているのかその構造を紐解いていくのが趣旨なので、ではどうすればいいのか?という結論や救いはなかった笑

ただ、リベラルに生きられている人は、誰かのリベラルの犠牲によって生かされているんだ、ということがとてもよくわかった。みんながみんな自分らしく生きるなんてそもそも無理やんなと...

私も人生に迷って知覧に行ったら生き方変わるかな

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

「自分らしく生きよう」「夢をもとう」といったリベラルな考えが進めば、当然、自己責任が強調される。
それはスタートは公平ではあるが、その結果には逃げ場所がない。無敵の人、絶望死へと繋がっていく。
さらには、モテ非モテが浮き彫りとなる。恋愛においては「男は競争し、女は選択する」。恋愛の難易度は上がる。フェミニズムは過激化し、ミソジニーが増す。
では、昨今のリベラルな潮流がいけないかといえば、これはこれで自然な流れのように思う。“避けられない時代の流れとして行き着いた”とすれば、そういった意味においても、無理ゲー社会を思う。

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2023年07月06日

Posted by ブクログ

キャッチーなタイトルな割に中をは本格的な社会学の論評の様子。自分には難しくてなかなか入ってこないところもあったが、

LGBTと政治の関わりの変遷
秋葉原無差別殺人事件の加藤についてのエピソード
ユニバーサルベーシックインカムの問題点

このあたりはそれなりに理解できたと思う。
ラストまで読んで、ようやく本書の概観が理解できたが、
リベラルな世の中で、リベラルを追求していけば必ず格差は広がりリベラルには解決策はない、行き着く先はメタ空間での人類補完計画・・・
今、この世の中で生まれ生きている人は特に日本人は超高齢社会の中自分らしさと夢を求めることを強いられ、生きていかなければならない「無理ゲー」と評されるのである。

本書には、無理ゲーに対する攻略法は記載されていない。だとすると座して補完の時を待つしかないのか、あるいはこんな無理ゲーな人生もがんばってクリアした、ということがあるのか。

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2023年03月12日

Posted by ブクログ

ユニバーサルベーシックインカム。個人的には反対。
財源は?労働意欲がなくなる?誰に支給?
移民にも支給?
問題はたくさんあると思う。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

GAFAMと同じように、優秀な人間、お金持ちの人間が、より優秀になり、よりお金持ちになり、ますます地位が向上していく社会に近づいている。そんな社会を目の当たりにし、個人としてどう生きていくか。

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2023年01月10日

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